やはり俺の弟と妹は可愛すぎる。   作:りょうさん

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いろいろあって俺と川崎沙希は再会を果たす。

 「兄貴」

 「ん?おう、おかえり八幡」

 俺がリビングで勉強をしていると、いつもより早い時間に帰ってきた八幡が話しかけてくる。

 「今日川崎に会いに行く。夜だから小町は連れていけんし、約束通りついてきてくれるか?」

 どうやら八幡達の中でも川崎さんのバイト先を絞ることが出来たらしい。俺を呼ぶあたり確信に近いのだろう。

 「了解。準備するよ」

 「助かる。それと今回行くところはドレスコードがあるみたいだ。兄貴は……大丈夫か」

 「おう!八幡は小町に見繕ってもらうといいよ。俺は着替えてくるから」

 あの服を着るのもあまり気は乗らないのだが、今回ばかりは仕方がない。おとなしく引っ張り出してくるとしよう。

 「わかった。小町は?」

 「二階で勉強してると思うぞー。息抜きがてら八幡をいじらせてやれよ」

 「なんで自らいじられに行かなきゃならないんだよ……」

 「いじられるの好きじゃなかったの!?」

 「驚かれても困るんだが……」

 八幡は溜息と苦笑を見せると小町の部屋へと歩いて行った。

 さて、俺も準備しますかね。

 

 

 海浜幕張駅前にあるモニュメント近くに到着した俺と八幡は、モニュメントに寄りかかりながら残りのメンバーを待っていた。

 八幡の話によると、千葉市内で朝方まで営業していて、エンジェルの名を冠している店がこれから向かう『エンジェル・ラダー天使の階』なのだという。この他にもメイド喫茶があったらしいのだが、そこに川崎さんはいなかったらしい。 

 何故そちらを先に行ったのだろう。普通に考えて、川崎さんはそういうタイプでないことは一目瞭然だろうに。

 「その服、小町が選んだのか?」

 「ああ、兄貴と似たような感じで行けば間違いないって言ってたよ」

 似たようなというよりは全て同じ格好だ。

 まあ強いていうなれば、俺の着ているジャケットは八幡の着ているものより格段に上質であるということだろうか。片や親父のクローゼットから引っ張ってきたもの、片や超お金持ちから買い物に付き合わされ目の前で買われたもの。差は歴然である。

 「窮屈そうだな」

 「普段こんなの着ないからな。違和感だらけだよ」

 確かに八幡も俺と同じく服には無頓着だ。

 外出する際のコーディネートだって小町に任せっきりだし、家ではジャージで過ごしている方が多い。こういったぴっしりとした格好は苦手なのだろう。

 「ごめん、待ったかな?」

 「いや、それほど待ってない」

 「今来たところだよー」

 一番最初に現れたのは戸塚君だった。

 戸塚君の格好はややスポーティ服装で戸塚君に凄く似合っていた。八幡も思わず見惚れてしまっている。

 『恥ずかしいよ』『悪い』などといった桃色空間が繰り広げられ、まるで八幡と戸塚君のデートを見ているかのようだった。

 いやデートって……。違和感ないのが怖いぜ。

 まあ、それも次に現れた者によってぶち壊されるのだが。

 「ふむぅ……。おお!八幡ではないか!」

 そんな小芝居をしながら登場したのは、作務衣に頭へタオルを巻いた材木座君だった。

 うーん。ここまで二人の服装を見たけど、確実にいまから行く場所には合わない。てか、追い出される可能性すらある。

 材木座君なんて論外だ。傍から見れば近くのラーメン屋さんだもんな。

 「由比ヶ浜」

 そう言った八幡の言葉に下げていた顔を上げると、なんかゴテゴテした服装なガハマちゃんが立っていた。

 なんでこうも合わない服装の子ばかりなんだろう。

 「あ、お兄さんもやっはろー!お兄さんはヒッキーと同じ服装だったけどすぐわかったよ!」

 「悪かったな。似合わなくて……」

 ガハマちゃんの言葉に不機嫌そうな顔をする八幡。

 うーん、ガハマちゃんは似合ってないとかそういうことは思っていないと思う。確かに普段見ないような恰好ではあるが、八幡はもともと大人しめな服装が似合うタイプである。ガハマちゃんはそのギャップに驚いただけだろう。

