臨海学校篇が本格スタートです。
まずは初日の自由時間からいってみましょう。
「あーっ、海が見えたよ!」
揺れるバスの中、クラスの誰かがそう叫んだ。そんな声につられた俺は、ふと窓の外を眺める。すると俺の目に飛び込んで来たのは、何処までも続く水平線、さざめく白波、そして青い海……。うん、やはり夏の海は何か特別に感じられるな。しかし、だからと言って俺はそんなにはしゃぐわけにもいかない。なぜなら―――
「すぅ……すぅ……。」
静かな寝息をたてながら、黒乃が俺の肩に頭を預けているからだ。最初は俺やシャルとかが話しかけてたんだが、次第にウトウトし始め……今に至る。ぷっ、なんというか……黒乃の寝顔は少し微笑ましい。いつも無表情なせいか、普段は隙がないように感じられる……けど、今はこうして安心しきってる感じがなんとも。
おっと、黒乃の髪の毛が乱れてる。黒乃を起こさないように、大胆かつ繊細に事を進める。サササッと指先で黒乃の前髪を整えると、少し隠れていた美貌は露わになった。……今は黒乃が寝ているから、こういった事も可能だ。前までは面と向かって出来ていたのに、近頃は黒乃との関係がギクシャクとしてしまっている。
なんというか、黒乃に避けられているように感じてしまう。バスの席が隣なのだって、俺が呼びかけても躊躇いが見えた。だからこそ俺も……少しばかり黒乃を避けてしまって。簡単に言えば、悪循環に囚われているんだろう。なんとか、前みたいに戻さないとな……。
「……か。一夏……。」
「ん……あっ、あぁ……。どうしたシャル?」
「もうすぐ目的地だから、寝てる人がいたら起こしてやれって。」
上の空になっていたみたいで、シャルの呼ぶ声がイマイチ耳に届かなかった。というか千冬姉、ピンポイントで黒乃の事を指摘しているような気もする。それは良いとして、千冬姉の命令に従わなければ。俺は、優しく黒乃の肩を揺さぶってみる。
「黒乃、起きろってさ。」
「…………。」
「ああ、ほら……その癖は止めろって言ったろ?しゃんとしろって。」
黒乃は意外と寝起きが悪い。多分だけど……所定の時間に起きなくてはならない場合を除き、人に起こされるのは嫌っている。そうした場合は、たいていガシガシと頭を乱暴に掻きながら目覚めるんだよ……。そんな事をすると、黒乃の綺麗な髪が傷んでしまう。
俺は黒乃が頭を掻き始める前にその手を止めると、まるで子供に言って聞かせるようにしてみせる。聞いてんだか聞いてないんだか、黒乃は目元を擦りながら不必要はほどコクコクと頷いた。ま、とりあえず任務完了か……。後は大人しく目的地への到着を待った。
本当に目と鼻の先だったようで、思ったよりも早くバスは停車した。1組やその他の組の生徒は、各々の乗車していたバスから次々と降りてゆく。俺も流れに沿ってバスから降りたが、どうにも世話になるであろう旅館が目に入った。旅のしおりみたいなので確認は出来ていたけど、やはり学生が使うには不相応な気がしてならない。
花月壮。そんな看板が、旅館の入り口に掲げてある。いかにも老舗な雰囲気が漂う。何かこう……やはりIS学園の優遇っぷりを思い知らされるな。だって毎年ここで臨海学校だろ?毎年この人数でって、予算はいかほど……。止めた……考えるほど空しくなるだけだ。大人しく整列しとかないと……。
「ここが今日から3日間世話になる花月壮だ。各々、従業員に迷惑をかけないように。」
「「「よろしくお願いします!」」」
「はい、こちらこそ。皆さん元気で素晴らしいですね。」
整列した俺達の前には、花月壮の女将さんらしき人が。俺達はしっかり女将さんへ挨拶すると、何処かはんなりとした様子を醸し出しながら女将さんは返した。う~む、和服が良く似合う。年齢を感じさせないというか、良い感じの年齢のとり方をしている印象……かな。
