八咫烏は勘違う(旧版)   作:マスクドライダー

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タッグマッチトーナメントの後日談。
これで学年別タッグトーナメント篇のエピローグになります。


第45話

「え~……皆さん。今日はですね転校生?の紹介をしたいと思います……。」

 

 暴走ラウラたんとの激闘を繰り広げた翌日、山田先生が混乱した様子でホームルームを始めた。そして初めにそんな事を言うので、また転校生かと女子達は騒ぎ出す。しかし、ちらりとマイエンジェルの席に目をやると……そこは空席。これが何を意味しているか、俺にはすぐに察しがついた。

 

「それでは、入って下さい。」

「はい。」

 

 返事と共に教室へ入って来たのは、長い金髪を束ね紫色の瞳をした美少女である。というかもう、マイエンジェルな。マイエンジェルを中性的な美少年だと思い込んでいた女子達は、ポカンとした表情を浮かべる事しか出来ない。そんな空気感を物ともせず、釈然とした態度でマイエンジェルは告げる。

 

「改めまして、シャルロット・デュノアです。皆さん、よろしくお願いします。」

「と、いうわけでして……デュノアくんはデュノアさんだったそうです。」

 

 山田先生がマイエンジェルは男じゃなくて女ですよとご丁寧に説明するが、もはや1組の女子は聞いちゃいない。事情を知っていたイッチーと鷹兄は、どこか嬉しそうな表情でマイエンジェルを眺めている。でもイッチー……キミはそんな表情してられなくなると思うんですけど(名推理)

 

「あれ……?昨日って確か、男子が大浴場つかってなかった!?」

 

 ほぅら来た。ザワザワと喧騒の最中というにも関わらず、大浴場を男子が使ったという発言は良く通る。それを機に、ザワつきは徐々にボルテージを上げて行く。あれ、それにしてはイッチー……まだ余裕のありそうな表情だな。死にゆく定めだと悟ったか?

 

「一夏ぁ!死―――」

「うおおおおっ!?鈴……待て、落ち着け!風呂の件なら俺は無実だ!」

「……は?どういう事か説明しなさいよ。」

 

 なんと、なんと……!イッチーはマイエンジェルとの混浴を回避したとの事!馬鹿な……自分からそんなイベント回避していくスタイルって、イッチー……キミはやっぱりホモなんじゃないだろうね。確かに学生の身分でKENZENじゃないのは解るけど……。

 

「俺はシャルロットの事情は知ってた。けど、風呂は一緒に入ってない。怪しまれるとまずいから、脱衣所までは一緒にいたけどな。」

「…………。」

「ほ、本当の事だよ……。……僕は一緒が良かったけど。」

 

 ふむ、だからこそイッチーは余裕そうな表情だったんか。鈴ちゃんに無言で睨まれたマイエンジェルもそれを肯定したが……呟いた言葉は聞き逃さなかったぞ。ああ、羨ましい……。まぁ良いや、騒ぎにならない方が俺としては良いしね。でも、鈴ちゃんは疑り深い目でイッチーとマイエンジェルを何度も交互に見つめる。

 

「アンタ、本当にやましい事してないんでしょうね?」

「ああ、勿論……。…………あっ!?」

「あ?今あって言ったわよねぇ。」

「い、いやーどうだろうな、微妙なとこだと思う……。」

「微妙!?それは流石に聞き逃せないよ!女の子の裸見て微妙だなんて―――」

「アウトオオオオっ!」

 

 鈴ちゃんとの会話中に、どうやらイッチーはマイエンジェルの全裸を目撃したのを思い出したらしい。素直なイッチーは、何か思い出し事を一瞬で露呈した。で、それをやましい事かどうか判断しかねる発言をしてしまい……結局のとこ全裸を見たのは鈴ちゃんにばれてしまう。

 

 鈴ちゃんは展開状態の甲龍から衝撃砲をぶっぱするが、それに対して微動だに動かない俺氏。だって、展開的に変に動くと逆に危ないんだろうし……。衝撃砲が放たれると共に爆裂音が響くが、特にこれといった被害はない。何故なら……ラウラたんがAICで衝撃砲を相殺してくれたからだ。

