海龍のアルペジオ ーArpeggio of LEVIATHANー 作:satos389a
智史がムサシに概念伝達を使って話しかけます。
ある超兵器の登場フラグが立ちました。
そして今作の最後は稽古の始まりです。
それではじっくりとお楽しみください。
お詫び
今作は自分がストーリーの詳細設定をよく考えずに初投稿した後、慌てて何回か改稿して修正したためその改稿以前に読まれた方は混乱されてしまう可能性がございます。
今の修正した状態が自分が納得がいくように表現したものです。
ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。
第13話 虐殺とオウミと概念伝達、そして最初の稽古の始まり
ーー駆逐艦ヴァンパイアの独白ーー
ーー助けて。
「ヴァンパイア!くっ、なんて数の敵なの⁉︎これも奴があんなものを造ったせいで!」
私は霧の東洋艦隊に所属している駆逐艦ヴァンパイアだ。私は上司であるレパルス様やプリンスオブウェールズ様と共に東南アジア海域の封鎖を担当していた。
人類を滅びに追いやっているとはいえ、私達は彼らからいろいろ学び、アドミラリティコードに逆らわない形で任務を遂行しつつ、個性を獲得し、幸せな日々を送っていた。
「左翼の駆逐艦隊、全滅しました!」
「大戦艦ウォースパイト、轟沈!」
だが、そんな日々もある日突然起きた出来事によって打ち崩されてしまう。そう、人間の言葉で言うと黙示録に出てくる伝説の海の怪物を具現した存在が突如として出現したのだ。
ムサシ様はアドミラリティコードに従わざる存在として潜水艦隊に始末に向かわせたが、それこそが破滅の始まりだった、奴はムサシ様の潜水艦隊を始末すると次々と東洋方面にいた霧を始末していった、そして奴に決戦に挑んだナガト様の艦隊も悉く殲滅されてしまった。そればかりではなく、奴は置き土産とばかりに我々を殲滅する為の巨大な戦略基地を創り上げたのだ。それを排除しに向かった攻撃衛星は奴に呆気なく始末されてしまったが、その衛星からのデータをみた私達は怯えるしかなかった。
「ぐはぁっ⁉︎」
「うぇ、ウェールズ様⁉︎」
そして奴が創り上げた戦略基地から繰り出される強力な兵器や艦艇の数々によって我々は東南アジアの各所で次々と殲滅され、追い詰められていった。頼みの綱の超兵器ドレッドノートは奴との決戦に備えてハワイに撤退していた。そして逃げようにも徹底的な空襲によって我々の補給基地が破壊しつくされ、満足な修理が受けられない。
「れ…レパルス、ヴァンパイア…。逃げて…。」
「ウェールズ…、ウェールズ⁉︎」
そしてその基地からの破壊の尖兵にウェールズ様は次々と矛を打ち込まれ瀕死の鯨のように漂うだけだった、打ち込まれた矛の中には私たちがよく使っている侵食魚雷も含まれていた、奴はこんな物を作れるだけのブツを残したのかと思うと悔しくなった。だがそんなことに御構い無しと奴らはウェールズ様に容赦なくさらなる矛を突き立て、殺してしまった。
ーードガァァァン!
「ウギャァァァァ!」
「ウェールズ様ぁぁぁ!」
「ヴァンパイア、そんなことを嘆いている暇はないわ、生き延びるのよ!」
そして私はレパルス様と共に逃げようとする、だが奴らはそんな光景を見逃してくれるほど柔ではなく、私達に次々と魚雷やミサイル、高威力兵器を放っていく。
「ギャァツ!」
「れ、レパルス様、ぎょ、魚雷が…。い、嫌あぁぁぁ!」
ーーズグァァァン!
ーーこれで…、終わり…?
