はい、今の僕の状況を冷静に分析してみよう。
まず、僕は今マミの家にいる。
詳しく言えばマミの家の風呂場にいる。
お風呂はすでに沸かされていて、湯気が立ち込めている。
ふむ??
わけがわからないよ?
僕がどうして風呂場にいるのか、その原因を慎重に思い出してみよう。
ふむ、確かマミはこう言っていた
「聞いてよ、キュウベぇ。今日鹿目さんと暁美さんがパジャマパーティーなるものをするらしいのよ。美樹さんと佐倉さんも。だから」
だから?
「私たちもやっちゃいましょう!」
だめだ!わけがわからない!一体どういうことだ!マミはいったい何を考えているんだい!?まずよーーーく考えてみよう!僕はそもそもパジャマなんて着ないよ!?パジャマパーティというのを確かに僕はよく知らない。
しかしおそらく名前のとおりパジャマを着た年頃の女の子がキャッキャ、うふふ、する的なあれじゃないか?暁美ほむらのような変態じゃないかぎり、おそらく第一の目的はそれのはずだ!決してパジャマパーティという名前に託けて描写がほとんどお風呂場とエロシーンだけでパジャマなんて1カットもないなんてことはありえないはずだ!ねぇ!そうだよね!
そうなると、だ。僕って何一つ条件満たしてなくない?だってそもそも僕、服なんて着ないんだから。過去に犬猫用の服をマミに着せられたことはあるけど、はっきりいって死にたくなったね。
そもそも誰ともパジャマパーティできないからって、いくらなんでも僕をチョイスするのはおかしすぎるだろう。
今日がダメならまた日をあらためる……わけにはいかないのか……。
なんたって、明日はワルプルギスの夜が上陸するのだから。
この見滝原市に。
それにしたって、それなら是が非でも、みんなに混ざるべきだろう。最後の日になるかもしれないのだから、それなら、大切な人のそばに居たいだろう。僕が大切な人の中に入っているわけはないんだから。僕と一緒だなんて貧乏くじもいいとこだ。
明日で終わりか。
なんだか、僕がこんな気持ちになるのはおかしいことだと思うけど、なんというか、寂しいな。
勿論君たちを終わりになんてさせないよ。
君たちは明日始まるんだ。
日常が始まるんだ。
終わるのは僕さ。
終わるのは僕たちさ。
この楽しい非日常が明日終わるのだ。
でも、それも、自業自得なのだ。
いや、違う。原因はすべて、僕たちにあったのだ。
それなら、責任をとるのもやはり、僕たちがするべきなんだ。
だから、あし……
「お待たせ!キュウべぇ!」
ブバーっ!!!
何が起こった!何が起きた!理解できない!わけがわからないよ!!!
しかも新発見!インキュベーターにも鼻血は出るみたいだね!
マミは突如全裸で現れたのだ。
着やせするタイプ?いつもよりぱいおつがさらに大きく見えたんだけど!
普段ならパイおつを触っただけでティロ・フィナーレされるのに。
ああ、なんだ。そうか、そういことね。
僕は死ぬのか。
「ちょっと待っててねマミ。今タイムマシンを探しているところだから。確かこの排水口の中にあったはずだよ」ガンガン
僕は直径5センチもない穴に無理やり自分の頭をねじ込む。あれあれ?おかしいな?頭蓋を砕けばタイムマシンにのれるかな?
「ちょっと!キュウべぇ!落ち着いて!」
「ちょっと待ってね、今自分の頭蓋を砕いているからさ」グシャグシャ
「キュウべぇ!?本当に死んじゃうわよ!?」
「ふぅ、全く驚いた所じゃないよ。危うく死ぬところだった」
「それは確かに驚いた度を越しているわね」
僕はなんとかマミの体を見ないように背を向けることで、冷静さを取り戻した。
「一体どうしたんだい?僕を殺す口実がほしいなら他にいくらでもあると思うんだけどなぁ?」
「だからどうしてそうなるのよ!」
「いや、だって、いつもは……」
「いつもは……その」
「??」
「なんでもない!」
??全く答えになっていないよ?
「とりあえず、僕は外に出るよ?」
マミの身体を見ないように気をつけながら、風呂場を退出しようとする僕の足をマミは掴む。
「みんな、パジャマパーティなるものをやっているのよ」
「それはもう聞いたよ」
「私達もそれに負けない百合展開に持っていくべきだと思うの」
「だから、わけがわからなよ!僕は一応生物学的には男だよ!百合にはならないよ!っていうか人間ですらないしね!」
「でも……!」
マミの顔はよく見えないが声で涙声だとわかる。
「落ち着いてよく聞くんだマミ!いいかい!まず僕は人間でもなければ女の子でもない!確かに知能を全く持たない犬猫ならそれも許されたかもしれない!しかし、僕は人並みに知能を持っている!いわばマミの全裸に興奮しまくりだ!そんな僕が百合(?)展開にもっていってみろ!はたからみたらそんなもん犯罪者でしかない!世の中には獣○なんていう怖い言葉もあるんだよ!」
「うぇーーーん!」
マミが泣いた!?何故!?