 

「……おお、ボーデヴィッヒか。助かった……ってか、シュヴァルツェア・レーゲン……もう治ったんだな。」

「ああ、近江先生が半日でやってくれた。それよりも……。」

 

 は、半日……?あ、ほんとだ……レールカノンがちゃんとついてる。原作では予備パーツで無理矢理組んだみたいな事を言っていたけど、鷹兄もたいがい常人離れしてるんだなぁ……。それはさておき、此処からはどう動くかキチンと考えないと。ラウラたんはイッチーの胸ぐらを掴むと、自らの方へ引き寄せその唇を……。

 

「へ?あっ……な、なんでだよ!?フンヌッ!」

「んっ……。何故避ける?私では不服か……?」

「な、なんでって……それは……。」

 

 イッチーは必死な様子で体をねじらせ、ラウラたんのキスは頬に着弾する。何故避けたのか、その理由をラウラたんが問い掛けてもどもるばかり。……しきりに俺へと視線を送るのはどうしてだい?イッチー。いやね、オジサン羨ましいとは思うけどさ……別に怒ったりはしないけど。

 

「……まぁ良い、インパクトが大事だと言われただけだしな……。あーゴホン!お前は私の嫁にする、異論は認めん!」

「嫁……?婿じゃなくてか?」

「日本では気に入った者を嫁にするのが一般的習わしだと聞いた。それ故、貴様は嫁だ。」

 

 あのねラウラたん……確かに俺にも嫁はいっぱい居るよ?けどね、それはあくまで二次元限定であって……。昔からそんな習わしがあったとすれば、今ごろの日本はどうなっていた事やら。……いや、多分ダメだ。喋れたとしても、ラウラたんには聞き入れてもらえなかったろう。

 

「一夏~?今のに関しては言い訳あるかしら~?」

「ちょっと待て、俺は被害者だろ!?」

「そして藤堂、これはお前次第だが……。」

「…………?」

 

 あれ、俺もか?確かに二次創作に置いては、ラウラたんになんて呼ばれるかも醍醐味ってかそんな感じの物だけど。現実に目の前で起こると、何だか恐縮してしまう。というか、ラウラたんが俺に話しかけてる背後で……イッチーは大変な事になってるんだが良いのかな?主に、4人の修羅に囲まれて……。

 

「良ければ、姉様と呼ばせてもらえないだろうか!?姉様と嫁は家族同然というわけで、その婿たる私にとってもつまるところ姉様で……その……。」

(かっ、かっ……可愛い!勿論、そんなの良いに決まってるじゃん!)

 

 姉様とはオーソドックスなとこ突いて来たとは思ったが、ストレートな分破壊力は絶大だった。それも頬を紅くしながら、更にはモジモジしながらそう言うもんで……そんな可愛いお願いのされ方をして、この俺が断れるはずもない。俺は即答で、首を縦に振る。

 

「ほ、本当か!?ありがとう……姉様!」

(グッハァ!?も、悶え死ぬ……可愛さ余って悶え死ぬ……!い、今はそれよりもだね……。)

 

 とにかくイッチーを助けてやらんと……ってか、むしろヒロインズ……キミたちの為だ。何度も言うがね、イッチーに対して暴力を振るうのはますますキミ達の想いを遠ざける。ジャンプしつつ刹那を展開した俺は、モッピー、セシリー、鈴ちゃんの足元に神立、疾雷、迅雷以外の刀を投げつけた。

 

 叢雨、驟雨、紅雨、翠雨は、モッピー達の足元へサクサクッと突き刺さる。俺はその間に神立を抜刀。イッチーとマイエンジェルの間に割り込むと、既に構えの体勢をとっていたグレースケールを弾く。そのまま神立の刃を、マイエンジェルの首元へそっと置いた。

 

「藤堂、良くやった。床の傷以外は完璧だ。」

「お、織斑先生!?」

「さて、朝から騒ぎ立てる愚か者は何処のどいつだ……うん?」

 

