異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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第7話 ミスコンとロリコンと-3

 あれから一時間、リュートと男達の鬼ごっこを見た後、私とレーナさんは広場に来ていた。

 リュート? そこのベンチっぽい物で横になってるよ、ボロボロで。

 

「さ、レーナさん、結果発表見に行こ! どっちか……っていうか、レーナさんが一位になってたりしないかな?」

「私が一位になってたりなんて多分ないよ。あってもギリギリ三位とかじゃない?」

「結構自信あるんだね……」

 

 そんなことを話していると、ボロボロになったリュートが、いつの間にか起き上がり話しかけてきた……

 

「い、イオリさん! さっきはよくもy『さあさあ! 集計が終わりました! 今から、今大会の結果発表を始めたいと思いま〜す!!』……なんでこんなに遮られるのさ……」

 

 が、放送に遮られまともに話すことはできなかった。

 

「あっはっは、残念だったねリュートさん。さて、発表聞こうか」

「ソウダネ」

『それでは、第3位から発表させていただきます! 第3位、エントリーNo.1番前回大会優勝者のアミカさんです!』

「「「わぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」

 

 どこにいるかなって、ハンカチ噛んでキーってしてる。古風な。

 

「前回大会の優勝者が3位だって。こりゃ私はランク外かな?」

「いやいや、案外2位とかだったりするかもよ?」

「そうだったら嬉しいね〜」

 

『第2位になった者は……エントリーNo.24番、冒険者のレーナさんです!』

「「「うおぉぉぉぉぉぉぉ!?」」」

 

 まあ、レーナさんならありえるかな? 

 

「おめでとうレーナさん! 2位だってさ! って事は、私はランク外かぁ……」

「もしかしたら1位って事もあるかもしれないじゃん! 大丈夫だよ!」

「いや、それならそれで色々問題だけどね……」

 

『それでは、今回の大会の頂点に輝いた者を発表したいと思います! 今大会の第1位になった人物は…………エントリーNo.25番! 同じく冒険者のイオリさんです!!」

 

 ……………………………………ゑ? 

 

「え?」

「よかったねイオリちゃん! 1位だって1位! もしかしてが当たったね!」

「え、あ、うん。いえーい!」

 

 え、1位? まじで? 私みたいなロリが? 

 

『それでは、先程呼ばれた方々は舞台に上がってください! 賞品の授与を行いたいと思います!』

 

 その言葉に未だに驚きが収まらないものの、私も舞台に上がっていく。

 

「1位のイオリさんにはトロフィーをどうぞ!」

 

 そう言ってトロフィーを渡される。

 

「あ、ありがとうございます」

 

 そういって頭を下げて周りを見てみると、何かを期待しているような目で見られている。

 

 ??? 「笑えば、良いと思うよ」

 

 ……謎電波も受信したことだし、とりあえずどこぞの巫女さんみたいに、にぱー☆としておこう。そんな風に思い、実行してみる。

 

『『『ブファッ!!』』』

 

 観客席が真っ赤になってしまった。夜空に綺麗な赤い花が……そんなに幼女のにぱー☆は威力が高いのか!? それともここにいるのはロリコンだけなのか!? 

 

「こ、今回の大会は、これで終了になります!」

 

 鼻血を流しながら司会者の人が言う。うん、こういう場合はとりあえず

 

「逃げますか」

 

 ◇

 

 ミスコンの後、鼻血がやばいことになっていた軍勢から逃げ、私達は予約していた宿の部屋に居た。

 お金の節約のために三人部屋だ。

 

「ところで、これからどうするの?」

 

 リュートがそう聞くと、イオリは受け取った賞品を弄りながら言う。

 

「すぐにでもここを出発して、獣人界に渡りたいかなぁ〜 。あのミスコンで優勝なんてした所為で私の居場所バレちゃっただろうし」

「たしかにそうだろうね。でもイオリさん、関所を通るには《割り符》が必要だけど持ってる?」

「え? なにそれ?」

 

 気まずい沈黙が降りる。

 

「え、まさかそんなことも知らないのに大陸を渡ろうとしてたの?」

「そりゃあ勿論。泣き落としでもすれば入れるかなぁ〜って。ほら、こんな感じのボロボロな服もあるし」

 

 そう言って、オークエンペラーと戦った時の服を取り出して見せる。

 

「そんな甘い考えで入ろうとしてたのかよ……」

 

 リュートの頭の中に上目遣いで涙目なボロボロのイオリが思い浮かぶ。自分だったら通してしまいそうだと考えてしまいそうだ、と思ったがそれを振り払い現実へと戻ってくる。

 

「いい? イオリさん。《割り符》はギルドで申請して発行してもらうんだよ。ほら」

 

 そいうやって見せてもらったのは、一枚の小さな紙だった。そこには発行日や有効期限日が書かれており、800という文字が。電車の切符か!? 

 

「ならここでやれば……」

「いや、ここのギルドだと申請してから貰えるまでかなり時間がかかるよ?」

「……マジで?」

「マジだよ。本来なら王都のギルドで発行してもらうんだ。まあ、それでも一週間くらいかかるんだけどね。ここからだと、王都のギルドへ確認を取り、許可を貰って初めて《割り符》が手に入る」

 

 もちろん犯罪歴などがあれば許可は下りない。人物に問題無く、関所を通る十分な理由があると判断されれば、発行される。それが《割り符》である。切符と違って実に面倒である。

 

「ふーん、ていうことはこのままだと私は関所は通れないってこと?」

「うん、通るにはかなりの時間がかかるね。もしくはSランクまでランクを上げれば、理由があれば通れるけど……」

 

 私は目を閉じ、これからどうしようか考察する。1週間もここに居たら確実に勇者に見つかってしまうので、それは避けたい。

 

「あ」

「ん?」

「いや、関所って確か大きな橋の上にあるんだよね?」

「そうだね。その橋が人間の大陸と、獣人の大陸を繋ぐ唯一の道だしね。まあ、海を強引に渡るって手も無くは無いけど、オススメはしないかな」

 

 大陸間の海は、海龍などのヤバイ魔物の巣窟になっているらしい。

 

「まあ、こんな体じゃ碌に泳げはしないだろうからそれは無いけど……上空には警備はないよね?」

 

 イオリの黒い笑みを見て、二人はなんとなく嫌な予感がするのであった。

 どこぞの小説の文字使いさんがやってた事、私もやってやろうじゃないか。


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