異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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熱は無い、咳と頭痛と関節痛と怠さと貧血気味なだけだ!
あれ?案外酷いかも。←平然と登校&投稿してる人


第14話 りょーよーちゅー

「んぅ……」

 

 何か自分では無い温かさを感じて目が覚めた。毛布をめくってみると……そうだった、寝るときにミーニャちゃんを引き込んだんだった。

 

「ふわぁぁぁ。よく寝た」

 

 時計が無いから詳しくは分からないが、多分朝の内に起きる事ができた。すやすやと寝ているミーニャに毛布をかけ直し、ベッドから降りる。

 

「誰も来てないみたいだね」

 

 なんら変わりの無い木製チェーンを元に戻し、自分の体調を確認する。

 まだ何となく動かし辛い場所がある。特に右肩。これじゃあ当分ハンマーは振れそうにないなぁ……そう思っている時に、頭に コツンッと何かが当たり下に落ちていった。

 これは確か……そう思い警戒するが、紙が落ちていたり、紙飛行機が飛んでくることもなかった。

 

「あれ?」

 

 そう首を傾げながら、いくらただの鉄鉱石でも勿体無いと思い屈んで拾う。

 

(へぇ、鉄鉱石からミスリルに変わってる)

 

 その解析結果を見ていると、ポフンッ という音と共に一枚の紙がヒラヒラと落ちてくる。やっぱり手紙でしたか。

 

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 お久しぶり〜☆あなたの女神だよん☆何死にかけてるのさ? ねえ、ねえ!? ビックリするじゃないの! 全く、余りにビックリし過ぎて仕事場で変な声あげちゃったじゃないの! 白い眼で見られて、「課長……」って悲しそうに言われる辛さが分かる? 分からないよね!? 

 コホン。まあ、それはこっちの事情だからいいとして、よく頑張ったね☆あのままミーニャって子を見捨ててたら、あなたにも攻撃してきた勇者にも、天罰飛ばしてたぞ☆

 それで、今回頑張ったあなたにはご褒美をあげます!! 私って太っ腹〜☆コホン。あなたにはこの情報をあげます! 

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 め、女神って、中間管理職だったのか……うん、お疲れ様です。最後まで読み終わるが、どこにも地図のような物が現れたりしないし、ネットのようにリンク先かある訳でもない。

 

(どういう事? まさか不備?)

 

 なんて事を思った瞬間、頭の中に膨大な情報が溢れた。

 

 ──スキル 並列思考 のレベルが5に上昇しました──

 ──スキル 情報処理 のレベルが5に上昇しました──

 

 全身に武器が突き刺さる(あんな事)があった後なので、痛みで転げまわるような事は無かったが、頭がクラクラする。

 

「あうう……」

 

 思わずそんな事を呟きへたり込むと、またもや紙が落ちてくる。

 

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 私からの情報はどうたったかなん? ☆基本的に私達は、そっちの世界に干渉できないってルールがあるからかなりの特例なんだぞ? ☆

 それじゃあ、その情報は有効的に活用してね☆

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 先程詰め込まれた情報は、どうやら様々な鉱石の情報のようだった。確かに、情報さえあれば鉱石魔法で作れるからありがたい情報だった。勿論相応のMPは消費するので、あまり大量には創り出せないという難点はあるっぽいけど。

 

(さて、まだ今日は安静にしてないといけないらしいし、MP回復させながら《鉱石精製》かな?)

 

 後で焚き火辺りの焚付けにでもしようかな? そう思い手紙を仕舞っていると、毛布がもぞもぞと動き、ミーニャが起き出してきた。

 瞼を軽く擦り、伸びをし、その動作に合わせて肌が見え隠れしている。リュートさん(ロリコン)が歓喜しそうな光景だな……いや、リュートの師匠っていう人もか。

 

「おはよう、イオリちゃん。早いんだね」

 

 ミーニャちゃんはどっかの作者と違って朝起きてもすぐに二度寝したり、それに飽き足らず三度寝とかはしないらしい。私? 私は見ての通り寝起きはいいよ? 

 

「うん、なんか目が覚めちゃってね。朝ご飯とか、食べに行くの?」

 

 この世界に来てから、家事万能で料理ばかりしていた私は、なんとなく王城のご飯というものが気になっていた。歴史上だと、王家とかは豪華な食事をしてたっていうし。

 

「うん! えっとね、今はパパ達がいないからリュートさんと、レーナさんにアンナ様と食べてるんだ! 『イオリさんが起きたら、絶対食べにくるだろうから』ってリュートさんが言ってたから、用意はしてあるはずだよ!」

 

 あれか、転生者はやっぱりそういうのは気になるものなのか。とりあえずリュートさんナイス! 

 

「ほんとに!? ミーニャちゃんの準備が終わったら行こっ!!」

「うん!」

 

 テンションが上がる。テンプレとは違うけど、王城で王様達が食べてる物を食べるってよくありそうで、やってみたい事だったしね! 

 ともかく、寝間着姿のミーニャが着替えるのを待って私達は大食堂という場所に向かって歩いて行った。私? 今は気分を変えてサマードレスだね! 刀が刺さった右肩に、傷跡がなくてほんとよかったよ。

 

 ◇

 

「リュートさんの師匠はロリコンなんだよね。私襲われないかな?」

「危なくなったら僕を呼んでね、マジで呼んでね?」

「了解。まあ、大丈夫でしょ……だよね?」

 

 なんでも最低限のマナーさえ守っていれば、話したりしても別に構わないという事だったので、私はリュートの師匠……クラネルさんの事について質問していた。

 

「出兵したって聞いたけど、レベルカンストしてる人が国に残っていいの?」

「確か国の防衛担当って名目で、残ってたかな? まあ師匠らしいし、いいんじゃないの?」

「一応、国のぼうえいやくっていってたよ」

 

 すかさずミーニャちゃんがそんな事を言う。成る程ね、奇襲でもされたらアレだからか。会いに行くのは明日かな……今日は色々やりたい事あるし。

 

「あ、ところでミーニャちゃん。このお城の訓練とかしてる場所ってどこにあるか分かる?」

「うん。あぁ! 運動するつもりでしょ! ダメだからね!」

「大丈夫大丈夫、運動はしないって」

 

 そこまで話した時、丁度朝ご飯を皆が食べ終わった。私はとっくに食べきってますよ。数日寝たきりだった人をなめるな! 

 

「じゃあ僕が見張ってるから、ミーニャ様はしっかりやる事をやってくださいね? 勉強、あるんですよね?」

「はーい……」

 

 庇ってあげたくなるけど、勉強はしなきゃね。レーナさんも一緒に勉強してるんだとか。

 

「じゃあ、それぞれ解散!」

 

 妙に言い慣れたようなリュートのその言葉で、私達は解散していった。

 勉強か……何やってるんだろ? 

 


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