 えへへ~……ちー姉に褒められちった。……ってあれ?ちー姉……?褒められはしたが、ISの展開してる俺もまずいような気が……。俺を除いた6人に関しては、絶望を絵に現したような表情を浮かべている。とにかく、ちー姉の登場により……その場はなんとか収まった。

 

 しかし、6人に関しては……何か酷い目にあったらしく、放課後に揃ってアリーナでぐったりしてる所が目撃されたとか。俺はどうやら、一応ながら騒ぎを止めようとしたのが評価されたみたい。ただ、やはり無許可のIS展開は容認できないと……外周5キロのグラウンドを走りまわされる羽目となった。

 

 

 

 

 

 

「つ・ま・ん・な・い……の~!」

 

 薄暗いラボのような場所で、1人の女性が椅子から転げ落ち……ジタバタと床で転がってみせた。不思議の国のアリスに登場する主人公、アリスのようなエプロンドレスを身に纏い、その頭には思わず目を引くウサ耳カチューシャを装着している。その特徴で容易に想像が着くだろうが、この女性は天災……もとい天才科学者の篠ノ之 束。

 

 何がつまらなかったのか、その答えは彼女が先ほどまで見ていた映像が起因する。椅子から落ちる寸前まで見ていたモニターには、黒乃の姿が映し出されていた。同じ画面に一夏やラウラが映っている事から、映像はどうやら先のタッグマッチの場面らしい。

 

「く~ろ~ちゃ~ん……有象無象なんか庇っちゃって……。思いっきり暴れてくれたら束さんは満足なのにさ~。」

 

 床をゴロゴロ……ゴロゴロ……まるで子供が遊んでいる様に転がる。そうして束は、まるで本人を目の前にしているかのように不満を口にした。束はどうやら、黒乃がラウラを庇った事に関して良く思って居ないようだ。それもそのはず、束が期待しているのは……思うがままに暴れる黒乃なのだから。

 

「なんの為のISなんだか……。もぉ……IS学園てくろちゃんの枷だらけじゃん。いっそどうにかこうにか学園を―――」

 

ピリリリリ……

 

「この着信音は!?とう!」

 

 束はさっきまでの不機嫌そうな表情は何処へやら、ヘッドスライディングの要領で携帯電話へ文字通り飛び付いた。その際に様々な物品を蹴散らしているのだが、そんな事を気にする概念を束に求めるのが間違いだろう。束は手に収めた携帯電話を、即時通話可能な状態へと切り替えた。

 

「もすもす終日?」

『…………。』

 

 ハイテンションな声色で通話機に言えば、帰って来たのは通話が切れたツー……ツー……という虚しい音のみ。これには束もギョッとした様子を見せると、わたわたと慌てながら携帯電話を操作する。しかし、そんな事をしている間に、向こうの方から再び電話がかかった。

 

「はいはーい!皆のアイドル束さんだよーっ!」

『…………。』

「ちょっ、ちーちゃんちーちゃん……無言芸は止めようよ。束さんのピュアハートがメソメソしちゃう。」

『その名で呼ぶな。』

「おっけぇいちーちゃん!」

 

 懲りないのも束の性分だろう。2度目も冗談めかした様子で電話に出ると、帰って来るのは無言のみ。ただ、さっきと違って切られないだけ交渉の余地はある。そう考えた束は、すかさず会話を継続させるために適当な言葉を紡いでいく。その思惑を知ってか知らずか、電話の相手である千冬は見事に釣られてしまう。

 

『もう良い……。手短に言うぞ。お前……今回の件に関与していないだろうな?』

「今回……ああ、あのブッサイクなアレの事?やだな~止めてよちーちゃん。この束さんが、あんな不完全な代物を造るわけないじゃん!」

 

 束の言う不細工なアレとは、シュヴァルツェア・レーゲンに仕組まれていたVTシステムの事だ。作る物は完璧で十全でなければ意味は無い。……というのが束のモットーである。つまり、束が仕組んだ事ならば……そう簡単に済む話では無かった。聞いている千冬からすれば、遠まわしながらもそう言っているように聞こえた。

