この小説には性的/暴力的表現が含まれています。

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24日後・・・

朝早く俺はバイクで新聞配達をしていた時、交通事故にあった。

 

二時間後・・・

 

午前七時ごろ・・・

本州のとある養鶏場で鶏を飼育している男たちは鶏にエサをやっていた。

「ほら、どんどん食っていい卵産んでくれよ。」

その時鶏は男の手のひらをつついた。

「痛!」

 

別の飼育員の男が尋ねる。

「大丈夫か?」

 

男は手のひらのつつかれた傷を見ながら、

「ああ、たまにある不注意だ。」

 

「そうか。餌やりに戻るぞ。」

と別の男が言ってエサをやりはじめた。

 

手に傷を負った男は傷を負って10秒後におおげさな身震いをはじめた。

そして男は口から大量の血を吐いた。

 

別の男は血を吐いた音に気づき近寄った。

「本当に大丈夫か?病院行った方がいいんじゃないか。」

「そうだな、数分しか仕事してないけど早退するよ。」

「その方がいい。俺から班長に言っといてやるよ。」

 

別の男は肩を組んで男を連れていこうとした時であった。

男は傷を負って20秒後にうつ伏せに倒れた。

 

「おい!本当に大丈夫か?」

と同時に別の男も仰向けに倒れた。

 

次の瞬間男は瞳が真っ赤になり、別の男を襲った。

「やめろ!!!」

襲われた男も何かに変化した。

 

この一連の騒ぎに他の飼育員たちが集まって来た。

飼育員たちはパニックになった。

「警察だ!!!電話しろ!」

「救急車を呼べ!!!」

 

二人の変化した男たちは集まってきた飼育員に向かって中腰でおおぶりで走りながら襲い始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

24日後・・・

俺は個室の部屋で目が覚めた。

カレンダーを見た時月が変わっていた。

(何日寝てたんだ。というよりここは病院か?)

だいぶ前になくなったであろう点滴の針を抜いて、個室のドアを開けようとした。

だがドアには外から鍵がかかっていたが中から鍵を解除できた。

 

ドア窓から廊下を見てみると患者も看護師もいなかった。

ただひっくり返った車椅子に担架そして用紙が散乱していた。

何が起きているか分からなかったが、病室から出てナースカウンターまで行った。

 

ナースカウンターで包帯を見つけて感染症にかからないように点滴の針の場所を消毒してからぐるぐる巻いた。

 

ナースカウンターでは吐血と書いてある診断書をよく目にしたが診断書の日付は俺が事故にあった午前が多く午後の時間帯以降の診断書は一枚も見つからなかった。

 

喉が渇いた俺は院内で飲み物を探した。

壊された自動販売機を見つけ、残っていた飲料をごくごくと数えきれないくらい飲んだ。

 

落ちていたビニール袋に残りの飲料を1.5リットル分詰めた。

結局院内には誰もいなかったから外に出た。

病院の名前を見て市が運営する病院だと分かった。

 

外に出ても人影すら見当たらない。

車が道で渋滞しているが人は誰一人乗っていない。

 

歩道から車を一台づつ確認しながら歩いていると新聞が落ちていた。

見出しには『本州集団脱出』と書いてあった。

新聞を読もうとしたとき男の悲鳴がコンビニから聞こえてきた。

 

俺はすぐにうす暗いコンビニに入ると男が倒れていて女二人に噛みつかれていた。

「何してんだ、逃げろ!」

男は俺に言い放った。

状況が分からない俺は全力疾走でコンビニから逃げた。

 

俺は自宅に向かって走った、するとさっきの男と女二人が走って来た。

乗り捨てられていた自転車に乗る余裕もなく走った。

 

すると正面に右手に小さな鎌、左手にライオットシールドを持った警備武装をした人が立っていた。

「逃げろ!あいつらは正気じゃない。」

俺は武装者にそう警告した。

 

武装者は俺の声に耳を傾けなかった。

武装者を置き去りにして20mくらい離れたところで止まって様子を見た。

すでに女二人が歩道で倒れており、最後のおかしくなった男を鎌で殺した。

 

俺は戻って武装者に近寄った。

と同時に三人の死体の目が真っ赤で不気味に感じた。

 

「あ、あの。ありがとうございます。」

すると武装者は鎌を道に落ちていた布きれで拭いてからヘルメットを取った。

武装者は俺とおなじくらいの若い女だった。

 

「逃げ遅れた市民ですか?」

「いえ、ずっと市立病院で入院してたんです。それで今日目が覚めたらこんなことになってて・・・」

 

「24日間も!」

女は驚いていた。

 

「いや、今日がいつか分からないんでなんとも言えないですけど・・・」

「今日は10月15日ですよ。」

 

俺も驚き嘆いた。

「そんな・・・いつからこんな事態に?」

「24日前に感染爆発して、本州に住んでる人は北海道・四国・九州に避難しました。」

 

俺は頭がついていかなかったがとりあえず両親の安否を確かめたかった。

「俺はとりあえず家に帰ります。」

 

「いえ!あなたは事態を軽視してるわ。今日は私の隠れ家に泊っていってください。」

女は俺を説得して隠れ家に連れて行った。

 

隠れ家は住宅街にあり四階建てのビル型の構造で裏には比較的に幅が広い川が流れていた。

そしてモーターボートが繋がれていた。

 

隠れ家に入ると基地のように物資が置いてあった。

女はシャッターを閉めた後二重に鍵をかけた後さらに本棚や事務テーブルで入口を塞いだ。

 

「モーターボートで脱出しようとは思わなかったんですか?」

「燃料が海に出るまで持たないし、脱出したとしても海で見つけてもらえるのは極めて難しいわ。」

 

女は俺を四階に案内してくれた。

四階には布団が六つあったが今日の出来事を見れば予想はつく。

 

三階に戻り夕飯を取ってた時この24日間のことを聞いた。

「感染爆発ってなんですか?」

「それより年も近いですし敬語はやめません?」

「はい。」

俺は淡々と返事した。

 

女の姓名は山島奈々。24日前隣県が感染源となり封鎖されたが、交通網が発達した今の日本では一日で感染が全国に広がるのは驚きを禁じえないことだろう。むしろ本州だけで食い止めたのが奇跡に近いと女は言った。山島は県民の避難誘導をしながら奴らと戦ったらしいが属していた分隊は二日で全滅し、三日目には日本政府は東京から北海道に作戦本部を移し、本州から流れてきた難民の対応に当たっている。

 

「つまり、数か月は本州に援軍が来ないってことよ。で、あなたの名前は?」

「俺は山島陸だ。」

「え?同じ苗字!」

女は少しテンションが上がった。

 

