問題児たちが異世界から来るそうですよ? 悲報 お一人様追加です♪ 作:卍恭也卍
雑でごめんなさい
せめて一言
お楽しみください
問題児10話
第四〇〇〇〇〇〇外門と第三九九九九九九外門で行われている大規模な祭"火龍誕生祭"そのメイン会場とも言える場所"煌焔の都"そこでは、今祭りの真っ最中とは思えないほどの破壊音と観光客達の悲鳴に包まれていた。
「十六夜…楽しそうだなぁ。付き合い始めてからまだ、あんな笑顔見たことない…」
破壊と悲鳴の喧騒から離れ、ぼんやりとその破壊を生み出す主の方を見つめ見当違いの感想を漏らす少女がいた。
「あら、こんにちは」
都の主要部に響き渡る喧騒とは逆に静寂に包まれた路地裏で、黒い斑模様ワンピースを着た少女がぼんやりと遠くを見つめる少女…穹に声をかける。
「ん」
軽い目配せだけで返事を返した穹は興味を無くしたようにふらふらと歩き出す。
「貴女は私達と違って純粋みたいね。ねぇそこの貴女。私のコミュニティへ入らないかしら?」
「間に合ってます」
「あら、残念。振られちゃったわ。でも、少し私に付き合ってくれないかしら?お祭りは独りで回っても楽しくないもの」
「付いてくるなら勝手にどうぞ」
やや不機嫌さを表に出した荒っぽい態度で雑な返事を返し再びふらふらと歩き出すと、その隣を寄り添うように駆け寄り両手を後ろに組んで歩き出した。
「あぁ、そういえば自己紹介がまだだったわね。私はペスト。貴女は?」
「…鷹宮穹」
「!?………ふふふ、そう。穹…ね」
ペストの自己紹介に対して最低限の礼を尽くし、自己紹介を返した穹の言葉に一瞬目を見開き見つめていたがすぐに優しく微笑み、呟く様に穹の名前を呼んだ。
二人で都を練り歩き始めて数十分が経った頃には穹から不満が零れる程に仲良くなっていた。
「でね、いっつも優しくするくせにほとんど笑ってくれないんだよ。さっきも私といる時とは違って、心から楽しんでるみたいに笑ってるんだよ」
「そう、でも。本当に笑ってないの?笑うと言っても色々あるのよ?」
穹の愚痴に対して、子供を諭す様に優しくあやすペストはさながら穹の母親のようであった。
「それは…そうだけど………」
「そうね。女として、やっぱり自分の前では色々な表情を見せて欲しいわよね。
本当に、穹のボーイフレンドは幸せ者ね。こんなに可愛らしい子が嫉妬してくれてるのだもの」
「し、嫉妬って………」
「あら、違った?」
頬を真っ赤に染めて照れた様に戸惑う穹を見てクスクスと笑うペストにまた照れる。
「ペストの意地悪…」
薄らと瞳に涙を溜め頬をぷっくりと膨らませて睨む穹をペストは優しげな瞳で見つめていた。
「おう、マスター。お楽しみも程々にして
そろそろ俺達の相手もしてくれや」
二人の穏やかな時間は、エルフよりは短いが尖った耳にピアスを付け髪を太い針の様に尖らせた長身の男の出現と共に終わりを告げた。
「誰?」
突然現れた男に対して一切動揺することなく、ゆっくりとギフトカードから紫電を取り出し穹は正眼に構えた。
「おいおい、お嬢さん。俺は敵じゃねぇよ。今のところはな」
一切の油断も隙も見せずに睨みつける穹に男は十六夜にも似た獰猛な笑みを見せて、
無手で構えた。
「二人ともおやめなさい。ヴェーザーも突然現れてその態度はないでしょう。穹も、彼は私の大切な仲間だから、その刀を下ろして」
「マスターは大層そのお嬢さんにご執心のようだな」
「ペストがそう言うなら」
ヴェーザーと呼ばれた男は呆れつつも優しげに笑い、穹は渋々といった様に刀をギフトカードにしまった。
「ありがとう、穹。二人で回れて楽しかったわ。また会いましょう」
「ん、また」
突然の別れにも関わらず、何事も無かったかのようにあっさりと背を向け穹はのんびりと街を歩き出した。
逆にペストは穹の背中を愛おしげに消えるまで見つめ続けていた。
「これでもう満足かい?マスター」
「えぇ、決めたわ。あの子は絶対に私達のコミュニティに引き入れてみせる。
だって、あの人の娘なんだもの」
先程までとは打って変わり、表情を引き締め決意を新たにペストはヴェーザーと共に街の闇へと消えていった。
ペストと別れ、のんびりと散歩していると
「あれ、穹?」
右手に大量のたこ焼きの乗ったパック、左手には大盛りよりも遥かに多く盛られた焼きそばのパックを持ち、口からは鶏の脚らしきものがはみ出した耀が器用に話しかけてきた。
「耀?飛鳥は一緒じゃないの?」
「途中ではぐれた。今レティシアと探してる途中」
