異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜 作:銀鈴
こんにちわー。イオリです。今はリュートの言った通りギルドにきていまーす。なんかこの前見たく、経験値がゲットできないのが勿体無いからパーティー登録をしておきたいらしい。
最初は見慣れない三人組ということでささやかな注意を引いたが、この世界に来たばかりの頃のモーブのような輩が絡んでくることはなかったので、これ幸いと三人はカウンターに向かいます。
「冒険者ギルド、ギムレー支部にようこそ。ご用件は何かしら?」
そう言って対応したのは、リフンでお世話になったラナさんとは違って恰幅のいいおばちゃんだった。解せぬ。むー……ギルド嬢って大体美少女とかだと思ってたのに……もしくはおっさん。
「素材の買取です。後ろの二人は二次職、三次職に就きに。あとパーティー申請もです」
「一気にきたねぇ……最初は転職からでいいかい?」
この質問には私が答える。一番素材も溜め込んでるしね。GとかGとかGとか虫系の魔物とか。
「あ、はい。大丈夫です! 素材は量が多いので転職部屋で合わせて買取って頂いてもいいですか?」
「勿論大丈夫だよ。それじゃあ行こうか」
早速転職部屋で水晶に手を置くと、ズラッと並んでいた職業欄の下に、新しく付けられるジョブが増えていた。
『発破師』『バーサーカー』『付加術師』『魔法戦士』『魔導研究者』『錬金術師』
(う〜ん……今回は伝説っぽいのはないか……うん、なら錬金術師かな)
バーサーカーは選んだら狂化しそうだし、発破師はなんか嫌だ。魔法戦士じゃなんかありふれた感じになりそうだから無しとして、残るのは付加術師と魔導研究者、錬金術師。その中なら、うーん……一番ロマンが有るのは錬金術師だよね!!
そう思い『錬金術師』を念じて、レーナさんに場所を譲るために後ろに下がる。ステータスを見るとDEX,INT,MPが上昇し、《魔力操作》のスキルが増えていた。錬金術は多分デフォルトっぽい、さっきまでと違ってなんとなく使い方が分かるし。
「それじゃあレーナさん、交代ね」
「は〜い」
そう言って私と交代したレーナさんが水晶に手を置き、悩み始める。あの悩んでる表情からして、しばらく時間がかかりそうだ。
そこで暇になった私は、ここで魔法陣を出すわけにはいかないので、木の魔法書を読み始めるが……全く解らない。どれくらい分からないかというと、全部ドイツ語で書かれた本くらい。あの時は、本当に辞書にお世話に……
こんな魔法言語(仮)に辞書なんて存在しないので……解析しろ魔眼!
──スキル《大樹魔法》を習得しました──
そんなアナウンスと共に、ティラノステーキ事件の時程ではないが、大量の情報が頭に流れ込んでくる。
「ぐわぁ、頭がぁぁぁぁ」
「イオリさん……何やってるの?」
「な、なんでもない。そ、それよりもレーナさん、なんの職業に就いたの?」
「『料理人』にしました! いつまでもイオリちゃん料理させる訳にはいきませんから!」
へぇ、料理人なんてあったんだ。えっと……
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レーナ・アークライト
種族 獣人(黒猫族)
性別 幼……女?
年齢 15
職業 侍・料理人
LV 30
HP 458/458
MP 291/291
STR 176
DEF 129
AGL 271
DEX 134
MIND 113
INT 293
LUK 41
《スキル》
職業スキル
侍 LV 30 料理人 LV 1
EXスキル
獣化 一刀両断 魔法の才
通常スキル
心眼 LV 1 先の先 LV 1
戦刀術 LV 3 集中 LV 9 居合術 LV 6
五感超化 LV 7 攻撃力強化 LV 1
衝撃耐性 LV 1 精神攻撃耐性 LV 1
生活魔法 LV ──
《称号》
NEW!!
魔法使いの卵・見習い料理人
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ラッキースケベな事があったとは言っても好きな人は好きな人だろうし、私がいなくても好きな人には美味しい料理出したいだろうしね。
「それじゃあ次は素材の買取でいいかな?」
「はい、お願いします」
おばちゃんが何事もなかったように話を続けた。凄え、この人凄えよ。
私は異次元収納から、リュートさんも王の財宝から大量の素材を次々と出していく。そして最後にオリハルコンティラノ(討伐部位とかいう牙)を引っ張り出した時、おばちゃんが驚愕の表情をする。
「こいつは……ユニークモンスターのじゃないかい!」
恐る恐る手に取り、隅から隅まで丹念に確かめる。そして考えがまとまったのか、ようやく顔上げたおばちゃんは、キッとリュートを睨む。
「小さい子を囮に使った上に、荷物まで持たせてるとは、感心しないねぇ……」
どうやらおばちゃんの中では、リュートさん=悪という図式が出来上がったようだ。
うーん……それなら私は、荷物持ちをさせられてる上に、格上の魔物への囮の少……幼女って事か。首輪っぽいのを付ければ、信憑性が増すね!
そんなくだらない事を考えていると、リュートさんがおばちゃんにツッコミを入れる。
「いえ、囮にされたのはどっちかっていうと僕ですから」
「え?」
おばちゃんの表情が固まる。あ、私の中だと歳は、おばあちゃん く おばちゃんな感じね。
どっちかっていうと私は、おばあちゃんな感じの人が好きかな。
「それ倒したの殆んどイオリさん1人ですし」
「え?」
こっちを見たので、一応うんうんと頷く。
リュートさんがオリハルコンティラノの戦いでやったのって、若干の攻撃と私を助けてくれた時の囮、他には水ダバーと結界くらいだったかな? 最後には尻尾のなぎ払いで吹っ飛ばされてて……あれ? 沢山助けては貰ったけど、主に攻撃してHP減らしてたのって私じゃん。
その後は、おばちゃんが多少私に信じられない眼を向けてきていたけど、お金も受け取りパーティーも組むことができ、問題なく進むのであった。
明日、【シヤルフ】につければいいなぁ。