異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜 作:銀鈴
一個だけでもステータス入ると、無駄に文字数が増えるなぁ…
(もう1度聞く。貴女が今蒸発させたのは、幾らレプリカとは言え神格。そんな事をした貴女は、人?)
私をまっすぐに見つめながら、虹髪の幼女は私に問いかける。
えっと、一応人間だけどステータスには銀狼族って入ってるから半分くらいは獣人だろうし…
「う〜ん、半人半獣? でも私ってハーフじゃないし」
(獣人も人の範疇)
「なら人だね!」
私はポンと手を叩き言う。そうだよ、私は断じて死神とか魔王だったりはしないもん。というか、魔王なんていったら魔界の王様って事になっちゃうし。
(そう、ならいい)
「何がよかったのかは分からないけど……とりあえず、なんで念話なの?」
私は首を傾げながら言う。はたから見たら、何も喋らない子に話しかけてる可哀想な子に私がなっちゃう。なんて事を思っていると、虹髪の幼女が小さく口を開く。
「¿%**Л*Å∂¶µ。&ШФ?」
(今のは『念話って知ってるんだ。分かる?』と言った)
よく分からない言葉の後、ちゃんと念話が届いた。でも何を言ってるのか全く分からなかったし……
「うん、これからも念話でお願い」
(賢明な判断)
うんうんと虹髪の幼女が頷く。って、いい加減この呼び方めんどくさいな。そう思った瞬間、ノイズ混じりの音声が響く。
――じ◾︎ウ件を■たシテいまセn。
「ニャル子さん……だと」
どうしよう、音声さんにもう頑張らないでいいって言えばいいのか、目の前に迫る危機に早急に
(慌てないで大丈夫。帰ってもらう)
「へ?」
そんな風に私がワタワタしてると、頭にそんな声が響く。そして今まさに足の触手が見え始めた魔法陣のすぐ下に、また別の魔法陣が展開される。別に私、ダジャレなんて言ってないからね。
「アレは……門?」
(正解)
召喚されて来てる筈のニャル子さん(本来の姿)が、すぐさま送還されていくのを見てるとなんか…
「さっきまでの私の頑張り、なんだったんだろうなぁ……ザメハ使えば全部一瞬で終わったなんて……」
(本来は、すぐに私を起こすのが正解。むしろ、それ以外の方法じゃ攻略不可)
「やっぱりかぁ…」
発狂しなかったのは多分どこぞの女神様の
そんな事を考えていると、例の幼女がフローから落ちた。
「っ、大丈夫!? どこかやられたの!?」
(違う)
私が焦って近寄ると、例の幼女のお腹から可愛らしい音が鳴った。
(お腹……すいた)
「あ、うん。でもまだ何か来たら……」
――条件ヲ達sei。ぷろグらム停し――
そう考えていると、都合よくそんな声が聞こえてきた。ダンジョンの機能が死んでないからコア=サンは爆発四散してないみたいだけど、本当にご迷惑をおかけしました。
「えっと……とりあえず卵焼きとか色々あるけど……たべりゅ?」
(あざとい。でもたべりゅ)
なんか今、そう言わないといけないって電波を受信したんだ…断じて私の舌が回らなかったんじゃないからね! 違うんだからね!
そんな事を言って渡しつつ、私もお腹が空いてたので同じものを食べ始めるのだった。因みに卵は市場で売ってたドラゴンの卵だったりする。
◇
「まさか……ストックしておいた料理の半分以上が無くなるなんて……」
(ん、満足。凄く美味しかった)
いや、殆ど表情が変わらないこの子がすっごくいい笑顔になったり、美味しく食べてもらえて嬉しいんだけど、食いすぎでしょ……私も。危うくショゴスまで料理するところだったよ。
「それは嬉しいんだけど……あなたって名前なんて言うの? 名前が無いと呼び辛くて」
お皿や箸とかフォークなどを、全
(無い)
「へ、無い?」
真剣な表情でそう言ってくる。えっと、名前が無いってマジなの?封印されてたくらいなんだから、もっと何かありそうだと思ってたんだけど…
(そう、私に名前は無い。種族名じゃ呼ばれたくないから)
「あ〜……なんかごめん」
(それじゃあ、私と契約して)
「契約って何!?私、魔法少女にはならないよ!?」
目の前のこの子がきゅっぷいってやったら可愛いのは分かるけどソウルジェムになるのは嫌だ。ちょっとわけがわからないよ…
(………私としたことが、何も言ってなかった)
何かを思い出すようなポーズをした後、そんな声が頭に響いてきた。それに私はガクッとなってしまう。
(言い忘れてたけど、私は貴女の精霊)
「精霊?私の?」
(そう、だから呼んだ)
えっと、人が精霊と契約出来るのは稀っていつだったか聞いた記憶があるんだけど…それに私のって事は専用? いやいやまさか…
「えっと、色々聞きたい事は有るんだけど…まず、そもそも私って貴女と契約出来るの?」
(条件さえ整えば問題ない)
「条件?」
(長すぎて、喋るのめんどくさい)
「へ?」
そんな声が頭に響いたかと思うと、私はさして体格は変わらないはずなのに押し倒されていた。うわぁ何これ、髪の毛くすぐったいっていうか、本当に虹色に輝いて見える。何これキレイ。
「あ、あの、何を?」
(こうした方が早い)
次の瞬間には、ほんの数秒前まで話していた顔がすぐ目の前に在った。くっついてた、つまりはキスされてた。
「んん!?」
(動かないで)
そんな言葉が頭に響くと共に、舌が侵入してくる。
これってどこのカンピオーネっていうか、なんでいきなりだしこんないちぶのひとたちがよろこびそうなっていうか頭になにかあっついのが入ってきてなんかだんだんへんなきぶんに…
「どう? 分かった?」
「はぇ…ふぇ……」
そんな混乱して、顔から湯気を上げてる状態の私に話しかけてくる。って、話しかけてくる?
