htoL#NiQ―無垢な少女の輪廻への乱入者   作:通行人 放浪

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色々な面倒事が終わったぞ...

...勝ったッ!第三学期完ッ!



フラグじゃないです



助ける理由

一人の青年が、彼に似合わない、綺麗に包装された小包を抱えて、ある部屋の扉をノックした。

 

部屋の扉が、ゆっくりと開かれる。

 

開かれた部屋からは、ブロンド色の長髪を揺らす少女が、嬉しそうに飛び出し、青年に抱き付いた。

 

 

青年は、抱き付いた女の子を撫でながら、小さな両手に、抱えていた小包を手渡す。

 

その小包は、彼女の上半身位の大きさで、ついつい女の子は、足元をふらつかせる。

 

青年が慌てて女の子の体勢を立て直させると、やっと少女は、小包の開封を始めることが出来た。

 

 

中々強引に、びりびりと破いていく女の子。

 

その紙が裂ける音と共に、小包の中身が、少しずつ外気へと晒されて行く。

 

 

果たして、小包の中身は――とても可愛らしい、ピンクの兎のぬいぐるみだった。

 

女の子は、満面の笑みを輝かせ、自分の半分の丈はあろうかというぬいぐるみを、両腕で抱え込むかの如く、抱き決める。

 

 

 

ここまで喜ばれるとは思わなかった。

 

その無垢で可愛らしい姿を見て、青年は、苦笑とも微笑みとも言えない、微妙な笑みを、小さく浮かべるのだった。

 

 

 

 

 

不意に、扉が蹴破られんばかりの勢いで、開け放たれる。

 

扉の奥の『バグ』から、まるで竹の子のように飛び出ている、扉を開け放ったと思われる青年の足は、何処と無く、シュールさを醸し出していた。

 

 

そしてその足が、間髪開けずに引っ込むと、直ぐ様、その脚の主である行人が、『バグ』からタックルしてきたかのように、飛び出してきた。

 

右手には銃を持っており、まだ左腕は、『バグ』を、通過していないので、何を掴んでいるのか、はたまた持っているのか分からない。

 

 

だが、そのうち『バグ』からは、彼の左手と共に、彼の左手と手を繋いでいる、一人の少女――ミオンが露出した。

 

 

 

「ここらは安全かぁ」

 

 

 

右手にもった銃をあちこちに向けると、危険なものや、敵の姿が無いと悟った彼は、銃をポケットにしまう。

 

が、右手もポケットに突っ込んでいるため、恐らく何時でも銃を取り出せるだろう。

 

 

そんな自分の手を握っている行人と共に、ミオンも辺りに目を光らせる。

 

 

 

 

――彼がミオンの手を握っているのには、訳があった。

 

 

何を隠そう、理由は、ミオンが、一人で何処かに行ってしまうのを恐れた行人がたまたま思い付いた策である。

 

 

まぁ、そこそこのいい作戦だろう。

 

 

 

――片手が使えないことにより、自由が削られるという点に目を瞑ればであるが。

 

 

 

 

 

 

幾つもの扉を経て、二人と二匹は、道を歩む。

 

 

天井がひっくり返っていたり、混沌とした世界観ではあったが、ミオンは驚いてはいたものの、恐怖の片鱗さえも感じることはなく、行人も、周囲の警戒で、興味は無さげ。

 

蛍達も、まるで見慣れていたかのように、微塵も驚かなかった。

 

 

――行人は、目の前の地面に設置されている、大きな円上のボタンを、体重をかけて踏みつけた。

 

それに連動して、辺りに、錆び付いた橋が降りたかのような音が、数秒ギシギシと鳴り、そして、また辺りは『バグ』の音を除いては、静寂に包まれる。

 

 

やれやれ、とばかりに、ミオンと手を繋いでいない方の手を、上にあげる行人。

 

その姿をじっと見ていたミオンは、不意に呟いた。

 

 

 

「ねぇ、行人御兄さん...」

 

 

 

てけてけ、という擬音が出そうな、のんびり、しかしせかせかした足取りで行人と手を繋いでいるミオンが、少し疲れたように、ため息を一つ溢して、行人に呟く。

 

 

「ん?なんだ?」

 

 

ミオンの質問を、何時もの軽口で受け止め、疑問を聞く行人。

 

だが、彼の声には、極少量の苛立ちが見え隠れする。

 

それを敏感に受け取ったミオンは、少々萎縮しながら、心に秘めていた疑問を、彼にぶつけた。

 

 

 

「なんで、行人御兄さんは、私を助けてくれるの?」

 

 

 

瞬間、和やかな空気が一変し、行人の微笑みは、まるで氷のように凍てつく。

 

何故、助けているのか?

 

その言葉が、人気のない狭い空間を木霊する。

 

 

軈て、木霊した声が静寂に飲まれた次の瞬間に、彼は口を開いた。

 

 

「...そーだな...ミオン、もしお前の目の前に、親が探していた物が落ちていたとする...ミオンならどうする?」

 

「えっ?」

 

 

急に質問をぶつけられたミオンは、目に見えて狼狽えた。

 

疑問文に疑問文で返すのは、余り良くないのだが。

 

だが、そんなことを知らないミオンは、中々律儀に、行人の質問に答えた。

 

 

 

「えっと...拾って、お母さんかお父さんに渡すよ」

 

 

 

それを聞いて、行人は小さく頷く。

 

 

 

「そうだな...普通の人は、誰だってそーする。俺だってそーする...大人でもだ」

 

 

「...つまりは、そういうことだ」

 

 

 

そこまで言い終えてから、彼は一つため息をつくと、少し真剣な表情を作り、言葉の最後を締め括った。

 

だが、訳のわからないという表情をミオンは浮かべる。

 

 

彼が言いたいのは、こういうことだ。

 

『誰だってやることを、俺はやっているだけだ』と。

 

 

『...ミオンにそんな言い方をしても、分からないと思うんだけど』

 

 

 

ちょっと苦々しげに、行人に影蛍は囁きかける。

 

 

それに少し困ったように、行人は軽い笑みを作った。

 

 

 

 

だが、彼の本心では、そのような事は、眼中にないらしい。

 

表情では笑っているように見える目が、全く笑っていないからだ。

 

その目には、ミオンと、別の何かが写っているらしい。




おう、時々プロットごと吹っ飛ばすのやめーや。

自動保存出来てなかったら泣いてまうやろ。

本当にやめてくださいお願いします。
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