「うん、だから下の名前で呼ばないとな。」

「じゃあお互い呼び捨てでいいんじゃない!家族みたいだし。」

「そうだな、そうしよう。」

(俺の家族は大丈夫だろうか・・・)

初対面の女であったが日本人にしてはかなりフレンドリーであった。

 

引き続き奴らについて話した。

奴らに噛みつかれたり、また体液をかけられたりすれば20~30秒で奴らに変化するらしい。

本州は政府に一時見捨てられているが、奈々は見捨てられた人々を助けている。

この20日間で40人助けたらしいが一般市民は三日も持たないらしい。

 

置き去りにされた残存部隊は悪に堕ちるか、人を助けるかのどちらかに分かれているらしい。

 

「先に俺は寝るよ。お休み。」

すると奈々は俺に木製のバットを渡した。

「そこそこ重い・・・」

 

「何弱気な事言ってるの!警棒じゃあ一発で奴らを殺せないし、刃物じゃあ奴らの体液が飛び散るから、それで乗り切りなさい。」

と言いつつ、緊急の時は使えと刃渡り10cmのナイフも渡してくれた。

 

「殺せないって・・・」

「お休み。」

と言って奈々は食事の後、武器の手入れをしていた。

 

翌朝俺は二階の窓から外を見ていた。

「はあ、おはよう。」

奈々はまるで今日もだるい仕事が始まるかのようなのん気なあくびをしながら起きてきた。

 

俺は真剣に話を切り出した。

「なあ、俺両親の無事を確かめたいんだ、行かしてくれるか?」

「それはここからどれくらいの場所?」

 

「5km先のダイレクトマンションてところだ。」

「ああ、ダイレクトね。一度盗難届があって行ったことあるから私も行くわ。」

「いいけど・・・お前はこの件に関して関わらなくてもいいんだぞ?」

「いえ、私は警察官。市民の安全を守るのが仕事よ。それにこっちの方が住みやすいでしょ。両親がいたらこっちに連れて帰りましょ。」

「たしかに、マフィアの隠れ家みたいだからな。」

 

奈々がいつも物資調達に使っていた県警のパトカーに乗ってダイレクトマンションを目指した。

「奴らの気配はしないみたいね。」

「本当?」

俺は半信半疑だった。

と同時に心の中では奴らに恐怖していた。

ダイレクトマンションに着いた、どうやら本当に奴らは出てこなかった。

 

俺と奈々はパトカーから降りて一階のベランダに侵入した。

奈々は懐中電灯を俺に投げ渡した。

俺は懐中電灯の明かりを付けてバットを構え、奈々はライオットシールドを背中に背負い鎌を構えていた。

「なんで警察官なのに拳銃使わないんだ?」

 

奈々はタンスやキッチンをあさりながら、

「奴らは音や光にも反応するから、銃はなるべく使わない方がいいのよ。それより何号室?」

しかし奈々は念のために拳銃を胸のホルスターに入れている。

 

「404号室だ。」

「じゃあ階段を使わないとね。」

 

俺たちは部屋から廊下に出ると一階の階段のほうに一人奴らがいた。

「あんた倒してみなさい。」

「お、俺?あんた警官だろ。俺を守ってくれるんじゃないのか?」

だが奈々は厳しい表情でアイコンタクトしてきた。

 

(マジかよ。)

奴らとはいえ、元は人間。だが殺さなければ殺される。

お爺さんであったため鈍かったが俺は容赦なくバットで殴り殺した。

顏の原型がないくらいに夢中で。

この行為によって奴らへの恐怖心はなくなったが心の中で何かがおかしくなった。

 

すると奈々が止めに入った。

 

「ちょいちょいちょい!もういいって。階段登ろう。みんな最初はそんなもんよ。」

奈々は先に階段を上って行った。

 

お爺さんを殺した時俺はもう戻れないと思った。

 

気を取り直しつつ俺は希望を持って自宅に行った。

「陸の家だから、先入りなさいよ。」

「ああ・・・そうだな。」

 

俺はドアを開けようとした時鍵がかかっていた。

家族が避難したと思って家の鍵をポケットから取り出しロック解除した。

懐中電灯の明かりを付けて家に入って食卓を見るとチラシの裏の白い部分に『陸、私たちは全員四国に避難したから。』と伝言が残してあった。

 

奈々も伝言を見て

「よかったじゃん。」

と笑顔で言ってくれた。

 

「ありがとう。」

俺と奈々は自宅をあさってからマンションを出ようとした。

 

自宅の鍵を閉めて階段から降りようとした時であった。

突然銃声が鳴った。

銃弾は奈々の背負っているライオットシールドに当たり、衝撃で前の壁に頭をぶつけて気絶した。

「奈々!」

 

俺は奈々を階段に無理やり引きずろうとしたが銃弾が飛んできて無理だった。

 

「こっちには銃があるんだよ!」

野太い声が俺を威嚇してきた。

「女置いて逃げねーと、撃ち殺すぞ!!!」

撃って来た男が近づいてくる。

かすかだが拳銃を持ってる男の手の甲に黒いどくろの刺青が見えた。

 

(裏社会の人間か?どうするんだ、てか警官こういう時頑張れよ。)

耳を澄まして聞いているとどうやらもう一人男がいるようだ。

 

「お前!女撃ってんじゃねーか!!」

「大丈夫だ!盾みたいなやつに当たったからな!!」

二人の男の口論が聞こえる。

 

(よし!)

俺は一瞬のすきをついて奈々を階段のほうに引きずり込んだ。

だがそう上手くはいかない。

 

奈々を階段に引きずり込んだことに気づかれた。

「野郎!女連れて行きやがった!!ぶっ殺してやる。」

二人の男が強歩で向かってくる。

 

「おい!おい!起きろよ!!」

俺は奈々の頬を軽くたたきながら小声で起こそうとした。

どうやら起きなさそうだ。

俺は階段の壁にへばりついて頭を回転させた。

 

銃声を聞いたのか下から奴らが階段を上ってくる音がする。

それも複数。

 

俺の選択肢はふたつ。

A人間に撃ち殺される

B奴らに喰い殺される

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銃を持った男が階段に差し掛かった瞬間俺は男を掴んで階段に転がり落とした。

「クソ野郎!!!死ね!!!」

男が仰向けで倒れたまま撃とうした時、奴らが男に襲いかかった。

 

「ああああああああああああ!!!!!!」

奴らは俺たちに気づかず男を食っている。

 

俺は今のうちに奈々の頬を叩いた。

「うわ!!!」

奈々は驚いた後頭を痛がっていた。

 

