両親がアホ過ぎてデュノア社に就職した   作:只野飯陣

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無意識ってこわいね

皆さん、突然ですが俺は今非常に困っています。

何もない空間に漂い時間の感覚も無くなるほどひたすらに待たされているのです。

誰にって?

………

神様、らしいですよ。

いやいや、待って、待ちなさい、見捨てないでください。

俺だって自分に「お前は大丈夫……じゃないな」と言ってやりたい。

でもね、いきなり目の前に現れて、この上も下も無い不思議空間に連れ込まれて、しかも目の前で「信じられないなら証明してやんよー!」とか叫びながら銀河を見事に南無されたら、そりゃ信じるしかないでしょ?

更に言うなら逆らわない方が無難でしょ?

だから待ってるの。

そして困ってるの。何に困ってるのか解らない?そもそも状況が解らない?

………

確かに、普通はこれだけじゃ解らないよな。

よし、説明してやろう。

スイマセン、行かないで、一人にしないで、僕は孤独で死ねる動物です。

 

さて、先ずは何故こんな事になったのか。

時間の感覚がまひまひしているが、鮮明に覚えている。

というか自分が死ぬ瞬間なんか忘れられるか。

 

そう、あれは俺が日課となりつつあるジャンクあさりをしていた時だった。

俺は機械の類いが大好きでな、公道を走れるリニアモーターカーを造ろうと考えたのが始まりだった。

ジャンクから部品を取り出し組み立て部品を取り出し組み立てを繰り返し試行錯誤の末に、俺は地球の磁場と反発しあう機械を作り出したのだ。

だがそれがいけなかった。

地球とは磁場と大きな影響を受けている。

俺が造った装置など本来は地球の磁場に影響を及ぼす程ではないが、もしそれが世界中に普及すれば。

陸地のみならず宙を浮く謎の乗り物が世界各地で磁場をほんの少しだけ歪ませる。

そのほんの少しだけで、世界の磁場が変わり一気に氷河期、または灼熱地獄になっていたらしい。

地球の軸がドータラコータラ太陽の磁場とナンタラカンタラとカクカクシカジカフムフムダレソレと多大な影響を及ぼすと感じた神が「殺っちゃえ♪」とばかりに俺の前に鎮座していたリニアモーターカー(?)を爆破、俺はそれに巻き込まれて身体に破片を埋め込みながら事切れた。

更にはそんな俺の作った試作リニアモーターカー(?)は実は失敗作で「よく調べなかったんだよなぁ」とは神の談だ。

渾身の一作を失敗作のリニアモーターカー(笑)と言われた俺は大激怒、そしたら神が謝罪に転生させてやるとテンプレ発言。

え?死んだ事に怒れよ?ハハッ無い無い、そんなん。

スマナイ、としか言いようが無いちゅーの。

こんなんで状況の整理?

はっ、無理だね、銀河規模の破壊を個人に回されるとか辛いだろ?

俺なら逃げ出す、逃げれないけど。

まぁそんな訳で俺は困ってるんだよ、クソゥ。

 

「待たせたな」

 

俺が不貞腐れていたら突然背後から神様が声を掛けてくださった。

え?何でそんなに腰が低いのか?

決まってる。二次において神の精神感応はテンプレの中のテンプレだからだ。

地の文という名の心理描写何か看破されるに決まってる。いや、試して無いけどね。

試して見るか?バー……いや、止めとこう。

 

「賢明な判断だな」

 

ほら、やっぱり読まれた。

危なかったよ、危うく俺の体が見るも愉快な姿に変わる所だったよ。

 

「何気に失礼だな、俺でも問答無用でそんな事はしない」

 

聞いてからやるんですか?拒否とか関係無く。

 

「………」

「待ってください、その間はやめてください怖いです」

 

しかも目線外してるし。

いや、本当にやめてください、目を見てください。

 

「あー、それじゃ本題だが」

 

露骨に話題を……あぁ良いです、逆らいません。

だからその手を此方に向けるのをやめてください。

 

「ふん、先ず、貴様は勘違いしてるみたいだが死んでないぞ」

 

マジスか、なら帰って良いですか?

