バカが見滝原にやってくる   作:クルクル舞朱雀

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お久しぶりです、そして遅くなりました。

この話を合わせて残り二話です。

ヴァン達の物語もうすぐ終わりです。この後のことはどうしようかまだ考えていませんが、動画でも作ろうかと思います。
ニコニコ動画で何か作りたいですね。

あ、今回は久々におまけで彼女達が登場します。


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今更ですがTwitterのアカウントです。
もし宜しければ、気軽にメッセージでも下さい。

それではEpisode23始まります!


Episode23 いつだって波乱ヴァン丈 夜明編

作戦当日、ほむらと織莉子から伝えられた真実はさやかたちを混乱させていた。

 

「えーと、よくわからないんだけど、つまりこういう事?ここは偽物の世界で、これからやることは元の世界に戻るっていう…」

「ええ、そうよ。だからその手伝いをしてほしいの」

「それが本当なら大変だけど…でもどうやって?」

「いえ、そろそろ起こる筈よ。ねえヴァン、何か感じない?」

 

ほむらがヴァンに聞く。

しかし、彼は理解していなかった。

 

「知らん。大体、なんで俺に聞くんだ」

「っ!?」

 

推測通りに行かず、思わず焦るほむら。

一体何が足りなかったのか、必死で考える。

 

(自分の仮定が間違っている?いや、そんな筈はない。でなければここから脱出する方法が…!)

 

その時、織莉子からテレパシーが送られてくる。

 

(貴女、もっと根本的な事を忘れているわ)

(…それは?)

(彼にそんな理論じみた、しかも記憶の中世界なんておとぎ話、理解しないでしょう)

 

ほむらは頭にビルが落下してきたような衝撃を受けた。

 

(そうだったわ…。ヴァンがそんな話簡単に理解する筈がなかったわ…)

 

ヴァンは本能的なものに対して理解が早いが、理論じみたものはてんで駄目だった。

 

ほむらは分かりやすくヴァンに説明する。

 

「よく聞いて、理解して。ここはあなたの記憶を元に作られた世界なの」

「ああ」

「その根拠は、先日あなたが旅した場所とこの町の外が似ていると言っていたこと。でも本当は違う。これはわかる?」

「おう、何となくだが…」

 

何となく分かれば十分だ。

ヴァンにはここが違う世界だという事を理解させればいい。

 

「二つ目、この町には本来はないものがあるという事。あの塔が主な例ね。三つ目、皆が織莉子を魔法少女だということを忘れていた事。あなたは憶えていた?」

「いや、その、あー……」

 

ヴァンは織莉子達をチラッと見る。

 

「安心してください、怒りませんから」

「………すみません」

 

忘れていた。

 

「四つ目は織莉子が見た未来よ」

「あの野郎が俺の体を使って変な事しようとしてるんだったか?そこだけはわかった」

「ええ。キュウべえはあなたの感情エネルギーを利用しようとしているのよ!」

 

ヴァンは頭の中で順に説明された情報をまとめていくが、面倒くさいので必要なものだけを選び、後は全部捨てた。

 

「あ〜、要するにあれか?悪いのは全部こいつだって事だろ?」

 

ヴァンが白い生物を持ち上げる。

キュウべえだった。

 

「キュウべえ、いたんだ……」

 

まどかが素っ頓狂な声を上げる。

 

「そうよ。過程をすっ飛ばして結論に辿りいたわね」

 

その時、ほむらの携帯から着信音が鳴った。

マミからだ。

 

『暁美さん、こっちは準備OKよ』

『ちゃっちゃと始めようぜ』

 

杏子の声も聞こえた。

 

「ええ、分かったわ。直ちに実行するわ」

 

そう言い電話を切る。

 

「本当に良いのかい?暁美ほむら」

 

キュウべえが口を開く。

その声は、以前の様な低く紳士の様なものではない、皆が聞き慣れたものになっていた。

 

「何が?」

「この世界は君が望んだ世界にとても近い。その世界をみすみす逃すような事をして、君は本当に後悔をしないかい?」

「しないわ。する筈が無い。そんな事より、私はお前がヴァンの身体を利用している事が許せない!」

 

