初日自由時間の続きになります。
今回はバレーボール回……でしょうか。
「や~……なんだか思わぬ時間を喰っちゃったねぇ。」
(おぅ……それは本当に申し訳。)
「いや、何もそんなつもりで言ったわけじゃ……。あ、ほらあそこ……ビーチバレーで盛り上がってるみたいだよ。」
先ほどまであまり人目につかない場所に居た俺と鷹兄だったが、本格的に遊びに入ろうと辺りを散策していた。思い出すだけで顔が熱くなるが……本当に日焼け止めクリームを塗って貰うだけで時間を取らせてしまったな。思わずペコリと頭を垂れると、気にするなと言いながら話題を反らしてくれる。
鷹兄のそういう気遣いのできるところは好きだよ……。む、本当に盛り上がってるなぁ……ちー姉が参加してるんだっけ?俺と鷹兄の足は、自然とそちらの方へと向かって行った。しかし、近づいてみて解った……実際のところは、楽しむ余裕があるのは観客だけだと。
「アハハ、完全に理不尽なパワーバランスだね。」
「そう思うんなら助けてくれ……。」
「お、近江先生……代わって差し上げてもよろしくてよ?」
「良ければ黒乃もお願いできるかな……?僕、運動は出来る方だけど……流石にアレはちょっと怖いというか……。」
どうやら3対3でビーチバレーをやっているようで、こちらのチームはイッチー、セシリー、マイエンジェル。チラリ、向こう側のコートを眺めてみると……。ちー姉、モッピー、ラウラたんという……嫌がらせとも取れる組み合わせでさぁ。まぁ……スポーツに関しては任せときんさい。
「ハハハ……。じゃあオルコットさん、僕と変わってくれると嬉しいな。」
(マイエンジェル、下がってて。)
「お、近江先生がそう仰るのなら……しっ、仕方ありませんわね。」
「えっと、黒乃……死なないで。」
そんな大げさな……と思って再度向こう側を眺めてみるが、とんでもなく良い笑顔でちー姉が笑っておられる。あ、これは……本気出しておかないとダメな奴だ。うっし、さすれば胸の谷間につっこんでおいたヘアゴムを取り出してだね。唇で挟むようにして咥え、その間に髪を束ねてオーソドックスなポニーテールへ。それをヘアゴムで結んじゃえば完成……っと。
「「「…………。」」」
え、何……?やっぱり俺ってお呼びじゃないのかい。俺が髪を結いながらコートに入った途端に周囲がザワついたというかなんというか……。何かと思って男性陣2人に視線を向けてみるが、イッチーには視線を反らされ鷹兄にはニヤニヤとした笑みを返される。……なんだこれ?
「か、髪を結う……たったそれだけの行為であの色気……!姉様、貴女という人は……!」
「そうなのだ、黒乃の髪に関わる行為はいちいち色気がだな……。」
「何、それだけ藤堂も本気モードというわけだ。」
うん……?イッチー達や観客だけじゃなくて、ちー姉達もなんか言ってるな。ちー姉以外の2人は心なしか頬が紅いような気が……って、よく見たら観客の皆さんも。日焼け……かなぁ?でもこんな短時間でそんな……。まぁ良いか、気にしないで始めようぜ。
「さて……現状考えうる最大戦力が揃ったわけだけど。藤堂さん、織斑くん、準備は良いかな?」
「アンタの実力が未知数だが、自信の現れで良いんだろ?だとすりゃ、俺はいつでも構わないぜ!」
(こっちもオーケーだよ鷹兄!)
「うん、その意気でいこうか。それじゃあお待たせしました織斑先生。ここから奇跡の逆転劇……お見せしますよ。」
「ハッ、言うじゃないか……お前の実力のほどは常々確かめようと思っていたし調度いい。」
え~……10点先取で1セット。2先取で勝ちみたいだけど……現在は向こうが1セット取っててこちらが0……。2セット目進行中って事なんだけど得点が……8対3?ダブルスコアじゃないか。いや、むしろどうやって3点取った……?まぁ良いや、鷹兄の言う通り俺とイッチーが揃ってる時点で―――最強の布陣だろうから。
「では行くぞ……。ハアッ!」
「おっと危ない。」
「!? 黒乃!」
(おしきた……どっせい!)
