異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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大まかな流れしか決まってない…頑張らねば。


最終章 幼女で鍛冶師な異世界転生
第1話 ぷろろーぐ


 落下しながら、数多の魔獣が餌を見つけたと雄叫びをあげる。私達冒険者にとってそれは見慣れたものであるけれど、街の中にいる人に限ってはそうとは言えない。普段の日常からは乖離した野生の暴力、例え片鱗であってもそんなものを突然浴びせられてしまえば勿論…

 

「そりゃあ、こうなっちゃうよね…」

 

 街中から悲鳴が上がる。 デートが終わっちゃうのは悲しいけど、落ちてきてる魔物をどうにかしないと少なくともこの街は終わっちゃうのは確実だ。

 その為にも私がしなきゃいけない事は…

 

「ティアは休んでて!私は迎撃に出るからロイドは避難誘ど…ううん、やっぱり一緒に来て?守ってくれるんでしょ?」

 

 魔物と悲鳴のおかげで、一瞬にして非日常の状態に切り替わった頭で2人にお願いする。一応これが最善の筈…そう思いながら、デート用の服装から戦闘装束にペンダントの効果で変身する。

 

「了解。避難誘導が終わり次第、私も戦う」

「あぁ!勿論だ!」

「それじゃあ行くよ!」

 

 同じく一瞬でフル装備になっていたロイドと顔を見合わせ、2人揃って一気に空へと翔け上がる。このままじゃ間に合わないから、詠唱無しの略式だけど!

 

創造(Briahーー) 幻想世界(Svartalfheimr)戦乱の剣(Dainsleif)

 

 大鎌を一閃した後広がるのは、術者以外全ての事象が強制的に鎮静化させられる空間。そんな中でもロイドは余裕で私の速度についてくる。頼もしいし安心する。

 

「総て、滞れっ!!」

 

 無理やり出力上げて範囲を広げ、落下してくる魔物全ての行動を鎮静、停滞させる。それでも、勿論重量級だったり高速移動する魔物はいるわけで…

 

「ロイド!ちょっとだけ任せた!」

「任された!」

 

 私を狙う魔物を少しの間だけロイドに任せて、私は少しだけ獣化を使った眼で視界を埋め尽くす魔物を睨みつける。

 

「マカカジャ!マカカジャ!マカカジャ!」

 

 獣の眼光を以って睨みつけながら、さらに自身に強化魔法をかけ続ける。ロイドが守ってくれてるから、幾ら私が狙われても大丈夫。安心して最大火力を撃てる。

 

「マカカジャ!マカカジャ!」

 

 マルチロック完了、後は最大まで溜めた魔法を解き放つだけ!

 

「ロイド、私の後ろに!」

 

 巻き込まれたら堪ったもんじゃないからロイドに避難を促した1秒後、既に私の背後にロイドの気配が移動してきたのを感じる。結界最大展開、対ショック体勢。

 

「メギドラオン・七重奏(セプテット)!!」

 

 魔法を解き放った瞬間、世界から音が消え視界は白に染まった。私とロイドを守るために張った結界が軋みをあげ、割れる寸前となってようやく耳と目が元に戻る。結界は割れてないし、一先ずはみんな無事と。

 

「嘘、まだ残ってるの…?」

「これは…流石にヤバイんじゃないか?」

 

 モト劇場を喰らってもなお、落下してくる魔物の群れは半分近く残っていた。正直、地対空用の魔法なんて殆どないよ…メギドラオンなんて連発できないし、銃じゃ致命傷にならないし…ああもう迷ってる暇ないじゃん!

