異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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アンケート、ご協力ありがとうございました。
ロリスミに決定したいと思います。
えっと、それでは!これからもロリスミをよろしくお願いします。


第7話 ダンジョン行こうぜ!

 私は昨日のリュートさんの助言通り、ギルドで説明を聞きに来ていた。朝っぱらだからそんなにギルドに人はいないと思ってたのに結構人がいてびっくりだよ。

 

「えっと、ギルドで売っている結界の魔導具と同じ素材っていう事ですか?」

「はい、完全に材質が同じみたいなので効果はあると思います」

「質問に答えていただきありがとうございました。それで、ダンジョンの地図などはあったりしないですか?」

「はい、現在攻略済みの13階層分まで販売しています。全部で金貨1枚です」

「じゃあ全階層分よろしくお願いします。金貨1枚ちょうどで」

 

 後ろの冒険者の人達が騒ついてるけど、もうそんなのはいっつもの事だから慣れたかな。そして私は、まだ二人が寝てるであろう宿へと戻っていった。

 

 ◇

 

「なるほどね、それで情報を集めて地図を買ってきて戻ってきたと」

「うん! 適当な依頼も受けてきたよ! 【ダンジョン探索】ってそのままの奴」

「はぁ……まあ良いけどさ。これからは僕達にも相談してよね……」

「ご、ごめんなさい」

 

 ここしばらく一人で行動してたせいか、そこら辺の配慮が足りなかった。普通に許してくれたからよかったけど、これからはちゃんとしないとね。

 着替えた後、色々話しながらダンジョンへ向かう道の途中で、横合いから急に話しかけられた。

 

「おいお前達、ダンジョンに行くならこの紙に名前を書いてくれ」

 

 頭に角が生えた人……噂に言う鬼かな? その人からいきなり渡された紙には、名前がビッシリと書かれていた。所謂名簿ってやつだろう。それはどことなく学校の先生が持っている名簿に似ていた。

 

「人数と名前の確認をしてるんだ。帰ってこなかったら、捜索や遺留品の回収依頼を出すためにな」

 

 なるほど、そうやって遺族に渡したりするのね。死んだりするつもりは毛頭無いが、とりあえず書き込んでお…………けない、場所が高すぎる。ふぇ……

 

「おう、ごめんな。嬢ちゃんには高すぎたか」

「……ぐすん。りゅーとさんかいて……」

「了解」

 

 泣いてなんか、泣いてなんかないからね! ちょっと目にゴミが入っちゃっただけなんだからね!! 

 

「よし、もう良いぞ。嬢ちゃんのことを守ってやれよ?」

「あはは……」

 

 リュートさんとレーナさんが苦笑いをする。

 道を進んでいくと、二、三分で目的のダンジョンに着いた。

 ダンジョンの入り口は見た感じ洞窟のようだった。見た目は、大きな岩に穴が開いているようにしか見えない。ドラクエの宝の地図の入り口みたいだから、多分中に階段が続いてるのだろう。

 そしてその入り口の手前はやたら込み合っていた。

 

「ポーターは要らないか? アイテムボックスを持ってるから、かなり持てるぞ!」

「魔術師がいないの! 誰か入ってくれませんか!?」

「罠の解除なら任せてください!」

 

 と、こんな感じで様々な人が勧誘をしていた。あ、魔術師募集をしてた人達が入っていった。ダンまちのリリみたいな子が居たりしないかなぁ? 

 

「よお! あんちゃん達、見たところかなり偏ったパーティーじゃねえか? 俺と組まねえか?」

「見たところ全員が華奢だし、俺がポーターをやろうか?」

 

 そんなことを考えていたところに、そう声がかかる。そうだよなぁ、見た目はなぁ。

 

「きゃしゃ……」

 

 私は見た目そのまま小さな女の子だし、レーナさんもそんなに変わらない。リュートさんもゴツいとは言い難いしね。

 

「見た目だけだと、私達って凄くバランス悪いねリュートくん!」

「事実はアレだけどね……」

 

 私は自分で言うのもなんだけど近接戦闘もできるし魔法も普通に得意で、リュートさんはチート持ちだしどっちの距離もできる。レーナさんは、リュートさんと一緒なら相当強いってこの前言ってたし。

 

「あの、ちょっと良いですか?」

「ん? なんだ? 嬢ちゃん」

 

 これを機に、今まで気になってはいたけど聞いたことはなかったことを聞いてみる。

 

「数ヶ月前にSランク冒険者になった、《流星群》とえ〜っと……」

「《黄金》だったね、僕のは」

「そうそれ! その二人の話って聞いたことはあります? あったなら、どんな噂がありました?」

「また随分といきなりだな。《黄金》の方は、黒髪黒眼の獅子族の獣人って聞いたことがあるが……《流星群》はなぁ……」

 

 え、私の方は聞いたことがないとか? あんなに獣人界じゃ暴れてたのに? 流星群降らしたり、噴火レベルの魔法を使ってみたり色々してたのに? 

 

「聞いたことがない……とかですか?」

「いや、噂自体は聞いたことがあるんだがな……こっちはよくわかんねぇんだよ」

「そうそう。筋骨隆々の大男だとか、華奢な少女だとか、フードを目深に被った少年だとか。果てにはちっさな幼女とかな。共通してるのは銀髪ってことだけなんだよ」

「えっ」

 

 私ってそんなことになってるの!? 最後の噂しか合ってないよ!? 

 

「イオリさん……」

 

 リュートさんが頭をポフポフしてくれる。うぅ……涙腺が……

 

「……ふぇぇん、レーナさん……」

「あー……よしよし」

「おいおい、いきなり泣き出してどうしたんだ?」

 

 だって、だってさ……

 

「すみません、自己紹介がまだでしたね。僕の名前はリュート。一応Sランク冒険者です。そして、そこで泣いてるのがあなた達が話題にしていた《流星群》です。最後の幼女って噂は合ってますね」

「はぁ!? マジかよ!」

「こんなチンチクリンが!?」

「まじですよぉ……」

 

 泣き声だけど反論する。ふん、どーせ私はSランクって言っても信じてもらえませんよーだ。

 

「おう、それなら問題ねえな。それどころか戦力は過剰だな」

「そうですね。まあイオリさんが泣き止んでくれるまで、気長に待ちますよ」

 

 ちょっ、リュートさん! そんな目で見ないでよ! 他の人まで見られるじゃん! レーナさんも手でポンポンするのはやめ……いや、安心するからやっぱり続けて欲しい。

 

「おう、それなら俺たちは別の所の勧誘に行ってるな」

「元気でな!」

 

 うぅ……ふぇ……

 

「僕の時よりもこれは酷いな……ごめんねレーナ」

「ううん、別に大丈夫だよリュートくん。こうしてるイオリちゃん可愛いし」

 

 結局、私が泣き止むまで暖かい目で見られ、ダンジョンに入るのが遅れるのだった。


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