魔法少女と孵卵器(インキュベーター)~規制版~   作:ダル神

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第十四話 まどかの決意  (鹿目まどか 語り部)

私が、不安で、不安でしょうがない。

この得もいえぬ、罪の意識に苛まれている時。

自分の存在すら不明瞭になっていく苦しみ。

何もできない、無力な自分という存在への失望。

どうしようもない、そんな私を救ってくれたのは、キュウべぇだった。

彼の耳毛はとても、温かくて、優しくて、安心できた。

自分という存在を許された気がした。

無力な私を許してくれたような、そんな気がした。

だから、私は、無防備にも、何の根拠もなく、彼に好意を寄せていた。猜疑心すら芽生えない絶対の信頼と期待を彼に寄せていた。

私は、知っているつもりで、何も知らなかった。

問題を先送りにしていた、ものが、今一度に帰ってくる。

不明瞭なものを、不明瞭なままにした付けが帰ってくる。

見えているものを見えないふりををしていたから。

何故、マミさんはあんなにも酷い怪我を、治療できて、何の後遺症もなく、今を笑顔で生きることができるのか?

ほむらちゃんは何故、私を契約させたくなかったのか。

さやかちゃんはどうして、あんなにも苦しんでいるのか。

そんなあれこれを、私は考えることをやめて。

考えないようにしていた。

そんな事は許されるわけがない。

私は知らなければいけない。

夢も希望も魔法も。

涙も悲しみも絶望も。

魔法少女のことも。

魔女のことも。

そして、インキュベーターのことも。

 

 

 

さやかの恋キューピット大作戦の会議を始める!

 

突然キュウべぇはそんなことを叫び始めた。

よろよろと身体に鞭を打ちながら。

少しやりすぎちゃったかな?

 

「さやかちゃんの……」

 

「恋の……」

 

「キューピット?」

 

私達は3人とも、首を傾げる。

 

「ああ、でもその作戦の前にまどかに説明しておかなければならない事がある。これは、とても辛い事だ。酷い現実だ。まどかが知りたくないと言うなら話さない。」

 

キュウべぇはさっきと打って変わって深刻な表情になる。

 

「あなた!そんな……まどかには話す必要なんて……」

 

何故かほむらちゃんが取り乱す。

 

「いや、必要な事だ」

そうなんだ。それはきっと必要な事で、私が知らなきゃいけない事で、私にできる事なんだ。

「お願い、話して」

だったら、私は私のできる事を精一杯やりたい。

私はそんな事を本気で思っていた。

 

ほむらちゃんとマミさんは悲しそうに俯く。

彼の話を聞いた。

血みどろのおとぎ話のような真実を。

私は後悔するなんて微塵も思わず聞いたのだ。

 

エントロピー?

希望?

絶望?

感情エネルギー?

宇宙の存続?

第二次成長期前の少女?

涙涙涙。

恨呪怨。

悲泣痛。

魔法少女が魔女になる?

希望は絶望へと変わる?

ほむらちゃんが

マミさんが

さやかちゃんが

魔女になる?

 

「……嘘、だよね?」

私は、最後の正気の為に、保身の為に、すがりつくように、キュウべぇに聞く。

 

「ねぇ、嘘なんだよね?」

あの、あなたの優しい言葉が

 

「ねぇ、ねぇってば」

あの、あなたのぬくもりが

 

「だって、こんなのないよ」

全部嘘だなんて、そんな事、あるわけないよ。

 

ねぇ、だから、嘘だって言ってよ。

 

「ねぇ、ほむらちゃん?マミさん?」

二人は、ただ辛そうに俯くばかり。

私は、弱い、私は、誰かに、救いを求めるばかり。

必死に、何かすがりつこうとする、醜い私。

 

「謝って、許されることじゃあないのは、わかってる」

キュウべぇは悲しそうに、辛そうに、そう、答えた。

 

嘘だよ、嘘だよ、嘘だよ、嘘だよ、嘘だよ、嘘だよ、嘘だよ、嘘だよ、嘘だよ、嘘だよ、嘘だよ、嘘だよ、嘘だよ、嘘だよ、嘘だよ。

 

