シャッホロの狂い姫が可愛くて仕方がないです。
彼女と戦ったり、一緒に食事をしたりしたいなぁ……。
絶対にソヤンケクルにぶちのめされるだろうけど……。
たぶん、今回は一番長いです。
【師弟の戦い】
目の前に広げられたカードを一枚ずつ確認しながらデッキの構築をおこなう。
今日の正午にあるエレナとのデュエル。
それによってプロランク1位である悪魔王がエレナだということと俺が師であることを証明するのだ。
(禁止制限があっても十分に展開力があるデッキだからな……)
エレナのデッキは竜剣士とEMの混成デッキとなっており、ランク4のエクシーズや融合、シンクロ、ペンデュラムといった儀式以外の召喚方法をかなり容易におこなえる。
まぁ、救いがあるとすればラスター、イグニスター、ドクロバットジョーカー、ペンマジが制限なことと、猿が禁止になっていることだろう。
正直なところ、禁止制限に入っていなかった時はかなり相手にするのが面倒くさかった。
(少し早いが出ておくか)
時刻は10時を過ぎたとろを指している。
正午までまだ時間はあるが気にしないでおこう。
エレナにプロランクカードを忘れずに持ってくるようメールを送り、俺は家を出た。
ミッド第3運動公園、ここは普段であれば子供連れの親や、散歩をしている人くらいしか平日にはいない。
いや、正しくはいないはずだった。
「昨日の〝ミッド散策〟はビックリだったよな」
「そうだね。でも、おかげで学校の授業が休みになったし」
「さすがに喫茶店の店長が1位より強いとかはないだろー」
「だよなー。むしろ、あれが1位ってのも嘘かもしんないぜ」
「急に今日のお昼は郊外学習ってビックリしたけどこう言うことだったんだね」
「まさか遊砂さんが悪魔王の師匠だったなんてね」
「でも、確かに遊砂さんの本気のデッキって見たことないよね」
「見やすい場所を探すにゃー!」
「え、ちょ、ダレカタスケテー!」
「衝撃の真実ぅ!喫茶店の店長は1位の師匠でしたぁ~!」
「ベクターァァァァアアアアアア!」
「《終焉のカウントダウン》だよ。ゆっくり死んでいってね!」
「みょん!?」
「もっと店長はシルバー巻くとかSA☆」
「デュエルを見に全速前進DA!」
一部でふざけている人間もいるが、ミッド第3運動公園にはかなりの人数の人が集まっていた。
そこまで信じる人はいないと思っていただけに、この人数にはさすがに驚く。
(っつーか、ヴィヴィオたちがいなかったか?)
目深にかぶった帽子の隙間から声のした方を見ると、そこには
聞こえてきた内容から察するにカリム辺りが根回しをしたのではないだろうか。
(一先ずはそこのクレープでも……)
「あのっ……」
「んえっ?」
急に声をかけられ、反射的に変な声が出る。
声をかけられた方を見ると、そこにはSt.ヒルデ魔法学院の中等科の制服を着た女子生徒がいた。
と言うか今代の〝覇王〟、アインハルト・ストラトスがいた。
「なんか用かい、今代の」
「あなたは……、〝魔王〟なのですか?」
不安気に、しかしどこか確信を持ちながらアインハルトは尋ねてきた。
〝魔王〟、とても懐かしい名に少しだけ昔のことを思い出す。
「さあ、どっちだと思う?」
「分かりません……。ですが、私の中の〝覇王〟の記憶はあなたを〝魔王〟として認識しています……」
少しおどけた調子で問いかけてみると、アインハルトは苦し気な、もしくは悲し気な表情で答えた。
〝魔王〟、それは歴史に残ることのなかった王の名を持つ者。
そして〝覇王〟、イングヴァルトの友人だった男だ。
「ま、ヴァルなら分かるだろうな」
「ッ!その呼び名は!」
「今は言わないさ。ちゃんとヴィヴィオもいる時に話してやるよ」
アインハルトの頭をポンポンと軽く叩いて俺は歩き出す。
色々と聞きたいこともあるだろうが、それは今ではない。
アインハルトとヴィヴィオ、今代の2人が揃っているときにこそ話すべきだからだ。