「奈々!逃げるぞ!!」

 

もう一人の男が

「・・・おい?」

男は不安になっていた。

 

俺はバットを構えながら奈々は拳銃を構えながら反対の非常階段に向かった。

「待て!撃たないでくれ!!」

襲ってきた男は命乞いをした。

 

俺はすれ違いざまに男の足にホームランを打ってやった。

連れ違いざまに見えたがもう一人の男の右手の甲にも黒い刺青があった。

「うお!!」

男は立てなくなった。

 

奈々は非常階段の鍵がかかったドアノブを拳銃で撃って壊した。

奈々はそのまま非常階段を降りて行った。

 

「待ってくれ!助けてくれたら俺たちの仲間に入れてやるから!!」

命乞いする襲ってきた男は半泣きの声であった。

俺は三歩ほど戻って助けよう思った。

その時お爺さんをバットで殴り殺した記憶がフラッシュバックした。

 

男の後ろには奴らが走って襲ってきた。

奴らの中には奈々を撃った男も奴らの中にいた。

 

俺は後ろ歩きで最後にこう言った。

「因果応報・自業自得。ここが本州じゃなかったら今死んでなかったのにな。」

奈々に続いて俺も非常階段を下りた。

 

その後男の悲鳴が聞こえた。

 

俺たちは無事ダイレクトマンションから脱出し、パトカーに乗って隠れ家に帰った。

パトカーの中で奈々が運転中に聞いてきた。

「私なんかされた?」

「いや、やられる前にやったよ。」

「本当に?」

奈々は疑り深く聞いてきた。

 

「ああ。それよりお前本当に警官か?悪人に奴らもいたぞ。」

「し、仕方ないじゃん。それに奴らはあの男のせいで寄ってきたんでしょ?」

 

俺はあきれながら車の窓ガラスの外を見た。

外はまるで人類が滅びたかのような光景であった。

夕日があかね色に染まっていた。

 

「もう夜になるから今日は物資調達は無理ね。」

「そうだな。」

 

二人はパトカーを隠れ家の前に止めて隠れ家に入り、昨日と同じくシャッターを閉めた後二重に鍵をかけた後さらに本棚や事務テーブルで塞いだ。

 

数日後・・・

夕方ごろに帰って来た時奈々は

「陸、あんたも銃使ってみる?」

 

俺は奈々が言い出したことに疑った。

「いいのか?」

 

「うん、本州が捨てられてからあんたが私と出会って生き延びた最高記録の一般人だから。」

そう言って本棚をどけて地下室に続く隠し扉を開けた。

俺はこの建物に地下があることに驚いた。

 

「地下はカラオケ店で防音だから射撃練習が出来るわ。」

「なるほど、立てこもりにはもってこいだな。」

どうやらもともとこの建物は各階に店があったらしい。

 

一階はフロントとベンチャー企業、二階はバー、三階はレストラン、四階はネットカフェである。

 

奈々はこの場所の常連客であったために本州脱出に失敗した時、いち早く警察署から武器をこの建物に移したらしい。

俺は奈々に銃の撃ち方を教わり、地下で毎日練習した。

 

数日後・・・

「おはよう。奈々。」

「おはよう。陸。」

もう三食缶詰が当たり前になっていた。

 

「鯖は朝から俺キツイな。せめてフルーツの缶詰を・・・」

「文句言わない、私だってフルーツ食べたいよ・・・」

「あと温かい白いごはん食べたい。」

 

すると急に銃弾が飛んできた。

三階のガラスが割れて俺と奈々は食卓の下に隠れた。

数秒間俺たちは言葉が出なかったが、奈々は銃弾が飛んでくる中、階段を下りて行った。

 

俺は割れた窓の近くに行き敵の人数と配置を確認した。

敵は全員で四人、しかも敵全員が民家の二階の上の瓦屋根から狙撃してきた。

敵の周りには銃声を聞きつけて奴らが数十人集まっていた。

数分後銃器を持って奈々が三階にやってきた。

 

「あんたそんな窓の近くで大丈夫?」

奈々は険しい顏で俺を心配した。

 

「早く銃をくれ!」

奈々は俺に拳銃を投げた。

俺は瓦屋根を撃って応戦した。

敵には命中しなかったが、瓦が俺の撃った銃弾の反動で飛び、一人にその瓦が運よく当たり屋根から落ちた。

屋根から落ちた男は奴らの餌食になった。

最後に断末魔の叫びが聞こえた。

 

「弾切れだ!」

奈々は俺に弾丸ケースを投げたがそのまま窓から落ちた。

「どこ投げてんだよ!!」

 

今度は自動小銃を投げてきた。

俺は向かいの民家の屋根に向かって乱射した。

当たりはしなかったものの、全員屋根から降りて逃げた。

だが奴らが強襲者を逃がさなかった。

 

強襲者たちは奴らを次々と撃ち殺したが数に呑み込まれ、奴らに変化した。

俺たちは傍観者として三階から見ていた。

 

「襲ってきた奴ら・・・全員右手の甲に黒い刺青をしていた。」

「え?」

奈々は俺の言ってる意味が分からなかった。

「数日前に俺の自宅マンションで襲ってきた仲間だろう。ダイレクトマンションの悪人の残党だ。きっと仕返しにきたんだろう。」

「じゃあ、まだあのマンションに四人いたってことね。いえ、まだ仲間がいるかも。」

 

俺は下に居る奴らを見て

「今日は外に出られなさそうだから三階の窓の補強だな。」

「そうね。」

 

奈々は背伸びして俺の頬にキスしてくれた。

「え?」

「あんたがいなかったらどうなってたか。」

そう言って奈々は一階に大工道具を取りに行った。

俺は少しドキドキした。

 

その間にバットが置いてあったので素振りでもしようと握ってみたら走馬灯のように頭に殺した人の顔が浮かんだ。

 

お爺さんを殺した時。

「待ってくれ!助けてくれたら俺たちの仲間に入れてやるから!!」

「因果応報・自業自得。ここが本州じゃなかったら今死んでなかったのにな。」

 

俺は・・・なんでこんなことしてるんだ?