銃を向けるほむら。その先はしっかりとキュウべえの頭を捉えていた。

 

「…………」

「……君は変わったね。最初のマミたちと敵対していた頃が嘘のようだ」

「それが人間よ。お前達とは違うわ」

「やれやれ。ヴァン、君は本当にイレギュラーな存在だ」

 

次の瞬間、キュウべえの頭が吹き飛んだ。

 

「さあ、始めるわよ」

 

ほむらは振り向くが、そこにヴァンの姿は無かった。

 

 

 

 

塔で待機している杏子とマミは、双眼鏡で下の様子を見ていた。

 

「ほむらがキュウべえを撃った。スタートの合図だ」

「OK!それじゃ始めるわよ!」

 

マミは真上に向けて巨大なマスケット銃を構える。

 

「ティロ・フィナーレ!」

 

ここがヴァンの記憶とキュウべえの結界によって作られた世界なら、この空は偽物だ。

元に戻すため、その結界を破壊する。

しかし、そう簡単に壊せるものでは無かった。

 

「くっ、頑丈ね!でもこうやって攻撃を続けていればいずれは…!」

 

諦めず撃ち続けるマミ。

少しづつではあるがダメージを蓄積していった。

 

「ほむら、ヴァンの様子はどうだ!」

 

杏子がテレパシーで確認する。

 

『………居ないわ』

「はあっ!?」

『まどかもさやかも織莉子もキリカもゆまも誰一人気付かなかったみたい。私がキュウべえと話しているうちに……!』

「さっさと見つけて来い!ちんたらやってる暇はねぇぞ!」

 

杏子が怒鳴る。

 

『わかってるわ…!これは私のミスだもの』

 

テレパシーが切れる。

 

 

 

――――――カシャ。

 

ハッと振り向く杏子。

 

「どうしたの、佐倉さん?」

 

マミが結界に攻撃しながら聞く。

 

「……今、この塔動いたか?」

 

 

ほむらは全力でヴァンを探していた。

時間停止が使えたら多少楽だったのだが、それは真実に気付く前の話だ。

この世界の真実を知った以上、もうつい先日のように時間停止は使えない。

 

(どこに居るの、ヴァン……!)

 

テレパシーで呼びかけるが応答がない。

この計画にキュウべえが気付いた以上、杏子の言う通り、のんびりやっている暇はない。

そこでほむらは、未だ元に戻ろうとしない世界に疑問を持っていた。

 

(…何故?何故結界が壊れないの?ヴァンは一応とはいえ、真実を理解した。彼の性格からして、キュウべえに縛られるなんて許すはずが無い。じゃあ何故未だに何も起こらないの……?)

 

織莉子の推測が間違っていた訳ではない。

ただ、何かが足りなかった。

この世界の結界を壊す決定的な何かが。

 

(この世界から出るには、真実を理解するという事による結界の弱体化、そしてその結界への衝撃……。まだ何かあるというの……?)

 

そこでほむらは、キュウべえが求めているのは感情エネルギーという事を思い出す。

 

(……っ!という事はその感情エネルギーを観測値以上に上げ、許容量を超えさせることが出来れば…!)

 

結界は維持できなくなり、自然と崩壊する。

つまり、ヴァン本人の意思、感情が必要であった。

その事に気付いた時、ほむらは塔の方で何かが落ちてくるのに気付いた。

 

「……っ!?あれは……」

 

 

 

 

 

一方ヴァンは、ほむらが捜している所とは別に、塔の真下にいた。

 

「……そういやこの塔の形、どっかで見たことあるような……。何だっけ」

 

自分の記憶を掘り起こすヴァン。

するとその記憶からか、ヴァンの指がパズルを解くように動いていた。

 

「そうだ、あのパズルだ。ガドヴェドから貰って、しばらく解けないでいて……」

 

その指の動きは徐々に早くなっていく。

 

「んでようやくそれが解けて、ウェンディにあげて……」

 

――――カシャ、カシャ。

 