(さて、改めてデュエル前の腹ごなしと行きますか)
目についた移動販売車の元へと向かいながら俺は食べるものを思い浮かべていった。
ミッド第3運動公園デュエルコート、時刻ももう間もなく正午になるくらいだろう。
回りを見ればデュエルを見に来た観客や、テレビ局のカメラやアナウンサーなどがいる。
そして向かいを見ると、昨日とは違い仮面を着けて悪魔王の格好をしているエレナの姿があった。
「エレナ、デュエルの前にプロランクカードを公開しておけ」
「分かりました」
俺の言葉にエレナは頷き、1枚のカードを取り出した。
エレナの取り出したカードにテレビ局のカメラたちが一斉に向き、さらに空中へとカードが投影される。
〔エレナ・メイヘム 〝
投影されたカードにはシンプルにプロ名とランクだけが記されており、偽造防止用に識別用の魔方陣が描かれている。
「これでいいだろう。さぁ、始めようか」
「お願いします!」
「「デュエル!」」
デュエルディスクを構え、デュエル開始の宣言をする。
先攻は……エレナからだ。
「私の先攻!私は《トリオンの蠱惑魔》を召喚し、デッキから《奈落の落とし穴》を手札に加えます!」
トリオンの蠱惑魔 ATK1600
エレナの場に現れたのはオレンジ色の衣服を着た可愛らしい少女のモンスター。
とは言っても可愛らしい見た目に魅了されて迂闊に近づいてはいけない。
この可愛らしい姿は偽りの姿であり、本性は巨大な蟻地獄なのだから。
「カードを1枚伏せてから《手札抹殺》を発動し、3枚ドロー!」
竜剣士マスターP→墓地
BF-精鋭のゼピュロス→墓地
グローアップ・バルブ→墓地
「いきなり抹殺か……」
幻影騎士団ダスティローブ→墓地
魔界発現世行きデスガイド→墓地
彼岸の悪魔 ガトルホッグ→墓地
彼岸の悪魔 ファーファレル→墓地
彼岸の悪魔 グラバースニッチ→墓地
「墓地に送られたガトルホッグ、ファーファレル、グラバースニッチの効果を発動!」
「焦りすぎましたか……」
《手札抹殺》によって手札から落ちたのは墓地に送られた時に効果を発動する彼岸のモンスターたち。
これにより3種類のモンスター効果が発動する。
「グラバースニッチの効果でデッキからグラバースニッチ以外の彼岸、《彼岸の悪魔 ハックルスパー》を特殊召喚」
彼岸の悪魔 ハックルスパー ATK1400
「続いてファーファレルの効果をトリオンを対象に発動。対象のモンスターをエンドフェイズまで除外する」
トリオンの蠱惑魔→除外
「最後にガトルホッグの効果で墓地のガトルホッグ以外の彼岸、グラバースニッチを特殊召喚する」
彼岸の悪魔 グラバースニッチ ATK1000
3種類全ての効果が発動し、最終的にはトリオンが除外されて俺の場には2体のモンスターが現れることになった。
さらに言うなら俺にとって損失は全くない。
「くっ……。私はこれでターンエンドです」
「そしてエンドフェイズにトリオンは帰還する」
エレナ LIFE8000
トリオンの蠱惑魔 ATK1600
セットカード1
手札3
苦い表情でエレナはエンド宣言をする。
自身の発動したカードによって自身の行動を阻害してしまえば当然の表情かもしれないが。
「俺のターン、ドロー。俺はハックルスパーとグラバースニッチでオーバーレイネットワークを構築!」
ハックルスパーとグラバースニッチが黒い光の珠となって渦を描きながら1つになる。
「死者の国を歩きし旅人よ。今、呼び掛けに答えてこの地に現れよ!エクシーズ召喚!《彼岸の旅人 ダンテ》!」
彼岸の旅人 ダンテ ATK1000
黒い光の渦から現れたのは赤い服を纏った1人の男性。
その攻撃力も1000と高くはない。
観客たちもその攻撃力の低さにブーイングをし、バカにした声も聞こえてくる。
そんな中、エレナだけは嫌そうに表情を歪めた。
「ダンテですか……」
