バカが見滝原にやってくる   作:クルクル舞朱雀

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遅くなりました!
楽しみになさっている方たちには申し訳ありません。
きちんと完走するのでどうか温かい目で見守って下さい。

これEpisode26まで行かないなぁ…。

それでは、Episode22始まります!


Episode22 いつだって波乱ヴァン丈 行動編

ほむらは夜の見滝原を歩いていた。

町を調べる前に、まずは美国織莉子を探すほうが優先だった。

 

(彼女の魔法なら、この異変に気付く筈。だけど動きがないということは、気付いていないと思っていい…)

 

彼女はまだ何も手がかりを掴めていなかった。

そんな時、町中で土だらけのマミを発見する。

 

(念の為、聞いてみるかしら)

 

ほむらはマミに声をかける。

 

「あら、暁美さん。どうしたの?こんな時間に」

「私としては、そっちの状況が気になるのだけれど…。いえ、少し聞きたいことがあって。美国織莉子という女性を知っているかしら?」

「知っているも何も、美国さんは白女の学校でウチに耳が入る程有名よ。何でも、とても綺麗で優しい人だとか」

「彼女が、そんなに…?」

 

聞いたことのない情報で、一瞬ほむらは理解が追いつかなかった。

確かに、白女の学校は良家な家庭の子が集まるお嬢様校だ。

だが、全てを思い出したほむらには、織莉子がここまで有名になっていることは一度もなかった。

 

「それで、彼女の居場所は分かるかしら?」

 

織莉子が本当の世界で住んでいた家は、確かにあったが、住んでいた人は違っていた。

これに関しては、地図を見ただけでは判らなかった為、ほむらは手がかりが無いままとなった。

 

「それが私もよく知らないの。ごめんなさい」

 

マミは首を横に振る。

 

「いえ、こうして情報を聞けただけでも十分よ。ありがとう、巴さん」

 

そうして二人は別れる。

居場所は分からなかったが、情報が一切無いよりは良い。

ほむらは再び、織莉子達を探し始めた。

 

0時を過ぎた頃、人通りの無い道を、ほむらは歩いていた。

すると突然、背中に刃物を突き付けられる。

 

「…!?」

 

ハッと振り向くと、そこには爪を出しながらケラケラ笑うキリカがいた。

 

「久しぶりだね、元気にしてたかい?」

「呉キリカ…」

「私達を探してたんだろう?織莉子なら私が案内するよ、付いて来て」

 

そう言うと、キリカは闇の中に消え、慌ててほむらは彼女を追いかけた。

 

着いた場所は、町の外れの森。

そこには久々に見る織莉子の姿があった。

 

「お久しぶりね、暁美ほむらさん」

「その様子だと、この異変にも気付いているようね」

「とはいっても、気付いたのはつい先日なのだけれどね」

 

どうやら織莉子達は、ほむらより少し先に気付いていたようだ。

 

「気付いていながら接触が無かった理由は?」

「眼鏡の貴女に言っても理解されないでしょう。だから元に戻るのを待っていました」

「それが今だと?」

「ええ、そうよ」

 

織莉子は暗闇の中に微笑を浮かべる。

 

「しかし、私達はただ気付いたのではありません。知ってしまったのです。この世界が何なのかを…」

「……!」

 

ほむらの頬にヒヤリと汗が流れる。

 

「暁美ほむら、もしかして薄々と感づいていたかもしれないけど、ここは…」

 

 

 

「ヴァンの記憶の中の世界です」

 

 

 

翌日、ほむらは学校の屋上で、まどか達と昼食を取っていた。

 

「やあ、まどかさん。僕にそのおにぎりをわけてくれないかい?」

「うぇ〜!?うぅ……。」

 

相変わらずの棒読みと低い声と紳士的な態度で皆に接するキュウべえ。

ほむらはその様子を見ながら昨日のことを思い出していた。

 

『記憶の中の世界…?』

『ええ。ワルプルギスの夜を倒した時を覚えていますか?』

『薄っすらとだけど』

 

肯くほむら。

 

『あの時、私は皆さんよりも少し離れていた。そのお陰で何が起こったのか、ハッキリと見る事が出来ました』

『詳しく聞かせてもらえるかしら?』

 

織莉子はゆっくりと説明を始めた。

 

『ヴァンさんの周りに結界ができ、黒い渦が全てを呑み込み始めた時、その中心がヴァンさんの結界へと集まっていくのを見ました。そしてその時、あの白い獣が目を光らせているのも……』

『やはり、インキュベーター!』

 

ほむらは苛立ちからギリ、と唇噛みしめる。その唇から赤い血が垂れてしまっていた。

 

