問題児たちが異世界から来るそうですよ? 悲報 お一人様追加です♪   作:卍恭也卍

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第2話

第2話投稿です!
お楽しみください


YES! ウサギが呼びました2

黒ウサギの説明と質問回答が終わり、

コミュニティへ案内すると言って歩き出した。

その道中

 

音を立てずに踵を返す穹に

 

「どこに行くんだ?」

 

十六夜が声を潜め尋ねる。

 

「世界の果て」

 

あっさりとそう答え歩き出す。

 

「へぇ面白そうだな。俺も行くか…」

 

四人の前をスキップで歩いていく黒ウサギ

を尻目に十六夜と穹は歩き出した、

 

黒ウサギとの距離を少し空けその後一気に駆け出す。

 

「へぇ結構足早いんだな、鷹宮」

 

途中までは先頭で歩いていた穹を駆け出した十六夜が抜き、その後ろを追うように穹が駆け出した。

 

「そうでもない。」

 

その後はお互い無言で駆け抜けていった。

 

その頃黒ウサギたちは…

 

~箱庭二一〇五三八〇外門。ペリドット通り、噴水広場前~

 

広場前の階段に腰掛け遠くを眺める少年がいた。その少年に向かい歩きながら声を掛ける黒ウサギ。

 

「ジン坊っちゃーん!新しい方をお連れしましたよー!」

 

大手を振り、歩いてくる黒ウサギへ

 

「お帰り黒ウサギ、そちらの女性2人が?」

 

ジンと呼ばれた少年が労いの言葉をかけつつ尋ねる。

 

「二人?いえいえ、何を言ってるんですか?こちらの御四人様が………」

 

ジンの疑問を訂正しつつ振り向いた黒ウサギが笑顔のまま停止する。

 

「……あれ?あの、もう二人いませんでしたか?少し目つきが悪くて、口も悪い、"俺問題児"ってオーラを放っている殿方と、刀を片手に持ったオッドアイの女性の方が」

 

「あぁ、十六夜君達のこと?それなら世界の果てを見てくるってあっちの方へ行ったわ」

 

と来た道を指さす飛鳥

 

「ど、どうして止めてくれなかったのですか!」

 

「"止めてくれるなよ"と言われたもの」

 

「どうして黒ウサギに教えてくれなかったのですか!」

 

「"黒ウサギには言うなよ"と言われたから」

 

飛鳥と耀は適当にはぐらかす。

その態度に黒ウサギは

 

「嘘です!絶対嘘です!お二人共めんどくさかっただけでしょう!」

 

「「うん」」

 

本心を言い当てた黒ウサギに二人はあっさりと答える。

黒ウサギは膝から崩れ落ちる。

 

「く、黒ウサギ、"世界の果て"には幻獣が!」

 

焦ったように言うジンに

 

「そ、そうでした!ではジン坊ちゃんお二人をお願いします。」

 

そう言って青い髪を桜色に染め外門に向けて飛び跳ねて行った。

 

「…箱庭の兎は随分速く飛ぶのね、感心するわ」

 

他人事の様に呟く飛鳥。

 

「えっと…」

 

耀がジンの方へ向き口篭る。

 

「あっ…自己紹介が遅れました。コミュニティのリーダーをしているジン=ラッセルです。齢十一になったばかりの若輩ですがよろしくお願いします。二人の名前は?」

 

自己紹介を終え二人に尋ねる。

 

「私は久遠飛鳥、そしてこちらの猫を抱えているのが」

 

「春日部耀」

 

ジンに倣い一礼する。

 

「ここで待っていても仕方ないですから中を案内します。」

 

そう言って歩き出すジンの後を二人は歩き出す。

 

~十六夜・穹side~

 

「黒ウサギ…?」

 

二人を追ってきた黒ウサギを見て首をかしげる。

 

「ん?あぁ、なかなか早かったな」

 

「どこまで行っているですか!この問題児様方!」

 

とどこから取り出したのかわからないハリセンで十六夜と穹の頭を引っぱたく。

 

「さぁお二人共、何も無いうちに帰りますよ」

 

そう言って二人の手を引こうとする黒ウサギに二人は

 

「それはもう遅かったな」

 

「既に喧嘩売ってる、逆廻が」

 

そう言うと同時に穹は座っていた石の上から立ち上がり、黒ウサギの背後に回る。

すると、正面の大きな湖から轟音と共に大きな蛇が鎌首を上げる

 