「すぐには使わないがな。墓地のダスティローブを除外して効果を発動。デッキからダスティローブ以外の幻影騎士団、《幻影騎士団サイレントブーツ》を手札に加える」
墓地のダスティローブの効果を使い、デッキからカードを手札に加える。
これにより、手札の枚数は7枚に増える。
ついでに言うと、まだ通常召喚も行っていない。
「そしてダンテのオーバーレイユニットを1つ取り除き、デッキの上からカードを3枚まで墓地に送って効果を発動!ダンテの攻撃力は墓地に送った枚数×500アップする!」
幻影騎士団サイレントブーツ→墓地
幻影騎士団ラギッドグローブ→墓地
幻影霧剣→墓地
彼岸の旅人 ダンテ ATK1000→2500
「さらに墓地に送られたハックルスパーの効果をエレナの場にセットされた魔法、罠を対象に発動。セットされたそのカードを持ち主の手札に戻す」
セットカード→手札
「そんな!」
セットされていた《奈落の落とし穴》がエレナの手札へと戻っていく。
《手札抹殺》を発動する前に伏せていたものであり、墓地にも落ちていなかったのだから間違いはないだろう。
「《SRベイゴマックス》を通常召喚し、効果を発動。デッキからベイゴマックス以外のSR、《SRタケトンボーグ》を手札に加える」
SRベイゴマックス ATK1200
「そして場に風属性のモンスターが存在するとき、タケトンボーグは特殊召喚できる」
SRタケトンボーグ ATK600
「ベイゴマックスとタケトンボーグでオーバーレイネットワークを構築!」
ベイゴマックスとタケトンボーグが光の珠となって渦を描きながら1つになる。
「狭間の海を泳ぎし翼持つ海竜よ。今、虚空を破りて現れよ!エクシーズ召喚!《虚空海竜リヴァイエール》!」
虚空海竜リヴァイエール ATK1800
現れたのは口に炎を溜めた水色の体躯の竜。
「リヴァイエールのオーバーレイユニットを1つ取り除き、除外されているレベル4以下のモンスター、ダスティローブを対象に効果を発動。対象のモンスターを自分の場に特殊召喚する」
幻影騎士団ダスティローブ ATK800
「自分の場に幻影騎士団モンスターが存在するとき、サイレントブーツは特殊召喚できる」
幻影騎士団サイレントブーツ ATK200
「さらに墓地のサイレントブーツを除外して効果を発動。デッキからファントム魔法、罠を1枚手札に加える。手札に加えるのは《幻影霧剣》」
いったいどれ程の効果を発動しただろうか。
見ている観客の表情をチラリと見てみると口を開けているのが何人も見える。
「大分動きますね……」
「そうか?ぜんぜん動いているとは思っていないんだが……」
確かに手札はまだ6枚あるが、理想的な動きができたとは言い難い。
できればベイゴマックスは特殊召喚をしたかったし、チェンジセカンドも来ていないから妨害も今一つだ。
「まぁいい。ダスティローブとサイレントブーツでオーバーレイネットワークを構築!」
ダスティローブとサイレントブーツが光の珠となって渦を描きながら1つになる。
「その身に纏うは機甲の鎧。守護の力で仲間を守れ!エクシーズ召喚!《機装天使エンジネル》!」
機装天使エンジネル ATK1800
続いて現れたのは青い機械の身体をした天使。
やろうと思えばまだ動くことは可能だが、必要性は薄いだろう。
「ダンテでトリオンを攻撃!」
○ATK2500VSATK1600×
エレナ LIFE8000-900=7100
「くっ……」
「リヴァイエール、エンジネルでダイレクトアタック!」
「きゃぁぁあああっっ!!」
エレナ LIFE7100-1800-1800=3500
3体のモンスターの攻撃によってエレナのライフが一気に半分以下にまで減少する。
ダメージだけを優先していた場合、残りライフはさらに少なくなっていただろうが気にしなくていいだろう。
「ダンテはバトルフェイズ終了時に守備表示となる。が、手札の彼岸モンスターを墓地に送ってダンテでオーバーレイネットワークを再構築!」