「しゃべってる?」
「あなたの記憶、見させてもらったから。嬉しかった? 転生者のイオリ」
「初めて、だったのに……」
今まで、
「気にするの、そこなんだ」
「だって私、一応女の子だもん……」
「大丈夫、私も初めて」
「その割には躊躇なかったよね……」
うぅ……と涙目になって睨んでみるけど、ご飯を食べてた時と違って一切表情が変わらない。ぐぬぬ……
「効率の問題。それより、契約は分かった?」
「うん、とりあえず大鎌に腕輪を食べさせれば1番早くて安全なんでしょ?契約方法は、双方合意の上で名前を付ける」
「正解。それで、契約はする?」
記憶を見られちゃったし、そういう考えになると契約した方がいいんだろうけど…
「私に普通の精霊契約以上のメリットって、何かある?」
「ある。私の力の一部を貴女が使えるようになる事と、貴女がその【七大罪・暴食】のスキルで変わることを防げる」
「え?」
何その絶対危なそうなスキル。そんなの私知らないんだけど、今日の朝にはなかったよ? ステータスを開いてみると、確かにスキルの欄に【七大罪・暴食】の文字があった。
「さっきクトゥルフを倒したのが原因。まだ影響はないけと、1日もすれば少しずつ変わっていく。あと私と契約すれば、多分地球に帰ることも出来る」
「私にメリットしかない……何か企んでたりしない?」
即座に魔法を使えるように準備しながら、そう私は聞く。正直、私にメリットがありすぎて怪しい。封印されてたくらいなんだから、私を騙して何かをするってこともあり得る。
「誰もいない、名前も呼ばれない中、1人で外を覗くだけの生活なんて、もう嫌」
顔を上げたこの子の目には、涙がたっぷりと湛えられていた。声も心なしか震えているように感じる。何これ、もう断れる雰囲気じゃないんだけど。
「契約はする、するから泣かないで!」
「うん……」
「それじゃあ、名前を付けるにしても手掛かりが無いときついし…ステータス見せてもらってもいい?」
じゃないと、どこぞの第四真祖の名前をもじった感じになっちゃいそう。挿絵が金髪…吸血鬼……
「構わない」
そう言って魔眼を使ってみたステータスは…
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未定
種族 元魔族 神族 精霊 ヨグ=ソトース
性別 幼女
年齢 ????歳
職業 ヨグ=ソトース・巫女姫・仙人・大精霊・占星術師・霧幻の魔術師
LV 126
HP 6897/6897
MP 10039/10039
STR 2687
DEF 2788
AGL 2564
DEX 2045
MIND 3895
INT 5979
LUK 70
《スキル》
職業
ヨグ=ソトース LV 189 巫女姫 LV 189
霧幻の魔術師 LV 181 大精霊 LV 179
占星術師 LV 180 仙人 LV 187
EX
全てを見通す目 無詠唱 MP消費半減
転身 精霊化 叡智
通常
超思考 LV -- 魔力精密制御 LV --
HP超速回復 LV 25 MP超速回復 LV 24
五感超化 LV 20 物理超強化 LV 15
魔法超強化 LV 17確率大補正 LV 25
龍力 LV -- 龍鱗 LV -- 身体能力超化 LV --
物理大耐性 LV 10 魔法大耐性 LV 10
状態変化無効 LV -- 飢餓大耐性 LV 17
痛覚無効 LV --
時空神
海淵魔導 LV 16 暗雲魔導 LV 15 零度魔導 LV 12
颶風魔導 LV 10 星光魔導 LV 14 龍魔法 LV 10
爆炎魔法 LV 4 迅雷魔法 LV 6 怨嗟魔法 LV 12
《称号》
彼方なる者・外なる神・案内者・最古なる者
生命長き者・門にして鍵・虚空の門・無名の霧
混沌の媒介・人族の天災・獣人の天災・魔族の天災
龍の天災・精霊の天災・統率者・国落とし・無慈悲
覇王・魔神・戦闘狂・封印されし者・旧魔王
精神崩壊・記憶喪失・幼女・大精霊・大魔王
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な、なんかとんでもないステータスだ…でも、記憶喪失って書いてあるし、大丈夫……なの、かな?
「私の名前、何?」
「ちょっとまってね」
このキラキラした眼を見ると、とてもそんな事をしたようには見えない。じゃなくて、名前名前……う〜ん。次元……霧……水滴?
「えっと、ティア! ティア・クラフトで!」
ブルーティアーズとか、どっかの水銀ニートなんて関係してない。してないったら関係してない。
私が腕輪を大鎌に喰わせそう宣言すると、頭の中にダンジョンとは別の声のアナウンスが響く。
――大精霊に ティア・クラフト と命名しました――
――ティア・クラフト との契約を開始します――
――ティア・クラフト とのパスの形成を確認――
――称号 夢幻の契約者 を入手しました――
――称号 精霊使い を入手しました――
――スキル 無限収納 が
――スキル 次元魔法 が 時空神 に成長しました――
――スキル 七大罪・暴食 を共有します――
………
私の大鎌がピカッと光り、かなりのスキルが成長した。ティアも満足気な顔をしている。
「これからよろしくね、ティア!」
「こっちこそよろしく、マスター」
私達は、お互いに小さな手を出してギュッと握り合うのであった。
ダンジョンコア「最後に良いものを…み………た」