異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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視察の様子とか書いた方がいいんだろうけど、書いといて何書けばいいのかわからないのでカットされました。


閑話-9 獣王国会議

「何!? 王城でミーニャが襲撃されただと!? 警備は何をしていた!」

「す、すみませんネイオン様。襲撃があったということ以外、何もわかっていないのです」

 

 声を荒らげる獣王……ネイオンに、早馬に乗ってきた使者がビクリとする。筋骨隆々とまではいかないがガッチリとした身体、逆立った赤く短い髪の人物が怒鳴ればそうなるのも仕方ないだろう。

 

「ふむ……怒鳴って済まなかったな、続きを頼む。それで、ミーニャは無事なのか?」

「はっ。ミーニャ様はその場にいた冒険者が庇い、擦り傷一つ無いとのことでした」

「冒険者か。ふむ、リュートか?」

 

 ネイオンは黒髪の同族の、数年前にはミーニャの家庭教師を依頼した青年を思い浮かべる。確かにあの青年ならば守りきれるだろう、そう判断して言った言葉だったが、次の使者の言葉にそれは打ち砕かれた。

 

「いえ、ミーニャ様と同年代の銀狼族の少女です。リュート殿のパーティーメンバーとのことですが、その当人は瀕死の重傷、事情を知っていると思われるミーニャ様も治療に集中しており詳細は不明です」

「そうか、下がってよいぞ。クラネルの奴がシヤルフにはいた筈、奴の性格を考える限りその冒険者が死ぬという事は無いだろうな」

「そして獣王様、リュート殿から書状を預かっています。火急の用件との事です」

 

 そう言って使者が、手紙を渡す。その手紙を見たネイオンは目を見開いた。

 

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 お久しぶりです獣王様、リュートです。時間がないので結論だけを書きます。

 今回の事件、犯人は最近呼び出されたという人族の勇者の可能性が高いです。

 根拠は現場の状況と残されていた血文字ですが、これはあくまで僕の推測なので、頭に置いていて頂ければ幸いです。

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「犯人は勇者の可能性が高い……か。なんにせよ情報が足りんな、視察はここまでだ! 王城へ帰還する!!」

 

 獣王達が視察から帰還したその日の夜、人間界の王都、セントシュタインからの宣戦布告の報が届いた。

 

 ◇

 

 今王城の一室では、獣人界の主要な戦力といえる人物が一堂に会し、会議を行っていた。王子のクライヴ、直属の護衛部隊の【四神】に大臣といったところだ。

 

「皆の者、人族から宣戦布告を受けたことは知っているな」

 

 獣王の言葉に、皆が当然のことだと頷く。

 

「知っての通り、我は争いは好かぬ。故に魔王とも長年に渡り交渉し、平和条約を締結した。だがっ!」

 

 机に腕をダンと叩きつけ、普段とは違う荒々しい口調でネイオンは言う。

 

「実の娘を命の危機に晒されてなお動かない奴は、国王としても! 父親としても失格だ!!」

 

 この場にいる誰もが見たことのなかった、怒りの込められたネイオンの言葉に誰もが口を閉ざしている。

 

「長年に渡る獣人の差別や奴隷化、更に王女の暗殺未遂が加わった! 今までは外交手段を駆使してきたが、最早容赦はいらぬ! 今こそ我らが牙をもって、積年の恨みを晴らそうではないか!!」

「おおっ!」

 

 その言葉に、周りからは力強い声が返ってくる。そしてこの場にいる誰もが、獣人らしい獰猛さを感じさせる笑みを浮かべている。本能的なものなのか、どこぞの修羅場よりも迫力がある。目を覚ましてはいないが、イオリが居たらあの時と同じような事になっているだろうレベルだ。

 

「この戦、最早勝利以外の結果はありえない! 長年に渡り虐げられていた我々の力を人族の奴らに思い知らせてやるのだ!」

「おおっ!」

「出陣は3日後だ。それまでに各自、ケジメをつけておくように」

 

 先程までの調子と違って、段々と普段の調子に戻り始めているネイオンの言葉に、皆が頷きを返す。

 

「では今から戦力の確認と配置、戦略を煮詰めていく事になるが……」

 

 ◇

 

「ふむ、やはり慣れない事をすると肩が凝るな……」

「大丈夫か? 親父。これからもまだ、同じような事が続くんだろ?」

「あぁ、大丈夫だクライヴ。ミーニャの暗殺を企んだ勇者は、許す事は出来ないからな」

 

 会議を終えた後、若干疲れを滲ませた顔で言うネイオンと、それを心配するクライヴがそんなやり取りをしていた。

 

「だけどよぉ親父。なんで犯人が勇者って断定出来たんだ? 今まで勇者には、これといった動きが無かったじゃねえか」

「ふむ、それの事か。ミーニャを庇い重傷を負った娘がいただろう? あの娘が血文字にそう残し、その直後に人族が戦争を仕掛けてきた。更に間諜からの報告によれば、現在勇者は二分されているらしいが、その片割れの過激派には今回の事件を実行可能なスキルを持つ人物がいる上に、何かと黒い噂が多いと聞く……今言った事が全てだ」

 

 リュートからの手紙を見てそれらを調べ、確証を得ていたりする。

 

「はーん、成る程なぁ、それなら可能性は高いって訳か。まあ、存分に戦えるなら俺は満足だ」

「本来ならお前が次の王になる筈なのだから、その戦闘好きは改めて欲しいのだが……まあ仕方がないか」

 

 実際やるときはやるのがクライヴなので、あまり強く出れないネイオンだった。

 




なんか書いてる途中、ずっと頭に少佐がこびりついていた…
そしてスランプ気味

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