異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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ドンパチ始めるまでが長い…やはり私は無能。



第6話 一先ずの収束

「さて、次の素材はどこでしょなーっと」

 

 ティアやタクと別れてから1時間程、新たに数体のSランク素材を確保した私は、ルンルン気分で探査のための魔法を発動させる。いやぁMPがあるっていいね!

 

「えっと、残りが19匹で内10匹が戦闘中。ロイドとティアが新しい目標に向かってて、私から1番近いのは…ってこっち来てるぅ!?」

 

 魔法を切って慌てて私は戦闘態勢をとる。まだ魔法で見た限り距離はあったけど、右の方からバキバキと建物を壊す音と何やら咆哮の用な音が聞こえてくる。

 反応からしてSランクだし、大鎌を大上段に構えて咆哮の主が出てくるのをじっと待つ。

 

「私を狙ったのが運の尽きだね。美味しいなら夜ご飯に、無理なら素材にしてやる」

 

 私の右前に立っていた建物を踏み壊しながら現れた魔物に、ろくにその姿を見もしないままギロチンの様に大鎌を振り下ろす。特になんの抵抗もなく大鎌を振り切り、血の雨というかなりスプラッターな光景の中私は気付く。

 

「オリハルコンティラノって、懐かしいなぁ」

 

 結界に守られた私以外が赤に染まっていく中、チョンパしたオリハルコンティラノの首を見つめる。とりあえず全身のオリハルコンはあとで回収させて貰うとして…

 

「確かかなり美味しかったし、魔眼を持った魔物って私あんまり知らないんだよね」

 

 私ってこの眼を食べたおかげで今の魔眼になったけど、ロイドもこれ食べたら何か目覚めたりするのかな?ショゴス丼~旧支配者の切り身を添えて~的な冒涜的な料理を作ろうと思ってたし、ついでに出してもバレないよね?

 み、見た目は普通の海鮮丼だし出来るだけ美味しくつくるよ!ショゴスは焼きます(重要)

 

「って、こんな事考えてる場合じゃなかった。早く血をどうにかしないと魔物が寄って……あれ?このままでよくない?」

 

 とりあえず頭は仕舞っておくけど、血抜きと敵集めが同時にできるって素晴らしくない?どうせ街はほぼ壊滅してるから、被害も土壌くらいしかないし。

 

「よしやろうそうしよう」

 

 こうは言っても、待つ事しかできないけどね!

 

 

「ふっふーん、大量たいりょー♪」

 

 魔法から反応が全部消えたのを確認した私は、鼻歌交じりにギルドへ戻っていく。さっきの触手みたいな事があっても嫌だから、ギリギリまでフル装備で移動する。

 

「これで一応ここの街は落ち着いたとして、復興なんてしててもまた襲われるだけだし…これからどうするんだろう?」

「さあ。でも私は、早急な原因の排除が最適だと思う」

「うひゃぁ!?いつからいたのティア?」

 

 突然隣から聞こえてきた声に驚きながらも、一応ティアに聞いてみる。ま、まあティアが突然隣に出てくるのはよくある事だし。

 それにしても原因の排除か…いいかもしれない。

 

「少し前から付けてた」

「アッハイ」

 

 ティアのストーカーめいた行動は一旦置いておいて、棺桶と大鎌だけは装備解除しておく。普通の人が発狂するとかシャレにならないしね。

 なんて事を思ってる間に、私達はギルドに到着する。

 

「あ、ロイドー」

「はぁ…」

 

 続々と戻ってきてる冒険者の中にロイドを見つけた私は、手を振りながらパタパタと駆け寄っていく。ティアの呆れ返った用なため息なんて知らない。

 

「お帰りー。怪我しなかったー?」

「あぁ。今更あんな奴らに負けはしないさ」

「えへへ、よかった〜」

「イチャイチャNG」

 

 そんないつも通りの、だけどこの場にはふさわしくない光景を作り出してた私たちにティアから喝が入る。うぅ…

 

「むぅ、じゃあタクかアルさんじゃない方のギルマスさん見なかった?ちょっと提案というか聞きたい事あるんだけど…」

「いや、俺も今戻ってきたばっかりだから分からないけど…今ギルドから天上院さんは出てきたな」

「ふぇ?」

 

 そう言われたから振り返ってみると、確かに今タクがギルドから出てきているところだった。何故か凄く疲れた顔をして。原因は…まあいいか。

 

「ロイド、今から私この状況をどうにかするちょっとした作戦を提案しに行くんだけどね。もしそれがOKされたら、私の作戦に乗った人はみんな下手したら死んじゃうくらいに危険な目に会うんだけど、一緒に来て……くれる?」

 

 自分の声が不安に揺れているのを感じながら、恐る恐るロイドに聞く。一応コレってロイドがいるのを前提にした作戦だから、もし嫌って言われたら一から練り直しだけど…

 なんて事を思ってる私の頭にポンとロイドが左手を置き、優しく撫でてくれる。あぅあぅ…

 

「今更行かないなんて言うと思ってたのか?それに恋人だけ戦いに行かせて、自分は何もしないなんて男じゃないだろ?」

「えぅ…あ、ありがと」

「だから、イチャイチャNG」

 

 私とロイドの間にティアが割って入って、その両の手でズイと私達を引き離す。た、確かに沢山人がいるしこっちの方が良かったよね!

 

「野生のナデポとか初めてみた…で、ラブコメしてるところ悪いけど作戦ってなんだったの?蒼矢」

「な、なななナデポちゃうわ!」

 

 とりあえずジタバタして否定してみるけど、傍目から見たらのれただの照れ隠しだよね…うん、事実そうだから何も言えないけど。

 

「ふぅ…うん。作戦、作戦ね。まあ多分、タクとかティアならすぐ分かるだろうけど」

 

 私の考えた作戦はティアが言ってたのを基にしてる。つまり、私が知ってる限りの、確実に《色欲》っぽいスキルの効果を受けない人全員での相手の本拠地への強襲。

 

「作戦名はズバリ『鋼鉄の七人』だね!」

 

 ズビシッとタクに指を指して言う。ん?でも確か原作だと…

 

「あ、やっぱり死亡フラグがすごい事になっちゃうから作戦名はなしで」

 

 なんだかんだでいっつも、良い所では決まらない私なのだった。

 




好きなガンダムシリーズの機体は、ヅダとブレイブとヘイズルな作者。

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