両親がアホ過ぎてデュノア社に就職した   作:只野飯陣

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やり過ぎが丁度良い

皆さんどーも、私です

デュノアに就職してから半年、私達は未だに新機軸の乗り物を造れて無いのです。

とゆーのも、デュノア本社に到着したボールズ用の通路を、ビル全域に張り巡らせる工事を私含めた六人だけでやらされているからなのですよ。

 

現場代人(仮)・熊本弁さん

測量・私

重機オペ・私

手子・その他及びボールズ

 

ぶっちゃけ無茶苦茶忙しいです。デュノアはブラック、はっきり解んだね。

腹いせに皆さんに内緒で地下にちょっと広い試験場兼研究室をこっそり作ってしまったのですよ。

まぁそんな事やってるから工事が終わらないのですが、仕方無いね、だって作りたかったのですから。ふんす。

でもボールズ通路はもうすぐ完成しますから、私は一足早く抜けて、社長のオーダーに取り掛かりましょうか。

 

 

 

とゆーわけで研究室です。勿論地下のでは無く会社のですよ。

此処には様々な機械が各員から持ち込まれ置かれてるのです。

圧力試験用のプレスや遠心分離機、ジャンルがバラバラですが、この研究室のメンバーは様々な分野のプロフェッショナルですからね、むしろ皆さんが個人所有しているラボよりは物が少ないらしいのですが、如何せんアホみたいな無茶ぶりをされるらしく、部屋の中は雑多としています。

因みに私のもちこみ機材はボールズのみです。

ボールズは工場に必要な機能を詰め込んだスペシャルなメカですから、むしろボールズだけあれば充分なのですよ。

さてさて、この部屋の主は何処ですかね。

 

「スイマセン、御爺さんを呼んでください」

 

近くで作業していたボールズを呼び止めます。

スイマセンね邪魔しちゃって、後でオイル差し入れしますから。

さて、御爺さんが来るまで設計図を書いちゃいましょうか。

何たって知識は有りますから、後はそれに私なりの改良案を添えてしまえば良いのです。

燃費の改善を追求し、デザインの補強をこだわり、材質の変更を用い、今、ここに科学を用いてメカと成す!!

ふんふふーん♪

上手に書けましたー!!

私の頭脳を持ってすれば元ネタからの改良もサラッと出来るのです。

チートだけの天才では無いのだよ!!

そもそも、私は前世でも天才(自称)でしたから。むふー。

おい、誰だ今(自称)付けた奴。ちょっと話あるからARMS保管所に来い。

 

「なにを一人百面相しているのですかな?」

 

私が殺意の波動に目覚めかけていると背後から声がしました。

別に私はスイス銀行に金を振り込めと言う殺し屋では無いので、普通に振り向くのですよ。

其処に居たのは他のボールズより一回り大きく、立派なカーネル髭に見える装飾を付けたボールズ、通称御爺さんでした。

え?グランパじゃないのかって?

やだなー、流石に丸かぶりは避けますよ、私だって。

 

「こんにちは御爺さん、相変わらずオイルが切れてるような見た目ですね、グリスアップするですか?」

 

「相変わらず失礼なのか親切なのか解らないお嬢さんですな、グリスアップは朝しましたから宜しいですよ」

 

ニコッと擬音が付きそうな御返事です。

デュノア社長をモデルにちょっと紳士分を付け足したAIをプログラムしましたからね、ナイスミドルな対応ですよ。

社長本人に許可ですか?必要な事以外はやらない主義なのです。

因みに御爺さんにとってのグリスアップは一般の御爺さんにとっての肩揉みや腰踏みにあたるそうです。蛇足。

 

「そうですか」

 

私はちょっと残念に感じ顔を俯かせたのです。

と言うのもグリスアップ直後の御爺さんは御爺さんとは思えない程ハッスルするので、見ていて面白いのですよ。

まぁ出来ない物は仕方無いのです。今回は大人しく用件を切り出すとするのですよ。

 