そしてレパルス様と私に次々と魚雷やミサイルが命中し私達は跡形もなく砕け散った。深い絶望に私の体はどんどん沈んでいく、そして私の意識はそこで途絶えたーー
その頃、リヴァイアサンではーー
「いいぞヴォルケン!もっと抗え、そして私を更に磨き上げろぉぉぉ!」
「智史、お前は悪魔か?私にしてみればお前の行動及びそれに基づく異常なまでの自己研鑽は敵をさらなる絶望に叩き落すためのものにしか見えないが。」
「あ、キリシマか。あんたのセリフ少し使いまわしてみた。しかし霧の東洋艦隊追い詰められてるね、うちが作った工場から出てくる兵器達によって。」
「人間の言葉で言うと白鯨という高性能艦艇を中心とした兵器群が量産されているからな、しかもそれを量産している工場はどんどん増えていくわ兵器の質はどんどん上がるわ…。我々の仲間は既に黙示録を身で味わっているのに、仲間達を更に追い詰めようと人間達を仕向けるとは…。鬼か、お前は。」
「はい、ワタシは鬼畜です。(笑)」
「全く、お前には慈悲がないのか?」
「アリマセン。(笑)」
リヴァイアサンの左舷飛行甲板で海風に吹かれながらそう会話をする智史とキリシマ。彼はこれまでも異常なまでの自己強化をしていた。そしてその結果、彼はもはやヴォルケン達が幾ら足掻いても手の届かない域に達していた。なのに彼は今の強さに物足りなさを感じており、その欲望を埋めるために更なる自己研鑽を行い、自分が何処まで強くなっているのかを比較しては無邪気に喜んでいた。そして更に実を言うと、彼はある禍々しい存在がいることを知っており、その存在が己の欠片を取り込んだ本来の姿の超兵器達や尖兵を全部連れてきて自分に決戦を挑んでも、鎧袖一触で一網打尽にしてしまうほど、いやそれを通り越して強くなってしまっていた。
それはさておきとして、キリシマは彼の圧倒的、いや一方的な強さに加えて異常なまでに無常識な強さの欲求に当初は唖然としていたが、今ではこんなことが日常茶飯事なのでただ溜息だけしか出なかった。
そして彼女に出来ることはというと、彼を暴走させすぎないようにコントロールすることぐらいだった。まあ彼にもある程度の良心はあるので、少なくとも味方を好き勝手に使いまわして使い捨てにするということは無いのだが…。
「一応、投降する意思が出てきたら攻撃を止めてくれないか?お前は一度戦闘になると敵に破滅的な死か自分の玩具にして弄りまわすこと以外の選択肢を認めようとしないからな…。少なくとも相手を玩具にして弄くり回すことは控えてくれ。」
「…はい。(笑)」
敵に徹底的に止めを刺すということ自体は間違ってはいない、敵に甘いとかえって災厄になってしまうことが多いからだ。だからと言って敵が不戦の意思を示しているのにも関わらず殺してしまうのはさすがに非情すぎるところもあった。
そしてリヴァイアサンの後方にはスキズブラズニルとヤマト、タカオが、彼の前方には401がいた。このうちタカオは色を赤から蒼に染めかえていた。というのも…。
「タカオ、お前は何で色を染め変えたんだ?」
「あ…あなた達がみんな青色だから私もそうしてみようかなって…。」
実はタカオはリヴァイアサン=海神智史やヤマトが蒼き鋼に加わった際に彼らの色が青色系列だったことをヒュウガに突かれてどうせならあんたも蒼き鋼に加わってみなよと言われたのが動機で艦色を蒼にしたのだ。
ともあれ蒼色一色となった蒼き鋼はトラック沖へと突き進んでいくーー
ーー超巨大双胴航空戦艦オウミ(近江)の独白ーー
元の世界で私は、大日本帝国海軍、戦艦大和の艦娘としてこの世に生を受けた。
「大和型戦艦1番艦、大和、推して参ります!」
私は「最強」としてこの世界に群がる深海棲艦を片っ端から蹴散らす為に生を受けた、筈だった。
「燃料や弾薬を沢山食う能無しは出したくねえ」
「おら、もっと働けえ!」
だが現実は残酷だった、私は提督という指揮官達に能無しと罵られて海に出られず、装備を破損しても満足な修理や補給が貰えなかった。しまいには提督達に片っ端から輪姦され、望んでいない他人の子を孕まされてしまった。
「沈メ!」
「嫌あぁぁぁ!」
そして深海棲艦の各海域での大反抗、通称「タイダルウェブ」によって各地の艦隊は次々と蹂躙され、殲滅されていった。私も必死に抵抗したものの、圧倒的な物量、そして十分に戦えるような状態ではなかったこともあって、私は深海棲艦の猛攻の前に身を削られて沈んでいった、お腹の子の生死も分からぬままにーー