「復讐が終わって、彷徨いてたらまどか達と出会って、んで魔女ってのと戦って……。確か最後はあのふざけた笑い方をする奴と戦って……。あれ?何でこんな状況になってんだ?」

 

――カシャ。

 

最後の記憶とこの状況に至るまでの過程が結びつかないことに気付くヴァン。

 

「つか、あれだけ町が壊れてれば直すのに結構かかるだろ……。てことはあれか、やっぱここは俺の記憶の世界だったのか?まあ、魔法なんてものがあるんだもんな」

 

――カシャ、カシャ。

 

ヴァンは塔の頂上を見る。

 

「……考えても仕方ねぇ!ダンを呼ぶか!外で寝てるなら起きればいいじゃねぇか!」

 

―――カチャ。

 

パズルが完成したかのように塔の動きが止まる。

すると、塔の頂上から金色の文字板が出てきた。何て書いてあるかは、読めなかったが。

 

ヴァンは帽子の輪っかを反対にして蛮刀をVの字に斬り出した。

 

 

 

 

 

「ティロ・フィナーレ!ボンバルダメント!」

 

マミが結界に衝撃を与え続け、遂に結界にヒビが入った時、それは起こった。

 

「はぁ……はぁ……え?」

 

下から与え続けてきた衝撃が今度は上からも来た。それもとても巨大な。

 

ガキン、と音がしたかと思うと、空の結界のヒビがどんどん広がっていった。

 

「え?え?何が起こってるの?」

「マミさん、これは!?」

 

さやか達が駆けつける。

 

「わ、私じゃないわ!」

 

そしてそのヒビが遂に耐え切れなくなり、崩壊した。

それと同時に、巨大な大剣が落下してきた。

 

 

「こ、これは………」

「来たわね、ようやく……」

 

その時、結界が崩壊し始めたことにより、少しずつ皆の記憶が戻り始めてきた。

 

「思い出した!!」

「私も!あぁ〜、何でこんな大事なこと忘れてたんだろ」

 

その時、ゆまが叫ぶ。

 

「下!下にヴァンがいるよ!」

 

皆下を覗き込む。

 

「あ、本当だ」

「ダンもある。どうやって呼んだんだろう?」

「大方、この世界は二重結界で創られていたみたいだ。その二つの結界の間にダンのベースが入り込んでたんだろう。ただ、それに気付かなかっただけさ」

 

キリカが推測を立てる。

 

「え、じゃあヴァンの奴がその気になればわざわざ調べなくても何時でも出られたって事かよ?」

「多分そうでしょう。とんだ回り道をさせられたわ」

「文句は全部キュウべえに言ってやりましょう」

 

 

 

ヴァンはダンのコクピットに乗り、蛮刀を突き立てる。

 

「………やっぱダンに乗ると落ち着くな」

 

動かし、ダンを立たせる。

大刀を上へと掲げ、ヴァンは叫ぶ。

 

「エレナァァァーーーーーーーッ!!!」

 

ダンの目が光り、機体の周りからエネルギーが発生する。

 

オーバーフロウ。

 

それにより発生したエネルギーは穴が空いた結界へと向かい、二重になっているもう一つの結界を突き破った。

エネルギーの範囲は少しずつ広がり、やがて二つの結界を崩していく。

 

「結界が……!」

「あんな簡単に……」

 

結界があらかた崩れると、上には大きなキュウべえの顔がこちらを覗き込んでいた。

 

「キモっ!」

 

さやかが思わず引く。

 

「脱出は目の前ね」

「あ、ほむらちゃん!」

 

まどかが、ダンに近づくほむらに気が付く。

ほむらはダンの肩へと乗ると、ヴァンに話しかける。

 

「ヴァン!聞こえる?」

「お、ほむほむじゃねぇか!何か用か?」

「何か用かじゃないわ。どれだけ探したと思っているの!」

「……すみません」

 

ほむらはヴァンに指示を出す。

 

「まあ、良いわ。結界は崩せたんですもの。いい?ヴァン。ダンをあのキュウべえの顔目掛けて飛んで!」

「無理だ。ダンはそこまで高く飛べない」

 