『それだけではありません。私が呑み込まれる瞬間、視えたのです。一瞬だけですが未来を』

『その未来は、インキュベーターが、ヴァンの感情エネルギーを制御してしまっているという未来さ』

『っ!!』

 

あまりの驚きに目を見開くほむら。

 

確かに、ワルプルギスの夜との戦いで覚醒したヴァンの感情エネルギーは凄いものだった。

少なくとも、魔法少女が魔女になる瞬間に発生するエネルギーの十倍はあるだろう。

しかも、その源は“愛”だ。

その愛の塊であるヴァンの感情を制御出来れば、宇宙の寿命を延ばす事は難しくない。

魔法少女のシステムが要らないレベルにまで達する。

しかしそんな事はほむら、いや、彼女だけではない。織莉子達にも許せる事ではなかった。

 

『あの人がいなければ、私達は希望が無いまま終わっていたことでしょう。その希望を作るキッカケを生んだのは彼です。その彼をあの嘘つきの思い通りにさせるわけには行きません』

『だよね。今の私の織莉子への愛があるのはあいつの愛のお陰なんだ。その愛を拘束するなんてことは許されないよねぇ?』

『それじゃあ、あなた達…』

 

ほむらが恐る恐る聞く。

 

『察しの通り、私達はあの嘘つきの計画を潰します。貴女は、どうしますか?』

 

その問いに、ほむらは髪をかき上げ答えた。

 

『……当然よ。これ以上、あいつの思うようにはさせない!』

 

互いの目的が一致し、ほむらと織莉子の二人は向き合う。

そして、お互いの手を固く握ったこの時、叛逆の狼煙が上がった。

 

 

 

 

 

「……らちゃん、…むらちゃん!ほむらちゃん!」

 

まどかに呼ばれ、ハッと気付くともう放課後だった。

どうやら、ずっと昨日のことを思い出していたようだった。

 

「どうしたのほむらちゃん?ボーッとしてるなんて珍しいね」

「もしかして、昨日夜更ししてたんじゃないの?」

 

さやかが茶化してくる。

 

「いえ、別に居眠りをしていた訳ではないわ」

 

カバンを持ち立ち上がるほむら。

 

「さ、帰りましょ?カフェに寄るんでしょう?」

「そうだった。お金足りるかな〜?」

 

ほむらは昨日の事を伝えなかった。

昨日の織莉子達との話で、まどか、さやか、ゆま、ヴァンの四人には計画を阻止する当日に伝え、マミと杏子の二人には近い内伝えるという方向で決まっていた。

 

少しでもキュウべえにバレる危険性を考慮した上での決断だ。

 

(まだやるべき事はある。次は、あの時計の塔の調査ね)

 

 

 

 

日曜日、ほむらは織莉子とキリカとの二人

と共に時計塔の探索をしていた。

 

「織莉子〜。この塔迷路みたいで私の頭がパンクしそうだよぅ」

「そうね…」

 

今の所、何も収穫がない。

 

「確かに、理解し難いわ…。何故これがこの町に存在しているのか全くわからない」

 

ほむらも頭を悩ましていた。

 

「何か視えないのかしら?」

「ごめんなさい、今はまだ何も……」

 

少しほむらは黙り、考え始めた。

 

(ここはヴァンの記憶の中。ということは何かこの塔がヴァンの中でインパクトが大きいからある筈。または、この塔のモデルが……)

 

そこでほむらはある一説を思い付く。

 

(または、この塔がこの世界の核を担っていると考えれば?)

 

この疑問を、織莉子に聞いてみることにした?

 

「なる程…。確かに、この塔は立体パズルの様な形をしていますね。この塔とヴァンの意識が繋がっている…」

「その可能性はあるわ」

 

ほむら達は、今は何も反応を示さない時計塔をただジッと見つめていた。

 

 

 

 

 

「…その話、本当なの?」

 

ファミレスにて、マミが織莉子とほむらに聞く。

 

「その通りです。この世界はヴァンの記憶によって生まれた世界。そしてその元凶はキュウべえ、いや、インキュベーターなのです」

 

その話を聞き、杏子が納得したような顔をする。

 

「なる程ね…。だからか。確かにヴァンは風見野を知らねぇな。なら、この世界で風見野がある筈がねぇ」

「この事はヴァンさん達には?」

 

ほむらは首を横に振る。

 

「いえ、まだよ。恐らくだけど、ヴァンが真相を知った時、この世界は崩壊するわ。だから、全ての準備が整うまで待ってくれるかしら?」

「そういうことなら、分かったわ」

「ああ、それで良いぜ」

 

杏子も頷く。

しかし、杏子にはまだ疑問が一つ残っていた。

 

「しっかし、あたし達の記憶は何時になったら戻るんだ?」

「私のは偶々だけど、きっとそれも、この世界が崩壊してる時に戻るでしょうね」

 

