異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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さて、まだ投稿できるけど帰省したらどうなることやら

この一人称を出すつもりは無いけど、(やつかれ)って一人称って凄くかっこいいなと思う。文豪ストレイドックスの芥川さんとかグリモワール×リバースのアスタルテとか。


第15話 懲りないイオリ

 ダンジョンから脱出した後、勿論すぐに攻略祝いって事で宴会が始まったんだけど(場所はギルドの酒場みたいな所ね)、私、ロイド、リュートさん、正気の人数名には真っ先にギルドの人と衛兵さんの偉い人かな? からの事情聴取が待っていた。優しかったけど。

 リュートさんは全部が終わってから来たせいかすぐに解放してもらえてたけど、私含む残りは夕方までずっと拘束されていた。

 

「だいたいなんで私に対しての質問があんなに多いんだよー。確かに色々言ったしやったけどさぁ……」

 

 状態異常の事やら、ヤバイ人達を連れ出す時にそこそこ説明したり回復魔法を常時使ったりやったんだけどさぁ……。そんなことを思いながら私は、バンッと目の前のテーブルを叩く。

 

「私みたいな7さいの女の子にじょーきょーせつめーのーりょくを求めるとかおかしいよ!! だってまだ年齢一桁だよロリだよよーじょだよ!? Sランクぼーけんしゃではあるけど、ぱぅわーだけの話なんだよぉ……」

「そうだよね……話はいくらでも聞いてあげるからイオリさん、まずその手に持ったワインは仕舞おうよ……絶対身体に悪いって」

「そうだよイオリちゃん。今みたいな頃から飲んじゃうと背も胸も大きくならないよ?」

「あるこーる、げどくできるもん」

 

 そういえば説明してなかったから今の状況を説明しておこうと思う。

 ようやく事情聴取が終わった私は、念のためギルドの医務室までロイドを連れていった後、普通にお腹がペコペコだったから宴会場に行ったんだけど……私が着いた時には宴会も終盤に差し掛かってて、料理なんて殆ど何も残ってなかったんだよ。一応そこでリュートさん達と合流し、近くのテーブルで私が手持ちの料理を食べながら、煮込みハンバーグとかの料理用に買っておいた赤ワインをグイッと飲んだ辺りからはもう記憶があやふやだ。

 ってあれ? 私は誰に説明してるんだろう? 

 

「そーですよー、どうせ私はつるぺたロリっ娘ですよーだ。ロリ巨ヌーってなんだよ、何あの生物? 私なんて虚ヌーだっつーの」

「ちょっ、レーナ。今のイオリさんって導火線に火のついた爆弾みたいな感じなんだから、下手に刺激するような事を言ったら……」

 

 ねえリュートさん、そんなヒソヒソ声で言ってても私にはばっちし聞こえてるんだよ? ふん、私だって立派なれでぃー兼元男なのだ、それくらいで爆発なんてしたりしないさ。ただ後で造る予定の艤装(侵食魚雷+超重力砲+ビーム砲+赤バンダナな侍フィールドっぽい物付き)の性能テストに付き合ってもらうだけだよ? 私、怒ってなんかないですよ? 

 

「そうで……で…………リちゃんの…………ことも………………と……うな」

 

 あれ? なんだか、だんだん、まぶた……が……

 

「……のが…………」

 

 とりあえず、リュートさんは実験台に……ぐぅ……

 

 ◇

 

「ふわぁ……ぇ?」

 

 小さく欠伸をした後目をこすって周りを見渡すと、私の取った宿の部屋だった。私作の武器が立てかけてあるから間違いない。けど……いつ私は帰ってきたんだろう? 昨日の事情聴取が終わった後から記憶がないや。

 

「うぅ〜……ダメだ、全然思い出せない。リュートさん達に聞きに行けばいいか」

 

 一応指輪のサンプルも出来てるし、渡しに行くついでに聞けばいいか。とりあえず着替えるとして……結構干してる最中だから、適当に着替えてパーカーでも羽織っていけばいいか。ちょっと大きなせいでダボついてるけど、この薄い緑色のパーカー気に入ってるんだよね。ちょっとしたレースと刺繍以外余計な物が無いのがポイントかな。

 

 そんなこんなで着替えた後、自分の部屋を出てすぐ近くにあるリュートさん()の部屋に立ってドアノブに手をかけたところで私は手を止める。

 

「なんでだろう、開けるのも魔法とかスキルで中の状況を確認するのもいけない気がする」

 

 うん、私の副作用(サイドエフェクト)とかロジックとかがそう言ってる気がする。今このドアを開けたら、桃色の甘い空間に巻き込まれる確率が100ぱーせんとって。

 

「やめとこ。2人が起きてくるまでに義手、完成させとこう」

 

 漆黒魔法の呪いをちょっと弄って触覚を再現して、 そのままじゃ武器が使いにくいだろうから私の大鎌と同じように機剣(コンブレイド)のシステムも組み込んで使いやすくして、動力は魔力しかないからバッテリーつけて空間も次元魔法で広げて……浪漫を詰め込もう。

 

「とりあえず部屋もーどろっと」

 

 強さのみを求めて強化して、ゴテゴテしてしまう義手など無粋の極み。だからこそのこのミリ単位魔法陣だ。なんちゃって。え、追加パーツでの強化? それは浪漫でしょ。

 素材もオリハルコン等の伝説の金属から、色々便利なミスリルとか魔力を掻き消す金属とか、地味に溜まっているA〜Sランクの魔物素材もふんだんに使っている。

 

「あれ? 切り札含めると、私の大鎌とけっこういい勝負ができそうな強さになるのかも」

 

 それなら、ずっとリュートさんに断られてた模擬戦をロイドと出来たりするかもしれない。あー……でも、そうしたいなら一緒のパーティーか一緒に旅しないとダメか……まあ来てくれるかは向こう次第だけど。

 

「その事も含めてリュートさんとは話しないとなぁ〜」

 

 そんな事を呟きながら、取り出した黒をベースに所々紫がかった赤い線の走ってたり銀色の模様の描いてある義手を抱えて、私は自分の部屋に戻っていった。

 

 あ、1人分多く私がご飯作らないとダメになるのか。香辛料は自重しないとすぐお金無くなっちゃいそうだなぁ……


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