異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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ブックマーク、評価感謝です!
ストック時では、2話分だったものを合体させたので長くなって……あれ?ない……だと。
それではどうぞ…


第14話 お祭りと新たな武器と-2

 

 ちわっす。イオリです。今僕は、時々見かける職業が二つある人の謎を聞くために、鍛冶師? のあの人のアドバイス通りギルドに来ています。

 そして、この街に来てから随分とお世話になっているラナさんを見つけ、丁度誰も並んでいなかったので話しかける。

 

「ラナさんラナさん。そういえば、職業が二つある人がチラホラ見えるんですけど、あれってなんなんですか?」

「あれは二次職ですね。レベル25刻みで新しい職業を取れるんですよ。イオリさんも超えてますよね? 取っていきます?」

 

 お、おう。中々に急な展開だが、どうにかついていけている。まだテンプレテンプレ。僕としては、殆ど間もなく答えてくれたラナさんにビックリだよ。

 

「それは、どこで出来るんですか?」

「奥に転職部屋って所があるので、そこでですね。今から行きます?」

「はい、ぜひ」

 

 場所は変わり転職部屋。ソコソコの広さの場所の中央に、台座と水晶が置いてある。

 

「では、この水晶に手を触れてください。そうすれば、なれるものが浮かび上がってきますので」

 

 言われた通りに手を置くと、様々な職業名が浮かび上がってきた。どうやらこれは自分にしか見えてはいないようだ。

 

『槌術師』『剣士』『レンジャー』『魔法使い』『暗殺者』etc……

 

(それにしても多いな……うわ、そのまんま野生児なんてのもある)

 

 そう思っていると、気になる職業を一つだけあった。それは、職業名が書いてあった画面の1番下にあった。

 

『ドヴェルグ』

 

(これってたしか、北欧神話辺りに出てきてた神様の武器とかを作ってたりするやつだよね?)

 

 とりあえずこれを第一候補として他のものを見ていくが、これよりも興味を惹かれるものはなかったので、とりあえずドヴェルグを取得してみる。

 

「どんな職業にしたんですか? イオリさん」

「とりあえず鍛冶系のやつですね。私はあくまで鍛冶師なので」

 

 胡散臭い目をレナさんが向けてくるが、気にせずにステータスを確認すると、HPとSTR,DEXが上がっていた。どんだけDEXあげれば気がすむんだろう? 

 

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《ドヴェルグ》

 神話の職人達の名を冠する鍛冶系スキルの最高峰。鍛冶系スキルの多数が解放され、製作する武器の完成度に超大幅補正。炎と土の魔法適性が上昇する。

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 うん、満足満足。でも、出来ればさっきの装備を作る前にほしかったなぁ……

 そんな後悔の念を、首をブンブンと振って振り払う。とりあえず無事に二次職にも就けたので、僕は宿屋に帰っていった。

 今日は疲れたよ……森から帰ってきて、武器を作って、最後に心理的ダメージ……寝よう。

 

 翌日の朝

 

 ……木目の天井だ。

 そのことで森から戻ってきたことを思い出した。久々にベッドで寝たよ……

 

「ふわぁ……よく寝た。今日もお祭りは……やってるみたいだね」

 

 さて、今日は祭りを楽しむぞ〜! 

 

「まさか異世界で、こんな風景を見られるなんてね!」

 

 大通りからほんの少しずれた道の出店、そこは日本食の出店がズラリと並んでいた。たこ焼き焼きそばカキ氷etc……まるで縁日のようだった。

 さて、お金もたっぷりあるし、買い食いと行きますか!! 

 

 ◇

 

 10分後、僕はベンチに座り、一心不乱にたこ焼きなどを食べていた。飲み込みきれず、リスのようになってしまっているのはご愛嬌ということで。久しぶりの日本食でまともに調理された食べ物なんだ! 仕方がないじゃないか! 

