他の小説が溜まってたりするので多分なにかが一段落しない限り書きません。
それはある雲一つない蒼い空から落ちてきた赤ん坊をある親が拾った事から始まった物語です。
とある二人の男女が山の地質を調査する為に登山をしていた時の事です。その日は普通の平日で、それでいて登山客もいなかったので、そう、所謂貸切状態という奴でした。
その二人の男女はある程度サンプルを取ったので山から降りようとした時の事です。
空から隕石が落ちて来ました。
普通、隕石というものは落ちてくると多大な被害が出ます。しかしそんな事は起きませんでした。
理由としては、落ちてくる時、途中から減速したかのようにゆっくりと、落ちて行き、男性の腕の中にすっぽりと入ったからです。
その赤ん坊は当初は金色に輝いていました。普通ならば、その時点で気味悪がって投げ出すでしょう。しかし、余りにもその赤ん坊が
さて、その男女には実は10歳になる息子と8歳になる娘がおりました。
その男女は赤ん坊を自分達の家へと連れ帰り、自分達の息子と娘と同じようにその赤ん坊に愛情を持って育てました。それはそれは暖かく、柔らかく、まるで毛布のような生活が赤ん坊を包んでくれました。
この時点で赤ん坊は『愛』と言うものを学習しました
それからして4年ほど経ち、赤ん坊は少年へと成長していました。
名前も
ある時、両親はその少年には、読心能力があるという事に気付きます。自分達が考えていた事をまさに読んでいるように喋る祐。両親は当時病気としての高機能性遺伝子障害病……通称HGSなのではないか、と思いました。しかしHGS患者であるならば背中に翼のようなモノが生える筈ですが、祐にはそんなモノはありません。ならばこれはもしかすると変異型のHGSなのでは、と両親は考えました。もしそうならば科学者達にバレてしまうと祐が解剖されてしまうのではないのか、とも考えました。
両親は彼の事を愛しておりましたから、そんな事になるのは嫌でした。ですから、彼には二度とその能力を使わないよう、約束させました。
それからというもの、彼はその能力を使わないようになり、次第にその能力の使い方を忘れて行き、普通の少年として、たいした怪我もなく、家族と楽しい日々を過ごしていきました。
さて、彼が能力を使わなくなって一年後の事です。そんな優しい両親に仲の良い兄妹達と過ごしていたある日の事、事件が起きます。
この幸せな家族たちの家に、『不幸にも』目をつけた男が押し入りました。
その男はさる会社……そうですね、ここではB社としておきましょう。話を戻して、B社によって吸収合併されたある会社の元社員であり、合併されたせいで仕事を無くし、家族にも逃げられ、酒に薬にと溺れ、ふらふらしていた所でした。
その男はふと近くの家から聞こえたその家族達の幸せな声が頭に来たのでしょう。『自分はこんなに惨めなのにどうしてアイツラはあんなに幸せなんだ』……まぁ、こんな所でしょうか。
男は、『たまたま』家の外に立て掛けてあった少年の兄としての『存在』が持っていた金属バットを片手に窓を破り家の中へと進入したのです。
勿論、そんな事を家族も、兄妹達も予測出来る筈がありません。
少年の目の前で家族達は次々と殴られていきます。
少年は能力を使わない、ではなく、使い方を『忘れて』しまっていたため、気付く事は出来ず、彼にとっても突然の事でした。
虫の息となった家族を尻目に、ついには少年の目の前に立った男はバットを振り上げます。
そんな時、少年の目に入ってきたのは兄の金属バットでした。
それは兄から『お前、もうそろそろおっきくなってきたから明日使っていいよ』と言われていた、金属バットでした。
その時、少年の、中の、ナニカが、切れたのです。
少年は自身に降り下ろされたバットを片手で受け止め、男ににこう言いました。
『お前は、ナゼここにいる』
男は少し錯乱しながらも『お前達が悪いんだよ!』と答えたのです。
そう、答えた瞬間、少年の瞳が金色に輝いたかと思えばバットを掴んでいる男の手からエメラルドのような結晶が
男は必死に抵抗しますが、両手は既にバットに固定されたようなものなので離れず、ついには全身がエメラルドのような結晶が集まったような姿となり最後は砕け、『いなく』なりました。
これで納まると思いきや、怒りのせいなのか、はたまた能力が出たばかりで押さえきれ無かったのか、家族ごと、家ごとエメラルドのような結晶が生えたような状態にしてしまいます。
そして、砕けたような音と共に、少年は力を使い果たしたのか、その場に倒れるてしまいます。
後に残ったのは、砕けたエメラルドの結晶と兄のバット、少年だけでした。
この日、少年は『死』と『絶望』と『空虚感』を学びました。