「……あら?そちらの白衣の方……もしや近江 藤九郎さんのご子息の……。」
「はい、近江 鷹丸です。あの、僕が小さな頃とかに利用してました?」
「ええ、まだ朱鷺子さんに抱えられてる頃でしたわ。私もその頃はまだ女将修行をしてたの。」
解散になって各部屋へと移動を開始し始めると、女将さんが近江に話しかけているのが気になった。というか、アイツはこのクソ暑いのに何で白衣なんだ……。……そう言えば、近江って金持ちだっけ?それなら、花月壮に来たのだって何ら不思議な事では無いのかもな。
「あぁ……そうそう。織斑くーん、まだ居るかなー。」
「……なんすか?」
「いや、僕らのせいで迷惑かけただろうから……部屋割りとかで。」
「あ、そうか……。あの、織斑 一夏です。この度はご迷惑を……。」
「いえいえ、あまりお気にならないで。お2人ともお客様なんですから。」
喧騒の中で近江に呼ばれるが、流石に聞こえなかったじゃまずいよな……。俺は渋々ながらも近江に近づくと、どうやら一言挨拶と詫びを入れておいた方が良いという事らしい。確かに、悔しいがそれは近江の言う通りだ。俺が斜め45度の会釈をして挨拶と詫びを入れれば、とてもありがたい言葉かがえって来た。そして―――
スパァン!
「必要最低限の礼儀はわきまえろ。その程度は他人に言われずともやれ。」
「……すみませんでした。」
居なくなっていたと思ったのに、背後から千冬姉に出席簿で叩かれた。しかし、ぐうの音も出ないから謝るしかない。そんな俺を哀れに思ったのか、女将と近江は口をそろえて「まぁまぁ」なんて言う。2人のおかげでこれ以上の難は逃れたらしく、千冬姉は鼻をフンと鳴らして出席簿を収めた。
「そう言えば織斑先生、俺の部屋っていったい……。」
「近江先生に着いて行けば解る。」
「まぁ、その時点でお察しだよね♪じゃあ行こう、案内するよ。」
かねてからの疑問と言うか、件の旅のしおりには部屋割りの名簿もあったのだが……何度捜しても俺の名が見当たらなかった。別の場所が用意されてるってのは聞いていたが、近江が案内……?その時点でお察し……?なるほど、理解した。これは……近江の奴と同じ部屋だと。
何が悲しくて近江と2人で1部屋を使わないといけないんだ。いやでも……俺1人に対して1部屋ってのも流石に気が退ける。仕方がない……自然な流れだと思って諦めるしかないか。俺はまるで死地へと向かう戦士にでもなったつもりで、離れて行く近江の背中を早足で追いかけた。
◇
(ウェミダー!)
って思わず叫びたくなっちゃうね、この光景を見ているとさ。旅館の部屋から広がるパノラマは、絶景としか言いようがない。太陽の光が海に反射して、白銀と紺碧のコントラストを生み出している。……あ、携帯で写真撮って昴姐さんに送っとこ。パシャリ……これで良し……っと。
「気に入ったようだな。」
(おー、ちー姉。そりゃもちろん。人並みに綺麗なもんは好きだよ。)
振り返ってみると、そこにはちー姉が腕組みしながら立っていた。まぁ俺と同じ部屋ですし。教師陣が俺の事情を考慮してくれたのか、ちー姉と同室にしてくれたようだ。ちなみにイッチーは鷹兄と予想。同性の教師が居るんだから当たり前だよなぁ?あれ……いや、ちょっと待とうか。
……イッチーと鷹兄を同室にするの……まずくない?いや、確実にまずい。だってホモだよ?ホモなのに多分だけど相思相愛だよ?ますます2人が戻って来れなくなっちゃうじゃない!く、水着を着る気はなかったが……こうなりゃヤケだ。俺の魅力的なダイナマイトバディで誘惑してやらぁ!
