異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜 作:銀鈴
「うっ……あ……」
そんなうめき声を漏らしながら、ロイドが目を覚ました。いやぁ、膝枕ってなんかこそばゆい感じなんだね。と、まあそれはいいとして。
「おはようロイド。ってアレ? 今って朝だっけ?」
「へ?」
ダンジョンに入ったのは朝だった筈だけど、突破したり戦ったりしててどれくらい時間が経ってるのか分かんないや。なんて思って考える人みたいに下げた目線と、私の膝の上から見上げてきているロイドの目線がびったり合う。
「……」
「……」
「うわぁっ!?」
「ふぎゃっ」
見つめ合う? 事数秒、いきなり跳ね起きたロイドの額が覗き込んでいた私のでこと思いっきり衝突する。うぅ……不意打ちは痛い……っていうか、いつだったかアニメでこんなの見た気がする。しかもヒロインが私と同じ銀髪……ファンネル作らないと(使命感)
「ぐっ……」
そしてそのままの勢いで立ったロイドがバランスを崩して左側にバタンと倒れる。
おでこを押さえて涙目になっている私と、右腕を押さえて涙目になってるロイドを見て、リュートさんがはぁ……とため息を吐いた。
「なんで僕が、こんなラブコメみたいなのを見せられなきゃいけないんだろう……」
「だったらレーナさんとヌキヌキポンしてこいよぉぉっ!!」
「あべしっ」
最近は私がいるから見える所ではしてないけど、気がついたらラブコメしてるリュートさんには言われたくなかったから、足元の金属片を投げつけたけど私は間違ってない筈だ。
「はぁ……とりあえずリュートさんが来たってことはそろそろ救援の人達が来るだろうし、それまでは状況の確認って事でいい?」
立つのは諦めたのか、座っているロイドに話しかける。
「別にそれで問題ね……ないです。あん……あなたはどうしてここまで俺に優しくしてくれるんだ……ですか? 昨日会ったばっかりなのに」
「ふぇ?」
その言葉に、色々放置していた部品を仕舞っていた私の手が止まる。リュートさん? ギャグ漫画風に頭から血を流して倒れてるよ。
「もしかして、気付いてないの? 私と同じ特徴の人なんてそうそう居ない筈なんだけど……」
大鎌に銀髪にロリだよ? 嘘でしょ? と思ったけど、普通に頷かれてしまった。私って個性っていうかキャラ濃いよね!?
「初対面で
「あ、いや、まさか!?」
まだこの部屋に応援の人達が来そうにないことを確認してから、ぱっしゔ? で発動していた魔眼と変身のスキルを解除して、適当なリボンで髪をポニーテールにまとめてみる。これで多分、初めて会った時の服装になってる筈だ。
「これで思い出した? ちなみに優しくしてるのは、私が
「え、それって」
「あと言い忘れてたけど、さっきは助けてくれてありがとうね!」
なんとなく懐かくなったので、久しぶりににぱー☆って感じで笑いながら言ってみたら、やっぱり顔を赤くしていた。
そういえばいつ求援の人が来てもおかしくないというか、今14階層に入ったみたいだったから急いでスキルを全部ONに戻す。気付けるのはディメンジョン様々だね。
「あんまり時間もないみたいだけど、他に質問はある?」
「あ、あぁ。それじゃあ……俺のこの右腕はどうなるんだ?」
そう真剣な表情をして聞いてきた。あぅ、やっぱりそうだよね……私を助けてなっちゃったわけだし。あとついでに装備の破損も酷いよね……特に剣は熱で歪んじゃったし。
「別に後悔はしてないんだけど、これじゃ冒険者は続けられないだろ? だから気になってな」
「多分世界一の
「そう……か」
ロイドが、なんか凄く考え込んだ感じになる。言ってから思ったけど、良くない言い方だねこれ。
「でも」
「でも?」
「義手っていう物があるんだけど、ロイドは知ってる?」
「一応はな。失くした腕とかの代わりになるってやつだろ? 確か一番安くても白金貨1枚もするって話だったな」
あ、一応こっちの世界にも義手ってあるんだ。それにしても一番安いやつでも白金貨1枚って、やっぱりかなり高いんだね。
「知ってるなら早いや。一応鍛冶師としてSランク登録されてる私が、責任を持って全力で作ってるから。細かい調整は後々していくとして2日で義手は用意するから、使えるようにはなるかな」
私が治せる可能性を限りなく0に近い状態にしちゃったからって事もあるけど、やっぱり趣味と実益を兼ねた最高のお仕事だね! っていうことの方が大きいんだよね。
「いや、悪いって。それに、もし作って貰えたとしても俺にそんな代金は出せないんだが……」
「いいよ、私が好きでやってる事なんだから。気にしないで!」
好きにやり過ぎて、性能がとんでもない事になりそうではある事はないしょだ。全力で使うなら初期のこの大鎌の十歩手前くらいにはなりそうなんだよね……
って、うわっもう14層突破してるよ。速いなぁ。
「とりあえず、もう救援の人達が来るみたいだから質問とかの続きはここを脱出してからだね」
「なんで、そんな事が分かるんだ?」
「ん〜、エスパーだから」
そう言ったほんの少し後、感知してた通りに救援の人達がやって来て、私達は揃って地上に帰還した。因みに外はお昼だった。
あ、GWで帰省中は、電波環境が死んだ!この人でなしぃ!になるので多分投稿出来ない日が多いです。