だって、もし、その話が真実なら、この世界は絶望だらけではないか。

希望なんて全部、全部、仮初で、幻想で、虚像で、虚偽ではないか。

 

私が、魔法少女に抱いた希望は何もかも嘘で塗り固められた張りぼてではないか。

 

「でもね、まどか」

 

やめて、お願い、言わないで。

 

「これは、全部」

 

あなたが、それを、言わないで。

 

「真実なんだ」

 

あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

 

こんなの取り付く島も無い。

こんなの、藁すら掴めない。

もう、何も、すがりつくことはできない。

 

あの、優しい彼の手は。

あの、暖かい彼の言葉は。

私を、許してくれた、あの思いは全て。

 

すべて、幻想だった。

 

私の思い込みだった。

 

 

ああ、今はそんなことを言っている場合ではない。

そんなことは今やどうでもいいことなのだ。

 

もし、それが、真実だというのなら、今、最も魔女になってしまうのは。

今最も、絶望に近い少女は言うまでもなく。

 

さやかちゃんだ。

 

美樹さやかだ。

 

私の幼馴染で、いつも、元気で明るくて、優しい、友達思いの、あの娘だった。

あの娘が消える?

私はあの娘の笑顔が大好きだった。

それが、絶望という、避けようも無い、現実に押し潰される?

 

それが、避けようも無い運命?

 

そんなの嫌だ、嫌だ、嫌だよ。

 

わからない、わからない、私どうしたらいいの?

 

どうしたらいいの?どうしたらいいの?どうしたらいいの?

 

答えは簡単だ。

 

すぐに出た。

 

明確にはっきりと。

やっぱり、この世界には希望なんて、ありはしない。

そう、私に訴えかける。

この世界はそう言う仕組みなんだと。

 

私には何もできない。

 

こんな、当たり前の事に、絶望する。

 

ああああああああああああああああああああああああああああ、おかしいな?

 

おかしいな?おかしいな?おかしいな?おかしいな?おかしいな?おかしいな?おかしいな?おかしいな?おかしいな?おかしいな?おかしいな?おかしいな?おかしいな?おかしいな?おかしいな?おかしいな?おかしいな?おかしいな?

 

こんなに、絶望しているのに、魔女にならない?

それは、私が魔法少女ではないから?

 

ああ、なんて、役立たずなんだ私は?

友達と同じ立場に立っていない、私には何も言えることは無いじゃないか。

 

こんな、役立たずな私なんて、生きていたって、しょうがないではないか?

 

みんなに、迷惑かけるだけではないか?

 

それなら、いっその事、彼と契約してしまおうか?

 

こんな誰の役にもたてない。

誰の助けにもならない。

誰も救うことのできない、私など、意味が無いじゃないか。

私に価値なんてないじゃないか。

 

偽りの希望を胸に、真実の絶望を得てしまおうか?

だって、この世界に、希望なんて、本当の希望なんて、あるわけないのだから。

 

あれ、私、何で、涙が、溢れて。

私は、まだ、希望を信じていたいのだろうか?

私に価値なんてないかもしれないけれど。

それでも、やっぱり、私は、この世界に、希望がない。

そんな事実を認めたくない。

未練がましく、未だ、希望はあると信じていたい。

あれほど、夢想した、希望を信じていたい。

私なんてどうなってもいい。

希望を、この世界に、希望を。

もう一度だけ、希望を。

もう、一度だけ、笑顔を。

最後に、絶望して終る。

泣いて、鳴いて、涙を流し、終るなんてそんなの嫌だよ。

 

そんなものは、現実だって嫌だ。

そんな真実は嫌だ。

そんなルールは嫌だ。

 

そんな、ルールなんて変えてしまえばいい。

 

声が聞こえた。

今の私ではない、私の言葉の声が聞こえた気がした。

 

私は、全ての魔女を産まれてくる前に消し去りたい。全ての宇宙、過去と未来の魔女全てを、この手で。

 

ああ、私はどこかで、そんな事を言ったのだろうか?