「再構築!?」
ダンテが光の珠となって渦を描きながらその姿を異なる姿へと変化させていく。
「美しき姿は永劫の時を超えていく。汝、常に淑女であれ!エクシーズ召喚!《永遠の淑女 ベアトリーチェ》!」
永遠の淑女 ベアトリーチェ ATK2500
現れたのは白い服を纏った1人の女性。
「俺はカードを2枚セットしてターンエンド」
遊砂 LIFE8000
永遠の淑女 ベアトリーチェ ATK2500
虚空海竜リヴァイエール ATK1800
機装天使エンジネル ATK1800
セットカード2
手札3
エクシーズモンスターが3体並び、2枚のセットカードが存在して手札が残り3枚。
動きとしてはまだ不満があるが、見ている方からしてみると驚愕に値するらしい。
先程からざわざわと騒がしい声や、テレビ局のアナウンサー達の話し声が聞こえてくる。
「さすがは師匠です。私のターン、ドロー!私は《EMドクロバットジョーカー》を召喚!さらに効果を発動!デッキから《EMリザードロー》を手札に加えます!」
EMドクロバットジョーカー ATK1800
継ぎ接ぎだらけの帽子を被った男性が現れ、帽子の中からカードを取り出してエレナに手渡す。
(ヤバイ、動き始めやがった……)
エレナの手札に加わったカード、さらにそれと組み合うであろうカードの存在を感じながら俺は冷や汗を流す。
「そして《EMギタートル》と《EMリザードロー》をペンデュラムゾーンにセッティング」
EMギタートル スケール6
EMリザードロー スケール6
「ギタートルの効果で1枚ドロー。さらにリザードローを破壊してもう1枚ドロー。そして《竜呼相打つ》を発動!デッキから竜剣士と竜魔王のペンデュラムモンスターを1体ずつ選んで相手に見せ、相手はその中からランダムに1枚を選ぶ。私が選ぶのは《竜剣士ラスターP》と《竜魔王ベクターP》です!」
「俺は左のモンスターを選ぶ」
「相手が選んだモンスターは自分のペンデュラムゾーンにセットするか特殊召喚をし、残ったモンスターはエクストラデッキに表側表示で加えます。選ばれたのはラスターP。ペンデュラムゾーンにセットし、残ったレクターPはエクストラデッキに加わります」
竜剣士ラスターP スケール5
選ばれたのはスケール5のラスターP。
今の状態ならペンデュラム召喚は不可能だ。
今の状態で終わるのであれば……
「さらに魔法カード、《揺れる眼差し》を発動!ペンデュラムゾーンのカードを全て破壊し、破壊した枚数によっていくつかの効果を適用します」
EMギタートル→破壊
竜剣士ラスターP→破壊
「まず1枚以上の効果、相手に500ダメージを与えます」
「ちっ……」
遊砂 LIFE8000-500=7500
「次に2枚以上の効果、デッキからペンデュラムモンスター1体を手札に加えることができます。私が加えるのは《EMゴムゴムートン》!」
徐々に体勢を建て直していくエレナにセットしていたカードを発動しなかったことを後悔する。
「ゴムゴムートンと《エキセントリック・デーモン》をペンデュラムゾーンにセッティング!」
EMゴムゴムートン スケール1
エキセントリック・デーモン スケール7
「揺れろ災厄のペンデュラム。天空に絵描くは絶望のアーク!ペンデュラム召喚!出てこい、モンスターたち!」
EMペンデュラム・マジシャン ATK1500
竜剣士ラスターP ATK1850
竜魔王ベクターP ATK1850
手札の枚数が1枚になったが3体のモンスターを同時に召喚する。
複数の同時召喚に関してはやはりペンデュラム召喚の方が強力だ。
「ペンマジの効果でペンデュラムゾーンの2枚を破壊し、デッキから《EMギタートル》と《EMリザードロー》を手札に加えます!」
EMゴムゴムートン→破壊
エキセントリック・デーモン→破壊