「海へ行くのか?私達はこれから会議だ。後で見かけたら気軽に声でもかけてくれ。」
俺に対して声をかけろという表現は微妙だが、まぁちー姉から遊ぼうっつーのはプライド的な何かが邪魔をするんだろう。するとちー姉は、乱雑に荷物をポイすると、俺よりも先に部屋から出て行く。……そういうところさえなければ完璧なんだろね、ちー姉って。
それは良いとして、俺も早く海へ向かうとしよう。えっと、日焼け止めに……髪を結うヘアゴム……必要なのはこれくらいかな?それで、着替える場所は別館だったよな。それじゃあ別館へと向かう前に、ちょっと寄り道して行こうかな。俺は生徒達の寝泊まりする一室を目指した。
(モーッピー!あーそーぼー!)
「うわああああ!?な、なんだ黒乃か……脅かしてくれる。」
モッピーの割り当てられた部屋へ立ち寄ると、勢い良く襖をスライドさせた。襖の開くスパーンという音に驚いたのか、モッピーは大声を出ながらこちらへ振り向く。しかし、驚いたのはどうやら音だけのせいではないらしい。モッピーはその手に赤い水着を手にしていた。あれ?赤か……原作だと白だったけど。
「はっ!?い、いや……これは違うんだ!その……似合うとよいしょされてつい……つい……!」
あ〜……大勢での買い物になってたしな。セシリー達に勧められるまま思わず買っちゃったと。まぁ……どちらにせよ連行しようとしてたから同じ事だよ。ほらモッピー……キミもイッチーをノンケに戻すの手伝って。どうせ男なんてほとんどおっぱい星人なんだから。俺は女性の胸ならなんでも好きだけど。
「ちょっ、ちょっと待て黒乃!ま、まだ……心の準備が出来てはいないんだ!」
(済まぬがモッピー、そんな事を言っている場合ではない故。)
モッピーを無理矢理立たせると、無理矢理引っ張って連れて行く。その間モッピーはずっと騒いでいたけど、それは総スルーさせていただきズンズンと別館を目指した。何気に俺も覚悟ができてなかったりするが、旅は道連れ世は情けって言うしね。同じようなスタイルをしてるモッピーが居ると心強い。
◇
「むぅ……や、やはり止さないか?こんな派手な水着、一夏に見られたと思っただけでだな……。」
(今更何言ってんの。ほら行くよモッピー。)
「す、少しは人の話に耳を傾けてくれても……。」
箒を引き連れて海へと辿り着いた黒乃は、周囲を見渡して一夏の所在を探った。しかしだ、この期に及んで情けない事を言う幼馴染に辟易とした様子を見せる。もちろんそんな言葉は無視して、箒の背中をグイグイ押していく。その方向には、戯れる一夏と鈴音の姿があった。
(お〜っすイッチー。)
「黒乃に箒か。……箒、お前その水着……。」
「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ!?」
2人の姿を確認する一夏は、何故か鈴音を肩車した状態だ。そうして口を開きかけたその時、突然鈴音が絶叫しつつ一夏の肩から飛び降り海へ向かって走る。そのままヘッドスライディングのように海へと飛び込むと、しばらく沈んだまま浮いてこない。やっと浮き上がったかと思えば、海へ向かってこう叫んだ。
「どーしてアタシの周囲に居る日本人は……揃いも揃って巨乳ばっかりなのよおおおおっ!」
「……別に大きくてもあまり良い事は……むぐぅ!?」
(それダメ……発育で悩んでる子に言ったらダメなやつ!)
いきなり何を言い出すかと思えば、巨乳大和撫子コンビの水着姿に果てしない嫉妬を覚えたらしい。確かに千冬しかり真耶しかり……日本人の巨乳率が高めかもだ。しかし、箒はさほど自分の胸が大きくて良い思いをした気がしないので、危うく鈴音に聞かれるとまずい言葉を発しそうになる。
すかさず背後から口元を抑えて防いだが、ここからどう鈴音をフォローすべきか迷う。誰に何を言われようと気休めにしかならないし、何より本人も惨めだろう。3人はシンクロしてそんな考えが浮かんでいたため、自然に話を別の方向へ持っていく事で一致したようだ。
「と、ところで一夏……さっきは何と言いかけたんだ?」
「ああ、その水着……似合ってるなって。箒は落ち着いた色が似合うと思ってたけど、案外そうでもないんだな。」
「そ、そそそそ……そうか?あ、あり……ありが……とう。」
「おう。黒乃も……その……似合ってる。」
(なんで目ぇ反らすんすかねぇ……?)