 

そうだ、これでいいんだ。

これで、みんな、最後に笑顔になってくれるではないか。

さやかちゃんも、ほむらちゃんも、マミさんも、魔法少女も。

 

こんな、私にも、まだ、やれることはあるじゃないか。

 

「ねぇ、キュウべぇ?」

「なんだい?まどか?」

「私、あなたと契約する」

 

「そんな、まどか!?」

「鹿目さん!?何を!?」

ほむらちゃんとマミさんが私に駆け寄る。

 

それでも、私は続ける。

やめない。

やめないよ。

だって、これが、最後に残された希望なんだ。

みんなが笑える。

みんな最後は笑顔でいられる、希望。

最後の道しるべなんだ。

 

「君のその願いで、本当にみんなを救えるのかい?」

「うん」

 

だから、聞いて。

ほむらちゃん、マミさん。

これが、私の選んだ答え。

これで、みんなが笑顔になれる、最良の手。

 

「私は、全ての魔女を産まれてくる前に消し去りたい。全ての宇宙、過去と未来の魔女全てを、この手で」

 

「それじゃあ、ダメだね」

 

え?

 

私だけではなくほむらちゃんも、驚きを隠せていない。

 

「それじゃあ、まどかが救われない」

 

何を、

何を言っているのだ、彼は?

 

「な、何を、何を言うの?キュウべぇ?」

「君のその願いでは、過去、現在、未来全ての鹿目まどかが概念に成り下がり、いや、成り上がり。かな?みんなの記憶から忘れ去られ、永遠に魔女を浄化し続ける存在にシフトされる。いわば、誰にも認識できない、誰も追いつくことのできない、独りぼっちの神様になる。それじゃあ、君とは契約できない。そんな最後は認められない。そんな願いは叶えてはいけない」

 

「それの、何がダメなのっ!!!」

私は、我慢できずに声を張り上げる。

 

「それじゃあダメなんだよっ!!!」

彼もまた、悲鳴のように声を張り上げる。

 

「それじゃあ、君は永遠に一人だ。そんな所に一人、置き去りにされ、永遠に、魔女を浄化する?そんなの、寂しすぎるだろうが、そんなの、悲しすぎるだろうが、なんで、そんなものを君が背負わないといけない?」

 

「そんなの全然寂しくないよ!悲しくないよ!だって、私はみんなの側にいれるもの!みんながわからなくっても、みんなが私を忘れてしまっても、私はみんなの隣にいられるんだよ!?私は、みんなの事がわかって、見守っていける!」

 

「そんな、独りぼっちだとも気づけない所に、君を置いていけるわけがない!僕も、さやかも、ほむらも、マミも!いいかい?まどか?いくら、君が認識しているからって、君がみんなの事を覚えていれるからといって、君が認識されなければ、何の意味もない。みんなが君の事を忘れていたら、それは、いない事と同じだよ。それは、寂しいことだよ?本当に。認識し合えなければ、それは、出会った事にならないじゃないか」

 

「それでいい、それでいいんだよ。私は、独りでもいいから、みんなを泣かせたくないんだよ。私はどうなってもいいから、みんなを笑顔にしたい。だって、何にもできない、私なんて、意味無いじゃない。何の価値もないじゃない。そんな私になるくらいなら、私は、独りぼっちになってもいい。みんなと離れ離れになってもいい」

 

「やめてくれ、そんな事を言うのは」

何故、なんで、あなたは、そんなことを言うの?

契約することが、目的のはずのあなたが、なんで、そんな悲しそうな顔をするの?