 

「あーそうそう、今思い出したんだけど……アレ造った研究所なら地図から消えちゃったよ。もちろん犠牲者はゼーロー♪」

 

 いくら秘匿の存在であろうと、研究所ならば規模はそれなりだったはずだ。それを地図上から消し去っておいて、束はいけしゃあしゃあと思い出したと語る。それすなわち、忘れていたという事。束にしてみれば、本当にその程度の事としかカウントされないらしい。

 

『……そうか、解った。邪魔をした―――』

「ああ、ゴメンゴメン。ついでにこっちから質問したいんだけど~……だいじょぶ?」

『何……?お前が私に質問だと……。まぁ、構わんぞ。何が聞きたい。』

「くろちゃんにベタベタしてる虫けら居るでしょ?あれ……何かな。」

 

 束から黒乃に質問という時点で、千冬からすれば嫌な予感しかしなかった。しかし、こちらから質問しておいて断るのもなんだ。訝しみながらも束の質問とやらに耳を傾けると……思わず千冬はゾッとした。必死に取り繕っているのかも知れないが、冷えっ切った冷気を束の声から確かに察したから。

 

『……聞かずともお前なら解るはずだろう。』

「ん~……固有名詞が近江 鷹丸で~天才だか神童だかのボンボン野郎。……くらいは知ってるよ。1人で社の功績を格段に上げた実績は認めてあげても良いかな~。……けどね、ちーちゃん……束さんが聞きたいのはそんな事じゃないの。どーゆーつもりで、くろちゃんに擦り寄ってるのかな~って話。」

 

 まずい事になった。千冬の脳内には、そんな思考しか思い浮かばない。どうやら束が聞きたいのは、鷹丸の名前や出自といった概念の事でなく……何故黒乃を落そうとしているかという話だった。黒乃を同種の存在として大切に思う束としては、そんなのを見過ごすわけにもいかないのだろう。

 

『……人が人に惹かれるのは仕方がない事だ。私も奴は気に入らんが、口を挟むべき問題では無い。……もちろんだが、お前もな。』

「へぇ~……ふぅ~ん……あ、そー。あいつくろちゃん殺せる相手探してるんでしょ?それでもちーちゃん仕方がない、口を挟めないで済ましちゃう感じ?」

『……それこそ奴は……真意が読めん。あくまで比喩表現に過ぎんのか、それとも……。ただ、見ていて1つだけ解る事はある。奴は……近江 鷹丸は、心から黒乃の事を愛している。……そこだけは、間違いないはずだ。』

 

 千冬は焦った。まさか自分や昴しか知らないであろう……鷹丸の語った目的を束が知っていようとは露ほども思わなかったからだ。だからこそ束の返しには、細心の注意を払って会話を続ける。千冬は口にしないだけでこう考えていた。束と鷹丸の本質は似ているのだと……。

 

「そっかそっか、愛さえさればそんなのは問題でも無いか。愛は地球を救う?ラブアンドピース?」

『そこまで大それた事は言わん。とにかく、奴の事はあまり気にかけるな。』

「はいはい了解!それじゃ、また何かあったら連絡ちょうだいね!」

『ああ、またな。』

 

 千冬はなんとか鷹丸から興味を反らそうと、らしくもなく愛などと語った。うわべだけの確かでないもの……その筆頭的存在である愛という感情。そんなものは束にとって取るに足りない。千冬の狙い通りに一気に興味を失ったのか、束は随分とテキトーな返事で返した。

 

 千冬の会話に区切りをつける言葉を聞くと、束は数拍おいてから携帯電話の通話を切った。そうして、通話の終わった携帯電話など束からすれば小石以下の存在と化す。うつ伏せの状態のままポーイと携帯を後方へと放り投げると、束はノソノソと立ちあがり……そして―――

 

「フフフ……そっかー……やっぱくろちゃん殺せる相手を探してたかー……。」

 

