異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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書いててなんか同じような展開になってしまったのでキングクリムゾン!勇者側の被害やらなんやらは一旦保留ということで。後で挿入投稿はするかもしれないけ。予定が…睡眠時間が…課題が…グフッ


第13話 目が覚めた!

「う、うぅん……」

 

 目を開けるとそこは、いつか見た休憩室だった。外は真っ暗になっている。記憶の整理をしよう。確か私はここに来た後……

 

「そうだっ! ミーニャは痛っ……」

 

 ベッドから起き上がろうと動いた途端、身体に痛みが走った。そういえば、全身に剣とか突き刺さったんだっけ……

 

「前にも思った事あるけど、よく生きてたよな……私」

 

 そんな事を思いながら手足を確認していく。酷い傷だったはずだが、全身に問題は……というか、見える範囲には傷一つ無かった。服装も、いつものワンピースでは無く貫頭衣? みたいな物に変わっていた。あぅ、髪下りてるしリボンない……

 

「くすん、どういうこと?」

 

 そう思い若干悲しくなりながら頭を捻っていると、勢いよくドアが開け放たれる。

 

「良かった! 目が覚めたんだ!!」

 

 その勢いのまま入ってきたミーニャが、ベッドの上の私に飛び込んでくる。

 

「わっ、ちょっ、痛い痛い」

「あ、そうだった。ごめん」

 

 ミーニャが若干シュンとした雰囲気で離れていく。な、なんか凄くこっちが悪い気がする。

 

「大丈夫、大丈夫だよ。それよりもミーニャちゃん、私が怪我してから何日経った?」

「えっと、今日で4日かな? でも、リュートさんのお師匠様がぜんちいっしゅうかんって言ってたから、まだ動いちゃダメだよ!」

 

 話しぶりから察するに、私を治してくれたのはリュートの師匠らしい。なにそれ凄い。

 

「うん、分かった! そう言ってるって事は、私を治してくれたのは、リュートさんのお師匠様って事?」

「そうだよ! 私とお姉ちゃんとアンナさんでもどうにもならなかった怪我をすぐに治しちゃってて、ビックリしたよ!」

「凄い人なんだね〜」

 

 そんな風にしばらく話していると、色々な事が分かった。

 まず、私が気絶した後助けを呼んでくれたのがミーニャだという事。念話っていうEXスキルらしい。そして、私のダイイングメッセージもあって、宣戦布告してきた人族との戦争が決定してもう出陣していること。

 

「多分勇者だったんだろうけど、実は確証はないんだよなぁ……あれ」

 

 そう呟きながら、話し疲れてしまったのか分からないけど、途中から瞼が落ちてきて、今はもうベッドに寄りかかって寝息を立てているミーニャちゃんの頭を撫でる。

 そうしてゆっくりとした時間を過ごしていると、ガチャリ と静かにドアが開けられた。

 

「起きたみたいだね」

 

 入ってきたのは今度はリュートさんだった。その顔はどことなく申し訳なさそうな雰囲気を醸し出している。なぜだし。

 

「起きたよ。リュートさんの師匠が私を治してくれたんだってね。しかもリュートさんが呼びに行って。ありがとう」

「いや、流石にイオリさんを見捨てる程薄情じゃないよ、僕は。その師匠についてなんだけど……」

 

 私が素直にお礼を言うと、リュートがポツポツと自分の師匠の事を話し始めた。え? ロリコン? 医者? レベルカンスト? ふぇ? 

 

「文句は言えないけど、まさかそんな事になってるなんて……」

「それしか方法が無くて……ごめん」

 

 まさか、『私の許せる範囲で、なんでも一ついう事を聞く』のが条件だったとは……。命の恩人に対してキツくは当たれないし……

 ロリコンで医者じゃなければ何ともなかったのに……寧ろ全力で取り組んだのに……

 

「まあいいよ。命の恩人だしね、ある程度までは黙認するよ。実験台とかは嫌だけど。それよりも、すっごく禍々しい刀があった筈だけど……あれってどうなった?」

 

 刺さった瞬間、尋常でない呪いと怨嗟の声が頭に響いてきたあの刀。絶対に放置していてはいけない類の物だ。

 

「あれなら、師匠が一瞬で浄化したから、ここにあるよ」

「へっ?」

「えーと、そうそうこれだったかな?」

 

 そう言ってリュートが金色の波紋に手を突っ込み取り出した刀は、確かにあの時見た形そのものだった。しかし浄化されたという言葉の通り、赤黒いオーラは消えていた。

 

「本当だ……。凄い。って、そうだリュートさん! 私もリュートさんにお願いしたい事があるんだった!」

 

 話を聞きながら、ずっと考えていた事をリュートに言おうとしたら、手で制された。

 

「ごめんイオリさん。それって明日でも構わない?」

「いいけど……なんで?」

「今の時間、地球で言うなら真夜中だよ? イオリさんが起きたってミーニャ様から連絡がきたから、僕だけは来たけどさ。レーナがいないのはそれが理由ね」

 

 確かにそれはマズイ。そんな時間に王女様を付き合わせてしまったのか。というかどうやって私が起きたの分かったんだろう? 

 

「マジか……うん、じゃあ今日はもう寝る事にするよ。という訳で外にどうぞ」

 

 私はベッドから降りてリュートを押していく。あまり力が込められてないのはナイショだ。

 

「分かった、分かったから押さないで。まあ、また明日にでも来るよ。おやすみ」

「了解。おやすみリュートさん」

 

 そう言って私はドアを閉める。

 

(これも木製だから……)

「《樹木生成》」

 

 樹木生成でチェーンのような物を掛ける。これで良し。

 切れていた身体能力超化を使い、ミーニャちゃんを持ち上げる。そしてそのまま私もベッドに戻る。

 実は中々に限界だったみたいだ。HPもMPも回復しているのだが、所々力が入らなかったりしてる。

 

「寝ますか……」

 

 ついていた明かりを消して、私は眠り始めた。

 い、いや、ただ一緒に寝た方が暖かいでしょ? 他意はないからね? 

 

 誰が私がロリコンだ!!




めでたく風邪をひきました。
吹雪の中、6キロ自転車で投稿とかやっぱり無茶だったんだ…
頭痛い

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