手札が1枚だったのも少しの間。
すぐに手札が2枚追加された。
「レベル4、ペンマジに、レベル4、ラスターをチューニング!」
ラスターが光の輪となり、その中をペンマジが潜り抜けていく。
「竜の剣士はその身に爆炎の力を宿し、敵を切り裂く!シンクロ召喚!《爆竜剣士イグニスターP》!」
爆竜剣士イグニスターP ATK2850
現れたのは赤い鎧に身を包んだ竜剣士。
その身体からは熱風が巻き起こっており、周囲の温度を上げていた。
「イグニスターの効果でデッキから竜剣士モンスターを守備表示で特殊召喚する。きて、マスター」
竜剣士マスターP DEF0
「そしてマスターとドクロバットでオーバーレイネットワークを構築!」
マスターとドクロバットが光の珠となって渦を描きながら1つになる。
「竜の剣士は風の友を得、共に空を駈ける!エクシーズ召喚《昇竜剣士マジェスターP》!」
昇竜剣士マジェスターP ATK1850
続けて現れたのはペガサスにまたがった竜剣士。
持っている剣には旋風が纏われ、辺りに風音を響かせていた。
「マジェスターのオーバーレイユニットを1つ取り除き、効果でエクストラデッキから竜剣士のペンデュラムモンスターを特殊召喚する。きて、ラスター」
竜剣士ラスターP ATK1850
もはや何度目かも分からない特殊召喚。
心なしか竜剣士にも疲労が見える気がする。
「ラスターとベクターをリリース!」
ラスターとベクターが1つになり、新たな姿へと変わっていく。
「竜の剣士はその身に堅き鎧を纏い、全てを守る!融合召喚!《剛竜剣士ダイナスターP》」
剛竜剣士ダイナスターP ATK2000
さらに続けて現れたのは青い大型の鎧を纏った竜剣士。
その身体からは蒸気が吹き出しており、力強さがうかがえた。
「ダイナスターの効果で墓地の竜剣士のペンデュラムモンスターを特殊召喚する。もう一度きて、マスター」
竜剣士マスターP ATK1950
どのタイミングで止めるかを悩んでいたら大量に大型モンスターを展開されていた。
もはや何が起きているのかは分からなくなってくるが、やっておくべき事はやっておこう。
「ベアトリーチェのオーバーレイユニットを1つ取り除き、効果を発動!デッキからカードを1枚墓地に送る。俺が送るのは《SR三つ目のダイス》!」
SR三つ目のダイス→墓地
「私はマスターを対象にイグニスターの効果を発動!」
「ならその発動にチェーンしてイグニスターを対象に《幻影霧剣》を発動!対象のモンスターは攻撃できず、攻撃対象にもされず、効果は無効になる!」
紫色の霧がイグニスターにまとわりつき、その動きを完全に封じる。
「う……。ならせめてリヴァイエールとエンジネルだけでも!ダイナスターでリヴァイエールに攻撃!」
「エンジネルのオーバーレイユニットを1つ取り除き、リヴァイエールを対象に効果を発動!対象のモンスターは守備表示になり、このターンそのモンスターは戦闘及びカードの効果では破壊されない」
○ATK2000VSDEF1600×
「そんな!なら、マスターでエンジネルを攻撃!」
○ATK1950VSATK1800×
遊砂 LIFE7500-150=7350
マスターの突き立てた剣によってエンジネルは破壊され、その身を爆発させた。
手札にあるのも最初に手札に加えた《奈落の落とし穴》とついさっき手札に加えたギタートルとリザードローのみ。
マジェスターの効果もエンドフェイズである時点でもはややることも奈落を伏せるくらいだろう。
「私はカードを1枚セットしてターンエンド。エンドフェイズにマジェスターの効果でデッキからペンデュラムモンスター、《竜魔王レクターP》を手札に加えます」
エレナ LIFE3500
爆竜剣士イグニスターP ATK2800
昇竜剣士マジェスターP ATK1850
剛竜剣士ダイナスターP ATK2000
竜剣士マスターP ATK1950
セットカード1
