htoL#NiQ―無垢な少女の輪廻への乱入者 作:通行人 放浪
許してください!何でも!何でもしますから!
本編は、stage1-2前半、カゲホタルとの邂逅。
第5話、始まります。
ミオンと、行人という青年が顔を合わせて、数分立った。
私達三人は、歩幅を合わせて(私は飛んでいるが)道なき道を進んでいた。
しかし―
「...行人お兄さんは、何故ここにいるの?」
警戒の色を少し見せつつも、敵意を持っていないミオンと、
「いやぁー...実はお兄さんもよくわかんね」
愉快そうに笑いながら、訝しげな表情のミオンと談話する行人。
私は、謎のイレギュラーである行人の適当さと、言葉巧みに溶け込む早さに、ある種の感動を覚えかけていた。
しかも、何故か私達に着いてくる気でいるらしい。
私がミオンに隠れて問いただそうとすると、
「味方は多い方が良いと思うぜ」
と、私の警戒心に対しても、あっけらかんとした態度で笑い飛ばされた。
確かに、言っている事は、的を得ているが...
やはり、行人という青年は、まだ謎だらけ。
私は、それとなく、二人の方に、また目をやった。
「―いや、やっぱりミオンちゃんは、元気だねぇ」
「あ、ありがと―!?」
殆ど心を開きかけているような、柔らかな微笑みを湛えていたミオンが、不意に足を止め、表情を曇らせた。
『どうしたの!?』
「どした?」
私は焦りながらミオンの頬辺りに寄り掛かり、行人はシガレットを砕きながら、先程とは一転、真剣な表情になった。
―そのとき、小さな、腹の虫が無く音が、静寂の空間を、少しの間支配した。
「えっ」
『え?』
私と行人は、お互いを見合わせた。
―最も、妖精のような姿の私に、目があるかどうかは知らないが―
「俺はまだ腹は減ってないぞ」
物凄く悪い笑みを浮かべながら、私を見る青年。
行人でないなら、腹の虫を鳴かせた本人は決まっているようなものだ。
案の定、ミオンは私達から目を背けて、且つ、顔を伏せていた。
「腹へってんの?」
人の気持ちも知らずに、これまたあっけらかんとした態度でいってのける行人。
最早、人間の身体だったら、間違いなく、はたいていた程である。
諦めたように、目を伏せながら、ミオンは頷いた。
すると、行人は、提げていたリュックの中を、利き手であろう右手で、漁り始めた。
そして、何処かの青いタヌキ...もとい、猫型のロボットのような効果音が鳴りそうな感じで、人の掌くらいの袋を引っ張り出した。
思わず、ミオンと私は袋に目を奪われる。
その視線に気付いたか、気付いていないかは分からないが、その袋を一文字に裂き―ミオンの方へ、何かを投げやった。
ついでに、行人は何食わぬ顔で、裂いた袋を投げ捨てた。
ごみは投げ捨ててはいけません。
「ほれ、食べてみな」
ミオンは、慌ててその”何か”を両掌で皿を作って受け止める。
私は、興味本意でミオンの掌を見てみると、長方形の、ブロック状のクッキーのようなものだった。
行人に言われるがまま、警戒せずにミオンは、そのブロッククッキーを口にする。
その時、行人も、ほぼ一緒のタイミングでブロッククッキーをかじった。
すると―
「「うますぎるっ!」」
突如響く二人の大声に、流石の私も大きく怯んだ。
「ふむ、廃液垂れ流しの機械か...自然に悪いな」
先程の謎の事件を、何もなかったかのように、シガレットを悠然とくわえて警戒しつつも、のんびりと歩く行人。
貴方のポイ捨ても相当なものです、と思ったが、突っ込むだけ無駄なのだろうか?
悲観したくなる気分だ。
一方ミオンは、幼さ特有の好奇心故か、速歩きで周囲を見回していた。
―しかし、ある一歩をミオンが踏み出した時だった。
「止まれッ!」
呑気な彼からは想像できないような、行人の声が辺りを木霊する。
ミオンと私は、驚愕で、直ぐ様行人の方を振り向くと、鋭い睨みを利かせながら、ミオンの端の壁に、銃を向けていた。
漆黒の銃口は、恐ろしく冷たい光を放っていた。
そして、その銃口が向けられていたのは―
―幾度となく、ミオンの輪廻を助太刀してくれた『家族』だった。
「「黒い...影の、蛍?」」
行人とミオンは、口を揃えて呟いた...
(ネタの滑りやすさ的な)帝王はこの私だッ!依然かわりなくッ!
...すみません。