異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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ぬぅ、最初の頃投稿してた部分に警告が入りました。修正して投稿しました。
大丈夫……だよね?


第12話 事件です!

 村の中に入ると、何やら広場のような場所で私の色違いのような耳や尻尾を生やした女性と、狼がそのまま二足歩行しているような人? 達が集まっていた。獣度100%だ。

 何をしているのかと思い、私達も行ってみることにする。

 

「どうしたんですか?」

「え? お、おお!! リュートじゃねえか! ずいぶん久しぶりだな!」

「はい! お久しぶりです、バイトさん!」

 

 二足歩行の狼と、日本人風の青年が握手をしている。どことなくシュールな光景だ。

 そんな光景を見ていると、バイトと呼ばれた狼人がひどく真面目な顔をしてリュートに問いかけた。

 

「おいリュート、お前……その耳」

「え? あ、はい。ちょっと人間界で……」

「クソッ、人間どもめっ!」

 

 リュートはバツの悪そうな顔をしているが、バイトからはヤバイ感じの殺気が漂ってきた。

 

「ひっ!」

 

 最近、若干の幼児退行を起こしている私は、反射的にレーナさんの後ろに隠れる。なんだろう、オークエンペラーと向き合うのとは別種の怖さというかなんというか……

 

「あぁ、すまん。怖がらせちまったみたいだな。俺は狼人のバイト。昔、リュートに体術を教えていたもんだ。お二人さんは?」

 

 殺気は消え、ニコリと笑って話しかけてくる。顔が狼じゃなかったら良かったのだろうが逆効果だ。端的に言って物凄く怖い。

 

「え、えっと、私はレーナ・アークライトって言います。よ、よろしくお願いします!」

 

 若干脅えたような感じでレーナが自己紹介をする。この頃になって、他の狼人の人達も集まってきた。

 

「わ、わわ、私はい、イオリ・キリノって言います。ぎ、銀狼族です。た、食べても美味しくないですよ?」

 

 色々なものが合わさってとても残念な感じの自己紹介となってしまった。しかも若干涙目になってしまった。ぐすん。

 そんなわたしを見て、他の者は微笑ましそうに微笑みを作っている。そして所々から、

 

「あーあーあんなに怯えちゃって」「あんたが怖がらすからだよバイト」「あんなに小ちゃい子を……」「バイト……」「子供泣かすなんて……」

 

 などという声が聞こえてくる。子供に優しいっていう話は本当だったようだ。

 

「ご、ごめんな。泣き止んでくれよなっ? 食べやしないし、ほら、お菓子あげるから」

 

 そう言って、服のポケットから謎の袋を取り出してくる。《超解析》によると、中身はかりんとうのようだ。そんなので私を懐柔できるとでも思って……

 

「ぐすっ、美味しい」

 

 あっさり懐柔されました。くっ、仕方ないじゃん、甘くて美味しいんだから。

 

「そうか! よかったよかった。なんか調子が狂っちまったが、二人ともよろしくな」

(あ、これ食べてるとMP回復するんだ。後で買い占めよう……)

 

 そんなことを考えて、かりんとうをサクサク食べている私を脇に、リュートさんがここで集まっている理由を聞いた。

 すると、バイトは難しい顔をして言う。

 

「トウキビを取りに行く道と、ライドファングを飼っている場所に行く道が同じなのは知ってるな? そこから少しそれた場所で、最近妙に上質な鉱石が採れるようになったんだ」

 

 何? 上質な鉱石だと? と私は目の前のかりんとうから、そっちの話に意識を傾ける。

 

「それがどうしたんですか?」

「最初はそれは大助かりだったんだが……それを狙ってユニークモンスターが現れてな。このままじゃどうしようもないから男衆で突撃でもしようかって話になってたんだ……」

「ユニークモンスター……」

 

 何やらリュートの様子がおかしくなっている。ユニークモンスターって、よくあるRPGだと……

 

「ねえリュート君、ユニークモンスターって何?」

「あぁ、レーナは知らないのか。ユニークモンスターっていうのは、化け物みたいに強くて、攻撃的な魔物の事だよ。ついでに凄く珍しい。正面から戦ったら、少なくとも僕一人じゃ絶対に勝てないね」

 

 認識は間違ってなかったみたいだ。でもそういう奴って、大概いいもの落とすんだよなぁ……

 

「ち、因みにどんな魔物だったんですか?」

 

 私はおずおずと尋ねる。勿論勝てそうだったら挑むつもりだ。ユニーク武器的の素材的なのを落とすかもしれないしね! 

 

「全身が金色のトカゲみたいな奴だったからな……恐らくは《オリハルコンティラノ》だろうな」

「えっと、今オリハルコンって言いました?」

「おう、言ったぞ。Sランクの魔物って言っても比較的弱い方の魔物だからな。「プロデュ、間違えた。リュートさん!! やりましょうよ!! オリハルコンですよオリハルコン!! 狩る以外ないでしょ!!」えらいテンションだな、嬢ちゃん」

 

 バイトに若干引かれてしまったようだ。解せぬ。だってオリハルコンだよオリハルコン! 

 

「まあ、僕もAランクだし、イオリさんは今はCランクだっけ? チートを含めば、戦闘力だけで言えばできないこともないけど……イオリさん、武器壊れてなかったっけ?」

「あっ」

 

 私は、完全にその事を忘れていた。くっ、

 


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