「背中くらい流してくれてもいいじゃない!」
だからマミはさっきから何を言っているんだい!?頭でも打った!?
「このまま出て行くというのならティロ・フィナーレよ!」
「そんな理不尽な!」
はい、というわけで僕はマミの天使のような裸体を見ないように背を向けながら耳毛でマミの背中を洗っています。
時々もれるマミの「ひゃっ!」とか「~っん、ゃあ」とかのあえぎ声にも似た声聞いてると理性がぶっ飛びそうになるんだけど!しかも気がついたら僕は自分の全神経を耳毛に集中しているしね!正直に言うとね!それは僕だって見たいですよ!マミの裸体だよ!そんなあどけない彼女の全てを見たくないわけがない!でもね!ほむらとかさやかみたいにできないよ!女の子どうしでやるのと野獣とがやるのとでは意味合いが違うんだよ!18禁になっちゃうよ!アカウントごと削除されてこの物語最終回になっちゃうよ!
「ねぇ、キュウべぇ?」
「何だい?」
僕はピストンのように耳毛を上下させる。やば、何これ?勝手に動き続けるんだけど。僕の肉体はマミの身体を直に触れる事がそんなにうれしいのか!?落ち着け!僕の中の獣!肉体の優先権を僕に返せ!
「最後の夜になるかもしれないのに私なんかと一緒じゃあ、その……いや?」
「そんなわけないだろ」
いいから言うことを聞け!僕の耳毛!お前!わかっているだろな!今、この状態で、マミにパイタッチしてみろ!僕はお前を絶対に許さないからな!絶対だぞ!ふりじゃないからな!
「今だって気が狂いそうなほど嬉しいのを必死に抑えてる」
なんかちょっとかっこいいみたいに言っているけど、僕が今必死に抑えているのは自分の中の獣だよ!良心と良識、常識と理性で武装しながらね!
「マミはよかったのかい?」
「え?」
「そんな大事な日に僕なんかと一緒にいて」
「……いいの」
マミはなんと言ったのだろうか。よく聞き取れなかったはずなのに、あれ?涙?僕は泣いているのか?
「キュウべぇがいいの」
嬉しい、んだ。本当に……。僕は本当は、どうしても今日だけはマミの隣にいたかったよ。最後になってしまうから。これで、本当にお別れだから。
「本当にマミは……どうして」
「でも、大丈夫よ。最後になんてさせない。私たちが絶対守ってみせる。なんたってこの町には4人も魔法少女がいるんだから。」
「無理なんだよ」
僕は優しく諭すようにマミの言葉を否定する。その強く美しい言葉を否定する。強くても美しくても、現実には勝てないと諭す。
「な……何を、言っているの?」
僕はいつのまにか耳毛の上下運動を止めていた。
「ワルプルギスの夜には勝てない絶対に。例え、100人の魔法少女がいたとしても。あんなのに勝てるなんてまどかくらいのものさ」
「そ、そんな!どうして!?暁美さんは魔法少女は3人いれば十分だって……」
「それは真実だよ」
「それじゃあ!」
「でも、それはほむらが最初にいた時間軸での話だ」
マミは今どんな顔をしているのだろうか。いや、本当は僕は知っている。今マミがどんな顔をしているのか。それでも、僕は話を続ける。これは、本当は話さなくてもいいことなのだけど、それでも、僕は彼女にだけは誠意を持って本当の事を話すと決めている。誰より正しい彼女だけには。
「最初にほむらがいた世界ではまどかが相打ちではあったけどワルプルギスの夜を一人で倒していた」
「ここまではいい。でもおかしいと思ったのはほむらが3度目のループをしてワルプルを倒した時の話だ。3度目のループにより、常人の魔法少女の3倍もの因果を纏っているはずのまどかが、3倍の魔力量を誇る彼女が、ほむらと一緒に戦って満身創痍だった。お互い魔力はそこをつき、魔女になりかかっていた」
「おかしくないか?だって、最初のワルプルギスの夜は普通のまどかで相打ちだ。それなら3度目のまどかなら、ほむらもいるのなら、余裕で勝てたはずだ」
「さらに、決定的だったのが、幾度となくループを続け、最強の魔法少女となったまどかが、ワルプルギスの夜と戦った時のことだ。彼女は一撃で終わらせたらしい。だが、注目する所はそこじゃない。まどかが魔法少女になって魔女になる期間が短すぎる。ワルプルギスの夜を倒してすぐ魔女になる?まどかの莫大な魔力量をもってして、それを使いきらないと倒せない?数多くある並行世界のすべてで?」