 

そう考えていた時奈々が俺の背中に触れ我に戻った。

「ねえ陸、大丈夫?顔色がすごいよ!私が代わりに修復しとくから休んだら?」

 

俺は疲れた顏で

「そうだな、銃器を地下に戻しに行ってくるよ。」

俺は銃器とバットを持って二階に降りた時であった。

また走馬灯のように思い出した。

 

奴らの餌食になったさっきの四人の悪人を・・・

俺は無意識に二階の窓を開けて電信柱に飛び移って隠れ家の前に降りた。

まだ隠れ家の前に数十人残ってる奴らを自動小銃で撃ち殺し始めた。

銃声を聞いて奈々は道路を見た。

 

何十人もの奴らが四方八方から走って来るが俺はスローモーションに見えた。

一人一人奴らに確実に急所を狙って息の根を止めた。

自動小銃が弾切れになると両手に拳銃を構えて無双した。

俺は頭に血がのぼって死ぬ気で奴らを駆除した。

銃器が使えなくなると今度はバットで殴り倒しまくった。

 

自分が自分に戻った時周りは死屍累々で奈々は目の前で泣いていた。

俺は無言で外から二階に上って隠れ家に戻った。

 

夜に四階の布団で俺は悪夢を見ていた時であった。

その時奈々が浴衣姿で俺の上に馬乗りで座っていた。

「何してるんだ?」

俺は目覚めは良くなかった。

 

すると無言で奈々が接吻をしてきた。

俺は拒否して上体を起こして対面騎乗位みたいな状態になった。

「なにしてんの?」

俺はそんな気分じゃなかったし、ファーストキスだった。

 

「これでもムラムラしない?」

そう言って浴衣の腰ひもを緩め始めた。

「ま、待ってくれ。お互い風呂入ってないだろ?」

「じゃあそういう気持ちあるんだ?」

奈々は色っぽい声を耳元でささやいた。

 

「一階に風呂があるから行ってくる?」

「お、おう。」

そう答えて逃げるようにして一階の風呂場で裸になり、自分にペットボトルの水をかけた。

体がほてってるせいか秋の終わりなのに冷たい水の冷たさが感じなかった。

 

すると後から裸で奈々が風呂場に入って来た。

俺は初めて見る生の女性の裸に目を奪われた。

すると奈々は笑顔で俺にペットボトルの水をかけてきた。

俺も笑いながらペットボトルの水をかけ返した。

 

風呂を出た後俺たちは全裸で四階まで俺が奈々をお姫様抱っこで連れて行った。

その後布団の中で愛し合った。

その時俺は初めてのセックスに夢中だった。

 

翌朝二人一緒の布団の中で裸で話した。

「俺昨日初めてやったんだ。キスもね。」

俺は照れを隠して告白した。

 

「そうなんだ!気持ちよかった?」

奈々は微笑みながら聞いてきた。

「どうだろうか、でもあの後寝たけど数日間見てた悪夢が君のいる楽しい夢に変わったよ。」

 

「どんな夢?」

と言って俺の頬にキスした。

「二人で動物園行ったり水族館行ったりピクニックしたりかな・・・」

「私とやった夢は?」

 

俺は腕枕越しに彼女の後ろ髪を撫でながら

「それは見なかった。」

 

「あっそう。じゃあ物資調達行く?」

奈々はあっさりして、下着をつけ始めた。

「いや、俺は家の前で死体を片づけとくよ。」

俺も普段着を着用しながら言った。

 

俺は奈々を見送ってから隠れ家の前の大量の屍を大型トラックに詰め込んでからトラックに乗り込んだ。

鍵が差しっぱなしでエンジンはかけれたがトラックは運転したことなかった。

「どうやって走らすんだ?クラッチか?」

俺は独り言をつぶやきながらトラックをなんとか走らせることは出来たが前にしか進むことが出来なかった。

 

トラックが自動車にぶつかるたびに騒音が鳴り奴らが寄って来た。

だが奴らはトラックの速さには敵わず、すぐ走るのをあきらめた。

奴らが出なくなってから十分後ぐらいに公園を見つけて、死体をそこで積み重ねて火葬した。

死体の中には俺を殺そうとした四人もいたが『南無阿弥陀仏』を唱えて成仏した。

 

(俺どうやって帰ろう・・・)

大型トラックで来たためにトラックをUターンする幅もバックの仕方も分からなかった。

(せめて自転車積んどけばよかったな。)

 

俺は幸運にも運転出来そうなバイクを見つけて帰ることが出来そうだった。

バイクの鍵はなかったが一度高校の時バイクのエンジンキー壊して運転して盗んだことがある。

(この方法なら・・・)

持っていたマイナスドライバーでバイクのエンジンキー部分を壊して無理やりエンジンをかけた。

 

その時公園の方から女性の悲鳴が聞こえてきた。

拳銃を構えて公園に行ってみるとぼろぼろの制服を着た女子高生が奴ら二人に追いかけられていた。

女子高生は転倒して奴らに襲われそうになった時、

俺は女子高生が追い付かれると思い奴らを撃ち殺した。

 

「大丈夫か?」

女子高生は腰を抜かして立てなかった。

「こ、殺すなら殺してください!」

声は震え、俺に怯えていた。いやすべてに怯えていたのかもしれない。

 

「何言ってるんだ?お前感染してないんだろ?」

「・・・」

女子高生は黙秘した。

 

「分かったよ、じゃあ20秒数えてお前が奴らになったらそうしよう・・・」

俺は奴らにならないと知っていながらわざと20秒待った。

だがまた奴らが複数女子高生の後方から走り襲ってきた。

 

女子高生はすぐに急いで立ち上がり俺に近寄って来た。

「た、助けてください!」

「ついてこい!」

俺は走ってバイクにまたがり女子高生を待った。

 

女子高生はなぜかバイクに乗ろうとしなかった。

「死にたいのか?!!」

俺は女子高生に怒鳴った、すると嫌々俺の後ろにまたがった。

 

俺がバイクを急発進させたとき女子高生は反射で俺の腰を掴んだ。

ミラーで奴らが複数走って追いかけてくるのが見えたがなんとかまいた。

 

隠れ家に着いたとき俺と女子高生はバイクから降りた。

女子高生は俺に怯えていた。

女子高生は俺のナイフを奪って俺にナイフを向けてきた。

俺は拳銃を向けた。

 

「こ、殺してやる!男全員殺してやる!!」

怯えながらも殺意を俺に向けていた、まるで何も失うものがない悪人のように。

 

俺は拳銃を持ったとき再び最初に殺したお爺さんがフラッシュバックして頭痛がした。

(やめろ俺・・・この子はまだ未成年だ。解決法はないのか・・・)

 

その時パトカーが戻ってきた。

「警察?」

女子高生は驚いた。

 

奈々がパトカーから降りてきて俺に先に隠れ家に入ってるようにアイコンタクトしてきた。

俺は一階の入り口から見ていたが女子高生は警察服を着た奈々と少し和解してからナイフを奈々に渡して隠れ家に入って来た。

 