ダンの飛行には距離も高さも制限がある。

 

「変形すればいいわ」

「変形すればってお前…あのな、勢いが足りないだろ」

「それなら問題ないわ。巴さん!」

「ええ!ちょっと大掛かりだけど…!」

 

マミはボンバルダメントよりもさらに巨大な大砲を出す。

 

「はあっ…はあっ…これならダンを飛ばせるわ!」

「………何でも良い。さっさとしろ」

 

ダンを大砲の中に入れる。

しかし、変形すると肩の部分が引っ掛かってしまう為、結局、人型での発射になった。

 

「さぁ、とびっきりのダン丸、行くわよ!!」

 

マミが引き金を引くと大砲からダンが飛び出す。

二つの穴の空いた結界を抜け、ダンは大刀をキュウべえの顔目掛けて突っ込む。

 

「つぇあああああ!!」

 

ソウルジェムのサイズの結界から出たダンは覗いていたキュウべえの顔を吹き飛ばし、元の大きさに戻った。と同時にヴァンの意識は本物の体へと戻り、意識が回復する。

ヴァンは目を覚ますと、動いていないダンを目の当たりにする。

 

「…上手くいったのか?」

 

周りには、最後見た時と変わらず、ワルプルギスの夜により破壊された見滝原の町。

その時ヴァンは全てを理解した。

 

「分かったぁーーーーー!!」

 

その時、ヴァンの発する感情エネルギーが荒れ果てた見滝原の町を照らした。

次の瞬間、ヴァンが目覚めた事により結界が消え始め、中から追い出されるように外へと放たれるマミ達。

 

「きゃああ!?」

「も、戻ってこれた……」

それだけではない。あの町に居た、全ての人々が元に居た場所へと戻っていく。

その光は数えきれないほどだった。

 

「ようやく夢から覚めた!」

 

 

 

「「「覚めないほうが幸せだったんじゃないかな?」」」

 

 

 

ヴァン達の周りに、無数にも及ぶ大量のキュウべえが現れる。

 

「「「想像以上のエネルギーだったよ。君の感情エネルギーは宇宙を救う切り札になるんじゃないかな」」」

 

「織莉子、とても不気味だ」

「まるで何かのホラー映画のようね」

 

無数のキュウべえは一斉にヴァンに話しかける。

 

「「「暁美ほむらは君を助けるつもりでいた。けどそこに君の意思はない。君だって、長い間復讐に身を捧げてきたんだ。休む事だって君の為になる。復讐し終えて、自分を滅ぼしたら本末転倒だろう?だから………」」」

 

「うるせぇ!!」

 

ヴァンは一喝する。キュウべえは黙るしかない。

 

「さっきから、四方八方から同じこと言いやがって。休む事が俺の為になる?お前に何が分かる!ちょこっと俺の過去を見たからって、知ったかぶりすんじゃねぇ!」

 

一番近くに居たキュウべえに蛮刀を向ける。

 

「これは俺が決めたんだ!エレナでもない、ガドヴェドでもない。俺自身が決めたんだ!その俺が決めた事に一々口を挟むんじゃねぇよ!!」

「ヴァンさん……」

「お前は気に食わない!言葉であいつらを騙して、利用して!今度は俺を騙すつもりか!聞き飽きたんだよ、お前の言葉は!」

 

しかし、感情のないキュウべえにはヴァンの言葉すら通じない。

 

「……何を言っても無駄なようだね。やっぱり君たち人間は理解できないなぁ」

 

その時、大地が震えた。

 

「何、地震!?」

「大きいよ!」

 

近くのビルが崩れる。

 

「始まったね。彼の計画と比べると少し小規模だけど、宇宙の寿命を延ばすには十分だ」

「彼って……?」

「あんた、まさか……!」

 

さやかが青ざめた顔をする。

 

「安心していいよ。彼みたいに人類全てに意志を植え付けるわけじゃない。少し壊して、無かったことにする。誰も損しない良い方法さ」

「生誕祭と同じことをしようというの!?」

「ヴァンがこの世界に来た時から流体はある。その流体を使う為に少し手間取ったけどね」

「何を落とすつもりなの……!」

 