「い…生きてる、はっ!」
気がつくと私は巨大な軍艦の上で倒れていた、そして最後に戦った際につけていた艤装はこの体には付いていない、そして私からは艦娘としての気配が無くなっていた、だがーー
「未確認の巨艦を発見、撃沈します。」
「アドミラリティコードに従わざるものは撃沈する。」
突如として私は複数の潜水艦隊に取り囲まれていた、それも深海棲艦ならざる気配をもつ者達に。
「い、嫌…殺さないで…。」
私は自分が何者なのかを知ることなく再び殺されるのかと思った時であるーー
「待て、その娘は助けてやれ。こちらを攻撃する意思はない。それに生を望んでいる。」
「霧ならざる者を助けるというのか?」
「そうだ。」
「402、そこまでです。あなたが出てくるのなら我々はこの件に関してはこれ以上の口出しはしません。ですがもしこの艦がアドミラリティコードに従わざるものならあなたを艦体旗艦から解任します。」
「そうはさせないさ。この娘には我々に反旗を翻す気配はないからな。」
私は非常に巨大な艦の、人の形をした艦魂のような存在に助けられた。
「あ…ありがとうございます…。あなたは…?」
「霧の究極超兵器、超巨大戦艦ヴォルケンクラッツァーのメンタルモデル、ヴォルケンクラッツァーだ。ヴォルケンと呼んでくれ。ところで、お前はオウミか?」
「え…?私は大日本帝国海軍大和型戦艦1番艦、大和の艦娘ですが…。」
「艦娘?なんだそれは?まあいい、お前は見知らぬ世界からオウミに生まれ変わったのだな。現に私の方にお前の識別IDは超巨大双胴航空戦艦オウミ、と表示されている。お前はそのメンタルモデルなのだろう、サークルを出してみろ。」
「は…はい。」
そして私は彼女に言われるがままにサークルを出したーー
「で…出た、私を囲んでいるピンク色の輪っかみたいのがそれなのですか?」
「そうだ、これはメンタルモデルが通信や状況をモニターに出したい時に出すものだ。ようこそ、オウミ。我が霧の太平洋艦隊に。」
ーーそう、私は大日本帝国海軍、戦艦大和の艦娘ではなく、超巨大双胴航空戦艦、オウミのメンタルモデルとしてこの世界で第2の生を送るのだ、誰からも虐げられることなく。
「は…はい!よろしくお願いします!」
のちにあの潜水艦の2人はイ400型の2隻、400と402だということがヴォルケン様から伝えられた。彼女達は自分達の持っているコアではメンタルモデルを生成できず、超戦艦ムサシから演算能力を分けてもらうことでメンタルモデルを生成しているらしい。
ともあれ私はヴォルケン様に手伝ってもらい、様々な霧の超兵器達やモンタナさん達とも仲良くなれた。ときおりナガトさん達の東洋方面艦隊群に派遣艦隊として派遣されて人類の抵抗を潰す戦闘にも参加した、そこでの共同作戦でナガトさんはもちろんのことハリマやアラハバキとも友達になれた。人類を海洋からなぜ駆逐しなければならないのかということに疑問を抱きはしたが、元々私は提督達に色々されたせいか人類にいい印象を持っていないし、それにヴォルケン様や同僚達とも仲良く暮らせていたので海洋封鎖を行いつつ幸せに暮らせている、そんな日々が続くと思っていた、しかしそんな日々は突然として打ち壊される。
「ーー未確認の巨艦が出現したらしい、戦闘能力は非常に高いらしい。」
「リヴァイアサンを撃沈しに向かった400と402の潜水艦隊は逆に返り討ちにされ、次々と東洋方面の巡航艦隊群が壊滅させられているようだ。」
「ナガトさん達はリヴァイアサンにみんな殺されてしまったんですか…?」
「分からない、だがナガト達からの戦闘の会話記録を見ると奴はナガト達の攻撃を悉く無力化して、ナガト達を一方的に殲滅したらしい。」
「そ…そんな…。アラハバキ達まで殺されてしまったのでしょうか…。」