「陸、今日はもう外に出ないわ。彼女の心のケアをしてあげないと・・・」

「わ、分かった。後は俺が全部やっとくよ。」

 

俺はパトカーから物資を隠れ家に移した後いつものようにシャッターを閉めた後二重に鍵をかけた後さらに本棚や事務テーブルで塞いだ。

その後俺は地下で一人、射撃に弓道、体術の練習もした。

 

「私は山島奈々。あなたは?」

「・・・岡下未来。」

奈々が三階に岡下を案内した時、窓が割れていて板で補強してあるのを見た、そして天井に銃弾の痕があるのも見た。

 

奈々は岡下が安心できるような言葉をかけた。

「大丈夫よ。全部終わったことだから。安心して。」

そして笑顔で岡下に、

「未来ちゃんって呼んでもいい?」

「はい。」

岡下も少しホッとして食卓に座った。

 

ぶどうジュースの500ミリリットルの缶を岡下の前に置いた。

岡下はフタを開けて、途切れることなくジュースを飲みほした。

「相当乾いていたみたいね。」

奈々は岡下に対して笑顔を崩すことはなかった。

 

「なんで男となんか暮らしてるんですか?」

唐突な質問が奈々に飛んできた。

「あ~、あの人は山島陸よ。」

「山島!!!じゃあ夫婦?」

岡下は驚いた。

 

奈々は少し照れながら、

「いえ、ただ名字が一緒なだけよ。」

「それはすごい偶然ですね!」

 

それから深夜まで会話した後、風呂に入らせてぼろぼろの制服から予備の奈々の洋服をあげた。

 

「奈々さん、何から何までありがとうございます。」

「いいのよ未来ちゃん。ここならゆっくり安心して寝られるからお休み。」

「おやすみなさい。」

 

その後奈々は俺のいる地下一階に来た。

「陸、ごめんね。」

奈々は申し訳なさそうにしていた。

「なんでお前が謝るんだよ。で、彼女の様子は?」

 

「だいぶ落ち着いたわ、でもしばらくは男性と話せなさそうね。」

「まあ、この世の中だから想像できるけどな。」

 

岡下未来は本州脱出を出来ずに両親は自分をかばって奴らに殺された。

命からがら自分の通っている女子校にたどり着いた、そこには取り残された同級生たちや友達がいた。

数日間同級生たちで日替わりで物資調達をしていた。

ある日物資調達から岡下が夕方帰って来た時男たちが同級生を乱暴しているのを見た。

 

校門に隠れ、ただ運動場で同級生が乱暴されるのを見ているしかなかった。

岡下は現実でその光景を見た時お腹の中の物が逆流してすべてもどしたらしい。

男たちは暗くなる前に車でどこかに行った。

 

夕日が沈むころ乱暴されなぶり殺された友達に

岡下は謝った、何度も、ごめんなさいと涙を流しながら。

奴らの声が聞こえ自分一人生き残った岡下は学校の便所に隠れた。

それから数十日間男の醜さを観て知った岡下は人と接触しないように今日まで生き延びてきた。

 

「なるほど、だからあんなに俺を敵視してたのか。」

「当分、未来ちゃんと陸は話せそうにないね。」

「じゃあ俺は当分地下生活だな。」

奈々が一階に行こうとしたとき俺は決心して話した。

 

「もしお前があの時いなかったら俺は彼女を撃ってた。」

奈々は冷静に、

「でも私はあの時いた。だからあなたは撃たずにすんだし、未来ちゃんも生きてる。」

そう言って階段を上って行った。

 

翌朝俺はソファで寝ていたところを起こされた。

「陸、もう10時よ!」

俺は寝ぼけながら、

「え、地下に時間なんてないだろ?」

 

「は?誰があんたに地下で生活しろなんて言ったの。」

俺はなぜか奈々にきれられた。

多分だらしなかったからだろう。

 

奈々は俺に昨日岡下に盗られたナイフを渡してきた。

「あんたは今日から当分物資調達班よ!」

「班って・・・俺一人じゃん。」

 

俺は一階に連れていかれ鍵を渡された。

奈々に物資調達の目的の物を言われてる最中二階に通じる階段から岡下が様子を見ていた。

俺はそれに気づいて目を合わすと岡下は目を背けて逃げるように二階に上がって行った。

 

「陸!どこ見てんの!!」

「わ、悪い。」

すると奈々が俺の耳元で

「未来ちゃん、あと一週間は精神的ストレスを取り除くのかかりそうだから頼りにしてるわよ。」

そう言ってパトカーの鍵を渡してきた。

 

「あと、はい・・・」

奈々は俺に厄除けのお守りを渡してきた。

その後急いで階段を上って行った。

どうやら奈々なりに俺の心配をしてくれているらしい。

 

俺はパトカーに乗り込むと助手席に必要なものが書いてある用紙が置いてあった。

(なんだ、直接渡せばいいのに。)

俺はにやにやしながらパトカーを走らせた。

 

パトカーを走らせてる途中に戦闘機のエンジン音やヘリコプターのプロペラの音が聞こえた。

(そういえば本州以外はたしか安全なんだったけ。脱出のチャンスあるな・・・)

 

ショッピングモール入口にパトカーを止めて中に入った。

俺は懐中電灯を照らしながら自動小銃を構えて入ったが無人であった。

暗くてよく分からなかったが腐敗した死体はたくさん横たわっていた。

マスクをして女性用下着の店と衣服店それに食料売り場も一応探した。

 

衣服店で上下迷彩の服を手に入れた。

(これでより兵士っぽくなるな。)

俺はすぐに上下迷彩の服に着替えて自動小銃を構えて鏡を見た。

(悪くないな!)

