異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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偶に日刊ランキングにいて首を傾げる作者。
12位て…なぜそんな高いのさ。
フリーザーなんていません。


第8話 ねえどんな気持ち

「ねえどんな気持ち?マスター、今NDK?」

「恥ずかしくて死にそう」

 

 さっき目が覚めたら布団にいたのはいいんだけど、ロイドの手を抱っこしてたせいですごく顔が近かったし、寝てたし、同じ布団だったし!

 

「「「恥ずかしさの余り、起きたロイドをまた気絶させてNDK?」」」

「分身作って回りながら、3人で言うのとかやめてよぉ…」

 

 気絶させたロイドを布団の上にそのままにして、武器庫のあたりで体育座りして顔を埋めてる私の周りで、3人のティアがぐるぐる回りながらNDKしてくる。あくまで幻影だからいいんだけど、声とかは三重に聞こえてくるからたまったもんじゃない。

 

「それに、ロイドを離さなかったのは、他ならぬマスター。私が怒られる筋合いはない」

「うぅ、それは多分そうだけどさぁ…」

「大丈夫、寝顔は幸せそうだった」

 

 そう言って顔を上げた私の目の前に、幸せそうな寝顔を晒してる私の写真が差し出される。明らかに空中からの撮影だし現像が早すぎるけど、そんなのはいつもの事だから気にしない。けど、

 

「ファイアー!」

「残念、それは幻影。燃やしても無意味」

 

 今までのならいいけど今回のは流石に許しちゃおけない。こんな写真、残しといてたまるか!

 

「サンダー!」

「それも偽物。当たらないってNDK?」

「う、うぅ!フリーズドライッ!」

「ふっ、データは別の場所にある」

 

 とりあえず適当な魔法を乱打して写真をどうにかしようとするけど、やっぱり意味がなかった。本物は撃破したけど、ふぇ…

 

「ぐすっ、うぅ、ひっく」

「ちょ、マスター、何で泣く。謝るから泣くのはやめて。ついでに私への魔力カットしないで、死ぬ、死んじゃう。ギブ」

 

 そうだよね、ティアって忘れそうになるけど邪神だもんね!!人の心に土足で踏み込んで遊ぶの大好きだもんね!!どっかの覇道神'sとか廃神よりはマシだけどね!!

 そう心の中で毒突きながら、私はキリキリとティアに供給する魔力を絞っていくのだった。泣きながら。

 

 ◇

 

 あのまま泣き疲れて武器の山で眠った翌朝、私は揺すられる感覚で目を覚ました。

 

「起きてマスター、魔力のない私じゃ、どうやってもここから出られない」

「流石にここを壊す訳には行かないからな」

「そだね、ここ壊したら中身が溢れ出て確実に圧死するからね」

 

 多分私が死んじゃったりしてもそうなるんだろうけど、ここにある武器防具素材食材その他諸々が溢れ出て、大災害が起こること間違いなしだと思う。自主規制して封印中の諸々とか、解放されたら実際危険。

 

「マスター、ロイドいるのに落ち着てられるんだ。あと魔力plz」

「うん、一周回って落ち着いたから」

 

 ティアに魔力を送りながら頷く。だってティアが見てたから変な事にはなってないだろうけど、その、い、一緒の布団で寝てたわけだし。開きなおんなきゃ落ち着くわけあるか!(マジギレ)

 

「それに、とりあえずまあ多分そろそろおそらくきっとタクが、作戦関連の話をつけ終わってるだろうから外に出ないとねメイビー」

「深呼吸でもして一旦落ち着いた方がいいと思うぞ?イオリ」

「うん、そうする」

 

 ちょっと思い出しただけで言ってることが支離滅裂になってる辺り、本当にどうにかしないといけないかもしれない。という事で、一旦大きく深呼吸する。五感超化なんて切ってる、当たり前。

 

「ふぅ……よし!それじゃあ行きますか!」

 

 ほっぺをペチペチと叩いてから、召喚した門をバーンと開け放つ。うん!まだ恥ずかしさは抜けないけど、普通に話せるくらいにはなった!

 

「で、ようやく出てきたけど、こっちが幾ら呼びかけても反応しなかった理由はちゃんとあるんだよね?蒼矢」

 

 そう思って門を開いた場所に待っていたのは、額に青筋を浮かべて仁王立ちしたタクだった。ちょ、ちょっと怖いから隣に立ってるロイドと手を繋ぐ。

 

「勿論!何てったって、寝てたから!」

 

 背後にドンと効果音が出そうな感じて私は言う。だってしょうがないじゃん、幾ら私だって疲れるんだもん!