ちー姉のとんでもない威力であろうサーブを、鷹兄は軽々レシーブして見せた。しかも……しっかりとイッチーがトスしやすい場所に計算して……だ。その事に驚いて数瞬反応が遅れたイッチーだったが、危なげないトスでビーチボールをフワリと打ち上げる。それよりも前に俺はネット付近まで接近しているため、後は身体を反らして……スパァイク!
「なっ!?は、速い……。」
「くっ、姉様……一筋縄ではいかんか。」
「焦るなお前達。急いては事をし損じる。」
ボールを思い切りスパイクすると、モッピーやラウラたんの合間を縫うように砂浜へ着弾した。俺の速攻が効いたのか、2人は反応にかなり遅れてしまったように見える。しかし、ちー姉が良い薬になってるな。今の一撃で動揺を誘えると思ったんだが。
「サーブだけど、誰が撃とうか?」
「俺はもう手の内読まれた感があるんだよ。というか千冬姉と箒が向こうだし……。」
「じゃあ、同じ理由で藤堂さんのも有効的じゃないね。それなら始めは僕が。」
「おい、遅滞行為は感心せんぞ。」
「はいは~い、なら今すぐにでも。よっと!」
まぁ即席で組んだチームだから作戦会議は多少必要なわけで……。それを解ってちー姉は煽る感じで言ったんだろうなぁ。心理戦とかちー姉も得意そうだし。とにかく、ボールは鷹兄の手に渡った。そうしてそのまま豪快なサーブ……に見えたが、なんと鷹兄のサーブはかなり手前で落ちた。
「し、しまった!?」
「体格的に不利なラウラを露骨に狙って……!」
「やるな……って素直に思うんだけど、この場合褒めて良いんだか……。」
「ハハハ、ヤだなぁ。見事なトリックプレーって褒めるところじゃない。」
そう……思いきり撃ったはずなのに、どういうわけか手前にポスリと落ちるような軌道を描いたのだ。音が音だっただけに、ラウラたんは身構えてしまったのだろう。しかし……相当な手前で落ちるために拍子抜け。ちー姉かモッピーならリーチ的に届いたかも知れないが……148cmしかないラウラたんに無理を言ってはいけない。
えげつないなぁ……鷹兄。卑怯……とか言うつもりはないんだけど、どうにもモッピーは鷹兄の戦術を良しとしていないらしい。でもね、そう言う視線……ますますこの人にエンジンかけちゃうだけだよ。ほら……ニヤニヤし始めた。ま、俺は子供みたいで可愛いな~……なんて思いながら見てるけどね。
「フフ、そう来なくては面白くない。篠ノ之、ボーデヴィッヒ。」
「「は、はいっ!」」
「アレの捻くれた性格から弾き出される戦術は、お前ら石頭2人には厄介だろう。油断せずに臨め。その上で騙されたとしても気にする事は無い。たかだかお遊びだ。」
カ、カリスマェ……。腕組みしながらそう言うちー姉に対して、圧倒的な人格者ぶりを感じた。……こう言っちゃなんだけど、原作じゃただただ理不尽な人ってイメージで描写されがちだからねぇ。これで2人も更に気合が入った事だろう。俺も油断のないよういかないと。
その後は向こうに1点与えてしまったが、破竹の勢いで俺達の反撃は進む。1点も取られてはいけないという緊張感が、俺達の結束を高めたのだろう。そしてやがて……9対9のイーブンまで追いついた。先に10点目を制した方が、このセットも制する。サーブはこちらから……と言う事は、半分先行は向こうチームと言う事だ。
「近江先生、最後のサーブ……小細工抜きにしようぜ。」
「うん?……うん、そうだね。やっぱり同性だからかな、キミの言いたい事は良く解るよ。」
「じゃ……頼んだぞ。」
「オーライ。頼まれました……っと♪」
(おお~い……誰か忘れちゃいないかい?)
