異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜 作:銀鈴
ネタです。ええ、性懲りも無くネタです。
【フィールド魔法 同人誌的空間】を発動!
すぅ…すぅ…という、小さい寝息が聞こえる。
視界一杯に映るのは、安心している寝顔と時折動く狼の耳。
腕から感じる感触は柔らかくて温かい。
銀糸のようなサラサラの髪からは、何か甘くいい匂いがして…
「どうして、こうなった…」
目が覚めたら婚約者とベッドで添い寝していた事実に、ロイドこと俺はそのまま固まる事しかできなかった。
贔屓目を抜きにしても、こんな可愛らしいイオリの寝顔を崩すのは余りにも悪いから起こすのは却下である。
「いやでも、本当どうしてこうなった…」
「んぅ…ろいどぉ…えへへ…」
寝てるイオリが寝言で、なんだかとても気持ち良さそうにそう言った。その顔は、やっぱり凄く幸せそうで…
「………」
拝啓、隣の人間界にいるお父さんお母さん。もしかしたら、そういう事をしちゃったのかもしれません。
いや違うちょっと待て俺。どれだけ掘り返してもそういう事をした記憶が一切ない。もし本当にそういう事があったんなら、覚えてない俺は余りにも失礼過ぎるゴミ屑だ。よし、思い出せ、思い出すんだ俺…
そうだ、確か俺は夜の分の鍛錬を終えて、部屋に戻って来たんだった。そしたら珍しくイオリの部屋の光が消えてたから、軽くお湯とタオルで身体を拭いて寝ようとして…
◆
借りて来た桶などを返し、俺は自分の部屋に戻って来ていた。そして眠気が来ないのをいい事に、寝転がりながら魔法の練習をしてる時だった。
コンッコンッ
と部屋の扉がノックされた。こんな時間に訪ねてくるなんて誰だろうか? 今は平和だし、まあ別に悪い輩じゃないだろう。
「いいぞー」
キィ…と扉の軋む音を響かせ、返事も無くその人物は部屋に侵入して来た。怪しさを感じそちらに目を向けると、果たしてそこにいたのは…
「ん、どうかしたのか? イオリ」
髪を下ろして目をこすり、着崩れたパジャマという目に毒な格好をしたイオリだった。いつもは可愛らしくも頼もしい婚約者の目が、珍しく恐怖に彩られているのを見て、俺はそう問いかけずにはいられなかった。
「…すっごくこわいゆめ、みた」
「どんなだ?」
「わたしもろいどもしんじゃうゆめ」
目に涙を一杯に湛えて、夢の内容を言ってくる。あり得ないとは思ったけど、確かに怖い夢のようだった。人間である以上、ちょっとしたミスでそれが現実になる可能性も0じゃないだろう。
「…いっしょに、ねよ?」
抱きつかれて、涙目で、上目遣いでそう言われて拒否なんて出来るはずもなかった。
そうだ、確か俺はそうやって了承して…
◆
「よし、思い出した。俺は何もしてない。セーフセーフ」
イオリを起こさないように小さな声で、けれど身の潔白を確信した俺は内心ガッツポーズをする。
記憶を思い出して見てみると、俺の腕を枕に寝ているイオリの顔には確かに涙の跡があるし、よっぽど怖い夢だったんだろう。
「んっ、ふぅ……」
思わずイオリの頭を撫でていた手を、そんな声が聞こえた瞬間引き戻す。ふわふわでサラサラで、こう、なんていうか止まらない感じだった。それはこう、このままいっそ……いや静まれ煩悩。
「よし、寝よう」
このままイオリが起きるまで煩悩と戦うよりは、鍛錬をサボってでも寝た方が精神衛生上いいだろう。そう自分に言い訳し、俺はイオリを抱き寄せて目を閉じた。
◇
!?
あ…ありのまま、今起こった事を話すぜ!
私は自分の部屋で寝ていた筈が、起きたら婚約者と抱き合って寝ていた…な、何を言ってるか分からねーと思うが、私も何があったのか分からない。頭がフットーしそうだよぉ!
「あぅぅ…」
ごめんなさい嘘だけどホントです。ちゃんと寝惚けた自分が何したのかくらいは覚えているでありんす。で、でででもこんな超至近距離で抱きしめられて、一緒に寝てるとかそんなの予想外というかなんというかわー!わー!わー!
