問題児たちが異世界から来るそうですよ? 悲報 お一人様追加です♪   作:卍恭也卍

10 / 12
第二巻
の一作目です。

お楽しみください


あら、魔王襲来のお知らせ?

問題児8話

 

ペルセウスよりレティシアを奪還し、十六夜と穹が付き合い始めて数週間が過ぎた。

 

十六夜は始めて出会った時からは考えられない程丸くなり、多少の自己中心的行動は見られるがそれ以上に穹とのイチャつき具合が酷かった。

コミュニティ内で手をつなぐのはもちろんのこと、時には二人並んで貯水池前の庭で日向ぼっこしている姿も見かける。

甘過ぎて砂糖を口から吐きそうになりそうなコミュニティの同士達は、二人に頭を悩ませていた。

そんな時、黒ウサギに一通の封書が届けられた。

 

「これは………!?ダメですね。今これを見せてしまっては問題児様方は確実に参加しようとします。そんなことになってはコミュニティが…」

 

また一つ黒ウサギの頭痛の種が増えた。

黒ウサギの頭痛の種が増えてから数日後の朝。

 

「ねぇ十六夜。こんなの見つけた」

 

「ん?」

 

穹は今朝机の上に置いてあった封筒を十六夜に手渡す。

 

「どうしたんだ?これ。消印的にサウザンドアイズからのものみてぇだが」

 

「朝起きたら机の上に置いてあった」

 

「へぇ」

 

十六夜はまた面白そうなものを見つけたとでも言いたげに笑う。

 

「宛名はねぇけど、俺が開けてもいいのか?一応お前の部屋に届いたんだろ?」

 

「別に。十六夜なら気にしない」

 

「ん。そ、そうか…」

 

穹の何気ない一言に十六夜は頬を染める。

染めた頬を隠すように手で頬を掻きつつ封筒を開く。

 

「ほぉ…面白そうじゃねぇか」

 

中身を読んだ十六夜は獰猛に笑う。

 

「なんて書いてあったの?」

 

「ん?あぁ、内容は…」

 

十六夜は内容を噛み砕きつつ話し出す。

 

内容は簡潔に言えば白夜叉からの招待状だった。北側で"火龍誕生祭"という大規模な祭りを行うらしく、それに参加してみないか?というものだった。

 

「楽しそう」

 

十六夜の解説を静かに聞いていた穹は十六夜と同じように静かに笑う。

 

「お嬢様達にも声かけて行こうぜ」

 

「うん」

 

十六夜の提案に穹は快諾し、二人で飛鳥の部屋に向かうのだった。案の定手はしっかり繋いでいた。

 

飛鳥の部屋前

 

「おーう、お嬢様!面白ぇものを持ってきたぜ」

 

十六夜はそう言って飛鳥の部屋のドアを蹴破る。

 

「ちょっと、十六夜君!女性の部屋にノックも無しに入るのは失礼じゃないかしら」

 

飛鳥の部屋には、主の飛鳥、耀、割烹着を着た狐耳の少女リリの三人がいた。

 

「ん?あぁわりィわりィけどこいつで勘弁してくれ」

 

全く反省の色を見せない態度で謝る十六夜は穹の方を見て促す。

 

「飛鳥、私達宛にこんなのが届いた」

 

穹は手に持っていた封筒を飛鳥達の前に差し出す。

 

「双女神の紋!サウザンドアイズからの招待状ですか!?」

 

一番最初に反応したのはリリだった。

 

「中身を見せてもらってもいいかしら?」

 

飛鳥は穹に確認を取ってから受け取り封筒を開き、中の手紙を読みふける。

 

「なんて書いてあったの?」

 

耀は穹の隣に来て手紙の内容を尋ねる。

 

「えっと…」

 

「面白そうじゃない!いいわ、さっきの件はこれで許してあげる。今すぐにでも行くわよ」

 

穹が説明する前に飛鳥が叫びだし、中断させられる。

当の飛鳥はノリノリで身支度を始める。

そんな騒がしい飛鳥の部屋へ

 

「騒がしいですけどどうかしましたか?」

 

運悪くジンが部屋へ訪れた。

 

問題児四人の視線が一瞬交錯し、お互いの考えを察知する。

一番速かったのは十六夜だった。

十六夜は速攻でジンの背後に回り逃走経路を塞ぐ。次いで耀と穹は左右に立ってジンの腕を掴み拘束する。

 