『まだ試練は終わっとらんぞ小僧!!』

 

「蛇神!?ちょ、どういうことですか十六夜さん!なぜ水神の眷属がこんなに怒ってるんですか!」

 

怒鳴り声で十六夜に問いただす。

 

「別に、ただ偉そうに『試練を選べ』とか言うから俺を試せるかどうか試させてもらった」

 

ことの成り行きを聞いた黒ウサギが青ざめる。

 

「で、試せたの?」

 

青ざめる黒ウサギを無視して穹が尋ねる。

 

「いいや、こいつじゃ話にならねぇ」

 

肩をすくめ、呆れたように首を振る十六夜

 

『人間風情がっ。我を舐めるでないわぁ!』

 

十六夜の言動と周りの態度が気に食わなかったのだろう。

完璧に頭に血が上っていた。

 

「混ざろうか?」

 

穹が左手に持つ刀を少しだけ抜き尋ねるが

 

「はっ!冗談言うな。こいつは俺の喧嘩相手だ手ぇ出すんじゃねぇぞ」

 

「ん」

 

十六夜が笑いながら言い、穹は短く返事をして数歩後ずさる。

 

「何を言ってるんですか十六夜さん!

相手は神格持ちですよ!」

 

そう叫ぶ黒ウサギに

 

「うるさい黒ウサギ、少し黙って」

 

そう言って鞘で黒ウサギの頭を叩く。

 

「ウギャッ、…何をするですか穹さん!十六夜さんがピンチなんですよ!」

 

ぎゃあぎゃあと喚く黒ウサギをもう一度鞘で殴る。

 

「ウキュ…」

 

「十六夜なら大丈夫、それに十六夜ねら自分の力量と相手の力量くらい量れる。

だから黒ウサギも下がる」

 

言い終えると黒ウサギの襟首を掴んで後ろに引っ張ると、先程まで黒ウサギが立っていた場所に高圧の水弾が直撃し小さなクレーターを作った。

それを見た黒ウサギは顔を真っ青に染める。

 

「今行くと巻き添え食うよ?」

 

「そう…みたいですね……」

 

行った後を想像した黒ウサギは身震いした後、穹の言う通りに後ろへ下がる。

そんな二人を完璧に無視して十六夜は暴れまわっていた。

 

「ヤハハ!当たらねぇ当たらねぇもっとちゃんと狙ってこいよ!蛇神様!」

 

その上挑発までしていた。

 

『フン!その心意気、買ってやろうそれに免じて、この一撃を耐えたならば貴様の勝利を認めてやろう』

 

「寝言は寝て言え蛇やろう!決闘は勝者が決まって終わるんじゃない、敗者を決めて終わるんだよ!」

 

蛇神の態度が気に食わなかったのだろう。そう吐き捨てて笑う

 

「その驕りが貴様の最後だ!」

 

蛇神がそう言うと、蛇神の周りを10mを優に超える水の竜巻が三つ形成され、十六夜目掛けて襲いかかる。

 

「十六夜さん!」

 

悲痛に叫ぶ黒ウサギと

 

「残念…まだ足りない」

 

嘲笑うように言う穹。

そして

 

「しゃらくせぇ!」

 

そう叫びながら十六夜が竜巻を叩き割る。

 

『なっ』

 

驚く蛇神の顎の上に飛び乗り

 

「まぁ、そこそこに楽しめたぜ。これはその礼だ」

 

顎から飛び上がり、眉間に飛び蹴りを決める

 

『グワァッ!』

 

蹴られた蛇神は後ろに大きく仰け反り、倒れた。

 

「全く、今日はよく濡れる日だぜ。クリーニング代くらいは出るんだよな、黒ウサギ」

 

濡れた髪を掻き上げながら、笑う十六夜。

 

(し、信じられないのですよ。ただの人間が、神格持ちを素手で倒すなんて。ですがこの方なら…)

 

「黒ウサギ?」

 

十六夜の方を向いて呆ける黒ウサギに穹は首をかしげて声を掛ける。

 

「はっ、はい、なんでございましょう?」

 

「大丈夫?」

 

心配そうな顔で黒ウサギを見つめる穹に

 

「だ、大丈夫ですよ。それよりも蛇神様からギフトを受け取りましょう。理由はどうあれ、倒したのは事実なので貰えるはずです。」

 