ベットの外に出していた尻尾が、私の意思に反してバタバタと狂ったように暴れまわっている。船のスクリューみたいにブンブン振り回されている。
「えと…えと…」
ちょっとゴツゴツした手とか、男の子っぽいがっしりした腕とか、私のじゃないのに凄く安心する匂いとか、温もりとか、すっごい違い顔とかもうやばい。何がかは知らないけどやばい。この状況にどこがとは言わないけどキュンキュンする。瞬間湯沸かし器並みに顔が赤くなっていくのを感じる。そろそろ湯気も出てくるかもしれない。うなーっ!!
「ひゃうっ」
心の中の大暴走が終わらない私を、寝ているロイドがグイッと抱き寄せた。うぁ、これマズイ。顔更に近いしあわわわわ!!
でも、凄く落ち着く。昨日見た幸せが壊れる夢を思い出すと、もっとロイドとこうしていたいって気持ちが膨れ上がってくる。別にえちぃ事に繋がらなくても、暫くはロイドをこうして感じていたい。
「少しは、いい…かな」
そう、今日はホワイトデーなのだ。こっちの世界には浸透してなかったけど、ホワイトデーなのだ(重要)!! 色んな意味でお返しを貰おうとは思ってなかったけど、私もロイドも役得なこれはお返しとしてカウントしていいだろう。そうに決まっている。
そう自分を納得させ、私はロイドにぎゅーっと抱きつく。誰になんと言われようとも、今の私は幸せだ。でもここまできたら、後一歩踏み出してイタズラがしたくなる。そうだよ吹っ切れちゃえ私。
「んっ…」
魔神と戦ってから、素面では恥ずかしくて出来なかった口と口でのキス。それを思い切ってしてみた。すっごくすっごく幸せが一杯になって、なんだろうか…獣人に変身してるせいかそういう気持ちも比例して湧き上がってくる。このまま押し倒して、こう、ヤッちゃいたくなる。
「うぅ…うぅ〜」
いやいやそうじゃないだろう。私達はまだそんな爛れた関係になる訳には…そうブンブンと頭を振っていると、ロイドと目があった。
「お、おはよう。イオリ」
お互い真っ赤な顔で、至近距離で見つめ合う。多分ロイドの声がぎこちないのは、起きてたからだろう。
「おはよう、ロイド……どこから起きてた?」
「その、キスされる少し前から…」
ダメですわコレ。恥ずかしくて死にそう。というか今すぐメガンテ案件。日本兵的に叫んで爆発したい。バクハツスルゾ-! でも実際には出来ないから逃げようそうしよう。
「あ、あわわわ…きゃっ!」
今すぐ逃げたくて起き上がり布団から逃げようとした所で、またもロイドにグイッと引き寄せられた。結果、ロイドの胸板にダイブする事になって…あぅあぅ…
「その、なんだ。どうしてもって言うなら、責任は取るぞ?」
「ち、違っ、私はそんなにえちぃ娘じゃ…というかなんで分かって?!」
「顔に書いてあるし、尻尾とかが分かりやすいからな」
自分には本来ないケモミミ付近を撫でられて、ピリピリムズムズとした感覚が伝わってくる。これは誘われて…いや、私が誘ってる…? いやでも、こんな事して嫌われたら…私は…
「大丈夫、嫌いになったりしないよ。
それに俺だって、誘惑に堪えるのって辛いんだぞ…?」
…今までの私の頑張りは、どうやら無駄ではなかったらしい。
それに、言ってしまえばさっきからずっと当たっている。ナニとは言わないけど。それのせいで全身に走る甘い疼きが、私の頭から正常な思考を奪っていく。
「う、うぅ…」
幾多もの選択肢が頭に浮かんでは消えていく。あーでもないこーでもないと無駄に高速回転する頭で考えて……結局、私は全身に込めていた力を抜いた。
「いいよ、ロイド。私がロイドのものだって事、刻み込んであげる! フフ、怖いか?」
そうして、意を決して私は言うのだった。力を込め直しグルリと体勢を変え、ロイドを押し倒した格好へと移行する。
「いいや、可愛いよ」
「ッ〜〜〜!!」
ほっぺたを触られて、凄く嬉しくて恥ずかしくて顔が熱くなる。いつから私は、こんなにもチョロい女の子になってしまったんだろうか? でも、ロイドにだけはこうでいいし、狼さんをなめたロイドが悪いのだ。
「責任、とってもらうんだから!」
私の大切な人と初めて過ごしたホワイトデーは、ホワイトデー(意味深)になったのだった。
この後メチャクチャセッk
#大量の血痕で何が書いてあるのか読めない#