「僕はここである仮説を立てた」
「ワルプルギスの夜はその世界である過去現在未来である魔女の集合体であるのではないだろうか?」
「ほむらがループするたびにまどかは強くなっていったけれど、それと同じくらいワルプルギスの夜も強くなっていったとしたら?」
「そんなもの誰にも勝てやしないよ」
「そんな……。それでも、私たちは!」
「だから」
「だから君たちを戦わせるわけにはいかないよ」
「何を……言っているの!?無理でも、なんでも!」
「大丈夫。君たちは何も心配しなくていい。僕に考えがある。だから、後はすべて僕にまかせてくれないか?」
「勿論無理なことを、無茶なことを言っていることは理解しているつもりだよ。今まで僕達が君達にしてきたこと考えれば当然だ。僕達が何をしたとしてもその罪が消えるわけじゃあないんだ。それでも……これだけは信じてほしい」
「僕にも守りたい人がいるんだ」
「インキュベーターを信じてくれとは言わない。とてもじゃないが言えない」
「それでも、僕は信じてほしいんだ」
「君にだけは信じてほしい」
いつの間にか、マミが僕を抱きかかえていた。
胸が!ぱいおつが直にあたっている!
やばい!理性が!
さっきまでのシリアスの空気が!
ふんばれ僕の理性!
「そんなの、当たり前よ。私があなたを信じなかったことなんてなかった。あなたはいつだって、苦しみながら、苦悩しながら私の事を考えてくれた。」
「マミ……」
「でも、私が心配しているのはそのことではないのよ」
「……?」
「あなたはちゃんと帰ってくるのよね?あなたも含めた全ての人が幸せになれるのよね?」
「僕は人じゃないよ」
「そういう屁理屈を言うんじゃありません」ギリギリ
「なんだこの幸せの苦しみは!ぱいおつに圧迫されているだと!?挟まれているだと!?もう死んでもいい!いっそこのまま死ぬまでそのぱいおハッ!」
「危ない危ない!」
「キュウべぇ?」
「いや、何でもない!」
「ねぇ、ちゃんと帰ってきて、私のもとへ。でないと、やっぱりあなたに任せるわけにはいかないわ」
「……。本当に、色んな事があったよね?」
「?ええ。」
「ほむらとも仲直りして、さやかは魔法少女になちゃったけど、ちゃんと恋終わらせて魔女になることはなくて、杏子が来たときには驚いたけど、それもちゃんと解決してくれた」
「僕が何もするわけでもなく、彼女たちが自ら解決してくれたことだよ」
「僕のいる必要なんてない。僕がいなくても君達は大丈夫だよ。マミももう一人ぼっちじゃない。みんながいる。だから、もう……」
「聞き分けのない口ね。えい」
ちゅっ!
なっ!!!なんだとぉぉぉぉ!?
マミは背を向けていた僕を無理やり前に向けて突然キスをした。
いわゆる接吻。口付けである。
「そんなことを言っているわけではありません!」
ああ、もうだめだ火照って頭がくらくらする。
それは無理やりマミの全身を見る形となり、今も止まらない激しい鼻血のせいかもしれないけど。
っていうかあれ?これ、明らかに僕の体積よりも、出てない?僕死ぬんじゃね?
「私はあなたに戻ってきてほしいって言っているのよ!」
「私の隣にはあなたがいてくれないと困るの!いやなの!これだけは譲れない!私にも守りたいものはあるんだから」
「そんな聞き分けのないあなたに私のぱいおつを自由にする権利を与えます!」
えっ?今なんとおっしゃった?この娘は?
「さあ、私のぱいおつ好きなだけタッチしなさい!」
「騙されないぞ!タッチした後はどうせティロ・フィナーレするつもりだろ!」
「誓います。絶対やりません」
「や、やったら一生軽蔑するだろう?」
「しません。むしろ喜ぶと誓いましょう」
マジで!?触られて喜ぶマミ!?5億円払っても見たい!
あれ、理性ってなんだろう?
あれあれ、思い出せないぞ?
もう、もう世界だとか、運命だとかより目の前のぱいおつの方が重要な気がしてきたぞ?
僕の耳毛がマミの大天使のようなぱいおつに忍び寄る。
「ねぇ、キュウべぇ……。私ね、本当は……
いいえ、
本当に……
あなたのことが……
そのとき、僕の意識が
いや、魂が
暴力的に誰かに奪われた。
あの時マミはなんと言おうとしていたのだろうか?