異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜 作:銀鈴
「米だ! 屋台だ! お祭りだぁぁぁ!」
イオリはその屋台を見た瞬間、屋台に突撃していった。
「おじさん! そのお米、これでも買えるだけ頂戴!!」
「おう! それはいいんだが、そんな量持てるのか?」
「大丈夫! アイテムボックスあるから!」
「はは、こんなに買ってくれてありがとうな嬢ちゃん!」
その後もスタタターと走り、色々な屋台を買い込んでいった。リュート達と別行動で本当に良かったと思ったイオリだった。
後で散財しすぎた事に後悔するのだが。
・合流地点にて
「あれ? レーナさん何見てるの?」
私はレーナさんの持っているチラシ? を見て聞いた。
「ん? これ? これはアレだよ」
そう言ってレーナさんが指を指した場所にはデカデカと【サーマス大ミスコン選手権】と書いてある看板があった。
「賞品が豪華だからでてみたいな〜って思ったんだけど、服も何もないからね……残念だなぁって思ってたんだよ」
「へぇ〜何々……」
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【サーマス大ミスコン選手権】賞品
一位 賞金 5万G
魔杖・フリート
魔盾・ミラー
魔導書・雷属性
特選お米2年分
二位 賞金 3万G
化粧セット
魔導書・生活魔法
ミスリルの長剣
ミスリルの小盾
三位 賞金 2万G
割引券
B級魔物素材詰め合わせ
玉鋼の長剣
玉鋼の大盾
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絶対にミスコンの賞品じゃないけどこれは……
「よし、レーナさん! でよう、ミスコン!」
「え、でも……服とかはどうするの?」
「高レベル裁縫スキル持ちの人が隣にいるんだよ? 今から作るに決まってるじゃん!!」
まあ厳密には違うけど。
「え、悪いよ。それにあと一時間しかないし……」
「大丈夫! 40分で作るから問題ない!」
そう言って私は、アイテムボックスから素材を取り出し、ベンチで裁縫を始めた。
ふふ、ミシンは無くても、ミシンより速く縫えるパワーはあるのだよ。
◇
「ふふふ……できたぁ!!」
──《スキル》思考加速 LV 1 を入手しました──
きっちり40分後、ついでにスキルをゲットして、できた装備がこれだ!
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薄紫の着物 + 7
DEF + 100
AGL + 85
MIND + 65
LUK + 10
属性 水 重量 普通の着物レベル
耐久 丈夫
《スキル》
水耐性《中》LV ── 魔法防御《小》LV ──
・セット効果
幸運《中》LV ──
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黒色の帯 + 7
DEF + 75
AGL + 50
LUK + 12
属性 闇 重量 ただの帯レベル
耐久 丈夫
《スキル》
闇耐性 LV 1 魔法防御 LV 1
・セット効果
幸運 LV ──
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花柄の下駄《黒》+ 7
DEF + 70
AGL + 65
LUK + 15
属性 闇 重量 ただの下駄レベル
耐久 丈夫
《スキル》
闇耐性 LV 1 AGL上昇 LV 2
・セット効果
幸運 LV ──
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因みにこんな装備を作れたのは、私が……いや、この場合は僕か。僕が小さい頃、散々着させられたせいでよく覚えているからだ。
私? 付いてた校章とかを外して、ソコソコのアクセサリーをつけた制服だよ。
「全部+7って……というか今の私の装備より性能良いんだけど……」
「ん? 何か言った? 行こうよミスコン」
そんなレーナの呟きは、お祭りの喧騒に紛れ誰も気がつくことはなかった。
◇
「さて! 今年も遂にこの季節がやって来ました!! 【サーマス大ミスコン選手権】、開催でーす!!」
「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」」」」」
「準備はいいか野郎どもぉぉぉぉ!?」
「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」」」」」
野外ステージに群がる男衆が叫ぶ。探してみると、リュートも叫んでるみたいだ。
「それじゃあエントリーNo.1 前回優勝者、冒険者のアミカさんです!」
そう呼ばれ、レーナさんよりほんのすこしだけ大きい女の子が手を振りながら出ていく。
「いやぁ、始まったねぇ〜」
「こ、この服似合ってるかな? イオリちゃん」
「うん、似合ってる似合ってる」
なぜか全員武器を携帯しているのだが、それはいいのだろうか? ちなみにレーナさんは曲刀を、私はハンマーを携帯している。
そんな話をしながらコンテストは進んでいき、レーナさんの番となった。
「次はエントリーNo.24番、冒険者のレーナさんです」
「ん、呼んでるみたいだよ? いってらっしゃい!」
「え、ちょっ、うわっ」
私は押し出したレーナさんを、覗き見る。
「はい! レーナさん。あなたの特技はなんですか!?」
……………………え?
ミスコンって、歩くだけじゃないの? なんで特技なんて聞いてるの? そんなの考えてないんだけど?
「えっと……」
どうやらそれはレーナさんも同じようだった。よかった、同類が居た。
「んー? 格好からして侍みたいだし、居合とかできたりするー?」
「あ、はい! できます!」
「ふっふっふー巻き藁カモーン!」
そんな掛け声と共に、巻き藁が現れた。が、その頃の私の頭の中はというと
(え、どうしようどうしよう? 何にも考えてないよ! 私にはそんなに武器の扱いも上手いわけじゃないし、鍛冶をするにしても時間が全然足りないし! あわわわわわわわわわわわ)
「えー、エントリーNo.25番、最後の選手となった、冒険者のイオリさんでーす!」
(あ、終わった)
頭の中がぐちゃぐちゃの状態で呼ばれ、終わったなと私は思うのだった。