「あ、あの、どうかしましたか?皆さん顔が怖いですよ…」

 

飛鳥はゆっくりとジンの正面に歩み寄りにこやかに笑う。

その笑みの意味まで察することはできなかったが、この後自分の身に起こるであろうことが確実に面倒なことは察せたジンは顔を引き攣らせる。

 

「少しこの手紙について聞きたいのだけどいいかしら?」

 

飛鳥はジンの前で封筒をチラつかせる。

 

「な、その封蝋は!?なぜそこに!?それは黒ウサギが保管していたはず」

 

「ほぅ、ジンと黒ウサギは前々からこれがあるのは知ってたってわけか」

 

ジンの言葉に十六夜は目の色を変え呟く。

十六夜の反応にジンはハッとして自分は口を滑らせていたことに気づいた。が時既に遅し。

 

「こんな面白そうなお祭りを黙っているなんて、酷いよジン。ぐすん」

 

「コミュニティを盛り上げようと毎日毎日頑張っているのに残念だわ。ぐすん」

 

「ここらで一つ、黒ウサギ達には痛い目を見てもらうのも大事かもしれないな。ぐすん」

 

「…よくわからないけど。ぐすん」

 

内容を理解出来ず悪乗りする耀を含め四人は悪意の満ちた泣き真似をする。

四人の悪意に気圧されたジンは背に冷や汗をかく。

 

「えっと、皆さん…?」

 

苦笑して四人に声をかけたジンの悲鳴が本館に響き渡った。

 

問題児達がジンを連れ去りコミュニティを飛び出して数分たった頃。

黒ウサギ達はコミュニティでの出来事など知らず、レティシアと二人で魔王に犯され荒廃したコミュニティを見て回っていた。

 

「黒ウサギのおねーちゃーん」

 

そこへリリが叫びながら走ってきた。

 

「?リリ、どうしたのですか?」

 

「えと、えと、飛鳥様が十六夜様達を連れて…あ、手紙を預かってました」

 

焦ってしどろもどろになっていたリリは思い出したようにポケットから手紙を取り出し、黒ウサギに手渡す。

 

「あ、はい。えーと………」

 

『黒ウサギへ

北側の四〇〇〇〇〇〇外門と三九九九九九九外門で開催される祭りに参加してきます。貴女とレティシアも後で必ず来ること。後、私達にこの事を黙っていた罰として、今日中に私達を捕まえられなかった場合"四人ともコミュニティを脱退します"

死ぬ気で探しなさい。応援してるわ。

PS. ジン君は案内役として連れて行きます。』

 

手紙を読み終えた黒ウサギの肩がわなわなと震える。

 

「な、何を言っちゃってくれてんですかあの問題児様方はぁぁぁぁ!!!!!」

 

黒ウサギの堪忍袋の尾が切れて、絶叫を上げる。

 

「黒ウサギ!叫んでいる暇はない!早く行動に移せ」

 

隣で読んでいたレティシアが冷静に黒ウサギをなだめる。

 

「この程度の時間ならまだそう遠くには行ってないだろう。黒ウサギは一度コミュニティ内を探して、いなければ北側へ向かえ、箱庭の貴族なら通行料はいらないはずだ」

 

「ですが、レティシア様は…」

 

「手紙の送り主は白夜叉だったな?ならご主人達はサウザンドアイズへ向かうだろうからな。まずそっちに顔を出してからもう一度東側を探すよ」

 

「わかりました。ではレティシア様。ご武運を」

 

「あぁ、黒ウサギもな」

 

二人は即席会議を終わらせ頷き合うと、その場で別れ持ち場へ向かった。

その頃問題児達は

 

「それにしても、北まではどうやって行けばいいのかしら」

 

"六本傷"のコミュニティが経営するカフェで作戦会議をしていた。

議題は『如何に早く、黒ウサギに捕まらずに北側へ行くか』だった。

 

「北に真っ直ぐ歩いて行きゃあいいんじゃねぇか?」

 

「な、何を言ってるんですか!歩いて行けるような距離じゃないですよ!」

 

十六夜の安直な提案に、ジンは大声で抗議する。

 

「そんなに怒るようなこと?」

 

「当たり前です!ここから北の境界璧まで何kmあると思ってるんですか!」

 

尚もジンは怒りを露わにして叫ぶ。

 

「しるか。それに、初日に見たがそこまで離れているようには見えなかったぞ」

 