ほむらがキッと睨む。

 

「月さ。けど心配しなくていいよ。さっきも言ったけど、失うものは何もない。誰かの体を使う必要もない」

「その計画の為に、世界に災害を及ぼすつもりなのあなたは!そんなの……許される筈がない!」

 

しかし、キュウべえは一切止める気配がない。

 

「どうしてだい?犠牲になったとしても、全て元通り。恐怖の記憶も無い。さらに君達の辛い記憶も消すことが出来るんだ。それなら魔女化もする心配がない。特に問題は…」

「死んだ人は、もう生き返らないんだよ……」

 

まどかが呟く。

 

「……?何か言ったかい、まどか?」

「いくら元通りになるって言っても、今キュウべえがやろうとしていることは、ここにいる全ての人達を殺そうとしているんだよ。パパもママも、タツヤも……」

「まどか………」

 

まどかはキュウべえの目をしっかりと見据えて話す。

 

「確かに、嫌な事は忘れられたら楽だと思う。死んだ人も生き返ったら、喜ぶ人もいると思う。けど、私はそうは思わない。その辛い思い出があるから、また明日頑張ろうって思えるの」

「まどかの言うとおりだよ」

 

さやかがまどかをフォローする。

 

「人は悔しさをバネにして強くなっていくの。ほむらだってそう。その過去全てが否定されたら、今日までの自分自身が全部無かったことになるんだよ」

 

「確かにな」

 

その声は杏子だった。

 

「もしかしたら、あたしがあんたに頼んなくても、あたし達家族はやっていけたかもしれねぇ。けど、今あたしはあの選択を後悔してない。さやかと出会って、ゆまと出会って、ヴァンとも出会って、少なくともあたしは絶望してない。さやか、ゆま、ヴァン、あんた等のお陰だよ」

 

「えへへ」

「でへへ」

「…俺は何もしてねぇよ」

 

「てな訳だ。あんたのくだらねぇ計画は止める。今を生きる為にな」

 

マミはキュウべえに対し、悲しそうな顔をする。

彼女にとって、キュウべえは数少ない友と言える存在だった。

 

「残念ね、キュウべえ」

「僕もだよ。君ならわかってくれると思ってたんだけど」

「パパやママが戻ってくるのなら、私は嬉しい。けど、その前に私は誓ったの。必ずこの町を守ってみせるって。だからキュウべえ、あなたが計画を続けるというなら、止めるわ」

「そうかい」

「あなたは恩人よ。けど……悪いけど恩は仇で返させてもらうわ!」

 

織莉子たちの決意は既に決まっていた。

 

「二択です、インキュベーター。大人しく計画止めるか、抵抗して体ごと計画を潰されるかの二つ」

「もう止められないよ。僕が計画のキーになっている訳ではないからね」

「そう………残念。キリカ」

「うん、なら邪魔」

 

そう言い、キリカはキュウべえを切り裂く。

キュウべえの言う、嫌な思い出を全て無くすということは、即ち。

 

(友の死を忘れるということ……)

 

(恭介の苦しみも無かったことになる……)

 

(お父様の意志を忘れるという事……)

 

(町を守るという誓いを無かったことにするという事……)

 

(キョーコとの出会いも思い出も無くなるという事……)

 

(今まで織莉子の重ねてきた罪を一緒に背負えなくなるという事だね……)

 

(今ある希望を捨てるって事だ……)

 

(ほむらちゃんの苦労が台無しになるという事……)

 

 

(((これらを無かったことになんて出来ない!!)))