 

「元の世界には帰れん」

 

……?

ん?スイマセン、もう一度。

 

「死んではいないが帰れん」

 

何故?ホワイ?

 

「あー、あれだあれ、最近流行りの転生、あれをしてみたかったんだが、一々人間造るのめんどいから、素材ごと連れて来た、オーライ?」

 

全然解りません。

素材って何ですか?

 

「人を造るのに必要なパーツだな、正直他の神が一々死人を使うが非効率だろ?ゼロから造らなきゃいけないわ魂定着させなきゃいけないわ、それに比べたらお前は元の体だから若返らせて胎児にしちまえばすむし、当然魂の定着も必要ない、オーライ?」

 

オーライ、っていやいや待てよ

 

「待てよ?」

 

いや待ってください、スイマセン謝ります、だからアイアンクローはやめてください

 

「ふむ、まぁ特別に許してやる」

 

はぁ……死ぬかと、いやそれより、今の話だと帰れない理由にはなりませんよね?

拉致っただけなら帰れるのでは?

 

「あぁ無理無理、だってお前この空間に500年は放置したから、今更戻っても居場所はねぇよ?それに俺がただで帰すとでも?」

 

……救いが無い。

 

「ざまぁ、まぁそれは置いといて、転生遊技やるからよ、チートをくれてやる、2つな」

 

普通は3つなのでは……

 

「あっ欲張りだな、仕方無い、ちょっとイラついたから1つにしてやる」

 

……マジですか

 

「マジだ、さっさと選べ」

 

じゃあ……ありとあらゆる世界の技術の知識をください。

 

「あいよ、とりゃ」

 

え?……っ「アァアああァぁあァアァァァあァアァ!?」

 

「あっと、ヤバイな、サービスで脳の容量とか処理速度とかも弄ってやるよ」

 

っ!?

……危なかった、危うく廃人だ。

てゆうかロボットアニメ関係ばかりかと思ったら魔法技術の知識とか……ネクロノミコンの内容!?「ウヌァァあァぁぁアァぁあ!!」

 

「あっ、そっちにも対応させなきゃいけねぇのか、つうか狂うなら内容なんざ考えんなよ」

 

っ!……危ない……今のは廃人どころか精神連れてかれそうだった。

 

「うむ、準備は出来たみたいだな、なら行ってこい」

「えっ場所は」

 

言い切る前に一つの宇宙義の中に押し込まれた。

余談だが、ニュルっとして気持ち悪かった。

 

それは置いといて

皆さんどーも

神様に拉致されて胎児にされて、そして新たに産まれた私です。

謎の宇宙義にニュルキュッポンって感じに押し込められてから、ひたすらに、ただただひたすらに待ちました。

母胎の中で。

 

………

 

あの神様は馬鹿ですか?

そして胎児なのになんでこんな事を考えられるのか?

謎です。

とにかく謎です。

まぁ、神様にまたされた時間に比べれば全然楽勝でしたよ。

生前からやっていた一人しりとりとかで鬱になりかけましたが。

ハハハ、神様の不思議空間や神殿でも同じ失敗しちゃったっけなぁ……私は馬鹿なのか?

あぁ、それと、今回も私の性別は男です。

まぁ前世の肉体を若返らせただけなのだから、男になるのは当然です。

問題があるとすれば、髪の色です。

父は濃い赤色、母は薄い水色。

アニメ的な髪の色ですね?

そして私……黒でした。

当然ですね、若返っただけなんですから。

それでも、私の遺伝子を組み換えて父と母の遺伝子を組み込んではいたらしいですが、神様、ナイスアフターケアです。今世では週に一度教会に行きます。

いや、キリスト様かは解りませんが、誠意の問題です。

だって神様のアフターケアが無かったら両親が離婚していたかもしれないのですから。いや、あの両親なら対して気にしないかも解らないですが。

 

閑話休題

 

私は産まれたのです。

はい、ここからは皆さんお馴染みの幼児プレイとか考えましたか?

