異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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第13話 武技と精霊術

「えっと、嬢ちゃんも戦うのか?」

 

 バイトさんが驚きを隠さない表情で私に聞いてくる。若干不思議に思ったけど、私ってまだ肉体的には7歳だったよ……そりゃあこんな年端もいかない子供が戦うって言ったら驚くか。

 

「あっ、はい。これでもランクCですから。今すぐにでも行きたかったんですけど……明日は武器の補修にかかりっきりになっちゃうし……」

 

 実質明後日になってしまうだろう。結構深刻そうな問題に見えるから、今すぐにでも行きたいけど多分それじゃあ勝てないし……

 

「勝てる確証はあるのか?」

「えっと、私とリュートさんが全力を出せば……多分、問題ないはずです」

 

 最悪、リュートさんが使えるって言ってた天の鎖で拘束して逃げれば態勢は立て直せるだろう。

 

「ふむ……それなら、1日くらいは我慢するとしよう。よろしく頼むぞ?」

「はい! 勿論です!」

 

 ◇

 

「いきなりなに言っちゃってんのさ!?」

 

 宿の中、私はリュートに絶賛怒られてる最中だった。レーナは疲れからか眠ってしまっている。

 

「うぅ〜……だってオリハルコンだよオリハルコン。夢のファンタジー金属だよ!」

「それでもだよ! 僕の王の財宝の中って、ほとんど宝具なんて入ってないんだよ? それに補修って言ったって、ここ鍛治ができる場所なんてないし」

「それは作れるからいいんだよ。じゃあ私一人で戦ってもいいからさ〜」

 

 涙目+上目遣いでリュートを見つめる。ロリコンなら……殺せるはずだっっ! 

 

「うっ。はぁ……一人で行って返り討ちに遭いましたじゃ、寝覚めが悪いからね……仕方ないなあ」

 

 内心してやったりと思いながら、色々あったせいで聞けなかったが、疑問に思っていたことをリュートに質問する。

 

「そういえば今日、ここに来るまでにでっかいカマキリみたいな魔物でたじゃん?」

「あぁ、キングマンティスね。それがどうかした?」

「あの時リュートさんが、『光の太刀』って言って剣を振ったら腕が落ちてたけど、あれって何なの?」

「え?」

「え?」

 

 2人に沈黙が降りる。え? 私なんかおかしな事言った? 

 

「あぁそっか。イオリさんって獣人じゃないんだった」

「ちょっ、いきなりなに言ってるの!? 《遮音》誰にも聞かれてないよね?」

 

 リュートさんが納得したように言ったが、最後の方の言葉は問題しかなかった。私が人族なんてバレたら食われるって言ってなかったっけ!? 咄嗟に魔法を使って音を漏らさないようにしたから今は安心だけど……

 

「あ、ごめんごめん。説明に戻るけど、昼間使ってたのは《精霊術》だよ」

「《精霊術》? エルフが使いそうだけど?」

「うーん、なんて言えば良いのかな? まああれだよ、精霊と契約して使う力だね。精霊使いなブレイドダンスのやつに近いかな? 因みにこの世界にエルフは居ない」

 

 分かりやすさと残念さが一挙に押し寄せてきた。リアルエルフ耳……いや、まだ知られてないだけで希望はある筈だ……

 

「獣人だと、契約する精霊が自分の内に存在する事、この腕輪みたいなアイテムがないと発動と契約ができないこと。レーナの場合は小太刀だね。簡単には精霊を顕現はさせられない事くらいが違いだね」

「へぇ〜、それって人族には使えるの?」

 

 使えるのならば、練習してみるのもいいかもしれないと思い聞いてみる。契約するなら、エ○トよりはスカー○ットの方がいいかな? やっぱり。

 

「ん〜……過去には使えた人も居たみたいだけど、限りなく無理に近いんじゃないのかなぁ?」

「残念。使えれば今回のにも使えそうだったのに……」

「その代わりに、人族が使う技の《武技》っていうのがあるらしいよ?」

 

 もしかしたら、Gを相手にしてた時のあれかな? アレか……試してみても安定しないんだよなぁ……。いまじねーしょん? が足りないとかそういう事なのだろうか? 

 

「そっちの事も教えて。ほんの少しだけだけど心当たりがある」

「えっ?」

「まだ確信してるわけじゃないけどね」

「えっと、教えてくれた人が感覚でやってから詳しいことは分からないけど、HPを消費して何かを起こすらしいよ。あの人は雷を纏ってたかな?」

 

 多分、アレを突き詰めればそうなるのかな? 使いこなせれば魔法のあまり使えないここでは役に立つぞ! と考えていると、不意に急激な眠気が襲ってきた。むう、もう時間か……

 

「ふぁぁう、駄目だ、眠い。これ以上は明日だね……いや、もう欲しい情報はかなり集まったけど……」

「よくもまあ8歳児の身体でここまで起きてられたよね」

 

 因みに今の時間は、地球で言うなら……うーん、夜10時ちょっとかな? この身体だと、もうおねむな時間なのですよ……

 

「うん……おやすみ……」

 

 私はそのままフラフラと備え付けのベッドによっていき、どうにかよじ登ったところから記憶がない。

 

 あー……オリハルコンよりはアダマンタイトの方が硬いらしいけど、ハンマーじゃリーチが足りないし……うーん、残りのアダマンタイトの量的には……

 


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