バカが見滝原にやってくる   作:クルクル舞朱雀

5 / 25
お待たせしました!
今回はあのBGMを用意しておくといいかもしれません。

それでは第4話、始まります。


Episode4 タキシードは結界に舞う

さやかは病院にて上条恭介のお見舞いに来ていた。

 

「そんでさ~、そのヴァンさんの食事がとても独特でさ~」

「あはは、おもしろい人だね。一度会ってみたいな、そのヴァンさん」

「注意しときなよ~、インパクトがすごいから」

「うん、覚えておく」

「あ、そうそうこれ」

 

さやかは恭介にCDを渡す。

 

「うわぁ、凄い……これネットでも手に入らない廃盤だよ!」

「そ、そうなんだ……たまたま寄ったお店で見かけたんで、買ってみたんだけど」

「いつも本当にありがとう。さやかはレアなCDを見つける天才だね」

「あはは、そんな…う、運が良いだけだよきっと」

 

お礼を言われて照れるさやか。

恭介は早速そのCDをプレーヤーに掛ける。

 

「この人の演奏は本当に凄いんだ。さやかも聴いてみる?」

 

恭介はイヤホンの片方をさやかに差し出す。

 

「い、いいのかな……」

「本当はスピーカーで聴かせたいんだけど、病院だしね」

 

コードが短いため、二人の距離が縮む。

 

(ち、近いよぉ~!)

 

顔を赤くしているさやかの耳に、ヴァイオリンの旋律が流れる。

さやかはヴァイオリンの音色を聴いて、幼いころの記憶を思い出す。

舞台にはヴァイオリンを持ち演奏している恭介。それを客席から見ていた自分。

さやかは、舞台に立ち、ヴァイオリンを弾く恭介が好きだった。

そんな思い出に耽っていると、気がつけば恭介が泣いていた。

 

(僕の腕は…もう……)

 

恭介の腕は今はもう動かない。事故によって、無残に傷がついてしまっていた。

 

(恭介……)

 

そんな恭介を見て、さやかはやるせない気持ちになった。

 

 

 

 

マミの家では魔法少女体験コースを終えたマミが帰ってきた。

 

「ただいま~」

「おう、遅かったな」

 

ソファにくつろいでいるヴァン。一瞬、マミは戸惑った。

 

(そうだったわ、ヴァンさんうちに住むことになったんだったわね。何か久しぶりだな、こういうやり取り)

 

「ヴァンさん、そのタキシード洗っちゃうわよ。脱いで」

「そしたら俺の着るもんがないだろ」

「上着だけでいいから」

「…どうしてもか?」

「どうしてもよ。汚いままじゃそのタキシードもダメになるわよ」

「……きちんと返せよ」

「心配しなくても大丈夫よ」

 

そう言い、マミはタキシードを洗濯機へ突っ込む。

 

「そういや、魔法少女ってお前だけなのか?」

「…昔一人いたんだけどね、弟子が」

「へぇ~、お前に弟子なんかいたのか」

「私の初めての弟子だったのよ。とても、いい子な…。だけどね、その子は変わってしまったの。色々あってね。その時から私との考えが食い違っていくようになってしまったの」

「……」

「そして、師弟の関係は壊れてしまったわ。」

 

マミはぽつりぽつりと話す。

 

「それから私はまた一人になってしまったの。今日まで孤独で、独りで魔女と戦っていたの」

「……」

 

そしてマミはうつむき、震えながら話す。

 

「私は怖いの。今私には鹿目さんと美樹さんが居てくれる。だけどその関係もいつか壊れるかもしれない!こんな頼りない私を見て、離れていってしまうかもしれない!私はそれが怖いの。私はもう独りは嫌!」

 

いつも見せない姿をあらわにするマミ。

 

「…ごめんなさい、ちょっと取り乱しちゃって」

「あーその、何だ?少なくともあいつらはそんなやつじゃねぇと思うぞ」

「それは分かってるけど…」

「だったら信じてやれ。そうすりゃあ、あいつらだってお前から離れることはないだろ」

 

マミはそんなヴァンの言葉に納得がいったのか、笑顔が戻る。

 

「そうね、そうよね…。ダメね、私。そんなことに気づかないなんて…。」

 

その時、マミは何か決意し、立ち上がった。

 

「よし、私、あの子達の誇りになれるような立派な魔法少女になる!」

「何か閃いたみたいだね」

「だな。さて、俺はどうするかな…」

 

その言葉を聞いたマミが提案してくる。

 

「ならヴァンさん、やることが見つからないなら、この見滝原のボディーガードにならない?」

「ボディーガードねぇ…」

「今ならうちで三食プラスケーキと昼寝付きよ」

「飯に困らないのはいいな。大体何をすればいいんだ?」

「この町で悪人や魔女から人々を守ってくれるだけでいいわ。もちろん、鹿目さんと美樹さんもね」

 

ヴァンは大体の損得を計算した。

 

「まぁ、悪い話ではないな」

「それじゃあ…!」

「ああ、その話乗った」

「助かるわ」

「いいのかい、マミ?」

 

