異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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朝やってたニュース、黒い羊…1000匹に1匹…シュブ=二グラス……うっ、頭が


第22話 あっ(察し)

「本当に変な物が見えたり聞こえたり、自分が変わったと思うところとかないんだよね?」

「さっきも大丈夫って言ったろ? 心配のし過ぎなんじゃないか?」

 

 ダンジョンから脱出した後、ちゃんと普通の格好に着替えた私達は街を宿に向かって歩いていた。多分リュートさんならクトゥルフのヤバさが分かるだろうなぁって事と、保護者同伴じゃないと駄目って言われたからだ。

 

「甘いよロイド。だってさっき攻撃してきたアレ、詳しくは覚えてないけど見ただけで発狂するっていうレベルの化け物だよ? 一応これから対策するつもりだけど、その前におかしくなってたら意味ないもん」

「は? そんなに危険なヤツだったのか? あの気持ち悪い色のスライムは」

「そうだよ、すっごい危なかったんだよ? 私もロイドも」

 

 いや、私はもしかしたらあの異常な耐性ゲットの速度を見るに耐えられたかも知れないけどね。今作ってある強化パーツじゃ渡しても意味ないだろうし進化させないと。ワイゼルガードとか言っちゃいけない。

 

「それじゃあ、あの2人も危険なんじゃないか?」

「いや、大丈夫だよ。この世界の法則っていうか、ステータスとかの範疇なら」

「世界?」

「ま、分かんなくても大丈夫だよ」

 

 なんて事を話している間に宿に着いたけど、見上げる部屋の雰囲気は……やっぱりリュートさんは勝てなかったか。

 

「あ〜…ロイド、やっぱり買い物に行ってこないと駄目みたいだから一緒に来てくれる?」

「え? まあいいけど」

 

 えっと…ご飯とお塩はあるから、黒ごまと小豆は買ってくるとして。鯛は夏頃に水龍と一緒に釣れた奴をまだ無限収納の中で保管してるからおかずはいいとして、お吸い物ってどうやって作るんだったかな?

 そんな事を考えながら、私はロイドと一緒に一旦宿から離れていくのであった。

 

 ◇

 

「たっだいまー!」

「ただいま戻りました」

「2人とも、お帰りなさい」

「あぁ…おかえり」

 

 元気よく宿の部屋に帰ると、妙に覇気のないゲッソリとしたリュートさんと、対照的にとてもツヤツヤとして元気なレーナさんが迎えてくれた。

 あ、やっぱりなのね。その割にはリュートさん以外一切痕跡が残ってないってレーナさん凄くね?

 

「ちょっと話したい事と、この宿って確か朝と夜は大丈夫だけどお昼ご飯は出ないなって思って帰ってきたんだけど…」

「リュートさん、妙に疲れてますけど何があったんですか?」

「何も、聞かないで」

 

 リュートさんがそう言って座っていたベッドに倒れこむ。とりあえずレーナさんにはサムズアップとウインクをしておく。

 

「とりあえずお昼食べよっか。イオリちゃん達も帰ってきたことだし」

 

 レーナさんがそう言いながら、サムズアップとウインクを返してくれた。よし、そうなったら私もさっき作ってきた料理を出しちゃうぞー!

 

「そうだね!えっと今日のお昼は、とりあえずお赤飯と鯛を使ったサラダと、お吸い物とヒュドラのハンバーグかな!」

 

 なんでそこにヒュドラがあるのかって? だってヒュドラって、一応蛇じゃん? つまりはリュートさん用だ。リュートさんが共犯者はキサマかっ! って感じて睨んできてるけど、覇気が微塵も感じられないから怖くない。

 ふふふ…だから部屋割りがリュートさん&レーナさん、私&ロイドなのだよ。無論私達の方は2人部屋、私に夜這いしてきた場合は感電したあと氷像になります。

 

 ・

 ・

 ・

 

「と、まあリュートさんも元気になったみたいだし、話をしてもいいかな?」

「全部知っててその言い草だとしたら怒るよ?」

「私は場を整えただけだよねーレーナさん?」

「そうだよリュートくん。イオリちゃんは私が頼んだ事をしてくれただけだよねー?」

 

 ねーとレーナさんと一緒に笑う。そうだもん、私はサポートしただけで決してレーナさんがナニをしてたなんて事知らないもーん(すっとぼけ)

 

「ロイド君知ってる? こういうのに僕みたいなタイプの人は勝てないんだよ?」

「あ、はい。うちの父さんもそうでしたから」

「あはは……」

 

 なんか勝手にリュートさんがダメージを受けていたけど、まあいいよね。うん。

 

「とりあえず本題に入るけど、ダンジョンに行ったら次から保護者と一緒に来いって言われちゃった」

「酷いですよね? 一応俺達だけでも十分に戦えるのに」

「そりゃあ二人とも、実力と見た目が全然違うしね。特にイオリさんは」

「えへへ〜」

 

 私はニヤつきながら頭をかく。そんな事言われたら照れるじゃんかよー。

 

「でも、私達の中で保護者の役割が出来る人っているかな?」

 

 そんな何気ないレーナさんの言葉に場の空気が凍る。私とロイドの保護者って言えそうなのはリュートさんとレーナさんだけど、レーナさんは身長的にそうは見えないし、一番可能性が高いリュートさんも日本人特有の童顔って言うんだったかな? それだから今まで通りに行くかは分からない。

 高校生くらいの男子がロリとショタと中学生を引き連れてるようなパーティー…事案ですね、お巡りさん(憲兵さん)こっちです。と、まあ冗談は置いておいて、もしかして詰んだ? 

 

「ま、まあ冒険者としてはSランクが2人とAとBランクになるんだし、十分納得してくれるんじゃない?」

「そ、そうだよね! うんうん」

 

 そのリュートさんと言葉で、無間大紅蓮地獄な感じが終わった。大丈夫、多分問題なく入れる筈だ。誰だよ流出したのってレーナさんか。

 

「あー、えと、うん。諸々の感謝の気持ちも込めて……はいリュートさん、注文の指輪」

「え、唐突だね。イオリさんにしては珍しく遅かったけど、何か変な機能は付けてたりしないよね?」

「うん、『変な』機能は付けてないよ」

 

 ただ裏側に彫ってある文字が顕微鏡レベルの大きさの魔法陣になってて、常時清潔さを保ったり失くしても戻ってきたり致命的な破損は完全に治ったりするくらい。あと個人的に愛の力は強いって思ってるから、お互いに付けてる限り状態異常を完全に無効化したりも出来る。対NTR用だったのにまさかSAN値チェックの成功確率を上げることになるなんて思ってなかったけどね。

 

「とりあえず次に行くのは何日か後の予定だから、ごゆっくり〜。あ、ロイドは一緒に来てね。義手関連でやっちゃいたい事があるから」

「あぁ。邪魔するのも悪いしな」

 

 そう言って私達はリュートさん達の部屋から出ていった。ケーキでも作ろっかな? 三段くらいの。

 そういえば、クトゥルフなやつと遭遇したって言い忘れたけど…まあ大丈夫だよね!




聞き耳を使いますか?
はい←
いいえ

イオリ(45→72)失敗
ロイド(30→48)失敗

残念、部屋には防音の魔法が施されており、中の音を聞く事は出来なかった。

リアルにダイスを振って失敗。

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