異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜 作:銀鈴
「おいどうする?」「たかがオークだろ?」「いや、集落って話だからな……」「俺は行くぞ!」「いい金の元じゃねえか!」「本当に行くのか?」「勿論です。プロですから」「ヤロウブッコロシテヤール」
「ど、どどどうする、マジでどうする?」「ビールでも飲んでリラックスしな」「一緒に行かないか?」「ダメよ、その日は剣術の稽古があるの。付き合えないわ」「その日は休め」「今日は厄日だわ!」
「敵のせ……集落を発見!」「「「「「駄目だ!」」」」」
僕がギルドに戻ってくると、朝とは違いギルドはとても騒がしかった。元グリーンベレーとかが居そうなんだがそれは。まあいいか、と放置しラナさんの下へ向かう。
「ラナさん、クエストおわらせてきました。あと、なんでこんなに騒々しいんですか?」
僕はギルドカードを渡しながらそんなことを聞いてみる。
「はい、クエスト達成確認しました。報酬は、ギルドカードに入れておきますね。この騒ぎはね、なんかこの近くの森でオークの集落が発見されたらしいんだよ、それもかなり大規模な。だからイオリちゃんも森に行くときは気をつけてね」
「へぇ〜だから森にオークが居たんですね〜」
ラナさんは一瞬顔を驚いたようにするが、すぐに元に戻し話し始めた。はい、もう遅かったです。
「まあ、無事で何よりだよ。ちなみにその事で、こんなクエストが貼り出されてるんですけど受けますか?」
そう言ってラナさんが見せてくれたクエストはこんなものだった。
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《緊急依頼》【オーク集落の殲滅】
推奨ランク : D
概要 : 【レトナークの森】の奥に出来ていたオークの集落の殲滅。規模は不明。オークを単独で討伐できる者ならランクは問わない。
報酬 : 金貨2枚 大銀貨 5枚
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僕としては受けたいけどもこれは……
「私、まだFランクなはずなんですけど?」
「でも、イオリさんのことですからオークを討伐してきたんですよね?」
「まあ、そうですけど……」
「なら大丈夫ですよ!! それに今のギルドカード見てみてください、イオリさんはランクDです。全然大丈夫ですよ!」
まあ、それならいいか。確かに手に出したギルドカードは、ランクDを示す黄色になっていた。そういえばレベルで変わるんだっけ?
「じゃあ、受けることにします。え〜と、人を集めてるってことは今すぐ出発じゃないんですよね? あと、この街の冒険者の人達だけで殲滅なんてできるんですか?」
確か今この街にいる冒険者の最高ランクの人はBランクだったはずだ。もし大ボス的な魔物がいたりしたら、絶対に負け犬咬ませ犬になってしまうだろう。そうなったら逃げよう、すぐ逃げよう。
敵前逃亡? 見た目幼女なら、死刑とかはないでしょ。
「依頼の開始は今から3日後ですよ。それとそれなら大丈夫ですよ! 隣町から応援の冒険者も来てくれるらしいですし、なにより勇者の方々が来てくださいますから!!」
え? 勇者来るの? まじで?
「えぇ! 来るんですか!」
「そうって話ですよ、何かあるの?」
「い、いや、何でも無いです」
そういった私の頭の中では、ちょっとした計画が既に考えられ始めていた。凄く大きな森だから、まだそれくらいの猶予はあるんだろう。
「もしかして憧れてたり?」
「してませんって、絶対に無いですよ〜」
うん、元クラスメイトに憧れるとかは無いな。絶対無い。
「え〜……」
ラナさんが残念そうな顔で見てきているけど、無いったら無いですからね!
「それじゃあ私も準備があるので!」
そう言って私はギルドを出ていった。
え〜と、食べ物に水は必須でしょ? 装備を作る用の金床とか炉は魔法で作ればいいとして……炎も魔法でいいや。魔法ってほんと便利だな。あとは針と糸を買ってアレも買って……あれ? なんか迷走してる気が……
次回から2話程閑話というか、違うサイドの話になります。