キュウべえが聞いてくる。

 

「そりゃあそうよ。あれだけ強い上に使い魔とも戦えるのよ?素晴らしいわ!」

「マミが良いなら僕は別に構わないけどね」

(僕としては色々と困るんだけどね…。しかし、ヴァンの秘密を知るチャンスでもある)

「それじゃあ、ヴァンはこれから見滝原をうろつく防人だ」

「見滝原のうろつく防人か…いいな、それ」

「見滝原のうろつく防人、ヴァン…確かにいいわね」

 

こうしてまた新たなヴァンの通り名が増えた。

 

「さて、話が一段落したところで、ご飯にしましょう。今夜はソテーよ!」

「うわぁーい、食べるー!」

 

 

 

翌日、病院にてさやかは恭介のお見舞いに来ていた。が、しかし…。

 

「よ、お待たせ…」

 

いつもより早くさやかが戻ってきた。

 

「あれ?上条君逢えなかったの?」

「何か今日都合悪いみたいでさ。わざわざ来てやったってのに、失礼しちゃうわよね~」

 

そうして二人は病院を出て、中庭を歩く。

まどかはふと気になって、駐輪場の奥のスペースを見てみる。すると、そこで何かが怪しく光っていた。

 

「ん?どしたの?」

「あそこ、何か…」

 

二人は気になり近づいて調べる。

そこには魔女の卵であるグリーフシードが壁に刺さっていた。

 

「グリーフシードだ、孵化しかかっている!」

「嘘、何でこんなところに…」

「まずいよ、早く逃げないと。この辺りはもうこいつの魔力に侵食され始めてる。もうすぐ結界が出来上がる」

「また、あの迷路が……」

 

さやかはマミの言葉を思い出す。

 

(…それから病院とかに取り憑かれると最悪よ。ただでさえ弱っている人たちから生命力が吸い上げられるから、目も当てられないことになる)

 

さやかは放って置くわけにはいかないと判断し、決意する。

 

「まどか、先に行って。マミさんとヴァンさんを呼んできて。あたしはこいつを見張ってる」

「そんな!?」

 

まどかが驚く。

 

「無茶だよ。中の魔女が出てくるまでにはまだ時間があるけど、結界が閉じたら君はもう外に出られなくなる。マミの助けが間に合うかどうか…」

「あの迷路が出来上がったら、こいつの居場所も分からなくなっちゃうんでしょ?」

 

さやかは頭に、衰弱した恭介を思い浮かべる。

 

「放っておけないよ、こんな場所で…」

 

キュウべえはさやかの決意を察して頷いた。そしてまどかの肩から降りる。

 

「まどか、君が行ってくれ。さやかには僕がついてる」

「キュウべえ……」

「マミならテレパシーで僕の位置が解る。ここでさやかと一緒に見張っていれば、最短距離で結界を抜けられるよう、マミを誘導できるから」

「ありがとう、キュウべえ」

 

さやかはキュウべえが付いていてくれることをうれしく思った。

 

「私、すぐにマミさんとヴァンさんを呼んでくるから!」

 

そういい、まどかは走り去る。

さやかとキュウべえの周りは徐々に異界へと変化していく。

 

 

 

ヴァンはマミの家で、呑気に寝転がっていた。

 

「暇だな……何もやる事がねぇ…」

 

すると、頭にマミの声が聞こえてきた。

 

(聞こえる?ヴァンさん)

「おう、くるくるか。何だ?」

(くるくるじゃなくってマミ。仕事よ。今鹿目さんから連絡があって、直ちに病院へ来てほしいって。魔女の結界が見つかったそうよ)

「じゃあ、出番ってわけか」

(そうなの。だからヴァンさんもしっかり働いてもらうわよ)

「わかった。そっちへ行く」

 

そう言ってヴァンはきちんと鍵を閉め、家を出る。

 

「……病院ってどこだ?聞くの忘れた」

 

ヴァンは道行く人に病院の場所を聞いた。

 

「すみません、病院ってどこですか?」

「ああ、病院ならこの道をまっすぐ行って、駅を越えた先にありますよ」

「そうか、助かる」

「……あれ、あの人ってうちのクラスに進入した人じゃ…?」

 

一方その頃、マミとほむらは険悪な雰囲気を漂わせていた。

 

「今回の獲物は私が狩る。あなたたちは手を引いて」

「何故かしら?私じゃ相手にならないというの?」

「…それは……あなたでは相手が悪いわ」

「見くびらないでほしいわね。私はこれでも長い間この見滝原を守ってきたのよ」

「二人の安全は保証するわ。お願い、手を引いて」

 

マミは予め用意しておいたリボンの罠を発動させ、ほむらを拘束する。

 

「その必要はないわ、とでも言っておこうかしら?私にはヴァンさんも付いてくれる。心配無用よ」

「バカっ、こんなことやってる場合じゃ……!」

「もちろん怪我させるつもりはないけど、あんまり暴れたら保証しかねるわ」

「くっ…!」

「大人しくしていれば、帰りにちゃんと解放してあげる。行きましょう、鹿目さん」

「は、はいっ」

「待って……ぐっ!」

 