突如として出現した霧の究極超兵器、超巨大戦艦リヴァイアサンは自身を始末しにきたあの潜水艦の2隻の潜水艦隊を軽く始末すると、圧倒的、いや一方的な強さで次々と東洋方面艦隊群を始末していった。アラハバキ達はナガトさんの連合艦隊とともにリヴァイアサンに決戦を挑んだものの、ナガトさん達の決死の攻撃は悉く通用せず、リヴァイアサンが放つ攻撃は彼女達の防御を軽々と粉砕して次々とナガトさんの部下達やアラハバキ達は容赦なく討ち取られていった。その際にリヴァイアサンはナガトさん達を嬉しそうに嬲り殺しにしていったのだ。そしてリヴァイアサンは私達を滅ぼす為に巨大な基地を創り上げて、そこから繰り出される破壊の尖兵によって東洋艦隊が殲滅された。更にヒエイがナガトさんの敵討ちとしてリヴァイアサンに大艦隊をぶつけたものの、逆に軽々と蹴散らされてしまい、ヒエイも行方が分からないという。あまりに一方的な暴力の前に私は恐怖で一杯になり、ヴォルケン様もリヴァイアサンに追い詰められてムサシに頼んであるものを自身に組み込んだという。それはヴォルケン様に圧倒的な力を与える代わりにヴォルケン様から理性を奪い取り、ただ破壊だけを求める存在に変えてしまう代物だった。私に出来ることは滅びの定めから逃げるために自身を磨くことと、無常識な迄に力を持つ存在に滅ぼされないように神に祈ることしかなかったーー
ーーそしてリヴァイアサンの拘置室では。
「無茶苦茶な迄に強いなぁ、智史は!でも私は全力を尽くせて戦えたから悔しくない!今度完璧な状態では会ったらお前に再戦を申し込んでやるっ!」
「アシガラは楽しいのね、彼と戦うことが。私達はとんでもない化け物に出くわして散々な目に遭った挙句ここに放り込まれたというのに。」
「殺されないだけ良かった〜。でも彼がとんでもない化け物と気づかなかった私達はバカ姉妹じゃん…。」
「あれは霧を越えた存在なのか…?それとも、絶対神に等しい存在なのか…?」
「ムサシ様…。このような事態になってしまって申し訳ございません…。そして、奴が作る料理はなんて美味しいのでしょうか…❤︎」
智史特製の讃岐うどんの麺を使った肉うどんを美味しそうに方張りつつ、そのような会話をする霧の生徒会のメンバー達。彼らの会話には後悔と不安、生き残れた喜び、全力で戦えた喜びが入っていた。何れにせよ霧の風紀を守ろうとする気配は薄れつつあった、だって霧の風紀を守るべき彼ら自身がリヴァイアサン=海神智史によって散々に打ち負かされてしまったのだから。そして智史はそんな光景を監視カメラでこっそり見ており、そして腹を抱えて大笑いしていた。
「無様だな、ヒエイ。」
「はっ、コンゴウ⁉︎」
透明な拘置室の扉の向こうに立っていたのはクマの姿をしたコンゴウだった。
「奴にコテンパンにされた挙句美味しそうなものを食べさせられるとはな。奴にいいように弄られている貴様は堕落したとしか言いようがないほど無様だ。」
「コンゴウ、彼にクマにされたあなたこそ無様です!」
そう軽く言い争う2人、しかしヒエイを弄っている張本人がそこに現れる。
「智史か。ムサシに概念伝達で呼びかける気か?」
「まあそうだ、コンゴウ。ヒエイ、お前もヤマトやイオナと一緒に連れて行ってやる。」
「な、なんですって⁉︎」
そして彼は概念伝達を使いムサシに呼びかけるーー
ーームサシの概念伝達空間ーー
そこの空間色は暗黒のような黒で、天地上下がない空間で階段のようなものが上下左右に駆け巡っていた。
「ムサシ様…。」
「ムサシ…。」
「来たか。」
彼がそう呟くと彼らが立っている階段に人ならざる美しい銀髪をした黒服の幼女が立っていた。
「あなたが、リヴァイアサンね…?」
「そうだ。」
ムサシは彼を見てそう言う、そして智史はそうだと返す。
「ムサシ様、申し訳ございません、あの者に敗れてしまいました…。」
「もういいわ。あなたは彼に壊されて霧ではなくなってしまったから…。」
「ムサシ、それはどういうこと⁉︎」
「ヤマト、ヒエイは彼に変質させられてしまった。霧はただ一つのリズムを保っていればいい。そして私達は永遠に変化などない既に幸せな状態なの、そこに彼女を放り込めば私達は幸せに無くなってしまう…。ヒエイ、あなたもヤマトと彼と一緒に排除してあげるわ…。」
「お、お待ちください、ムサシ様…。私達はこれからどうすればいいのですか…。」
「あなたもヤマトやリヴァイアサンと一緒に殺してあげる…。それまで待ってて…。」
「ムサシ、あなたは自分の仲間すらも変化を起こしたら要らないというの⁉︎」
「霧に変化なんか要らない‼︎霧が変化を起こしたら私達は不幸になってしまう‼︎」
「…うっ…。」
ーー自分が心酔していた存在に見捨てられた気分はどうだ、ヒエイ?