 

奈々と岡下の服も適当に取ってから食料売り場にも行った。

どうやらここは死体が足の踏み場がないくらいあるが缶詰がありったけ残っていた。

最後に下着売り場に行くとなぜかその場所だけ明るく奴らが数人いた。

 

俺は低い棚の下にしゃがんでバットを持った。

まだトラウマは頭に残っているがそんな躊躇している余裕はなかった。

一気に一人ずつ一撃で殺してバットの血を下着で拭いた。

 

するとカウンターから女性が現れた。

「あの!自衛隊の方ですか?」

女性は希望を持って聞いてきた。

 

「いや、ただの新聞配達員です・・・」

「じゃあ、なんでそんな恰好でここに?」

女性が軍人に見間違えるのも無理はなかった。

上下迷彩の服装に迷彩のリュック、それに肩にかけてる自動小銃を見れば誰でも間違える。

 

「隠れ家で三人で暮らしてて・・・それで俺以外女なんで。」

俺は下着泥棒の言い訳したみたいな雰囲気が出ていた、いやでも本当の事だったが。

これが信じてもらえるとは思わなかった。

 

意外にも女性は頭を下げてお礼を言ってきた。

「ありがとうございます。感染者がいて動けなかったんです。」

 

「よかったら隠れ家に来ないですか?人が増えると心強いですし。」

すると意外な返答が

「私は大丈夫です。一か月以上ここで生き抜いてきたんで。それにあなたは正義の味方ですよ!本当の軍人さんが来たらここを脱出します。」

 

俺は照れながら店員に聞いた。

「今流行りの女性の下着ってあります?」

「はい、こちらとかどうですか。」

こうして一時間店員と話して下着を四着買った。

 

カウンターで

「あ、お金持ってない!てか今は金なんて役に立たないか・・・」

「お金なんていいですよ!助けてもらいましたし。」

店員は終始笑顔で接客してくれた。

 

「店員さんも隠れ家に来ればいいのに。」

俺は店を去った時再びカウンターに戻った。

カウンターに拳銃を置いた。

 

「これがあれば奴らなんか怖くないですよ。まあ、あなたならこれがなくても生き延びれそうですけどね。」

「でも、これは・・・貴重じゃないんですか?」

俺はさらに弾丸ケースを置いて店を出て行ったときであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下着売り場から銃声が聞こえた。

(え?)

すぐにカウンターに戻ると店員の姿はなかった。

カウンターの中に入ると自分で左胸を拳銃で撃っていたのだ。

 

「そんな・・・」

俺は正座で座り込み、右手で左胸を抑えて必死に流血を止め左手で頭を少し上げた。

「あ・たが最・のお客様・よかったです・・・」

息を引き取ると俺は、

彼女の近くに落ちていた拳銃を拾い、店の外に投げ捨てた。

 

「畜生!!!」

(このままだと俺たちもいつかこうなる・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は隠れ家に戻り物資をパトカーから移動させた。

「陸、ちゃんと衣類手に入れて来てくれた?てか、その服装兵士気取り?」

奈々は楽しそうに俺に聞いてきた。

俺は無言で段ボールごと奈々に渡した。

 

俺はすぐに地下に行きソファで休んだ。

奈々は警察官だけあって察してくれた。

奈々は俺の横に座って今日あったことを聞いてくれた。

 

「そっか、でも陸は悪くないよ。」

そう言って俺の頭を胸に抱いてくれた。

俺はその時男泣きした。

「でも!救えた命だ。あの人は俺のせいで・・・」

そしてまた俺は情けなくわんわん泣いた。

 

奈々はしばらく俺の頭を胸に抱えてくれてた。

俺は奈々にわだかまりを吐き出してよかったと思った、まあ警官だからこういうことは慣れているのかもしれない。

 

岡下はまた覗き見していた。

奈々は岡下に気づいて目で合図した。

 

俺が泣いている最中、岡下は真正面に来てポラロイドカメラを俺と奈々に向けてきた。

「ほら陸、笑ってとは言わないから。泣くのやめて。」

そう言われ俺はカメラを見た。

 

岡下もポラロイドカメラを通して見て奈々が陸と楽しそうにフィルムに映ってるのを感じて少し笑みがこぼれた。

岡下は写真を撮り、カメラから出てくるまだ真っ黒な状態の写真のまま奈々に渡した。

 

俺は岡下と撮影を変わった。

「ほら、岡下。奈々の横に座れよ。」

俺は二人を撮った。

 

食事も岡下が隠れ家に来て二日目で三人で夕飯を食べた。

「今日は豪華よ!カニ缶!!」

「え、まじで!一番いいやつじゃねーのか?」

「今日にふさわしいわよ。」

夕飯は盛り上がり俺はその後地下に行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜岡下は目が覚めた。

手元にあった提灯に火をつけてナイフと提灯を手に持って三階に降りた。

誰もいないので二階に降りた、しかし二階にも奈々と陸はいなかった。

一階に降りると地下からすこし明かりが見える。

 

ガラス張りの床扉を開けて階段を降りようとしたとき二人の会話が聞こえた。

提灯を一階に置いてゆっくり地下に降りて覗き見した。

 

すると奈々と陸を周りの四つのろうそくが照らしていた。

二人が裸で愛し合っているのを岡下は見てしまった。

岡下は目が釘付けになった。

 

「お前って一日しか我慢できないんだな。」

「あなたは何日我慢できたの?」

体位をかえて話し続けた。

「それよりこんなところ岡下に見られたらまたトラウマを起こすんじゃないか?」

「へえ~、未来ちゃんのこと心配してるの?」

奈々は陸をからかうように言った。

「大丈夫よ。寝てるから。ああダメ!!!すごくイイ!!」

「奈々、寒くないか?」

「いいえ、むしろ熱いくらい!!!」

奈々はすごく興奮していた。

「俺ももうイクネ。」

 

岡下は初めて愛し合ってる本当の愛を見て少し発情した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝三人で朝食を食べた時俺は言った。

「昨日言い忘れてたけど調達の時、飛行機やヘリが飛んでた。本州奪還は近いかもしれないぞ。」

「奪還?救出じゃなくて?」

岡下は黙って聞いていた。

 

「最近奴らの死体をあちこちで見る。きっと奴らの寿命が来たんだ。」

「それでも衛生的には住むのに何年もかかるんじゃない?」

「基地が南のほうにあるだろ?川を下って行かないか?」

「モーターボートで?」

「そうだよ。」

俺は当然のように言った。

 

「いえ、まだ様子を見ましょう。」

「いや、基地に行ってもいいはずだ。」

「未来ちゃんはどう思う?」

「私は・・・脱出したいです。」

 

俺は立ち上がり万歳に近いポーズをした。

「決まりだ!」

 

奈々はため息をついて

「分かったわ。じゃあ明日出発ね。」

 

奈々はパトカーの鍵を取り出してどこかに行こうとした。

俺はそれに気づいた。

「おい、どこ行くんだ?」

「ここには当分来ないから家族の墓参りよ。」

「・・・そうか、じゃあ俺と岡下でボートに荷物積んどくぞ。」

(墓参りか・・・俺が意識ない時何かあったんだな。)

 

俺は奈々を見送った後早速準備に取り掛かった。

俺と岡下は分担してボートに物資を運んでいた。

地下で武器をまとめているとき岡下が来た。

「陸さん、私昨日見ましたよ。」

 

俺はすぐにピンときたが未成年だしはぐらかそうと思った。

「私感動しました。」

「え?」

(何言ってるんだ?)

