異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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ここら辺逃すと勇者編入れられるの結構後になっちゃうからなぁ…次回入れるしか無いか。もしかしたら2日後になるかも。


第19話 カオスなパーティーの日常

 街から移動し始めて2日目の朝、私は何時ものように早起きしてフローに周りを警戒させながら鍛冶をしていた。熱した金属を叩く音、偶にやる焼き入れの音とかがかなり前からの私の朝の日常なのだが、今日はそれを聞いている人がもう1人いた。

 風の魔法で音は漏らさないようにしていたのに、いつの間にか起きていたロイドが気が付いた時には鍛冶をやってる私をじっと見てた。まあ、気が付いたのは全部が終わって片付けを始めた頃だったんだけど。

 

「よし、それじゃあやろっか」

 

 そう言って私はロイドと向かい合う。鍛冶の後片付けをしてる時にバッチリ目が合ったので、適当に木剣を作って朝の運動代わりに模擬戦やろう! って事にした。

 ロイドの方は両手に同じ長さの木剣を、私は右手に持っているのはロイドと同じ物だけど、左手には鎌剣をそのまま木製にしたやつを持っている。そういえば二刀流の人と戦うのって初めてかも。あ、お互いに防具はちゃんと付けているのは、朝っぱらから大怪我をしたくないからだよ。

 

「朝ご飯も作らなきゃだからそんなに時間はかけられないけど、結構楽しみにしてたんだよね。先手は譲るよロイド」

「それじゃあ行かせてもらうぞ、イオリ!」

 

 そう言ってロイドが一気に私の間合いまで踏み込んでくる。そして振り下ろされる剣は私の予想よりも結構速くて……それでもまだ見えるし身体も動く。

 

「はぁっ!!」

「ほっ、よっ、とっ」

 

 ガコッガコッと硬い木どうしがぶつかり合う音を響かせながら、左手の剣を中心に次々と繰り出される剣を防いでいく。えっと、義手の調子は問題なさそうだね、流石私製。二刀流自体は、誰かに習ったのか何の真似もしていない私よりよっぽど上手いし…

 

「これなら試せるかなっと!」

 

 くるっと回転しながら、振られたロイドの剣を回避してそのままの勢いで私は両手の剣を叩きつける。咄嗟に構えた剣で防御されたけれど、軽くロイドは吹き飛び私との距離が開く。魔法もスキルも魔眼と変身以外オフなのにこうなるって、レベルのシステムって色々怖いよね。

 

「私よりもロイドの方が双剣の使い方は上手いみたいだし、頑張ってね!」

「俺だってまだまだだよ。頑張ってねって、何をだ?」

「大怪我しないように!」

 

 そう言いながら思い返すのは懐かしい小説のキャラクター。ヴァンパイアマスターで銀髪ツインテ、しかも魔法もかなり得意という凄いキャラ。

 

「まだまだ練習中だけど…我が双剣の舞い、受けてみよ!」

 

 私は気持ちのいい笑顔を浮かべながら、ロイドに向かって突進していった。心なしか、持ってる剣から変なオーラが出てるように見えるけど気にしない気にしない! 

 

 

「って感じで朝はすっごく楽しかったんだー!」

 

 時は変わってお昼、空を飛んでいるヴィマーナの上でリュートさんに弾代わりの武器を渡しながら私はそう言った。空の上で食べるお昼も中々良い物だったよ。

 

「なるほど、それで朝あんなにロイド君が疲れきってたんだね。でもなんでイオリさんは大鎌を使わなかったの? そっちの方が得意でしょ?」

「木で作るのがめんどくさかったんだもん。後、よっぽどの事情が無いと対人戦じゃ大鎌は使いたくないんだよ」

 

 私が双剣で戦いたいっていうのもあるけど、大鎌なんて全力で使うと即死レベルの攻撃がバンバン飛んでいく事になる。だから大鎌を使うのは魔物と本当の極悪人程度で十分だと私は思っているんだよね。

 

「へー、そうなんだ。あぁ、それと、武器類ありがとうね。使い続けてたせいか結構ガタがきているのが多くて」

「う〜ん、やっぱりがりょーてんせーを欠いたようなやつばっかりじゃそうなっちゃうかぁ」

「まあ、それでも普通の鍛冶屋さんだと最高級品レベルなんだけどね…」

 

 リュートさんが苦笑いでそう答える。へぇ、普通の鍛冶屋さんだと+10代で最高級品レベルなんだ……もし将来私がお店とかやるとしたら、物凄いレベルを抑えないとダメなのか……って、店舗を構えるとかそういうのって年齢的にかなり先の事じゃん。

 

「んぅ〜……まあいいか、警戒ついでにまたフローと追いかけっこしてくるよ。何か有ったら呼んでね」

「はいはい。一応言っておくけど、あんまりヴィマーナから離れ過ぎないでよ?」

「りょーかい、(フライ)!」

 

 私の履いている靴の脇から銀色の翼が生えて、空に浮かぶ。空に浮かんでる最中だからいい遊びが無いと思っていたけど、エアキックターンとか色々やりながらの追いかけっこは朝の模擬戦とも負けず劣らず楽しい。良い運動にもなるし、良いことずくめだと思うんだ。

 

「おりゃー、待てフロー!!」

「きゅぅうっ!!」

「最近凄く子供っぽくなってきてるけど、その分強くなってるよなぁ…イオリさんって」

 

 リュートさんの半分以上呆れたような声を聞きながら、私は空を飛び始めるのだった。ヴィマーナの周りを飛び回ってる私、未だに疲れ切った感じで大の字で転がっているロイド、ヴィマーナを操縦しているリュートさんにその近くで微睡んでいるレーナさん。

 

 このパーティーは、今日もカオスです。




やりたい事をやっただけの繋ぎ回。課題が課題が課題がががが
……(無言の阿片スパー)

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