いいじゃない!私が消えるくらい。

それで、みんなが笑顔になれるなら、そんなに素晴らしいことはないじゃない。

 

「私、みんなの為に、役に立ちたいの!何にもできないのはいや!そんな私になるくらいなら、この世界から、消えたほうがマシだよっ!」

 

「まどかぁ!!」

 

突然のほむらちゃんの叫び声。

ほむらちゃんは震える、その手で、力いっぱい私を抱きしめる。

顔なんか見なくてもわかるくらい、大泣きしている。

 

「そんなの嫌だ!まどかがいない世界なんて嫌だよ!そんなの私は生きていけない!」

ほむらちゃんの涙が私の肩に零れ落ちる。

暖かい、溶けてしまいそうなほど、暖かい涙がいくつも。

 

「ほ、ほむらちゃん?お願い、これしか、方法はないの。これしか、みんなが笑顔になれる方法なんてないの。お願いだから聞き分けて」

 

「鹿目さん?それじゃあ、私達は笑顔になんてなれないわよ」

マミさんも私を抱きしめてくれる。

マミさんも泣いている。

私の為に泣いてくれている。

 

「少なくても、私と暁美さん、美樹さんだって、きっと笑顔になんてなれないよ。あなたがいないのにどうやって、笑えるというの?そんな私達なんて、想像もできないよ。あなたがいないのに、笑顔も希望もないよ」

マミさんは涙声で、それでも、しっかりと言葉を紡ぐ。

 

「でも、だって、私、それくらいしか、みんなの為にできる事がないんですよ?役に立てないんですよ?こんな役立たずの私なんて……」

あれ、おかしいな?なんで、私まで、泣いてんだろ?

 

「まどかは役立たずなんかじゃないよ!なんで、そんなこというの?あなたはいつだって、私の道しるべになってくれたじゃない!あなたがいてくれたから、私は、絶望なんかせずに、今を生きれるんだよ?私が強くあれるのも、戦うことができるのも、全部全部あなたのおかげなんだよ!」

 

「ほむらちゃん、違うよ。そんなの、私、何にも、ほむらちゃんに何かしてあげられたことなんてないよ?」

 

「あなたを救い出す、事が、私の生きる目的、たった一つの希望なの!お願いだから、その希望を奪わないで!」

 

「違うよ。ほむらちゃん。私には、あなたがそんな頑張る価値なんてないんだよ?私は、今まで、誰かの後ろにしかいられなかった。誰かに守られてでしか、生きていけない、そんな弱い存在だよ?誰かを守ることも、助けることも、救い出すこともできなかった、そんなできそこないだよ?」

 

「違うの!まどかは覚えてないでしょうけれど、私ね、初めて転校したとき、何も分からなくて、不安でしょうがなかったの、長い病院生活で、何もわからない私を救ってくれたのは他でもない、まどかなのよ?」

 

「わからないよ。ほむらちゃん。なんのことかわからないよ」

 

「わからなくっていい!私が魔女に襲われた時もあなたは笑顔で私を助けて、守ってくれた。そんなあなたに心底憧れた。かっこいい。私もそうなりたいって本気で思った」

 

「わからないよ、わからないんだよ」

 

「そして、あなたは、命をかけて、私達の町を守る為に戦ったの。本当に、死んでしまうまで戦ったの。あなたはその命を使い切って、なんとか私達の町を守ってくれた。でも、私は後悔した!最後まであなたを一人で戦わせた事を死ぬほど後悔した!だから、私は願ってしまったの!あの頃の弱い私じゃない!まどかに守られる弱いわたしじゃない!まどかを守れる強い自分になれるように、やり直したいって!」

 

「そんな……それじゃあ、ほむらちゃんはずっと?」

 

「そうだよ、ずっと、あなたを救い出すために、何度も、何度も、時間を遡って、繰り返して、そして、失敗してきたんだよ?それでも、絶望せずに、いられたのは、あなたの笑顔があったからなんだよ?」

 

「なんで、なんで、そうまでして……?」

 

「あなたの事が、世界より!何より大切だからに決まっているじゃない!私は世界で一番まどかが大切で大好きなの!だから、お願いだから、消えてもいいなんて言わないで!自分の事を役立たずなんて言わないで!」

 

ほむらちゃん

 

「私は、まどかが大好き!」

 

ほむらちゃん、ほむらちゃん

 

「世界で一番大切な私の友達!」

 

ほむらちゃん、ほむらちゃん、ほむらちゃん

 

「絶対にあなただけは失いたくないの!」

 

うわああああああああん

 