手札3
「俺のターン、ドロー!俺は墓地のダスティローブとサイレントブーツを除外して効果を発動。デッキからダスティローブ以外の幻影騎士団、《幻影騎士団サイレントブーツ》とファントム魔法、罠、《幻影霧剣》を手札に加える」
ドローと合わせて3枚のカードが手札に加わる。
「まずはリヴァイエールを攻撃表示にし、オーバーレイユニットを1つ取り除き、除外されているダスティローブを対象に効果を発動。対象のモンスターを自分の場に特殊召喚する」
幻影騎士団ダスティローブ ATK800
「次にベアトリーチェのオーバーレイユニットを1つ取り除き、効果を発動。デッキからカードを1枚墓地に送る。俺が送るのはガトルホッグ。そして墓地に送られたガトルホッグ、ダンテの効果を発動。ガトルホッグの効果でハックルスパーを特殊召喚し、ダンテの効果でグラバースニッチを手札に加える」
彼岸の悪魔 ハックルスパー ATK1400
「そして彼岸の悪魔たちは彼岸以外のモンスターがいるときに自壊する」
彼岸の悪魔 ハックルスパー→破壊
「そして墓地に送られたハックルスパーの効果をエレナの場にセットされた魔法、罠を対象に発動。セットされたそのカードを持ち主の手札に戻す」
「またですか!?」
セットカード→手札
さっきのターンと同じように再びエレナのセットカードが手札へと戻される。
ハックルスパーの攻撃力も1400と奈落に引っ掛からないラインな為、防ぐこともできなかったのだ。
「さて、終わらせるか。墓地の《幻影霧剣》を除外して墓地の幻影騎士団モンスター、ラギッドグローブを対象に効果を発動。そのモンスターを特殊召喚する」
幻影騎士団ラギッドグローブ ATK1000
このままあのモンスターを出せば俺の勝ちは決まるが、少しばかり回り道をしてもいいだろう。
「ダスティローブとラギッドグローブでオーバーレイネットワークを構築!」
ダスティローブとラギッドグローブが光の珠となって渦を描きながら1つになる。
「お菓子とイタズラ、君が欲しいのはどちらかな?エクシーズ召喚!《ゴーストリック・アルカード》!」
ゴーストリック・アルカード ATK1800→2800
現れたのは白い肌をした1人の吸血鬼。
さらにアルカードは闇を纏い攻撃力が上昇した。
「ラギッドグローブの効果によってアルカードの攻撃力は1000アップする。さらにダスティローブを通常召喚」
幻影騎士団ダスティローブ ATK800
「そして自分の場に幻影騎士団モンスターが存在するとき、サイレントブーツは特殊召喚できる」
幻影騎士団サイレントブーツ ATK200
途切れることなくモンスターが続々と現れる。
手札の枚数も5枚とかなり多い。
「ダスティローブとサイレントブーツでオーバーレイネットワークを構築!」
ダスティローブとサイレントブーツが光の珠となって渦を描きながら1つになる。
「戦場に倒れし騎士たちの魂よ。今こそ蘇り、闇を切り裂く光となれ!エクシーズ召喚!《幻影騎士団ブレイクソード》!」
幻影騎士団ブレイクソード ATK2000
渦の中から駆け上がってきたのは巨大な剣を手にした首無しの騎士。
「ブレイクソードのオーバーレイユニットを1つ取り除き、自分と相手の場のカードを1枚ずつ対象として発動する。俺が選ぶのはブレイクソード自身とマジェスター。そしてそのカードを破壊する」
幻影騎士団ブレイクソード→破壊
昇竜剣士マジェスターP→破壊
「マジェスター!」
「エクシーズ召喚されたこのモンスターが破壊された時、自分の墓地の同じレベルの幻影騎士団モンスター2体、ダスティローブとサイレントブーツを対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚し、レベルを1つ上げる。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は闇属性モンスターしか特殊召喚できない」