「401…。」
「う…。」
「あなたは知らないでしょうけど、あなたの姉妹を嬉しそうに殺したのは彼よ…。」
「そうだ、イオナ。ムサシ、私が貴様から命を受けた2人から攻撃を受けたからそのまま霧を楽しくぶち殺していった。」
「あなたには慈悲はないの…?」
「味方を思いやる慈悲なら有るさ、だが自分に害をもたらす存在に慈悲をわざわざと掛けてもかえって災厄が増えるだけだろう?そして私は己を磨くことも好きだが、敵をじっくりと苦しめて甚振りながら殺すということも大好きなのでな。」
「あなたは悪魔ね…。私やみんなを苦しめて嬲り殺しにしていくのね…。そして私達から幸せを奪っていくのね…。」
「そうだ。特に私はそういう趣向が今強いのでな。」
「うふふ…そうするといいわ…。そしてマスターシップの破片を取り込んで器を満たした超兵器の子達によってあなた達が断末魔をあげて死んでいくのが目に浮かぶわ…。」
ーームサシ、そのマスターシップがどれほど恐ろしい存在なのかを身をもってじっくりと思い知るがいい。私はとっくに奴を倒せるほどになってしまっているがな。
「マスターシップとは⁉︎」
「ヤマト、あなた達を殺すために私が利用している存在…。リヴァイアサン、あなたがこれまで倒してきた超兵器の子達にはその破片を入れるための器があった。ただ破片自体が入っていなかっただけ…。これからその破片をその子達に入れて器を満たしてあげるわ、そして破壊だけを求める強大な獣と化した超兵器本来の姿をした子達に怯え、泣き叫びながら死んでいくといいわ…。」
「そ、そんな…。ムサシ、やめて!」
「もう遅い…。今からこの子達の1人の器を満たして超兵器として完成させて、破壊の化身にしてあげる…。そして破壊と殺戮が跋扈する光景に怯えるがいいわ!そして、再び永遠に幸せな日々が戻るのよ…。」
そしてムサシの姿が消えるーー
「な…なんてこと…。」
「言いそびれて済まない、私はとっくに気がついている。マスターシップとは世界を破壊し尽くす為に生み出された存在だ。今はまだ目覚めてはいない。だがもしその破片が超兵器として創り出された存在に組み込まれれば強大な破壊の化身が生まれる。また通常の霧に組み込まれたらその霧は破片の力に耐えられずにお陀仏確定。何れにせよこんなものが超兵器の器を満たしたらお前の仲間や人類はお陀仏だ、私抜きと仮定して。」
「そんなものが入れられたら、霧は壊れてしまう、かといってこんな最悪の状態であなたがあんな一方的な力を振るったら霧には破滅以外の道は残されていない…。」
「確かにこんなものが入れられたらお前の仲間達は破滅するか破壊しか求めない破壊の化身と化す道を歩むな。おまけに世界各地の霧は、私の所業のせいで私を恐れて私達が言うことを信用しようとしない、そうなら殺すしかない。どちらにせよ早く自分自身を強くしないと、私が超兵器の奴らも含めたお前達の仲間を美味しくみんなお陀仏にするぞ、ムサシが超兵器の奴らの器に破片を入れようが入れまいがな。」
あまりに脅迫じみた智史の言葉に自身を磨かんと焦るヤマト。
「あんたが滅茶苦茶に暴れるからこうなるんだろ‼︎」
「ヒュウガか。まあ半分はその通りだな。だが会話をして戦いを止めるという道も有ったのに、その道を閉ざして破滅への道を歩ませたのはムサシだろう?」
そう呟く智史。そしてーー
「あなたのせいで、私達は霧で無くなってしまいました…。あなたを憎み、殺そうにももう何をすればいいのか分かりません…。」
「まさに心が支離滅裂だな。まあいいさ、これでお前のカチコチの考えは吹き飛んだのだから。」
「そんなに楽しそうに言わないでくださいっ!私は、自分の心の支えが…もう…。」
ヒエイはそう言うと泣き出してしまった。ミョウコウ姉妹はその光景を悲しそうな目で見ていた…。
「さて、トラック沖にもうすぐ着くか…。情報通り敵艦隊が複数いるな…。よし、機雷を搭載した艦載機群を発進させよう、そして機雷散布を主にして奴らの動きを封じてやる。」
そう言いいつも通りのようにリヴァイアサンの左舷飛行甲板に機雷散布ユニットを搭載したB-3ビジランティⅡやB-70ヴァルキリーを瞬時に次々と生成してトラック沖に向けて発進させる。
彼はいつもこうして艦載機を生成してから発進させている、ではなぜいつもこうしているのか?機体を格納庫から出して発進させることも出来たはずだ。
ーー実は艦載機をいつも多数作りすぎるせいで物理的な意味での収納スペースはすぐに満杯になってしまうのだ。四次元空間にしまってしまうという手もあるが、それだと物理空間的に不自然である。なので彼は任務を終えて戻ってきた艦載機達を元の素材にしてしまうのだ。
ではその素材を再利用して作るという手はあるではないか、いちいち生成するという必要もあるまいし?