蛇神の方へ向かう黒ウサギを見て十六夜が小さく舌打ちする。

 

「十六夜?」

 

「お前は気付かないのか?」

 

十六夜へ声をかけると質問された。

 

「何を?」

 

「わからないならいい」

 

聞いておいて勝手に納得したようだ。

 

「それって黒ウサギのコミュニティのこと?」

 

気にせず十六夜に問うと

 

「なんだ、気づいてんじゃねぇか」

 

「まぁ黒ウサギを見ていたらわかるよ。

問いただすの?」

 

続けて尋ねると、十六夜が笑って言う。

 

「当然だ、このままホイホイ着いてって面白くないことだらけだったらここに来た意味が無くなるだろ」

 

そんな会話をしている事を全く知らない黒ウサギは、大きな苗を抱え小躍りするような勢いでこちらに帰ってきた。

 

「お二方見てください!水樹の苗ですよ!これでコミュニティも少しは潤います!」

 

笑顔で語る黒ウサギに穹が

 

「それが本音?」

 

冷ややかな目で尋ねた言葉に黒ウサギが

びくりと震える。そして自分の言ったことを思い出し、苦い顔で視線を逸らす。

 

(失敗した、さっきのは失言だった。)

 

「あぁ、後なお前のコミュニティの状況はある程度予測がついてる。」

 

真剣な目で十六夜が言う。

 

「これは俺の勘だが、黒ウサギのコミュニティは弱小のチームか訳あって衰退したチームのどちらかじゃないのか?」

 

言い切った十六夜の補足をするように

 

「だから人材強化のために私たちを呼んだそれなら、私達が参加を拒否した時に本気で怒った理由にもなる」

 

穹が言うと、黒ウサギの顔が苦悶に歪む。

内心で舌打ちする黒ウサギ。彼女にとってこの場でコミュニティの惨状を知られる訳にはいかなかった。知られてしまっては他のコミュニティに言ってしまう恐れがあった、それだけはなんとしてでも阻止したかった。

 

「黒ウサギのこの態度を見る限り、俺達には他のコミュニティへ行くことができると判断できるんだが、その辺どうよ?」

 

「………」

 

頭が混乱しどう答えて良いかも判断出来ず黙る黒ウサギ。

 

「沈黙は是なりだぜ、黒ウサギ」

 

「このままだと、黒ウサギのコミュニティは信用出来ないよ?それなら今すぐにでも街へ行って、コミュニティを探すなり、作るなりするよ?」

 

十六夜が追い詰め、穹がそう提案すると。

 

「いいなそれ、自分で作りゃぁ自由にできるしな、そうするか?」

 

十六夜が乗り気で穹へ尋ねる。

 

「え、あ、だ、駄目です!待ってください」

 

「「だから待ってる(よ)だろ」」

 

十六夜と穹は手近な石に腰掛け、聞く姿勢をとる。

だが、なかなか黒ウサギは喋らない。

 

(加入承諾が取れてからならまだ何とか出来ましたのに…)

 

黒ウサギのコミュニティの状況を話すにはリスクが大き過ぎたのだ。

 

なかなか口を開かない黒ウサギに十六夜は待ちくたびれたように立ち上がり

 

「話さないならそれでいいさ、俺は行くけどな、お前はどうする?」

 

「さぁ、とりあえず街でコミュニティ探しかな、無ければ最終自分で作る。」

 

「だったら一緒に行こうぜ」

 

黙る黒ウサギを無視してどんどんと話が進んでいくことにどんどんと焦る黒ウサギは

 

(このままでは確実に加入して頂けないならいっそ話してしまおうか)

 

頭の中で葛藤する黒ウサギを一度見直した穹も腰を上げ、十六夜の方へ歩きだそうとした。

 

「お待ちくださいお二方…」

 

二人をまた呼び止めた。

 

「なんだ、まだ何かあるのか?」

 

「どうかした?」

 

と二人は返事をしてこちらを向く。

 

「話せば…協力して頂けますか?」

 

真剣な目で尋ねると

 

「面白ければな」

 

「理由にもよる」

 

十六夜は笑いながら、穹は黒ウサギの目を見返して言う

 

「そうですか、でしたらこの黒ウサギも腹を括って精々魅力的に語って見せようではないですか。コミュニティの惨状を」

 

そう言って語ったのは酷いものだった。

 