「此れを造りたいので、社内のボールズから待機状態の子を必要数呼んで欲しいのです」

 

そう言いながら先程書き上げた設計図を御爺さんの目の前に広げました。

タイトルは『新機軸の自家用可能であり、自衛戦力となる乗り物』です。

そこに書かれていたのはレトロな見た目にそぐわず、最新の技術をふんだんに盛り込んだ一品だったのですよ。

 

「此れは……また、とんでもないですな……」

 

そりゃとんでもないですよ。何たってデュノア社長をギャフンと言わせるために、元ネタを更に魔改造しましたから。

 

「コストが」

 

一台総額7000万円成り!!

まぁプレミア付きのスーパーカーに1000~2000万プラスしただけの額ですから。問題ないです。

 

「まぁ、造りたいなら手を貸しますが……」

 

そりゃ作りたいですよ。元ネタだと自分の三倍はある質量を楽々持ち上げるようなチートメカですから。

これに絶対防御とか付けたら原作に殴り込み可能になるのは分かりきってます!!

それに何より見た目は弱くて中身が強いのはロマンですから。

にしてもこの御爺さんは何やら乗り気じゃないようですね。

ふー、やれやれ。御爺さんも社会に出て御仕事してるなら、我が儘ばかりじゃ会社は回らないって理解して欲しいのですよ。

と言う訳で、三日で仕上げてやるのです!!おー!!

 

 

 

3日立ちました。

工事を終わらせて来た五人も合流し、一気に作業効率が上がった私達は宣言通りに作り上げたのですが。

 

「だから駄目だって………」

 

駄目でした。

高すぎるそうです。せめて1000万で買える値段にしてくれと要求されたのです。

しかも。

 

「会社は君の我が儘だけでは利益は出ないんだよ、確かに君は五歳と若く人生経験も浅いが、それでも決められた範囲は守れた筈だよ。まぁ、今回の失敗は勉強だと思って次にいかしてくれ」

 

とデュノア社長直々に小言を頂きました。

まったく、奥さんが居る癖に愛人囲って更にはその愛人を身籠らせた挙げ句、その子が中学に上がるまで放置している予定の人物とは思えない、正にぐぅの音も出ない正論でしたよ。ギャフン。

何ですか何ですか、確かにちょっと6000万円オーバーしちゃいましたが、その程度でいたいけな五歳児にガチの説教する事ないじゃないですか。

良いですよーだ。それなら私にも考えがあるですから。

社長の目の前で30分だけ自意識封印して、無意識さん呼び出しちゃいますよ。

たった30分で社長が機械生命体になっても私は驚かないのです。

出るとこ(無意識さん)出ますか?

なんて、そんな事しちゃったらデュノア社長どころか本社が危ないのでやりませんがね。

あーあー、それにしても折角造ったのに解体しろだなんて、そりゃリンクスと戦える性能を求めた結果、有り得ない化け物マシンになってはしまいましたが。

勿体無いですー、壊したくないですー。

どっかに誰にも知られず格納出来る広い空間無いですかねー………あっ(ピコン)

クケケケ、良い空間があるでは無いですか、しかもあそこなら随時パワーアップが可能です。

フハッ!見えたです!私の輝かしい未来が!!フハハハハハ!!!!

で、結局何を造ったのかですか?

ふむ、では皆さんにも教えて差し上げるのです。

脚、左腕、右腕、胴体、風防、ブレスト、ライト、バックのパーツを交換し、元ネタでは土木、林業、漁業、農業、牧羊、交通、警察、消防、医療、音楽、戦闘と幅広い分野で活躍した機体。

出典は『ポンコツ浪漫大活劇バンビートロット』に出てきた、物語の根幹を成す機械。

ズバリ!!

天才ナツメッグ博士により産み出された二足歩行可能な乗り物!!

トロットビークルです!!




バンビートロットは隠れた名作

2の発売を待っていたのに……あんまりだぜアイレムェ
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