 

「とりあえず、2人で手分けしてできる限り殲滅…かな?」

「やるしかないみたいだな」

 

 そう言ってお互い頷きあう。やる事も方針も決まったし、後は実行するだけなんだけど…

 

「あ、ちょっと待ってロイド」

 

 そういえばと思い、ロイドを呼び止める。さっきは邪魔されちゃったし、恥ずかしいけど…ね。

 

「ん?どうかしたのんむ!?」

「頑張ってね、ロイド」

 

 顔を真っ赤に染めて固まってしまったロイドから、私も恥ずかしさが限界になって逃げ出す。あぅ…初めてじゃないけど、やっぱりすっごく恥ずかしいっていうか…保険は掛けたから安心というか…

 大鎌を一旦門から手の形にしたナノゴーレムに握らせ、ほっぺをペチペチと叩いて気合を入れ直す。

 

「行くよフロー!命令はただ一つ、見敵必殺(サーチ&デストロイ)だ!」

「きゅるあぁっ!」

 

 普段と違って、紅蓮の燃え盛る炎のような形の鎧を纏ったフローが門から飛び出してくる。最近どうにも戦いたそうにしてたから軽く作った鎧だけど、性能は折り紙付きだから問題ない。

 

「さてと、私も本気出しますか」

 

 風となって敵を切り刻むロイドと、一条の火矢となって暴れるフローを見ながら、私も力を練り上げる。暴食の力を本来とは違う方向に捻じ曲げ、対魔物用に意味を無理矢理拡大させ効果を書き換える。

 

「《かつて何処かで、そしてこれほど幸福だったことがあるだろうか》」

 

 目の前に広がるは、未だ圧倒的な物量を誇る魔物の群れ。いいねぇ、中々に絶望的な状況じゃん。範囲はロイドとフローを巻き込まない程度まで広げるとして、切り札その3くらいの詠唱を終える。

 

「擬似・創造!」

 

 聖遺物解放中に広がる血の匂いが、尋常じゃないほど濃くなり、そして…

 

 

「皆さん!ギルドか教会まで避難してください!そこは安全です!」

 

 そう言いながら俺は、裏路地から飛び出してきた魔物を斬り捨てる。まだ街はそんなに壊れてないし人死にも目にしてはいないけど、何故か薄暗いし、ここまで予言どおりになるなんて…念のため、ギルド以外にも教会も避難場所にしておいてよかった…

 

「きゃぁぁぁぁっ!!」

 

 そんな事を考えてる内に、家を壊しながら金色の恐竜のような魔物が現れる。それは俺が今いる場所からは遠く、どうしても間に合いそうにない場所で…

 

「全く。勇者なら、もうちょっとしゃんとする」

 

 そんな声が聞こえたと思ったら、恐竜の首が落ちて次の瞬間には残った身体も頭もどこかに消え去った。この声って…

 

「マスターからのお願いにより、私も避難誘導と護衛に参加する」

 

 そう言いながら空から降りて来たのは、蒼矢が契約した精霊のティアさんだった。

 




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フロー
種族 炎龍
性別 雌(幼体)
年齢 124

LV 136
HP 19875/19875
MP 6741/6741

STR 5412
DEF 5134
AGL 4897
DEX 9665
MIND 5098
INT 750
LUK 59

《スキル》
EX
炎龍 龍の眼 無詠唱

通常
HP超速回復 LV 6 MP高速回復 LV 15
魔力精密制御 LV 3

身体能力超化 LV -- 五感超化 LV 13
ファイアブレス LV -- 気配完治 LV --
爪撃 LV -- 尾撃 LV -- 咬撃 LV --
咆哮 LV -- 龍鱗 LV -- 龍力 LV --

物理大耐性 LV 5 魔法大耐性 LV 5
劫火無効 LV -- 状態変化無効 LV --

劫火魔導 LV 1 龍皇魔導 LV 15 暴風魔法 LV 12
神聖魔法 LV 5 暗黒魔法 LV 2

《称号》
称号リセット・炎龍・テンプレロリ化
獣人の天災・龍王・龍皇・ドラゴン
ロリの使い魔・鍛冶手伝い・砲撃主
イオリの乗り物・鬼ごっこ大好き

《加護》
龍神の加護 魔神の加護

《装備》
武器・猛炎の刃翼 +30
猛炎の刀尾 +30

防具・猛炎の兜 +29・猛炎の鎧 +29
猛炎の脚甲《前・後脚》+29
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