鷹兄とイッチーは何か、男同士の友情を感じさせる会話を繰り広げた。いや、ホモホモしい内情かも知れんけど。どちらにしたって俺を仲間外れとか、良くないなぁそういうのは……。混ざろうとしたのだが、その前に鷹兄はサーブを打ってしまう。……はっ!?す、すごい威力!鷹兄……全力を隠してたな!
「お前達、なんとかして私にスパイクさせろ。」
「了解!しくじるな、箒!フッ!」
「いいぞラウラ!織斑先生!」
「よろしい、上出来だ。はああああっ!」
きた……ちー姉のスパイク!今まで俺達が追いつけたのは、ちー姉が本気を出していなかったから。その証拠に、俺達が加わってから……ちー姉は1度もスパイクを打っていなかった。まるで何か……追い詰められるのを楽しんでいるかのような、そんな感じで。
恐らくこのスパイクは本気も本気。着弾点は俺の近くか!ザッと砂浜を蹴り上げ着弾点まで移動すると、手を組み腕を突き出し……しっかりとレシーブの構えを取る。そうしてスパイクが俺の腕に……着弾!う、うぐぅ……凄く痛い!だが……この痛みこそが俺の生きがい故!フハハハッ!
(……ほわぁ!?)
足に浮遊感を察知して、ふと足元へと目をやってみた。するとどうだ……足が本当に少し浮いている。ち、ちー姉!人吹き飛ばす威力のでるスパイクって何よ!?こ、このままではレシーブが乱れる……。一か八か、俺は少し足の浮いた状態から上体を反らす。……ダジャレじゃないかんね!
(おお……らあっ!)
「すげぇ……流石は黒乃!」
「感心してる場合じゃないよ織斑くん!」
「ああ、解ってる!」
俺のとっさの行動が功を奏したのか、ぶつかったボールの威力を利用し、その場で後方に宙返りするような形でレシーブに成功した。多少乱れたが、ボールはきちんと空中へ打ち上がっている。さて、後は任せたよ男衆〜……。あたしゃ今ので気力ごともってかれたからさ。
「近江先生!」
「でやああああ!」
「「!?」」
あ〜……鷹兄の目が見開かれてるって事は、本気も本気って事だな。イッチーの上げたトスから速攻で打ち出された鷹兄のスパイクは、モッピーとラウラたんを棒立ちにさせるほどの威力があった。ボールが砂浜を叩いてしばらく、シンとした空気が流れるが……一斉に黄色い声が響く。
「キャーッ!近江先生かっこいいー!」
「本当に逆転されるとはな……。」
「後もう1セット残ってますし、決着をつけましょうか。」
「そうしたいのは山々だが、生憎時間がない。お前達!昼を食う時間を見失っても知らんぞ!」
それまでイケメン2人への歓声がわいていたが、ちー姉の言葉で蜘蛛の子を散らすように解散していく女子達。俺もイッチーを筆頭としたいつもの皆に引き連れられ、砂浜を駆けていく。結局のとこ海に入れてないが、昼を食べたらまた出直そうかな。じゃあ今は、何も考えずに走れ!