その後、少年はなんの騒ぎだと駆け付けた月村家の忍さんに拾われます。月村家にて目覚めた祐は慌て、落ち着き、忍さんに全てを話し、一人になったあと、家族が『いなくなった』という事実を改めて理解し、それも自分のせいで、という事が頭から湧き出てしまい吐いてしまいます。
この時、少年は『自分はいてはならない存在だ』と理解しました。
それ以来少年は事あるごとに思い付くありとあらゆる手段を用いて死のうとしました。
しかしリストカットしても血は出ませんでした。
しかし首を吊っても息苦しくなるだけでした。
しかし崖から飛び降りてもただ『痛い』だけでした。
なにをやっても死ねない。これでは天国に行ったと言われる家族に謝れない。祐の胸には絶望が渦巻きます。
ただ一つ有効だったのは『自分は存在てはならない』と強く念じれば存在が段々薄くなっていく事だけでした。
この日、彼は自分は完全に人ではないと理解しました。
さてさて、ここで問題でございます。沢山沢山死のうとして、ついに自分を"消す"方法を知った彼が何故『生きて』いて、物語に関与するのか。
それは月村忍の妹、月村すずかのお陰でした。
彼女もまた、人ではありません。それもあるのでしょう。彼女が優しいから、というのもあるのでしょう。
彼が自殺をしそうになる度に彼を止めたのです。
その度に確かに人ではないのは辛いのかも知れないけど、『生きていれば』こんなに楽しいことがある、などと彼を説得したのです。
そのかいがあってか、彼はいつのまにか自殺を止めたのでした。
彼は月村すずかに『暖かいもの』を感じました。
そんな、落ち着いた時です
彼の頭の中に『自分が見たことのない筈の記憶』が溢れてきました。
その記憶の中には『高い目線から』自分を見る記憶
『同じか少し高い位置から』自身を見る記憶。
そして、『怖がっている、怯えている』自分を見る記憶がありました。
それが家族の記憶と男の記憶だと気付くのには時間は余り掛かりませんでした。
その中の、男の記憶の中に一際強く残っているモノがありました。
それは『バニングスを絶対に許さない』です。
彼はこの瞬間、事件が全てバニングス家のせいで起きたのだ、と悟りました。
それからというもの、彼は月村家の人達に内緒で一人で森の中へと入って行くようになりました。
その森へと入っていくその姿をたまたまとらえたすずかは『今日は森の中で一緒に遊ぼう』と軽い考えでついていきます。
そこですずかが目にしたのは、森の動物にエメラルドのようなものを生やしていき、最終的には砕いていく彼の姿でした。
そう、彼は自分以外を自身に吸収していく能力――同化能力――訓練していたのです。
全ては家族の復讐のために。
彼は自身の心から生まれた『復讐』を理解しました。
勿論心優しいすずかの事です。それをやめるように言おうとしました。『森の動物達がかわいそうだから』、と。
しかし、そこは余り整備されていない山道何が起こるか分かりません。
すずかは1歩踏み出した瞬間、足を滑らせてしまい、山の斜面を体をあちこちぶつけながら、転がっていってしまいました。
それに気付いた祐は急いですずかの元へと駆け寄ります。
祐がすずかの元へと辿り着いた時には既にすずかはボロボロでした。
頭から血が出ていたり、骨折していたり、幼い彼では焦るばかりでした。
そんな時、祐は思い付きました。
『僕は怪我しても血はでないんだ。……なら!』
祐は、すずかの体に……まずは肘の怪我の部分に触れ、その部分を同化しました。
すると、祐の肘に擦り傷のような後が出来ました。すずかから手を離すと、その部分はまるで怪我をしていなかったかのように綺麗でした。
そう、簡単に言えば、祐はすずかの怪我している所を自身へと移したのです。
たちまちすずかの怪我はまるで怪我した事自体が無かった事のように綺麗になり、逆に祐の体が転げ落ちたようボロボロになりました。
しかし祐は体が痛みながらも救えてよかったと感じました。
この時、祐は『こんな力でも誰かを助けられる』と理解しました。
それと同時にすずかの優しさと今まで知らなかった月村家の秘密を知りました。
その事を忍に話し、『僕、決めたよ。すずかちゃんとずっと一緒にいるよ』と、宣言しました。
ちなみに、それ以来、動物による同化能力の練習はやめたそうです。
天田 祐
スフィンクスA型
なんの因果か北極海ミールから砕かれた破片である小ミールが次元を超え、やってきたがその結果弱ってしまい、祐を生み出すだけで精一杯だった。
祐を産み出したのち一応祐が一人で生きられるようにし、消滅。
漢字を置き換えると数多 助
数多の人を助けるという意味になればいいなと思ってる。
こんな妄想マシマシな作品ですが、感想、質問、批評、誤字脱字があればなんでもどうぞ。