 「ありがと、ガハマちゃん。ガハマちゃんの服も可愛いね」

 「お兄さんありがとー!」

 まあ、今回の場合は不適合だけどね。

 「お兄さん……?もしや、あなたは大将ではござらんか!?」

 「え、ああ、うん、そうかも」

 いきなり声を上げた材木座君に驚きながらも辛うじて声を出す。

 大将……。ああ、確か材木座君は俺のことをそう呼んでるんだっけ。

 「大将!お会いしたかった!ぜひ、我と友愛の契りを!」

 えっと、要するにメアドの交換をして欲しいのだろうか。

 「お、おう。わかった、メアドな。うん」

 「かたじけない」

 この子面倒くさいな……。まあ、悪い子じゃないんだろうけど。

 「ごめんなさい。遅れたかしら?」

 そう言って最後に現れたのは雪ノ下さんだった。

 一言で表すならば綺麗。

 まさにその言葉を体現しているかのようだった。勿論、今回行く場所にもしっかり適合している。流石雪ノ下さんというべきだろうか。

 八幡と一言二言会話を交わすと、材木座君から順に指をさす。

 「不合格」

 「ぬぅ?」

 「不合格」

 「……え?」

 「不合格」

 「へ?」

 「不適格」

 「おい……」

 「不愉快」

 「素直に合格って言ってよ」

 何、不愉快って。

 なんでしっかりとしてきた俺達が貶されなきゃいけないんだよ!本当にゆきのんは素直じゃないんだから!でも、そんなとこが可愛いのかもしれないね。あ、やべえな。陽乃さんに影響されてきたのかもしれん。

 「大人しめの格好と言ったでしょう?」

 「大人っぽいじゃなくて?」

 「ははは。今から行くところはね、それなりの格好をしていないと入れないんだよ。ドレスコードっていうやつね」

 首を傾げる戸塚君に優しく教える。

 「そうね、男性は襟付き、ジャケット着用が常識なのよ」

 「お前、そんなのよく知ってるな。兄貴も」

 八幡が驚くのも無理はない。

 俺達のような一介の高校生が行くレストランなんてファミレスくらいだ。そういう知識がないのも間違っていない。

 俺は陽乃さんに連れられて行くことがある為わかる、雪ノ下さんは家で行くことがあるのだろう。

 「私もダメ?」

 「女性の場合はそんなに厳しくはないけれど……」

 ガハマちゃんの問いかけに雪ノ下さんは俺と八幡を見る。

 「エスコートするのが比企谷君だと厳しいかもしれないわね。かといって先輩にエスコートしてもらうのもなんだか悔しいわ」

 この子、どんだけ俺を下に見てるんだろうか。

 まあ、確かに普段はそんな恰好しないけどさ!自意識過剰かもしれないけど、ちょっとは格好良いと思うんだよね!めぐりに見せたら顔赤くしてこっち見てくれない位には格好良いと思うんだよね!ね!

 「ほら、ジャケットジャケット」

 「目の腐り具合が危ういわ」

 「ねえねえ!俺の格好ダメかな!ねえ!」

 言い合いをする八幡達の間に入り込む。

 「……ダメではないわ。比企谷君と違って身の丈にもあってる。でも、それが悔しいのよ」

 「あ、ゆきのん。ちょっと格好良いって思っちゃった?」

 「……それは否定しないわ。大抵の女性は落とせるでしょうね。とても悔しいわ」

 うん、この子可愛いわ。

 素直になれない感じが俺の好みだね!まあ、恋愛対象には絶対見れないけど。陽乃さんに消されちゃうぜ。

 そうこうしている間にガハマちゃんは雪ノ下さんの家へ、男子連中はラーメン屋へと行くことになった。

 汚さないようにしないとな。陽乃さんのことだ、クリーニングなんてぶっ飛ばして新しいものを買うといいかねない。こんなの二度も受け取れんわ!