甘いですね、私の無限の知識(今命名)を用いれば自意識を封印するなど朝飯前。

五歳の誕生日にでも目覚めますので、ごきげんよう。

 

………

 

そして目覚めた。

いや、ただ目を瞑っただけの感覚だったのですが。

まぁとにかく嫌な記憶を植え付けられる前に自意識を封印してよかったですよ。

だって、気付いたら女装していたのですから。

私は衣服を脱ぎ捨て、目の前の箪笥を開きます。

見事に女物しかありません。

笑いたくなります。

両親が……変態だった。

絶望です、そして自意識の無かった頃の自分に同情します。

頑張ったよね俺、此れからは任せろよ私。

そんな脳内会話も程々に、仕方無く下着のまま部屋を後にします。

下着は女物じゃなくて良かった。切実に。

女装か裸なら裸を選びます。

男の尊厳を捨てるくらいなら男の象徴を全面に出します。

変態とか露出狂なんてそんなチャチな理由では断じてありません。

もっと根本的プライドの片鱗を垣間見てください。

まぁそれは良いのです、問題は自意識の無い私が無意識のうちに頭の中の知識を使いやがった事にあるんです。こんちくしょう。

何とこのガキ、まぁ私なんですが……このガキはあろう事かロストドライバーとジョーカーメモリ、それにスカルメモリを筆頭に各種ガイアメモリを造っていやがったのです。

 

「どうやったの?」

 

呆れて言葉が出てきません。

作り方なら私でも解りますが普通なら作れません。

だって星の記憶とか無いもん。

 

【ジョーカァー!!】

 

あぁ渋い良い声ですね、もう一回

 

【ジョーカァー!!】

 

……イケません、興奮し過ぎて鼻血が……

とにかくこの三つは厳重封印です。

余りにもブラックボックス過ぎます。

 

さて、以前の私が余りにもあれなアレを造ったせいで周囲からは天才だうんたんだと騒がれているらしいですね。

両親なんか借金して私の研究費用に当ててしまいました。

 

「アホですか!!」

 

その事を知った時の私の第一声です。

何とか売れそうな物を造らねば。

しかしそうは思っても出てくるのはヤバイ兵器の知識ばかり。

一撃で万単位の宇宙な怪獣を倒すバスターな兵器や、進化を促す動力で侵略者的な進化生命体を額からのビームで消し飛ばした兵器や、使う者によって悪魔にも神にもなれるらしい皇帝な兵器など。

ぶっちゃけ、世界のパワーバランスがアボンします、Z世界じゃないんですよ!!銀河破壊なんてアホ神様だけで……殺気!?。

まぁそもそも、そんな物を作る余裕はありません。

てゆうか兵器に執着するからいけないのですね。

そぅ、需要があり兵器に近くされど兵器ではない。

そんな物はあれしかないのです。

 

「出来ました」

 

そして完成……後は特許を取るだけで良いのですよ。

 

「皆さん、行きますよ」

 

そう言った私の後ろを転がったり四脚を出したりして付いてくるのは、知っている人は知っているかもしれませんね。

ガンパレというか、αシステムのゲームきっての天才、原様(背後からナイフおねーさん)が発案した整備用ロボットボールズ!!

絢爛舞踏祭では大分癒されました。

このクルクル回りながら付いてくる姿の可愛いの何のって。

彼等をハロのパクりなどと言う輩もいますが、全然違います。

元々ハロは商業的道楽アイテム、所謂玩具をアムロが改造した物で、実用性は皆無でした!!

ですが、ボールズは元から整備用に作られた為に無駄が有りません、遊びが有りません!!人間と会話できるのも全体の指揮を取るグランパだけという徹底ぶり、そして何より素晴らしいのはシンプルな名前と男心を擽る多脚、女性の心を掴んで離さない丸いボディー!!

……これはうれますっ!!

 

結果だけ言いましょう。

確かに売れました。

爆発的に売れました。

しかも世界から「ウチに来ないかい」とのお声が。

………

「俺まだ五歳児だぞテメェら!?」

 

ゴホン、思わず地の喋りで叫んでしまいました。

私もまだまだですね。

ですが、まぁ、まごまごしていても仕方無いのでフランスに行くことにしました。

両親の安全も守れるし御給金が良かったので。

そして私が御世話になる会社の名前が

 

「デュノア社」

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