 そして、気がつくと周りに人が集まっていた。所々から会話が聞こえてくる。

 

「おい、あんな量どこにはいっていってんだ?」「たしかに。凄く大食いだな」「さしずめ大食い幼女ってところか?」「そうだな、大食い幼女だな」

 

 おい、どんな会話してんだよ。そうツッコミを入れたかったが、あいにく口は食べ物で満タンだった。

 まあこれ以上ここでは食べていられないようなので移動をする事にする。はぁ……なんでこんなことになってるんだか……

 食べ物をしまいしばらく歩いていると、なんとなく目にとまるお店があった。そこに僕は吸い寄せられるように入っていく。

 

「いらっしゃい嬢ちゃん」

「え!? シイラさん?」

 

 入った店の中にはシイラさんが居た。それも、カウンターに座る形で。

 

「全然来てくれねぇから忘れてたのかと思ってたぞ」

「あはは……」

 

 言えない、今まで完全に忘れていたなんて言えない。

 

 店内を見渡すと、そこは雑貨屋のようだった。武器や防具、生活雑貨に魔法薬(ポーションとかをそう言うらしい)などがいろいろな場所に並べられていた。

 その中で、ふと気になるものがあった。見た目は白色の腕輪なのだが、他の物とはなにか違うような気がする。解析をかけてみると、驚きの結果が出た。

 

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 変装道具・銀狼族タイプ

 

 属性 無

 

 耐久 自動修復

 

《スキル》

 変装・銀狼族 LV── 五感強化 LV1

 霊体化 LV──

 

《備考》

 ユニーク装備。装備すると、銀狼族に変装することができる。

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 獣人界には行ってみたいと思っていたので丁度いいと思い、腕輪に手に取りシイラさんに話しかける。

 

「これって何ゴールドしますか?」

「あ〜……それか。売れ残りだから安くはしてやるが……嬢ちゃんは獣人界に行く気なのか?」

「はい、なんかおもしろそうなので!」

 

 シイラさんだし、深くは詮索してこないだろうと、本心そのままで話す。

 

「はは、初めて会った時からおかしいとは思ってたが、そんな歳して獣人界に行こうとはな……大銀貨3枚だか払えるか?」

「勿論です!」

 

 おかしいとは不本意だが、私はお金を丁度で払い、早速その腕輪を装備して効果を発動させてみる。すると、銀色の狼耳と尻尾がどこからともなく現れた。

 

「おぉ──!!」

 

 ケモミミを触ったり尻尾を見ようと自分の尻尾を追いかけて、クルクルその場で回っているあたり子供化が進んでるのかもしれない。うん! フワフワのモフモフだ! 

 充分満足したので、装備を外して獣人化を解こうとすると、見慣れない画面が目の前に現れた。

 

《この装備は呪われています! 外すことはできません!》

 

「あ、言い忘れてたがその装備は……って遅かったか」

 

 そういうことは本当に早く言って欲しかったです。もしかしてずっとこのままだったり? 

 

「まあ付けちまったんなら仕方がない。スキルに霊体化ってのがあったろ? それを使えば消えるから安心しな」

 

 そう言われたので《霊体化》! と念じてみると見事に耳と尻尾は消え、普通の状態に戻った。

 

「うぅ、何から何まですみません……」

「こっちにも不手際があったから気にすんな。あんな売れ残り買ってくれたからそれくらいはなんでもないさ」

 

 シイラさんと手を握り合う。そのついでに僕はあればいいなと思っていた物があるか聞いてみる。

 

「あ、そうだシイラさん。固形のMP回復薬ってここで売ってますか?」

「おう、売ってるぞ。だが、液体の回復薬よりは効果は低い。それでもいいか?」

「もちろんです! ちょっと考えている戦法には、液状の奴じゃ合わなくて……」

「全く、どんな戦い方をするんだか……」

 

 その後、他愛のない会話をして僕は、お店に有った固形MP回復薬【蜂蜜飴】を大量に買い占め、お店を後にした。

 

 そして、買った肩当×4やら帽子やらを適当に改造しつつ僕は、決戦当日を迎えた。

 この白い腕輪……名前が銀狼の腕輪になっていた……は予定外だけど、なんのキャラを真似しようとしてるかは……分かるよね? 

 

 デース! 

 


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