 「兄貴、行くぞ」

 「ほーい」

 

 

 ラーメンを食べ、戸塚君達と別れた俺と八幡はホテル・ロイヤルオークラへ向かった。

 ガハマちゃん達とはそこで待ち合わせをしているらしい。

 「兄貴、帰っていい?」

 「いやだめでしょうよ」

 八幡はその豪華な内装や大きさに圧倒されていた。

 わかる、わかるぞ八幡。俺も最初に陽乃さんにこのような場所に連れてこられた時は卒倒しそうになったからな。 

 「ガハマちゃん達どこにいるって?」

 「エレベーターホール前らしいぞ」

 「お、お待たせ」

 エレベーターホール前で挙動不審になりながら話していると、綺麗なお姉さんに話しかけられた。てか、ガハマちゃんだった。

 胸元の大きく開いた深紅のドレスは先程とは違い、ガハマちゃんをしっかり大人の女性へと変化させていた。

 「なんかピアノの発表会みたいになっちゃったよ」

 いやいや、明らかにピアノの発表会以上の代物でしょうよ。用意した雪ノ下さんが落ち込んじゃうよ。

 「そのレベルの服をピアノの発表会と言われると少し複雑なのだけれど……」

 ですよね。

 ガハマちゃんの後ろから姿を見せたのは漆黒のドレスを着た雪ノ下さんだった。

 彼女が身に纏う漆黒のドレスは良く似合っていて、彼女の持つ黒髪はドレスと同色ながらそれ以上に艶やかだった。

 全員が揃ったところで俺達はエレベーターに乗りバーへと向かった。

 まさかこんな短い間隔でここに来るとは思わなかったな。

 そして、最上階に着くと途端に八幡とガハマちゃんがきょろきょろし始める。

 「きょろきょろしないで」

 「……っ!」

 それを見逃す雪ノ下さんではなく、八幡は思いっきりヒールで足を踏まれていた。

 あれ痛いよな。俺も初めてこういう場所に来たときは、陽乃さんに同じように足を踏まれた。

 俺は背筋を伸ばし、胸を張りしっかりと前を見据える。すると、隣に立っていた雪ノ下さんが俺の右肘をそっと掴んでくる。

 「比企谷君は先輩と同じように背筋を伸ばして胸を張りなさい。由比ヶ浜さんは私の真似をしなさい」

 八幡とガハマちゃんは驚きながらも俺達の真似をする。

 「驚いたわ。先輩、慣れているのね」

 「まあね。俺の先輩がこういうところ好きだから」

 君のお姉さんだけどね。

 「そう」

 その一言を残し、雪ノ下さんと俺は扉をくぐった。

 前回来た時とは違う男性にカウンターへと導かれると、そこにいる女性と目が合う。勿論川崎さんだ。

 「あんた……」

 「どうも、川崎沙希さん」

 俺にいち早く気づいた川崎さんは目を細めながら口を開く。

 「なんだ、兄貴も知り合いだったのか」

 「……あんた誰」

 「同じクラスなのに名前を覚えられていないなんて、流石比企谷君ね」

 雪ノ下さんは席に座りながら感心したように呟いた。

 俺は認識していて八幡は認識されてないのか。流石八幡だな!