「男ってみんな馬鹿で極悪非道だって思ってたけど昨日の二人のえっち見てなんか惹かれました!」

「そ、そうか。まあ・・・元気が出たならそれでいいよ。」

俺は無理に作り笑いした。

 

「私も死ぬ前にあんな素敵な事、陸さんとしたいです!」

「じゃあ本当に好きな人とそれをすればいいよ。それに俺たちは死なないし死の島から脱出するんだ。」

俺は真剣な表情で説教した。

「陸さんは奈々さんのことを好きなんですか?」

「それは大人になれば分かるよ。」

(それはうんとは言えないかもな。)

 

俺と岡下は引き続き物資をボートに積んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃ちょうど奈々は兄が死んだ河川の橋の下で思い出していた。

感染爆発から三日目。

「兄さんは乗って!私は乗らない。」

「奈々、乗れ!!お前が乗らないなら俺も乗らない!!!」

 

こうして最後の救難ヘリに兄と奈々は乗らなかった。

兄も警察官で奈々はいつも頼りにしていた。

高校の時奈々がぐれた時も兄だけは擁護してくれた。

その影響もあってか奈々も婦警になり主に女性の犯罪・被害者カウンセリングを担当していた。

 

その夜奈々たちは自衛隊の残存部隊とともに奴らを撃ち殺し避難所を死守しようとしたが、数で圧倒され奴らにあっという間に呑み込まれ、兄と奈々だけ奇跡的に避難所から生き延びた。

 

「ここで休もう。俺が見とくから奈々は寝といていいぞ。」

「ありがとう、兄さん。」

奈々は河川の橋の下で寝た。

 

起きると奴らの死体が周りに5,6体ぐらいあった。

兄は横で仰向けになっていた。

 

心配になり、

「兄さん!兄さん!!兄さん!!!」

と奈々は体を大きく揺さぶった。

 

「おう!!!どうした感染者か?」

「よかった・・・」

「なんだ、いねーじゃねーか!もう少し寝ときたかったのにな~。」

 

兄と奈々は武器確保のために警察署に行った。

警察署内には撃ち殺された人々がたくさんいた。

「どうなってんだ?」

兄と奈々は自動小銃を構えてあたりを見渡した。

 

すると銃撃された。

素早く受付カウンターに身を隠した。

「武器を置いて出て行くんだな!クソポリ!!」

 

奈々が応戦しようとした時

「待て、俺にいい考えがある。一旦逃げるぞ。」

「分かったわ、兄さん。」

 

「聞いてんのか?こっちは8人でそっちはカップル。拳銃だけど人数じゃあ勝ってるぜ。」

 

兄の合図で背中合わせで銃撃しながら警察署を脱出した。

 

「で、兄さん。どんな作戦?」

「お前は逃走車両を用意しといてくれ。署の裏の線路の前に手配しといてくれ。」

「それだけ?」

 

真夜中線路沿いにパトカーを調達した奈々は待っていた。

するといきなり警察署の方からパトカーのサイレンが何重も鳴った。

 

署内に立てこもっていた男たちは驚いて外を見ると何十人もの奴らが署内に侵入してきた。

男たちは抵抗したものの次々と仲間が変化し、退去を強いられ非常口から出ようとしたら一人撃ち殺された。

一部始終を奈々は見ていた。

 

「早く行け!後ろからゾンビが走って来てるんだよ!!」

「ダメだ、行けば蜂の巣だ。」

 

リーダーの男は外に出ることに躊躇していた男を非常口に蹴りだすと男は撃ち殺された。

「ったく・・・まじかよ。畜生!!!」

リーダーの男は勢いよく走りだした。

すると男に向かって銃弾はとんでくるものの当たらなかった。

男も銃弾の軌道に気づいて応戦した。

すると今度は足に当たり倒れた。

 

男は歩けなくなり、奴らに向かって撃ち始めた。

 

パトカーに兄が乗り込んできた。

兄はどうやら左肩を撃たれたらしい。

「兄さん!大丈夫!!」

「ああ、それより早く出してくれ。」

 

その後病院に行き兄を手当てした。

「あれが兄さんの作戦?」

奈々は笑いながら兄の左肩を消毒して包帯を巻いていた。

「ああ、完璧だっただろ?」

兄も笑いながら言った。

 

「撃たれなかったらね。」

「明日は警察署で武器と防護装備を警察車両に入れて人助けの旅だな。」

 

翌朝兄とパトカーで警察署に向かった。

警察署内には奴らがいたが駐車場には全くいない。

「なんで奴らは明るい所にいないの?」

「さあな、だが都合がいい。ほしいものは全部この鉄格子の扉の中にあるからな。」

警察特殊部隊の武装品は署内でなく外の倉庫に保存してあった。

 

兄が倉庫を開けてる間に奈々は見回りをした。

すると警察署裏に兄を撃った男がいた。

男は変化していて目が真っ赤になっていて血を大量に吐いていた。

だがうつむきで抱腹前進するかのように近寄って来た。

 

「兄の分よ!」

奈々は警棒で殴ったが一度では死ななかった。

その後十回くらい殴って殺した。

 

奈々は兄のところに戻った。

「奈々、お前も手伝ってくれよ。作業効率があがるから。」

「うん。」

 

兄は奈々の血の付いた警棒を見て心配した。

「大丈夫か?」

「うん。」

 

武装品を警察車両に入れた後

兄は警察車両に乗り、奈々はパトカーに乗った。

 

感染爆発から8日目

刑務所を拠点に生存者とともに集団で行動していた。

兄と奈々は屋上から廃墟と化した街を眺めていた。

「日本政府の難民受け入れ態勢が整えばきっと助けはくる。」

「そうね、兄さん。でもまだ本州に残されてる人が・・・」

「今度こそ、助けが来たら本州を脱出しろよ!」

「分かったわ、その時まで兄さんも生きててね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感染爆発から15日目

奈々はパトカーで物資調達に見回りをしてた時であった。

三日目の夜に乗り切った河川の橋が見えた。

かすかに女性の悲鳴が聞こえた。

 

奈々はパトカーから降りて拳銃を構えて橋の下に行くと兄がいた。

そして兄は女性の上に馬乗りになっていた。

兄は奈々に気づくと女性を逃がした。

「兄さん、何やってるの?」

奈々は拳銃を構えて質問した。

「・・・ごめん。」

兄は後悔したような顏で謝って来た。

 

「答えになってない、いつから?」

「五日前だ・・・俺たちいつ死んでもおかしくないだろ?」

「じゃあ、なんであの時ヘリに乗らなかったの!!」

奈々は涙を流しながら怒鳴り散らした。

 