十六夜はジンの言葉をあっさり切り捨てる。

 

「はぁ。では聞いておきますが、箱庭の世界の表面積が恒星級であることはご存知ですか?」

 

「「「え!?」」」

 

「あぁ、それくらいは知ってるさ。けどよ、箱庭の世界の殆どが野ざらしにされてるって聞いたぜ。それに大小はあっても所々に町があるって」

 

「えぇ、箱庭の世界の至る所に町は点在していますが、それを差し引いても箱庭は世界最大の都市です。箱庭が占める世界の表面積は他の街とは比べ物になりません。」

 

十六夜達の反応にジンは呆れたように溜息をつき、話す。

 

「あの、まさかだけど、箱庭が恒星の一割以上占めてるとは言わないわよね?」

 

ジンの説明を聞いた飛鳥が若干引きつつ尋ねる。

 

「流石にそこまで大きくありません。占めているとしても、極少数になります。」

 

「そうよね…で、ここから北の境界璧までどれくらいあるの?」

 

飛鳥の最悪の予測をジンが否定し、安堵の息をつく。

 

「…ここは少し北よりですからざっくりといっておよそ八万kmぐらいだと思います。

 

ジンは飛鳥の質問に、少し悩むように間をあけた後、さらっと信じられない数字を言い放つ。

 

「「「「………」」」」

 

問題児四人はジンの言葉に唖然とする。

 

「…あの、普通のコミュニティの人達はどうやって行ってるのかな?まさか、歩いて行ってるわけじゃないよね?」

 

「はい、ちゃんと交通機関がありますよ」

 

「じゃあそれを使えばいいだけじゃねぇか」

 

ジンの回答に十六夜はあっさり言い切った。

 

「ダメですよ!境界門の使用にはお金がかかるんです!サウザンドアイズ金貨一人一枚、五人で五枚ですよ!コミュニティの貯金額を上回ります!」

 

ジンは終始怒りっぱなしで叫ぶ。

 

「四人で合わせた全財産でどれくらい?」

 

穹の問いかけに三人は所持金を取り出し、合わせる。

 

「四人で金貨四枚と銀貨数枚か」

 

「あと少し足りないわね」

 

「…そうだね、どうにかならないかな?」

 

十六夜、飛鳥、耀の三人は足りない残りの銀貨を捻り出す方法を考えていた。

 

「でも、あと金貨二、三枚はいると思う」

 

穹の言葉に三人は小首を傾げる。

 

「なんでだ?行くのには御チビが言ったとおりなら、五枚でいいはずだろ?」

 

「お金が無いと参加出来ないギフトゲームがあったとしたら?」

 

三人の表情が驚愕に染まり、背後に雷が落ちた。

四人であーだこーだと意見を出し合っていると、ジンが一言呟いた。

 

「あの、皆さん。そろそろこんなことはやめてコミュニティに戻りませんか?黒ウサギ達も心配してますよ?」

 

「「「「だが断る!!」」」」

 

声をハモらせて返し、また作戦会議に戻る。

 

「考えてみたんだが、白夜叉に頼むってのはどうだ?招待状を送ってきたのも白夜叉だからな。たぶんだが送ってくれるとは思うんだが」

 

「「「それだ!!」」」

 

十六夜の意見に三人が賛成するとジンの服の襟を掴み、引き摺るようにして四人は歩き出した。

 

「ちょ、引き摺るのはやめてください!自分で歩きますから!」

 

四人はジンの抗議を無視してサウザンドアイズへ向かった。




はい、今回はここまでです。

第二巻、魔王襲来までやっとの思いで辿り着きました。
まだまだ先は長いですが…

そして、ネタが…思いつかなくなりましたorz
現在必死で捻り出してはいるのですが…まともに思いつきません。思いついた時にはしっかり書いているので失踪はしないと思いますが、投稿期間がかなり空くことに
なるかも知れません。その時はあぁ、ネタが無いんだななんて思いながら待っていて下さるとこちらも嬉しいです。

今更なんですが、読みにくかったり、誤字脱字があれば遠慮なく言ってください。一度に全て改善することはできないと思いますが、出来ることから順に改善していこうと思っていますので。感想、評価などを頂けたら、作者は全裸で感想を下さった方の方向(予測)に祈り、崇め奉ります。(要は感想、評価下さい)

ここまでの閲覧ありがとうございました。
また次回お会いしましょう。
ありがとうございました
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。