 「捜したわ。川崎沙希さん」

 「雪ノ下……」

 川崎さんは不機嫌そうな顔をしながら雪ノ下さんの名前を呟く。

 どうやら川崎さんは雪ノ下さんのことをしっているようだ。まあ、総武高に通っていて雪ノ下さんのことを知らない人の方が少ないか。

 なぜ目の敵のような目で見ているのかは知らないが。

 俺と雪ノ下さんがいるということは総武高関連だということに気づいたのだろう、視線は残る一人、ガハマちゃんへと注がれる。

 「こんばんは……」

 「由比ヶ浜か。気づかなかったよ」

 なるほど、確かに今日のガハマちゃんはよく見なければわからないかもしれない。気づかないのも無理ないか。

 「じゃあ、彼も?」

 「ああ、俺の弟で比企谷八幡。君やガハマちゃんと同じクラスだよ」

 「そっか、ばれちゃったか」

 そう言うと、川崎さんは諦めたような笑みを浮かべ壁へ寄りかかった。

 「何か飲む?」

 「私はペリエを」

 「わ、私もおなじやつ!」

 「あっ」

 あー。八幡の奴、先手をガハマちゃんに打たれたな。

 「じゃあ、MAXコー……」

 「彼には辛口のジンジャエールを」

 MAXコーヒーと言いかけた八幡を遮る形で雪ノ下さんが告げる。

 まあ、確かにここにきてMAXコーヒーを頼むやつはいないよな。

 「先輩は?」

 「俺も同じやつをもらおうかな」

 「かしこまりました」

 そういうと、川崎さんは慣れた手つきでシャンパングラスを四つ用意し、それぞれに飲み物を注いで俺達へ差し出す。

 「それで?何しに来たのさ。まさか、そんなんとデートってわけじゃないでしょ?先輩はともかく」

 「隣の目の腐った方を見て言ったのなら、冗談にしても趣味が悪いわ。先輩ならともかく」

 やめて!八幡のライフはもうゼロよ!俺も素直に喜べないよ!

 その後、なぜ俺達がここに来たのか、辞める気はないのかといった問答があった後、なぜここでバイトをしているのかという理由についての話へと発展する。

 「お金が必要なだけ」

 実に単純な理由だ。

 しかし、その中には様々な要因が潜んでいる。なぜお金が必要なのかということだ。家庭の事情か、はたまた自分の趣味の為か。

 彼女の様子から趣味の為という筋は薄いだろう。ならば家庭事情か。だが、家族にばれたくないということは自分に関わる問題なのかもしれない。

 家庭の事情で家族にばれたくないお金の問題か。

 そこまで考えたところで川崎さんの冷たい声が耳を震わせる。

 「ねえ、あんたの父親さ、県議会議員なんでしょ?そんな余裕のあるやつにあたしのことなんてわかるはずないじゃん」

 川崎さんがそう口にした瞬間、カシャンと何かが割れる音がする。

 音のした方を向くと、雪ノ下さんが唇をかみしめながらカウンターへ視線を落としている。雪ノ下さんのただならぬ雰囲気に八幡も思わず雪ノ下さんの顔を覗き込んでいた。

 「雪ノ下」

 「え、あ、ごめんなさい」

 八幡に声をかけられた雪ノ下さんはおしぼりでカウンターを拭いた。

 「ちょっと!ゆきのんの家のことは……」

 そんなガハマちゃんの普段聞くことのない叫び声を流しながら俺は雪ノ下さんを見る。

 明らかにいつもとは違う雰囲気。

 家族のことが彼女にとってタブーなのはなんとなく察してはいた。だが、ここまで取り乱すとは思わなかった。彼女の抱える問題は俺の思っている以上に深く、重いのかもしれない。

 それを敏感に察した八幡はガハマちゃんに雪ノ下さんを連れて帰るように促す。

 ガハマちゃんも雪ノ下さんの様子がおかしいことはわかっていたのか、小さく頷き雪ノ下さんを連れてバーを後にした。

 「川崎。明日の朝、時間をくれ。五時に通り沿いのマック。いいか?」

 「はぁ?なんで?」

 「少し大志のことで話しておきたいことがある」

 「……何?」

 流石八幡、上手く川崎さんの興味を引いている。

 川崎さんの言動などを見ていると、俺と似たような、すなわちブラコンの気を感じる。それは八幡も同様のようで、大志君を話に出すことで興味を引いたのだろう。

 「それは明日話すよ。じゃあな」

 「ちょっと!お金、足りてないんだけど!」

 はは、流石雪ノ下さんだぜ!