まず始めに黒ウサギのコミュニティには名乗るべき名が無いらしい。そして掲げるべき旗も奪われたそうだ。魔王に名も旗も全て奪われたという。

そして、十六夜達を呼ぶ原因になったのが

中核メンバーの損失だった。魔王に奪われた者もいれば、現状に耐えきれず脱退した者もいるらしい。

 

「というわけで今コミュニティにいるギフトゲームに参加できるのは私とジン坊ちゃんの二人だけなのです」

 

そう締め括って一息つく黒ウサギに

 

「もう崖っぷちだな!」

 

「セルフ背水の陣」

 

「ホントですねー」

 

十六夜と穹の的確に現状を付いた言葉に

笑顔で答えた黒ウサギがその笑顔のまま膝から崩れ落ちた。

 

「それにしても魔王か、そんな素敵ネーミングな奴がいるならさっさと言っとけよ。」

 

「魔王…」

 

十六夜は心からの満面の笑みで、穹は複雑そうな顔で言う

 

(?)

 

ちらっと見えた睨むような表情をした穹をみた十六夜は内心で疑問に思ったのだった。

そうこうしているうちに黒ウサギが立ち直り、立ち上がる。

 

「少し聞きたいんだがいいか?」

 

「あっ、はい、どうぞ?なんでございましょう」

 

いきなりの質問に驚く黒ウサギに

 

「コミュニティを新しく立て直すってことは出来ないのか?」

 

十六夜が尋ねると苦笑して

 

「出来ますよ、出来ますが…私は…私達は………仲間の帰ってくる場所を………守りたかったのです。コミュニティの改名は現コミュニティの完全解散を意味します。でも

それでは意味がありません。仲間達と過ごした時間と名前、そして旗印の元で迎えたいのです。言いたいのです!"お帰りなさい"と」

 

最後まで語る頃には黒ウサギは瞳に大粒の涙を瞳に貯め泣いていた。

 

「魔王から誇りと仲間をねぇ…」

 

十六夜が呟くと黒ウサギが

 

「お願いします!コミュニティの再建を手伝って欲しいのです!」

 

そう言って深く深く頭を下げる。

 

(ここで断られたら、私達は…私達の未来は……)

 

噛み締める唇から血の味がするほどに強く噛んで返事を待つ黒ウサギ。

 

「いいな、それ」

 

「…………は?」

 

黒ウサギの予想の斜め上を行く返事に、思わず聞き返してしまう。

 

「HA?じゃねぇよ、協力してやるって言ってんだ。それとも要らないのか?ならそれはそれでいい、じゃあな」

 

言いたいだけ言って歩きだそうとする十六夜の袖を黒ウサギが掴み

 

「要ります!ですから協力してください、十六夜さん!」

 

縋るように言う黒ウサギに十六夜は振り向き

 

「なら最初からそう言え」

 

そう言って笑う。

二人のやり取りを眺めていた穹に今度は声がかかる。

 

「鷹宮、お前はどうするんだ?」

 

ニヤニヤと笑う十六夜と不安気に見つめる黒ウサギの視線を受けて言い淀む。

 

「………協力する…私も少し気になることもあるから、黒ウサギ達といた方が都合もいいだろうし 」

 

穹の言葉に黒ウサギは泣きながら笑い、穹の体を抱きしめる。

 

「ちょ、苦しい、黒ウサギ…」

 

穹の言葉を一切聞かず喜びの声を上げ穹を抱きしめながら跳ね回る。それほど嬉しかったのだろう。

十六夜はその様子を見て微かに笑ったのだった。

 

少しして黒ウサギが落ち着き、街へ帰ろうと足を向けた時

 

「そういえば言うの忘れてた、コミュニティのことあの二人にも話さなきゃダメだよ?もし隠したら私抜けるから」

 

「あぁ、それは俺も同意見だ。もし隠したら俺も抜けるから」

 

揃って黒ウサギに言うと

 

「えぇ!そ、そんな…ですが、そうですね、わかりました。飛鳥さんと耀さんにもちゃんと話しておきます」

 

最初は驚いていたが笑って答える黒ウサギに二人はついて行き、街へ向かうのだった。




長くなりましたが今回はここまでです。
今回は合流前までです。
次回は少し省略し、サウザンドアイズ編とできればフォレス・ガロ終了まで行く予定です。
ここまでお付き合いありがとうございました。
それでは次回またお会いしましょう。
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