幻影騎士団ダスティローブ ATK800
幻影騎士団サイレントブーツ ATK200
「だ、だけど《幻影霧剣》の効果でイグニスターは攻撃されないからまだ負けにはなりません!」
「その考えは甘いな。俺は《置換融合》を発動!」
エレナの言葉を否定し、手札から1枚のカードを発動する。
今から呼び出すのは俺のフェイバリットモンスター。
「俺の場のダスティローブとサイレントブーツで融合!」
ダスティローブとサイレントブーツが渦を描きながら1つに合わさっていく。
「死した者たちの晴れることなき無念の怨嗟よ。今1つとなりて、その悪夢の奥の地獄から、新たな脅威を生み出せ!融合召喚!現れろ!飢えた牙持つ毒龍。《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》!」
スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン ATK2800
現れたのは紫の身体にいくつもの球体がついたドラゴン。
このドラゴンこそ俺のもっとも信頼する切り札であり、俺を象徴するモンスターである。
「スターヴが融合召喚に成功したため効果を発動する!相手の場の特殊召喚されたモンスター1体を選び、その攻撃力分だけこのモンスターの攻撃力をターン終了時までアップする!イグニスターの力を喰らい取れ!『ドレイン・バイト』!」
スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン ATK2800→5650
スターヴがイグニスターへと噛みつきその力を奪っていく。
効果だけをみれば《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》に近い効果だと言えるだろう。
「これでデュエルは終わりだな」
「削れたのは結局650だけですか……」
スターヴの攻撃力は5650、ダイナスターの攻撃力は2000。
エレナの残りライフは3500なので削りきれる数値となった。
「まぁ、禁止制限できつくなったとはいえよく戦ったんじゃないか」
「そう言われると嬉しいです。いずれは師匠に勝つつもりですので覚悟してくださいね!」
「楽しみにしているよ。とゆーか、俺と入れ替わろうとするために悪魔族を使うんじゃない」
「えー……」
俺の言葉にエレナは嫌そうに口を尖らせる。
エレナがプロ名を〝悪魔王〟としているのも、プロとしてのデュエルで悪魔族を使っているのも、全ては俺を〝悪魔王〟としてプロに出すためだからだ。
俺を〝悪魔王〟としてプロにしたあとは手早く自分もプロとして別名で登録し、師弟で1位2位を独占したいらしい。
「まぁいい、まずはデュエルを終わらせる。スターヴ、ダイナスターを攻撃!『ジェノサイド・ギフト』!」
○ATK5650VSATK2000×
遊砂 LIFE3500-3650=-150
スターヴは翼を広げダイナスターへと光線を放つ。
ダイナスターは自身の鎧で僅かに持ちこたえるが、すぐにその身は光線に飲み込まれ破壊された。
「さて、と。エレナ、これから大変だぞ」
「ですねー」
デュエルが終わると同時にこちらへと走ってくるテレビ局のカメラたちに俺は溜め息を吐きながら起こるであろう質問責めに気合いをいれた。
迂闊なことを話して余計な厄介事が起こらないとも限らないので返答には気を付けないといけないだろう。
「はぁ……。明日からの休みで気分転換は必須だな……」
明日からのヴィヴィオたちとの合宿に思いを馳せながら、聞かれるであろう質問の答えを考えていった。
読了ありがとうございました。
待っていてくれている人はいるかなぁ……。
とりあえず今月はもう1話更新予定です。
ミスや気になる所などがありましたら是非とも教えてください。