 「いいよ、俺が出すから。八幡、先に帰ってな」

 「兄貴はどうすんだ?」

 「ほら、俺はまだジンジャエール残ってるから」

 俺は半分くらいジンジャエールの残ったグラスを見せる。

 「わかった。遅くなんなよ」

 「了解」

 そう言うと八幡は手を軽く振りながらバー出ていった。

 「何?帰んないの?」

 「もう少しね」

 「あんたはもうわかってるんだ」

 「さあ、なんのことやら」

 勿論、彼女の言う通り全てわかっている。おそらく八幡も大体予想はついているだろう。

 「さっきはちょっと言い過ぎたかなって思ってる。だけど……」

 「わかってるよ。君にも雪ノ下さんにもいろいろあるんだよね。だからこそ、明日八幡の言う通り来てくれるかな?何かが前に進むと思うから」

 「……言われなくても行くよ」

 「そっか」

 彼女にも雪ノ下さんにも思うところはあるのだろう。そもそも悩みなんてものは誰だって抱えているものだ。そのすべてを解決できやしない。

 でも、解決できるものが目の前にあるなら解決してやりたいと思う。

 まあ、今回それをするのは俺ではなく、奉仕部だ。

 八幡にもそれなりの考えがあるのだろう。なら、俺は八幡を信じるだけだ。それが兄ってやつだと思うから。

 

 

 そして次の日の午前五時。

 俺は通り沿いのマックでぼーっと過ごしていた。

 動き始めれば覚醒の早い俺だが、今日は些か早すぎる。俺の覚醒能力も流石に追いつけないようだ。

 「兄貴、大丈夫か?」

 「ん?あ、ああ。大丈夫大丈夫」

 「そうには見えないけどな」

 そうこうしてる間に川崎さんが現れ、奉仕部メンバーに小町と大志君を加えたメンバーが到着する。

 大志君がいることを知った川崎さんは不機嫌そうに顔をしかめていた。

 「川崎、お前がなんで働いていたか、金が必要だったかを当ててやろう」

 八幡のそんな言葉を皮切りに八幡の推理ショーが始まった。

 結論から言えば、塾の費用を稼ぐため。大志君が中三になり、塾へと行き始める。しかし、進学校である総武高に通っている川崎さんも塾へ行かなければならない。

 要するに両親、そして大志君へ心配をかけたくないという思いからの行動だったというわけだ。

 これで、川崎さんがバイトをする理由はわかった。

 しかし、川崎さんがバイトを辞める理由が見つからない。解決法がないのだ。

 「なあ川崎。スカラシップって知ってる?」

 そんな八方塞がりの状況での八幡の言葉は、その壁に大きな穴をあけた。

 

 

 中間試験の全日程を終了し、休みを挟んだ月曜日。

 今日はテストの返却の日だ。

 今回も学年一位を守ったのは良かったのだが、国語だけめぐりに負けてしまった。めぐりのあの勝ち誇った顔を思い出すたびに顔がにやけてくる。

 まじめぐりん可愛すぎ。あんな嬉しそうな顔を見せられたらむかつくことも忘れてしまいますわ。

 そんな日の放課後、俺は職場見学へ向かった八幡を迎えに行くため、海浜幕張駅付近を歩いていた。

 すると、背中に衝撃が走る。

 「おっと、すいませ……」

 由比ヶ浜結衣の魅力として挙げられるものとして、容姿のほかに活発で明るい性格がある。あの天真爛漫な笑顔を見ているだけでこちらも癒される。

 しかし……。

 「お兄さん、私はどうしたらよかったのかな……」

 俺の背中で肩を震わせる彼女の表情には。

 「どうしたら……」

 あの笑顔がなかった。




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