 

全員の気持ちは固まった。

 

「行きましょう、ヴァンさん!多分最後の大仕事よ!」

「ああ」

 

ヴァンの反応は相変わらずだ。

 

迫り来る月を止める為、ヴァン達は行動を開始した。




ウェンディ「ちょっと、これで終わり?」

カメオ「波乱ヴァン丈編はここで終わりですね。次からようやく通常タイトルに戻ります」

ウェンディ「あ、そうなの。じゃあ皆忘れていると思うから…」

ウェンディ「はーい、皆覚えてる?私の名前はウェンディ・ギャレット、略して、ウギャー!!お願いだから略さないでね」

ウェンディ「そして、私以上に忘れられているこの子の名前は亀のカメオ、略してカカオよ〜!!」

カメオ「懐かしいですねぇこの感じ」



ガン×ソードさん☆マギカ 最終回



ウェンディ「え、ちょっと、どういう事よ。復活して早々もう終わりなの!?」

カメオ「何でも作者があの幕間劇をやりたいがためにこのコーナーを休止しましたからねぇ」

ウェンディ「ふざけるんじゃないわ!そんなことの為に、このプリチーでビューティフォーでパーフェクトガールな私の出番を無くすなんて!」ポカポカ

カメオ「ああ、この叩かれてる感じ、懐かしいですねぇ」

ウェンディ「しかも、最終回だってのにこの質素な背景は何よ!」

カメオ「背景と言われてもわかりませんよ」

ウェンディ「ん、なになに?このコーナーは今回、特別なエンディングを用意してるって?」

カメオ「特別なエンディングというと、嫌な予感しかしませんが……」

ウェンディ「で、そのエンディングが準備出来るまで精一杯盛り上げて欲しいとの事。カメオ、あんた一発芸でもしなさいよ」

カメオ「私芸なんて持ってませんよ」

ウェンディ「あるじゃない。赤い水が噴水のように湧き出るとか。こうよ」パンパンパン

カメオ「これは芸じゃありませ〜ん!」ドピュー

ウェンディ「あら違うの?じゃあこれ、人体切断」スパスパ

カメオ「これも違います〜」ピューピュー

ウェンディ「でもくっついてるわ」

カメオ「どうなってるんでしょう」

ウェンディ「さあ?知らないわ」

ウェンディ「ん?え、そろそろいいって?まだそんなに喋ってないわよ!」

カメオ「姐さん、ほら時間なんですからとっとと退散しましょう」

ウェンディ「まだよ!まだ私のキャラソンを歌ってないんだから!」

カメオ「無いですよそんなもの」

ウェンディ「ん?あれ何かしら」

カメオ「あれって?」

ウェンディ「あれよ」

カメオ「ん〜?あれって…」

カルメン「きゃあああああ」つ【おしまい】

カメオ「カルメンさんが降ってきましたぁ!」

ウェンディ「ちょっと、あんた私を置いて行かないでよ」

カメオ「ペットを置き去りにするなんて動物虐待ですよ!」ワチャワチャ

ウェンディ「あんたは甲羅があるから良いでしょうが!」ワチャワチャ

ウェンディ「何よ!」

カメオ「何ですか!」

ウェンディ&カメオ「あ……」





チュドーーン




カメオ「こんな終わり方で良かったんでしょうか……」

                
カルメン「こんな役でよかったのかしら……」



【おしまい】







デンデンデンデンデデンデデンデデンデデン

デッデッデッデデッデデーデデー


まどか「男は狼なのよ〜気を付けなさい〜」

さやか「年頃になったなら〜慎みなさい〜」

杏子「羊の顔していても〜心の中は〜」

マミ「狼が牙をむく〜そういうものよ〜」

ほむら「このひとだけは〜大丈夫だなんて〜」

ゆま「うっかり信じたら〜」

織莉子「駄目」

キリカ「駄目」

全員「ああダーメダメよ」


全員「SOS」パンパン

全員「SOS」パンパン

全員「ほーらほら呼ーんでいるわ〜」

まどか「今日もまた誰か〜」

全員「乙女のピンチ〜」

ほむら「今日もまた誰か〜」

全員「乙女のピンチ〜」



【本当におしまい】








「私たちはずっと思っていたんです。この物語には終わりはないんだろうって」

「でもそれはやっぱり違いました。どんなお話にも必ず終わりがある」

「でも終わりがあるから始まりがある。ヴァンさんの旅はまた始まるんだなって」

「今度また会うとき、私達の事を覚えてくれていたら、それはとっても嬉しいなって思ってしまうのでした」




【本当の本当におしまい】

ご意見、感想お待ちしております。

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