ーー彼は艦載機達の素材をそのまま吸収し、自己再生強化・進化システムにそのすべての強化リソースを使ってしまうのだ。そして強化されていくそのシステムによって更に自己強化の速度が上がっていき、彼はますます強くなっていくのだ。勿論そこには物質生成能力も含まれており、彼はその能力も強化していくことで、瞬時に量質共に圧倒的な規模の大軍を作れるまで、いやそれ以上にその能力を強化しまくっていたのだ。
「さて、貴様らにはおとなしくここで待ってもらおう、私が貴様らを修行者達の稽古台に使いたいのでな。」
そしてリヴァイアサンから放たれた艦載機達はトラック沖にいる霧の艦隊を囲むように片っ端から機雷を散布していく。彼らも決死の抵抗を試みるが、あえて反撃させずに攻撃を吸収させ、そのまま自己強化に回してしまうように仕向けておいた。
「ん…?奴ら何か落としていったぞ?」
「激しく攻撃を加えたのに平然としているのはいつも通りか…。だが何でだ?執拗な攻撃をこちらに仕掛けようとして来ない…。」
「奴らこれまでは凄まじい規模の攻撃を仕掛けてきたのに…。今回は不自然なほどあっさりとしているな」
リヴァイアサンのこれまでの戦い方を見ていた霧は彼の艦載機達の不自然な行動に疑問を抱く、そして彼らが進んだときーー
ーーズグァァァン!
ーードガァァァン!
「な、何の攻撃だ⁉︎」
「こ、これは自走するタイプの侵食機雷です!」
一定範囲内に入った彼らを探知した自走機雷は次々と彼らに襲いかかる、幸い攻撃の規模は以前と比べると大きくはなかったものの、それでも被害は甚大だった。軽巡洋艦や重巡洋艦が何隻か沈められ、2割近くが航行不能になり、残る艦も大半が航行に支障をきたしていた。
「奴ら、我々の動きを封じる為に機雷を散布していたのか‼︎」
「やられた、このままだとじわじわと嬲り殺しにされるぞ…。」
しかし、リヴァイアサン、もとい智史はある目的の為にこの攻撃の規模をあえて抑え、自らは積極的な手出しを控えていた。
「さて、稽古の時間の始まりだ。作戦行動開始!」
「了解した、行くぞ、イオナ!」
「了解」
そしてそんな彼らに401、タカオ、ヤマトが襲いかかる。
彼によるイオナ達の為の稽古タイムが、ついに始まったのだーー
今作の敵超兵器紹介
超巨大双胴航空戦艦 オウミ
全長 1100m 艦幅350m 全幅 500m
基準排水量 6200000t
最大速力 水上 1500kt 水中 800kt
武装
85口径91㎝3連装砲塔 2基
90口径80㎝3連装砲塔 3基
60mm3連装機銃 120基
4連装大型侵食弾頭ミサイル発射機 6基
30㎝48連装噴進砲 60基
多弾頭クラスター侵食爆雷発射機 6基
各種ミサイルVLS 4000セル
61㎝各種魚雷発射管 150門
クラインフィールド、強制波動装甲、ナノマテリアル生成装置搭載。
説明
双胴の航空戦艦。一見すると地味に見えるが、戦闘能力は超戦艦級を上回る。メンタルモデルは前世では艦隊これくしょんの戦艦艦娘として登場した戦艦大和。深海棲艦の大反抗を食らって海に沈んだところ、オウミのメンタルモデルとして生まれ変わった。元の世界の各鎮守府から酷い扱いを受けたため極度の人間不信になっており、人間と関わりあうことを極度に忌み嫌う。またリヴァイアサン=海神智史に霧の超兵器の仲間を一方的に次々と惨殺されたために彼を極度に恐れている。
なお自分を助けてくれたヴォルケンクラッツァーやモンタナ達に対しては心を許せているようだ。