その話を聞き、杏子は少しガッカリする。

 

「ちぇ。当日までお預けか〜。ま、良いけ

ど」

「巴マミとあんたなら大丈夫だと思うけど、くれぐれもあの獣に知られるなよ?そしたら全てがパーだ」

 

キリカが念を入れる。

 

「分かってるよ。んで、当日の場所は、あの時計の塔で良いんだよな?」

 

杏子は時計塔を顎で指す。

 

「ええ、問題ないわ」

「それでは皆さん。連絡は私の方から致しますので…。実行予定は恐らく、三日後になると思います」

「三日後か、楽しみだな」

「もう、遊びじゃないのよ?佐倉さん」

「わかってるって」

 

杏子がコーラを一気に飲み干す。

そこでキリカが場を締める。

 

「それじゃ、解散!」

 

代金を置き、一人一人出て行く。

 

「あ、織莉子。ちょっとトイレ」

「飲み過ぎよ」

 

その場に残ったのはほむらと織莉子だけであった。

 

「……しかし、驚いたわ。貴女がこの世界であそこまで有名だったなんて」

「あれは全部キリカの仕業よ。織莉子の優しさは宇宙一だとか……」

 

苦笑しながら言う織莉子。

ああ、とほむらは納得してしまった。

 

その時のほむらの表情は、とてもかつて敵対していたとは思えない程、柔らかいものだった。

 

 




幕間劇 対談!まどかとウェンディ

ウェンディ「それじゃあ始めます」

まどか「は、はい!」

ウェンディ「あ、この幕間劇では本編と一切関係ないのでそこのところよろしくお願いします」

まどか「司会はほむらちゃんです」

ほむら「よろしく。それでは早速、まどかからウェンディさんへ何か質問を」

まどか「へ!?私からかぁ…。あ、あの!ヴァンさんの辛さってどれくらいが一番好みなんですか」

ウェンディ「あ、用意したので食べます?」

まどか「あ、じゃあ折角なので…パク」

まどか「辛ーーーーーい!!」

ほむら「まどかの辛ーーーーーい、頂きました」

ウェンディ「ふふ、これぐらいがヴァンの好みなんです。あ、ほむらさんも食べます?」

ほむら「見てるだけでいいわ」

ほむら「それでは次、ウェンディさんからまどかへ何か質問を」

ウェンディ「聞くことは最初から決まってます」

ほむら「あら、意外」

ウェンディ「正直、彼の世話、面倒くさいですよね?」

まどか「……………はい」

まどか「あ、でも最近はマミさんのお陰で良くなってきたかな〜っていうかなんて言うか……」

ウェンディ「私の場合は、もう慣れたというか……」

まどか「最初なんて窓って呼ばれてましたし…」

ウェンディ「私より出会う前のカルメンさんだって最後でようやく名前覚えてもらってましたし…」

まどか&ウェンディ「うーん……」

ほむら「さて、まどか達が頭を抱えた所で次の話題。ヴァンの好感が持てるところ。はい、鹿目さん!」

まどか「先生の真似だ……。えっと……うーんと……約束は何だかんだ言って守る所?」

ウェンディ「復讐が終わって、やることが無いからかもしれませんね」

ウェンディ「私もそういうヴァンの一面を見てみたいなぁ。いや、でもそんな変わんないかも?本質は一緒だし…」

ほむら「次、ウェンディさんからまどかへ」

ウェンディ「えーと、一途なところでしょうか。エレナさんに」

まどか「私、詳しく知らないんですけど…」

ウェンディ「例えば、超ボンキュッボンなエロいお姉さんの誘惑に対して、童貞だって拒否したり…」

まどか&ほむら(童貞だったんだ……)

ウェンディ「そういえばここのヴァン、一回も童貞宣言してないわ」

まどか「誘惑するエロいお姉さんがいないからだと思います」

ほむら「真理ね」

ほむら「最後になるけど、何か伝えたいこととかあるかしら?はい、まどか」

まどか「えーと、今度会う時、仲間の事とか教えて下さい!」

ウェンディ「いいですけど、長いですよ?」

まどか「それくらいが丁度いいです」

ほむら「それじゃあウェンディさん」

ウェンディ「ヴァンの事、よろしくお願いしますね。彼、下手すると不審者と思われるので」

ほむら(もう思われているなんて言えない……)

まどか「はい!」

まどか(とても同年代には思えない……)

ほむら「といっても、本編には反映されないから」

まどか「それ言ったら本末転倒だよ、ほむらちゃん!」







やっぱ、ガン×ソードさん並にぶっ壊れてないといけない、そんな気がした。
ご意見、感想お待ちしております。
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