「実の妹を置いていけるわけないだろ!」

しかし奈々は何百人もの女性の犯罪・被害者カウンセリングをしてきたために許せなかった。

奈々は引き金を引いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兄の後ろの奴ら一人が倒れた。

奈々は実の兄を撃ち殺すことは出来なかった。

「すまない・・・こんな兄で。」

「ええ、あんたはもう兄じゃない。」

 

奈々に撃たれて倒れていた奴ら一人はとっさに兄の右足に噛みついた。

「あああ!!!!!!」

兄は尻もちをつき、奈々は奴ら一人を撃ち殺した。

兄は自ら拳銃を頭に突き付けた。

「こんなクズな兄ちゃんに成り下がってごめんな、奈々。」

兄は拳銃自殺した。

 

「兄さん!!!」

奈々は兄の横でひざまずき悲しんだ。

 

奈々は兄をその場で埋めた後刑務所に戻った。

 

感染爆発から18日目

刑務所に奴らの侵入を許し多くの犠牲者を出した。

 

翌日には生き残った5人で拠点を探すも、悪人たちの襲撃にあって奈々以外全員殺される。

 

感染爆発から20日目

ビル型の建物に一人で住み始める。

 

思い出にふけっているともう夕方になっていた。

奈々はパトカーに戻って隠れ家に帰った。

 

奈々はいつものようにシャッターを閉めた後二重に鍵をかけた後さらに本棚や事務テーブルで塞いだ。

「お帰り、奈々!今日は脱出パーティーだ!!」

「お帰りなさい、奈々さん!」

 

こうして三人の夜はお皿に色々なフルーツを缶詰から取り出して乗せ、チョコやホイップクリームをかけて食べた。

 

翌朝三人は防護服を着て武装して南を目指してモーターボートを走らせた。

俺はモーターボートを操作しながらどこで降りるか聞いた。

「10km先の川岸に避難所があるわ。」

「墜落したヘリや戦車を見たが、あそこは基地じゃないのか?」

「ええ、政府が造った奴らから市民を守るための一時的なキャンプよ。」

 

避難所について話しているうちに俺はガソリンがもたないことに気づいた。

「奈々、ガス漏れだ!どうする?」

「・・・見渡しのいい場所で上陸よ。」

 

避難所の5km手前でモーターボートを乗り捨て三人は物資を持って川沿いを歩いた。

歩いている途中に奴らの死体があったが奴らはいなかった。

 

避難所に着くと近くでヘリのプロペラの音が聞こえた。

「聞きました?」

「ああ、岡下。」

「ええ。かなり近いわ。」

三人はヘリのプロペラの音がした方向に行くとトンネルが見えた。

 

「このトンネルの向こうですね!」

岡下は希望を持ってトンネルに入ろうとしたとき俺は止めた。

「待て!何か聞こえるぞ?」

 

三人はトンネルから20m離れてトンネルを見ていると中から奴らが数十人、三人に向かって走って来た。

岡下は思わず腰を抜かした。

俺と奈々は自動小銃を構えて奴らを蜂の巣にした。

だが人数を絶やすことなくトンネルから湧き出てくる。

 

「くそっ!!!弾が切れそうだ!」

「私もよ。」

二人がトンネルに夢中の中後ろからも一人奴らが来た。

岡下はそれにいち早くきがついたが腰を抜かしていて声を出すのが精いっぱいであった。

「陸さん、奈々さん。後ろからも来てますよ!!!」

 

10m!5m!と岡下に一人奴らが近づいてくる。

奈々は岡下が襲われる寸前に気づき、岡下を襲うとした奴らを撃ち殺した。

「未来ちゃん!大丈夫!!」

「はい!」

「だめだ、弾切れだ。奈々!援護頼む!!」

俺はそう言ってバットを構えてトンネルに向かって行った。

 

奈々は黙って撃ち続けていた。

俺は必死にバットで奴らを殴り殺した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気が付くと奴らの屍だけが残っていた。

「ちょうど弾切れだわ。拳銃のほうはまだあるけど。」

俺は疲れた感じで

「・・・よし、行くか・・・」

「少し休憩しましょう。」

岡下が俺に気を遣う。

 

「そうよ、陸。もうこの周辺に奴らはいないんだし。」

「でも・・・置いていかれたらここまで来た意味がないだろ・・・」

俺はまだ疲れて息を切らして話していた。

 

するとまたトンネルから奇声が聞こえてきた。

「ここまでか・・・」

俺はまだ奴らが残っていることに気づき弱腰になった。

「いえ、生きてる限りあきらめない・・・」

奈々は拳銃をトンネルに向けて構えた。

 

「そうだな!俺も最後まであきらめねー!!」

奴らが数十人再びトンネルから出てきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は雄たけびをあげて立ち向かった時、奴らは機銃で次々と撃ち殺された。

振り返ると軍用ヘリが機銃掃射でトンネルから出てきた奴らに向かって乱射していた。

 

ヘリが撃ち逃した奴らは俺と奈々が対処した。

ヘリがホバリングしながらトンネル前で着陸した。

武装した隊員が俺に向かって言った。

「どこの分隊の生き残りですか?」

 

上下迷彩服であったので兵士に間違われた。

「俺は兵士じゃありません。これはただのコスプレです。」

「そうですか・・・いいから乗ってください。」

 

俺と岡下はいち早く乗り込んだが奈々は違った。

「あなたは本当の警察の方ですよね?どうぞ早く乗って!」

隊員が奈々にヘリに乗るよう指示したが、

奈々は隊員に向けて拳銃を構えた。

 

「私はいいからその人たちを避難させて。あと武器も置いていって。」

「おい、何してるんだ!!!」

俺はヘリの中から奈々に怒鳴った。

隊員は言う通りにして装備一式をヘリから投げ捨てた。

 

奈々は俺の言葉を無視しヘリには乗らなかった。

「陸さん!!!いいんですか?」

岡下は初めて大声を出した。

「・・・これが彼女の人生だ。」

俺は奈々からもらった厄除けのお守りを手にしながら岡下に言った。

 

ヘリの操縦席から

「こちら捜索B班、二人救出、これから空母に帰還する。」

「了解。」

 

俺は奈々が隊員に向かって拳銃を構えた時察した。

奈々は本州脱出を最初から望んでいなかったことを・・・

 

ヘリが上空にホバリングした時奈々がこちらを厳しい表情で見上げていた。

俺はその表情を見て、

それは最後まで警察官としての誇りを持っているように俺は感じた。

 




また気が向けば続編として短編シリーズとして書きます。
次回作『24週後・・・』

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