 束が千冬との会話で紡いだ言葉は、実のところほとんどがブラフだった。鷹丸が黒乃に擦り寄ろうが何だろうが、愛していようがいまいが……どうでも良い事だ。束が千冬との会話で得たかった情報は、鷹丸が黒乃を殺せる相手を探しているか否か。

 

 知っている風な口調で自らが問い掛けた束だったが、千冬は完璧に否定をしなかった事でようやくの確信を得たのだった。それを理解した束は、おもむろに自身の親指先端付近へと噛み付く。どこか濁った瞳でブツブツと何かを呟き、その様子を見ていただけでも気が触れてしまいそうな迫力を醸し出す。

 

「有象無象の分際で人間の域を出ない分際で天災の域に入らない分際で……!くろちゃんを殺せる相手を探す……?ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるな……!それは―――」

 

 ギリギリギリギリ……!呟きの速度が増していくと共に、束の顎に込められる力は増していく。やがて束の指はその力に耐えきれず、皮が裂け肉が裂け……床へは鮮血が滴った。それでも束は自傷行為を止める事なく、ギリギリギリギリと更なる力を顎に込めた。

 

「私の役目だ……くろちゃんを殺すのは私の……。くろちゃんを愛してる?私以上にくろちゃんを愛してる存在なんてあるわけない。だって束さんとくろちゃんはおんなじなんだもん。くろちゃんが求めてるのは私。だってくろちゃんの本質を暴き出したのは私。あいつじゃない私、私、私、私、私……!」

 

 千冬は……根本的な間違いを起こしていたのだ。束が鷹丸の事を訊ねたのは、黒乃の心配をしているからだと。実際は逆……180度違う。束にとって黒乃は唯一の同族。さすれば束は、黒乃の求める物全てを与える所存だった。思い切り戦える場も整えた……だからこそISを世界に送り出した。

 

 だから黒乃が死に場所を求め、自身を殺せるほどの相手を求めているのならば……それを自分以外が実行させる事など、束からすれば万死に値する。平たく言ってしまえば、とんでもなく歪んだ独占欲が束を駆り立てているのだ。逆を言えば、自身を本当の意味で理解できるのは黒乃のみとも思っている……つまり―――

 

「フフッ、アハハ……関係ないよね……有象無象がどう動こうと。だって、キミと通じ合ってるのは私だけなんだよ……くろちゃん!殺されたいんだったら、私が愛してあげる!だからくろちゃん、キミも私を殺すつもりで……ううん!愛しに来てよ!私かくろちゃんのどっちかが死んじゃって完成する愛情表現……素敵だよね!ねぇ、くろちゃん!」

 

 束は両手を広げて天を仰ぐと、またしてもそこに黒乃が居るかのように話し始めた。そうして愛を語る束の表情は……恍惚そのもの。狂った笑い声を上げ、自分の身を抱きしめるようにして……官能的に身をよじらせてみせる。男だったら一瞬で発情してしまいそうな、そんな色気が今の束にはあった。

 

「金烏玉兎……良い響だよね、キミが太陽で私が月。キミと私は表裏一体。あぁ……くろちゃん……愛してるよ!この上なく!だから……だから思いっきり束さんと殺し合おうよ!」

 

 クルリラクルリラ……まるで演劇かのように大げさな回転をしつつ……束はそう叫んだ。まるでスポットライトでも当たっているかのような錯覚さえおぼえるその様は、まさにそこらを跳ね廻る兎そのものだった。天災が同族を見つけて知ったその愛は、果たして成就するのか否か……それは神のみぞ知るといったところだろう。

 

 

 




千冬→黒乃の心配し過ぎで、面倒を起こさねば良いが……。
束→黒ちゃんを真に愛せるのは私だけだよ!

束ファンの皆様にはなんだか申し訳ないです。
ウチではヤンデレてもらう方向になりました。
だけどなぁ……目的は別として『敵』にはしたくないんですよねぇ。
でもヤンデレの束さんも可愛いですよね(真顔)

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