◇
「まったくとんでもないですね。」
「ああ、インパクトの瞬間に後方へ跳び……衝撃を柔らげつつ宙返りしてレシーブとは。」
皆が一斉に散ってしまったわけだけど、僕は思わず千冬さんに話しかけていた。ちなみに僕は黒乃ちゃんを凄いと言ったのではなく、衝撃を柔らげないと返せないスパイクを打った千冬さんをとんでもないって言ったんだけどな。まぁ……どちらにしたってアレを返しちゃう黒乃ちゃんも黒乃ちゃんだけど。
「…………。」
「どうかしました?」
「……研究室へ篭ってばかりのモヤシではないようだな。」
「その事ですか。ええ、まぁ……それなりに命を狙われた経験もありますし。」
僕がいつもの様子でそう言うと、千冬さんは悲痛……とも違うし、同情……とも違う。そんな微妙な表情をほんの数瞬だけ見せた。なんというか、僕の頭が邪魔だったのか欲しかったのか。まぁ……これもある意味では企業戦略だよね。僕が近江重工を更に大きくしたのもまた確かだし。調子に乗ってるつもりはないけど……。
どちらにせよ、僕の存在が社に、皆に迷惑をかけているのは確かだろう。だから僕は護身術とかで身体は鍛えてる。後は……セルフセキュリティというか。僕の周囲に対する警備は厳重だ。プログラムとかも全部自分で組んだから大変だったのを良く覚えている。
「動けるに越した事はないだろう。……良い心構えだ。」
「ハハハ……それでも織斑先生や藤堂さんには足元も及ばないでしょうけどね。」
逆を言えば、規格外の人達以外とはそれなりに戦えるって事だけど。最近で言うと……う〜ん、ボーデヴィッヒさんあたり?にはなんとか勝てるんじゃないだろうか。勿論ISじゃなくて生身の話。見かけに騙されての発言ではないが、どうにも彼女と戦うってのはまず気が引ける。
「近江……1つだけ聞かせろ。お前の黒乃を殺せる相手を探すという発言……あの真意は何だ?」
「藪から棒ですね。言葉通りの意味と取って貰って結構ですけど。」
「今は誤魔化すな。私はお前と黒乃の話をしている。」
僕と黒乃ちゃん……ね。それはつまるところ、将来にも関わる話と言いたいのだろう。あまり腹の中を見せるのは好きじゃないんだけどねぇ……。だけどこの場合は話しておかないと。なんたって、僕だけじゃない……僕と黒乃ちゃんの未来を決定づけてしまうかも知れない質問だから。
「……あくまで比喩ですよ。本当に死なれても困りますし。」
「だろうな。お前が黒乃との未来をどこまで想定しているのかは知らんが……というより知りたくもない。」
うわぁ、ストレートな言い方。別に聞かれたって言わなかったろうし……問題ないけどね、うん。とにかく黒乃ちゃんの夢は僕の夢な訳で……刹那を乗りこなしてくれた時点でベタ惚れなわけですよ。だから黒乃ちゃんの目標は、僕がサポートしたい……けど、まぁ死なない範囲でね。
「だが近江……その黒乃は―――」
「あれ?意外ですね……。弟さんは話さないんじゃないかと思ってましたけど。」
「……お前の耳にも入っていたか。確かに私は一夏には話して貰っていない。一夏が私に話さんだろう……そう思ったらしい篠ノ之が伝えに来た。」
僕らは直接口には出さないが、黒乃ちゃんの中に潜むもう1人の黒乃ちゃんに関して話題をもっていった。死に場所を求めているのは、当然ながらもう1人の方だろう。そこの意見は千冬さんと合致していたようだけど、そもそも彼女が黒乃ちゃんの多重人格について知っている事が意外だった。
じゃあ僕がどうやって知ったかって?……まぁそれは置いておこうよ。一夏くんの性格上、千冬さんには話さないだろうと思ってたからねぇ。それを知れば、千冬さんはきっと責任を感じてしまうだろうから。だけど篠ノ之さん経由かぁ……あの子としては、千冬さんに隠すべきでは無いと思ったんだろう。
「その黒乃ちゃんは、黒乃ちゃんじゃない……とでも言いたいんですか?」
「…………。」
「無理に回答は強要しませんよ。僕が貴女の立場なら同じく複雑な心境になるでしょう。ただ……僕にはあまり関係ない話です。僕は……彼女の全てを愛します。例えそれが、残忍で冷酷な人格だろうとね。」