 

「俺が他の街に連絡をとって、アルさんとかに作戦の説明をしてOK貰って、そのための準備に駆けずり回ってた間寝てた理由は?」

「理由なんて決まってるじゃん、ただひたすら疲れたからだよ。ロイドはまあ…うん、私が巻き込んだみたいなものかな」

「まあ、あれはそうとしか言えないよな」

 

 うんうんと2人で納得する。タクは何というか、諦めたような顔をしている。この私の言い分だと、ティアは何も理由がない事になるけど…

 

「私はマスター達の護衛。不埒な輩が出ないとも限らない」

「あーうん、まあいいや。とりあえずさっきも言ったけど、作戦はOKを貰ってきたよ。次こんな事されたら、多分耐えきれずに街は全滅しちゃうだろうからね」

「よかった、そこの意見は一致してて」

 

 そう呟いて私は廃墟というか、ほぼ全てが瓦礫の山になってしまってる街を見渡す。最善…だったかはわからないけど、あの時の全力を尽くしてこれなんだから、絶対に次は保たないと思う。

 

「それで決行日なんだけど、」

「その前に少し聞いていいか?」

 

 タクが決行日の事に話を移そうとした時、隣のロイドが話に割り込んだ。聞きたいことってなんだろう?

 

「他の街の被害ってどうなってるんだ?リフンは全員が即座に反応出来たから、死んだ人も洗脳だったか?それにかかった人もいないが」

「アルディートさんが担当していた街はここと殆ど同じ状況だったけど、他の街は死者・重傷者多数。それ以外の人達も軽傷者とかトラウマになった人が多いし、寝る場所と食料が不足してて不満の声が聞こえてきてるそうだよ。魔物の殲滅はどこも辛うじて終わってるらしいけどね」

 

 うわぁ何その状況。予想通りだって言えばそうだけど、流石の私もそこまで配れる程の食料は無いからなぁ…竪穴式住居みたいなのでいいなら幾らでも作れるけど。

 

「あと、各街の防衛の中核を担っていたSランクの人達は、大なり小なり怪我はしてるみたいだけど全員生きてるらしいね。だから、ロイド君の両親は元気だと思うよ」

「それなら安心しました」

「よかったね、マスター」

「なんで私に振るの!?」

 

 ニヤニヤとしたティアに、即座に取り出したハリセンを振り下ろす。そんな私達を見てタクが丁度胃がある辺りを手で押さえる。

 

「はい、胃薬」

「ありがとう蒼矢、なんだか受付嬢の人達の気持ちが分かった気がするよ。で、決行日とか参加者とかの話に移っていい?」

「もちろんいいよ!」

 

 サムズアップする私を見て、タクの手に込める力が強くなる。いまふと思ったんだけど、ショゴスってお薬飲め○ねみたいに使えないかな?

 

「で、決行日だけど明日だね。まあ、これは蒼矢達が寝てたのが悪い」

「私はいつでも戦えるよ?」

「マスターに同じく」

「俺も特に問題は無いな」

「みんな戦闘狂かよ…」

 

 寝たから疲労も回復したし、私製の武器防具はかなりの割合で自動整備の機能が付いてるし。まあ、本人の手で手入れするのが1番なんだけどね!あと、私は断じて戦闘狂なんかじゃないよ。

 

「それで参加者は探してみたけど合計7人になったよ。元ネタと同じ人数だから正直不安だから、1人残って貰うけど」

「それで、メンバーは?」

「俺、鈴華さん、アルディートさんの元々の人間界組。蒼矢、ティアさん、ロイド君の転移組の6人だね。先生には念のため街に残ってもらう」

 

 ・・・ん?今何か聞き捨てならない事が聞こえたような気が。

 

「質問。あの先生は戦えるの?」

「持ってる七元徳のスキルが防衛向きだから、防衛戦なら凄く強いよ」

「そう、ならいい」

 

 先生って強かったんだ…かなり前から無闇矢鱈に解析は使わないようにしてたから分からなかった。

 

「他に質問はある?」

「作戦始まる前の、集合場所と時間は?」

「元転移門前に、夜明け頃に」

「ん、了解っ!」

 

 なんとなく敬礼をしてみる。なんだろう、ごっこ感がしてワクワクする。

 さてと、他の街のそんな状況を聞いちゃったからご飯食べるのは門の中として…そしたらやる事は隠し玉の調整くらいかな?

 




ティア様の持ってるカメラやビデオカメラは、義姉ちゃんからの贈り物です。
覇道神's→ \(≖‿ゝ○)/ (∴)
廃神→ (†Д†)

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