なんとなく2人が良い雰囲気になっていた。もちろん一夏も黒乃の事を忘れていたわけではない。ただ……あの一件以来の気まずさがまだ残っているのか、視線を外しながら黒乃を褒める。別に男に褒められても嬉しくないが、割に無理をしてこんな格好をしているせいかそれはそれで不服らしい。
「だーっ!胸ある癖に一夏と良い感じになってんじゃないわよ!どっちかその脂肪を寄越しなさい!」
「ま、待て……言ってる事が無茶苦茶……む、胸を揉むな!」
(おっふ!?この感じはやっぱり慣れない!あんっ……!だ、だがいい傾向だ鈴ちゃん。ほれイッチー、見とけよ見とけよ~……目の前で巨乳2つが揉みしだかれて反応しない男なんて―――)
「…………。」
(ガッデェム!ノーリアクション!)
かなり取り乱しているらしい鈴音は、戻って来るなり両手で片方づつ……黒乃と箒の胸をガシッと掴んだ。一夏をノンケに戻そうと画策している黒乃にとってはファインプレーだった訳だが、ノーリアクションである事に対して盛大なスラングを吐いた。
だがそれは黒乃の思い違いで、表情に出さないよう努めているだけであった。後で鈴音に何をいやらしい目で見ているんだー……と怒られるのを見越しての事だろう。それに気が付かない黒乃の中では、ますます一夏のホモ疑惑が膨らんでいく。
「はいストップ。目の毒だからそこまでね。」
「何よ……って、近江先生?今ごろ会議とかじゃなかったっけ。」
「ああ……何か僕って居ない方が良いんだって。女の人だけじゃないと話し辛い事でもあったんじゃないの?」
「ふ~ん……そんなもんかしら。」
相変わらず気配を消すのが上手な事だ。フラッと現れた鷹丸は、背後から鈴音の腕を掴んでバンザイさせるように2人の胸から引っぺがした。教師陣が会議中である事を知っていた鈴音が不思議そうな顔で質問すると、当人は会議室から追い出されたのだと笑い飛ばす。
「た、助かりました……近江先生。」
「アハハ、あのまま続けさせるのは男として教師としてちょっとねぇ。」
「それにしても、良く女子に捕まらずにここまで来れたな?」
「ん~……お互い牽制でもしあってるんだと思うよ。キミも話しかけられなかったでしょ。」
「あぁ……それは確かに。」
胸を隠しながら箒が感謝すると、少しばかり苦笑いを浮かべながら大した事をしたわけではないと伝える。すると一夏には、素朴な疑問が浮かんだ。いくら鷹丸が隠密の心得があるとは言え、この人数の女子の間を縫って来たのは不可解に思えたからだ。
鷹丸が思っている事を伝えると、なんとなくだが一夏にも言いたい事は伝わった。証拠に遠巻きにいる女子達にチラリと視線を向けると、キャッキャとはしゃぎながら、もしくはそそくさと一夏の視界から外れる。男2人は何処か困った様子だ。
「せっかくだし、先生も一緒に遊びましょうよ。」
「本当かい?それじゃあお言葉に甘えて……うん?藤堂さん、どうして僕の腕を引っ張って―――」
(イッチーの事は任せた。俺の担当は鷹兄だからさ。)
鈴音が鷹丸を誘ったタイミングで、その手を引っ張る者が1人。そう……鷹丸の事もホモと思っている黒乃だ。どういうつもりなのかは知らないが、どうやら2人きりのシチュエーションを作りたいらしい。そしてちょっとした岩陰に辿り着くと、砂浜にザッと腰を下ろした。
「えと、藤堂さん?」
(ホラ鷹兄、コレ塗るらせたげるからさ……どうか戻っておいで。)
「日焼け止めクリーム?あ~……それを僕に塗れって事かな。あ~……。あ~……。…………。」
(黙っちゃった!?何でだよ!喜んでよ!ちょっとショックなんですけど!?)
