htoL#NiQ―無垢な少女の輪廻への乱入者   作:通行人 放浪

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後編1-2。ステージは基本的に一つ1~4位に分けるつもりです。

記憶の欠片は、少し別の方法でミオン基い乱入者に見せるスタンス。

1ステージで毎回やってると作者のLIFEが0以下になり得ますからね。

え?忘れてるステージはどうするか、ですか?

...orz


はい、数少ない見てくれる方のため、鉄骨攻略の後編、始まりまーす(震え声


黒い蛍の力

俺達の前に表れた、影の中の黒い蛍は、銃口を向けているのにも関わらず、影を伝って、ミオンへと近付く。

 

『銃を下ろして』

 

鋭い警戒の視線を、黒い蛍に向けている俺の後ろから、静かに宥めすかすように、蛍は言った。

 

「何故だ?」

 

ミオンに聞き取れないように、小さな声で囁いた。

 

―もし、蛍が本物の意識があるとミオンにバレたら、通訳とかにされかねん。

 

俺は、面倒臭いのはごめんだ。

 

『あの蛍は、味方よ』

 

思考が脱線しかける俺の態度は何処吹く風、というような蛍の呟きが、俺の脳内に響いた。

 

味方だってんなら、少しは喋れよ、と毒を心の内で吐きつつ、軽く銃を、リボルバーのガンアクションのように、三回転くらい回すと、懐に戻す。

 

ミオンは、ペン回しのように回転した銃を見てか、「かっこいい...」と、言葉を洩らしてくれた。

 

...銃士冥利に尽きるってもんじゃないかな、こりゃ。

 

感嘆してくれたミオンとは裏腹に、興味無さげに、銃をしまうのを見届けた蛍は、のんびりとした足取り(”飛行”取り?)で、黒い蛍に近付くと、少し怒気を込めたように言った。

 

 

 

『随分と遅い到着なことで、”影蛍”さん』

 

 

 

すると、刹那、黒い蛍が、犬のそれのように、身震いしたかと思うと、

 

『ごめん、少し、別件で手間取ってね』

 

申し訳なさそうに喋る影蛍と呼ばれた、黒い蛍の声色は、若めの男の人のものだった。

 

『...ふむ、なるほどね』

 

考察するように、影蛍はミオンを一瞥したあと、此方の影に寄ってきた。

 

何が『なるほど』なのかはわからないが...

 

 

...自分の影に、仄かな紫色に光る異物が入り込むような、妙な気分は、きっと滅多にない経験になるだろうな、面白い飲物の肴になるぜ。

 

俺は、そんな他愛も無い事を考えつつ、新しいシガレットを懐から取り出した。

 

 

 

 

「この黒い蛍さんも、敵じゃないんだね...嬉しいな」

 

さも嬉しそうに、純粋な笑いを浮かべるミオン。

 

いやはや、あんな無垢な笑顔、俺には出来ないな。

 

 

まぁ、それはそれとして、置いておこう。

 

何故なら、問題があるからだ。

 

 

俺達の前には、数メートル程、道が崩れており進めない。

 

前には鉄骨のようなもの丁度良い太さと、高さで宙吊りになっているが、それも、ちと遠すぎて足場に出来そうにない。

 

...全く、この施設は、鉄骨といい、梯子といい、不便すぎるな。

 

それはさておき、宙吊りにしている鎖を、揺らすことができれば、ミオンでは足りなくても、彼女を抱えた俺なら何とかなるかもしれない。

 

が、銃では弾くのに威力不足、グレネードなんてやった日には、鉄骨や鎖そのものも吹き飛ぶだろう。

 

心配そうに、ミオンは、崩れた足場と、俺を交互に見詰めていた。

 

八方塞がりに近いな...どうしたもんか。

 

 

『あの鉄骨を足場に出来たら、行人君は、ミオンを連れてあっちまでいけるかな?』

 

不意に、上の方向から影蛍の声がした。

 

俺は、少し驚きつつ、天井を見上げる。

 

 

―いつの間にか、影蛍は、ミオンから離れて、鎖の影の端に居座っていた。

 

 

俺は、ミオンに悟られないように、小さめに頷いた。

 

 

『ミオンは頼んだよ』

 

自信有りな感じで答えた影蛍は、鎖の影の中心部分に、勢いよく突っ込んだ。

 

 

―なんということでしょう、あの平静を保っていた鎖が左右に振れ始めたではありませんか。

 

 

そのお陰で、鉄骨は此方の方に来てくれたのである。

 

 

影の中から衝撃を与えると、本体も影響を受けるのか。

 

科学的もヘチマもないが、素晴らしい。

 

称賛を籠めて、俺は口笛を吹いた。

 

 

「しっかり掴まってろよー」

 

「わっ」

 

ミオンを、優しめに抱き抱えると、助走をある程度つけ、鉄骨に向かって、大きく跳躍した。

 

有り難い事に、余程綺麗に鎖が鉄骨を固定してくれていたのか、俺の全体重をかけて踏みつけても、直ぐに傾くことは無かった。

 

まぁ、そんなことも数秒にも満たず、直ぐに傾いていく。

 

俺は、鉄骨が傾き切る前に、目的の足場まで、再度鉄骨のぎりぎりの所で地面を蹴った。

 

 

 

「おそらって...とべるんだね...」

 

真っ青な顔をして、ミオンは、降ろしたその場に、力なく、へたりこんでしまった。

 

「すまんな」

 

俺は、無理させたミオンの肩に、軽く手を置く。

 

そりゃ、あの抱き抱えかたは、下がよく見える特別席だ。

 

見た目通りの幼さなら、失神も余裕だろうに。

 

大丈夫だよ、とミオンは、真っ青なのに、俺の事を気遣って、ややひきつった微笑みを見せてくれたが...

 

『無茶するわね...』

 

『若いな...』

 

shut up(黙らっしゃい)、あんたらがさせたんだろうが。

 

手伝ってくれた影蛍は兎も角...蛍、お前まで言うか?キレるよ。

 

 

ある程度ミオンの微笑みで、ささくれたった気分を抑えた俺は、幼い女の子の前で言うわけにもいかない毒舌を、また心の底で、存分に蛍二人組に振るっていた。

 




リュックと懐が四次元ポケットになりかけてる...



ボス、どうしよう...
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