私はいつの間にか大泣きしていた。

彼女と一緒に。

お互いを抱きしめ合いながら。

 

わかってる。できることは変わらない。やらなきゃいけない事も変わらない。

それでも、いくら強がっても、やっぱり自分に、彼女に嘘はつけなかった。

 

「ほむらちゃん!ごめんね!私、本当は消えてたくないよ!みんなと離れたくない!本当は私もみんなと一緒に笑っていたい!でも、このままじゃあ、みんなが、みんなが、魔女になっちゃう!みんなが死んじゃう!私、そんなの嫌だよ!私、どうすればいいのかわかんないよ!」

 

「まどかぁぁああ!」

ほむらちゃんもより一掃涙を零し、より強く私を抱きしめながら叫ぶ。

 

「私達は一人じゃないんだよ!今はわからなくても、きっとみんなならなんとかできるよ!きっと、みんな、みんなが救われる方法があるよ!だから、それまで、私達と一緒に、頑張って生きていこう!戦っていこう!」

 

誰より、孤高である、彼女がそんな事を涙ながらに叫んだ。

誰より一人で戦ってきたはずの彼女が。

私は、それが何より嬉しかった。

一緒に戦っていこう、と彼女がそう言ってくれたんだ。

それなら、私が。

私だけが、犠牲になればいいなんて、そんな戯言はもう言えない。

もう、そんな簡単な話ではないのだ。

きっと、私だけが犠牲になっても、誰も救われないし、何も変わらないんだ。

私は、もう、これ以上、大切な友達を泣かせたくない。

まず、私は、そこから、やり直さなきゃいけないのだ。

彼女達と一緒に、少しずつ、成長していかなくてはいけないのだ。

私は、そう深く自分の胸に刻み込んだ。

 

「ほむらちゃん、私ね、もう、自分をないがしろにしない。誰かの為でも、自分の為でも、私は私のままでいる。もう、自分を殺そうとはしないよ。約束する。私は、私のまま、ほむらちゃん達の側にいる」

 

「まどか、私はあなた以外、誰も、救おうとはしなかった。あなたさえ救えれば、自分すらどうなってもいいと思ってた。でも、もう、私は、そんな事はしない。まどかも含めたみんなで、私は笑っていきたい。そう気づいたの」

 

本当の自分をさらけ出した私達。

本当の私も、ほむらちゃんも酷く、幼い少女のようだと思った。

ただ、赤子のように泣くばかり。

言っていることは支離滅裂で、自分の思いを、たださらけ出しただけだった。

でも、そのおかげで、本当の自分を見てもらえて、本当のほむらちゃんを知ることができたんだ。

私とほむらちゃんは少しだけ、わがままになって、欲張りになった。

でも、それだけで問題が解決したわけではない。

魔法少女は相変わらず、絶望すれば魔女になってしまうだろうし。

さやかちゃんの問題も悩みも解決したわけではない。

それでも、私達は問題をさき送りにして、希望を胸に、戦っていく決意をする。

決して一人で、ではなく。

みんなで問題を解決していくのだ。

 

そして、私は、思い知らされた。

きっと、誰かが誰かを救い出すなんて難しい事は私達のような年端もいかない少女では無理なのだ。

私達ではせいぜい、泣いて噛み付いて足掻く事しかできない。

それで、問題が解決するのかなんて、私にはわからないけれど、それでも、私はもう諦めたくないのだ。

絶望なんかに

運命なんかに

屈したくはない。

 

だって、私には、みんなが付いていてくれる。

そして、私にも、きっとできることがあるんだ。

こんなちっぽけな私でも、足掻いて、もがいて、醜くても、噛み付いて、喰らい付くことはできる。

みんなと一緒に戦っていくことはできるんだ。

 

ようやく、今の光景をありのままに見えることのできる私は彼に問う。

誰より、私達の事を、思い、信じ、救い出そうと、必死になってくれている彼を、そう、見ることができる。

 

「これから、私達はどうすればいいのかな?キュウべぇ?」

 

私は、彼の作ろうとする、舞台で、精一杯踊ろうと、そう、決意する。

 

 

 

 

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