「………そっか」
捜索中にも関わらず祭を堪能している姿に穹は戸惑いが隠せなかった。
「十六夜は?一緒に回ってないの?」
「十六夜はあっちで黒ウサギと………ごめん、ちょっと行ってくる!」
耀の問に対して指さして答えようとした穹が一瞬硬直し、すぐに断りを入れて駆け出した。
「え?ちょ、穹!?…え?」
唐突に駆け出した穹の背中を追おうとして
耀も駆け出そうとしたが、穹の背中の先に爆発にも似た破壊音を響かせて崩れゆく時計塔を見て身体が硬直し駆け出すことができなかった。
時計塔の半ばから蹴り砕かれ、野次馬と化した観光客に巨大な瓦礫が降り注ぎ、絶望に暮れた観光客達から悲鳴があがる。
「間に合って!」
十六夜が時計塔に蹴りを入れようとした瞬間に駆け出し、崩れた時計塔から逃げ惑う観光客の間を穹は全力で駆け抜けた。
巨大な瓦礫の落下点に逃げ遅れ、その場で縮こまっていた子供の下へたどり着いた穹はそっと抱き上げた。
「だれ?」
「ちょっと待ってね。すぐに助けてあげるから」
重力に引かれ徐々に落下速度をあげる瓦礫を完全に無視して、子供に優しく微笑みかけるとすぐに瓦礫に視線を戻し表情を引き締め、片手で器用にギフトカードから紫電を取り出した。
「ふっ!」
気合いと共に紫電を一閃すると、刃が瓦礫に触れていないにも関わらず真っ二つに切断された。
「…っ………っ………」
そのまま返し刃で二閃、三閃と続けて振り抜き瓦礫を塵になるまで切り続けていた。
「ふぅ、もう大丈夫」
目前の危険を取り除き一息吐くと紫電をギフトカードにしまい、子供の目にゴミが入らないよう手で目を覆い、今も尚空を駆ける元凶二人を睨みつける。
「穹!」
遅れて耀が穹の下へ駆けつけた。
「あ、耀。丁度良かった、この子を親御さんのところに連れていってあげて。よろしく」
有無を言わさず耀に抱きかかえていた子供を預けると再び駆け出した。
「え、ちょ、穹!?」
再度置いて行かれ戸惑う耀の声は穹に届くことなく、穹の成した偉業に歓喜の声をあげる野次馬達の歓声に溶けていった。
穹が再び耀を置いて飛び出した頃騒ぎの原因である二人は何も気づくことなく暴れ回っていた。
「「捕まえた(のですよ)!」」
お互いに体力の限界が近いことに気づいていたのだろう。
二人は同時に腕を伸ばし捕まえようとしたのだが…
「捕まえた………じゃないでしょうがこのアホ共ーーーー!!!」
二人の間に割り込んできた人影に腕を掴まれ、その手が届く事は無かった。
二人の腕を掴んだ穹はまず黒ウサギの腕を上に逸らし、空中で黒ウサギの鳩尾に膝蹴りを叩き込み速度を殺し、十六夜は勢いそのまま身体を捻り慣性を利用して円運動に切り替え、がら空きの黒ウサギに叩きつけ地面に二人まとめて叩き落とした。
腹に二度、背に一度衝撃を受けた黒ウサギは延びて気絶し、衝撃を殺しきれなかった十六夜は悶絶していた。
「………」
無言で着地した穹は肩を震わせて二人にゆっくりと歩み寄った。
「穹………お前…なに…しやがる………」
「何って…まず自分が何をしたか思い出してみようか?」
苛立ちを隠さず睨みつけるが穹は逆に笑顔で尋ね返した。
「何をって…」
「そっか、わからないよね。ゲームに集中してたんだもんね」
質問の意をイマイチ理解出来ていない十六夜は戸惑い、答えることが出来ずにいた。
穹はそんな十六夜に嘆息して、言葉をきる。
「さっき壊した時計塔。あの下に何があったと思う?」
「時計塔?あの下は大通りだろ。特に何もながっ!」
答えようとした十六夜の脳天に紫電の峰が叩きつけられ最後まで言葉を発する事は出来なかった。
「そっかぁ、"何も無かった"ねぇ
じゃあ、あの時助けた男の子は何だったんだろうねぇ」
「は?」
「貴様ら全員両手を頭につけてしゃがめ!」
穹と十六夜の二人が話している中で上空から腹の底まで響く雄叫びが辺りに響き渡った。
「「………」」
二人は黙って上空を見上げると鎧を着たトカゲ型の人間モドキが武器を構えて集まっていた。
穹と十六夜は黙ってトカゲ人間の言う通りに従った。
「貴様らを連行する。抵抗をせず付いて来い」
トカゲ人間に前後を挟まれ、十六夜は黒ウサギを肩に担ぎ、穹は十六夜の隣に並んで、前方を歩くトカゲ人間の後を追って歩き出した。
出来上がってからある程度期間が空くと、
前書き、後書きになにを書いていいかわからなくなりますねw
というわけで今回はここで締めたいと思います。
閲覧頂きありがとうございました。
よろしければまた次回をお待ち下さい。