黒乃に心底から惚れている鷹丸にとっては役得だが、少々困っているらしい。というのも、最近の黒乃がどうも自分にアプローチをかけているように思えてしまうからだ。つまるところ……想い人に攻めるのは良いが、逆になったとなればイマイチどうして良いのか解からないらしい。
「解ったよ、キミがそうご所望ならお安い御用さ。……少し水着を外してくれないかな?」
(オ、オーケー……は、外すよ?外すからね!?変なことしちゃヤだよ!?)
「…………。」
(だから何で黙るの!?う、う~……恥ずかしいの我慢してるのにぃ……!)
さきほどから鷹丸が黙るのを、黒乃は興味も無いからノーリアクションと解釈しているらしい。しかしその実態は、声が出せないほどに見惚れているのだ。前はしっかり押さえつつ、ビキニの紐を緩めて曝け出されている黒乃の背中は……まるで白磁のような無垢。その無垢なる美しさは、全てを魅了するに違いない。
「藤堂さん、色白だもんね。これは確かに……焼けたら大変かも。じゃあ……塗るからね。」
(ど、どんとこ……いぃ!?ちょっと鷹兄……手つきやらしくないか?)
黒乃が男性を意識し始めたせいか、やけに鷹丸の手つきがやらしく感じてしまうようだ。実際はそんな事は無く、単にぎこちなくなってしまっているだけである。鷹丸は自身の煩悩と戦うかのように、勤めて無心でいるよう意識を集中。やがて黒乃の背中には、まんべんなく日焼け止めが広がった。
「……うん、こんな感じで良いかな?」
(く、黒乃ちゃん……キミの身体どうなってんの……?せ、背中でも若干……か、かかか……感じちゃってるんですけど……?)
本人が気づいているかいないかは不明だが、鷹丸の掌が背中を這うたび微妙ながらも身を捩らせてしまっていた。その事が更に鷹丸の動きをぎこちなくしていたのだが、どうにもそれどころではないらしい。しかしだ、いまいち手応えを感じられない黒乃は、続行の意思を示した。
(ホラ、腕とかふともも……前意外は触らしてあげるから続けなさい!)
「え、えぇ?手が届かないから僕に背中をやらせてたんじゃ……。」
(四の五の言わない!女の子の柔肌に触れるチャンスなんだから……俺のを堪能してノーマルに戻ってちょうだい!)
鷹丸が無反応気味だった事が、黒乃のプライドを傷つけたのだろう。若干暴走しつつヤケクソのようで、自分の手の届く範囲も鷹丸にやらせる。しょうがないからというか、そう言われてしまえば断れない。謎の申し訳なさを感じながらも、自分にとっては好都合だと決意を固める。
(鶫さん……こういう場合は、何て発言するのが正しいんだい?……肌がスベスベ……いや、これはセクハラかな……。)
(た、鷹兄また黙っちゃった……。何?女の子に触るのがそんな嫌かな……?てか……んっ!ふ、ふともも……!)
気の利いた言葉が1つも出てこない鷹丸は、やはり黒乃からすると嫌々している風に見えるらしい。基本的にはアドリブの得意な鷹丸だが、こんな特殊なシチュエーションではなかなかそれが難しいらしく……。結局は、全身くまなく塗り終わるまで終始無言な2人であった。
黒乃→むぅ……黙っちゃうくらい嫌かなぁ?……けっこうショックかも。
鷹丸→僕とした事が、緊張で声も出ないなんて……。
何かもっとこう……ギリギリを攻めていきたいんですけども。
エロ描写って難しいですね、どこまで許されるかが気になって書き辛いです。
沸き上がるエロス、文字で伝わるエロさをこう……私は何の話をしているんでしょう。