もう1人の黒乃ちゃん……と言う事は、彼女……いや、多重人格は性別も違う場合があるらしいから彼かも知れない。とにかく、もう1人のと言うくらいならば……僕にとってそれは間違いなく黒乃ちゃんだ。文字通りに彼女の全てを愛するのならば、ある意味で当然の事と言える。
「……お前が羨ましいよ。私は、出来れば黒乃の中から居なくなってほしいと思っているのにな。」
「それは悪い事じゃありませんよ。むしろそう思って当然です。」
「その当然でない事を易々としているのだから、お前が羨ましいと言ったんだ。近江……もし黒乃にその気があるのならば、あいつはお前に任せよう。」
さっきから続いていた質問みたいなものは、僕に対する試験みたいなものだったみたいだ。生身でそれなりに戦える事、そして……黒乃ちゃんの抱えた問題に対する回答。それがどちらも千冬さんには好感触だったのかも。嬉しさのあまりに飛び跳ねてしまいそうだが、そこは堪えて感謝の言葉を述べる。
「だが勘違いするなよ。黒乃はあくまで―――」
「一夏くんを……ですよね?大丈夫、そんなの僕が1番良く解ってますよ。」
「……それを解っていながら、愚弟にヒントを与えるようなマネをしたのか?」
「アレ……聞いてました?ハハハ、参ったな……。まぁ……はい、そうですね。」
一夏くんにはかなり厳しい事を言っただろう。だけどそれは、いわゆる愛の鞭みたいなものさ。IS学園に来て、2人を観察して解った事がある。あの2人は、非の打ちどころのない相思相愛だってね。でも一夏くんは……黒乃ちゃんと1歩踏み込んだ関係になろうとしているようには見えない。
この間の反応を見る限りでは、自覚すらあまりなさそうだ。だからこそ……ズルズルと関係を引きずったままでいようって、無意識にそう思っているんじゃないかな。でも黒乃ちゃんは、最近そうでも無いみたい。だから僕に思わせぶりな態度を取っているのだろう……それはきっと―――
「黒乃ちゃんは、一夏くんに引き留めて貰いたかったんだと思います。そいつは俺の女だって、そう言って欲しかたんだと思います。一夏くんの……特別になりたいんだと思います。」
「あの馬鹿にその資格は無い。」
「ハハハ……今の時点ではそうみたいですね。僕は黒乃ちゃんが幸せになれるなら、噛ませ犬になる覚悟は出来てますよ。でも、僕の彼女に対する愛は本物だ。とりあえず今は……僕のターンって事で。」
「その許可をやると今言ったんだ。ただ近江……ウサギには気をつけろ。」
黒乃ちゃんを悪女……なんて言う気はないけど、きっと最近の僕に対するアプローチは……あの子なりの最終手段なんだろう。僕に気があるような態度を取って、一夏くんを不安にさせると……。……あんまり効果は無いみたいだけどね。前も言っけど……やっぱりそこに関しては許せない。黒乃ちゃんがそんなにも苦しんでるっていうのに……彼ときたら。
まぁ覚悟はできてるけど、噛ませ犬になる気なんて毛頭ないけどね。彼女が苦しまないように、絶対に振り向かせてみせる。だって僕は、惜しみない愛をキミへ送るつもりだよ……黒乃ちゃん。なんて考えてたら、いつの間にやら千冬さんに置いてきぼりを喰らっちゃってるよ。
それにしても最後の忠告……やっぱり僕はマークされちゃってるかぁ。多分だけど、今ごろも何処かで監視していたりするんだろう。ま、僕には関係ないけどね……ご自由にどうぞ。貴女がどう動いたって、僕は死んでも黒乃ちゃんに喰らいついて見せますから。
……さて、動いたらお腹が空いたし……僕もお昼にしようかな。結構な時間が開いちゃったけど、多分まだまだ間に合うだろう。後はどうにかして黒乃ちゃんと一緒に食事を……。そう考えながら花月壮へ戻ろうとすると、なんとなく視線を感じた。僕はいったん足を止め、視線を感じた方へ満面の笑みを浮かべ……再度歩を進め始める。
黒乃→イッチー?まぁ……最近は意識しちゃってるかもだけど、好きとかは無いから……。
鷹丸→黒乃ちゃんと一夏くんは相思相愛だろうしねぇ……。
とりあえずは鷹丸もアプローチは認められたって事で。
ですが別に鷹丸ルートって事では無いので。
いや、最終的にはそうなる可能性も今はゼロじゃないですけれど……。
展開は神のみぞ知るって事でお願いします……。