呼びかけるも、マミたちは進んでいってしまう。

 

 

 

ヴァンは病院にとっくに着いていたが、結界の場所をまだ見つけられないでいた。

 

「どこにあんだ、結界っつーもんは」

 

ヴァンはひとつひとつの病室を空けていく。

 

「ここか?違ったか…」

 

そしてその最後の扉を開ける。

 

「ここか!」

「う、うわっ!一体誰!?」

 

そこには、ベッドで寝ていた少年、上条恭介が驚いていた。

 

「あれ?ここでもなかったか」

「ここは僕の病室なんだけど…」

「おう、悪かったな。ん、お前、腕を怪我してるのか?」

「あ、ああ。これはちょっと事故でね…。ん?」

 

恭介は病室に入ってきた男の服装を見る。そして昨日、さやかと話していたことを思い出した。

 

(そのヴァンさんね、タキシードを着ていて、身長がとても高いんだよ。あと猫背!)

 

「もしかして、不法侵入のヴァンってこの人?」

「ん?何でお前が俺の名前を知ってるんだ」

「やっぱり!へぇ、この人がさやかの言っていた…」

「あんまりジロジロ見るな」

「す、すいません」

「ところでお前、みっきーを知ってるのか」

「みっきー?あ、さやかの事か。はい、幼馴染ですけど…。」

「ふーん…」

 

その時、マミから連絡が入る。

 

(ヴァンさん、今どこ?)

(今、病院なんだが、どこにあるんだ結界は)

(あ、言ってなかったわね。中庭の駐輪場のところにあるわ)

(駐輪場のとこだな)

「あの…ヴァンさん?」

 

急に黙ったヴァンを見て、何か怒らせてしまったかと思う恭介。

 

「悪いな、仕事があったんだった。それじゃあな、えーと…」

「上条恭介です」

「そうか、じゃあな恭介」

「はい、お元気で」

 

そう言って、ヴァンが出て行くのを見送る恭介。

 

(面白い人というか、かっこいいな)

 

 

 

ヴァンは中庭を進むと、結界を見つける。

 

「……見つけた、これか」

 

結界の中に入り、ある程度進むと何かが見えてきた。

 

「よう、ほむほむ」

「っ!ヴァン…」

「何してんだ、こんなところで」

「ちょうどよかった、この拘束を解いて。巴マミが危ない!」

 

ヴァンはほむらからわけ分からないことをいわれ頭に?マークを浮かべる。

 

「…?どういうことだ?」

「今回の魔女は今までとは違うの。巴マミでは相性が悪すぎるわ」

「あいつなら大丈夫なんじゃないのか?」

「いえ…巴マミではあの魔女に勝てない。恐らく死ぬわ。お願い、今ここで巴マミに死なれては困るのよ!」

 

ヴァンは色々考えた。

 

「仕事初日で失敗ってのはな…」

 

そう言うとヴァンは蛮刀でリボンを切り裂く。

 

「ありがとう」

「場所がわからんから案内してくれ」

「わかったわ。それじゃ、こっち…」

 

 

 

マミ、魔女の元へたどり着く。

 

「マミさん!」

「ヴァンさん、遅いわ…。何やってるのかしら」

「マミ、気をつけて。出てくるよ」

 

すると、高い椅子にお菓子の魔女、シャルロッテが現れる。

 

「仕方がないわね、作戦変更。一気に決めさせてもらうわよ!」

 

マミは一気に近づいて、椅子の足を折った。

すると、落下してくるシャルロッテをマスケット銃でバットのように打つ。

そこへレガーレを使い、シャルロッテを拘束すると、マミは巨大な銃を構える。

しっかり狙いを定め、引き金を引く。

 

「ティロ・フィナーレ!」

 

大きな銃口から放たれた銃弾は、シャルロッテを捉えた筈だった。

 

「やった!」

 

しかしシャルロッテは、小さなボディからとても大きなボディへと脱皮した。そしてそれは、大きな口を開けマミの頭目掛けて…。

 

「!!!」

「マミさん!」

「え……?」

 

マミは恐怖で目を瞑る。

しかし、いつまでたっても体に痛みは襲ってこない。

マミは恐る恐る目を開けると…。

 

「悪かったな、食事の邪魔をして」

「ヴァン…さん」

 

ヴァンが蛮刀でシャルロッテを捕縛していた。

なので、シャルロッテは後一歩というところでマミを食べられないでいた。

 

「だけどな、今そいつを食べちまうと俺にとって都合が悪い。だから…」

 

 

 

 

「俺がお前をバラバラにすることに決めた!」

 

 

 

 

マミは安心して腰が抜けてしまった。危うく死んでしまうところだったのだ。無理もないだろう。

 

「怪我はないかしら、巴マミ」

 

ほむらがマミに声を掛ける。

 

「暁美さん……」

「だから言ったでしょう。今までの魔女とは違うって」

「そうね、あなたの言うとおりだったわね。それで、どうするの?こんな状態の私を嘲笑うつもり?」

「それだけ喋れれば問題なさそうね。話したいことは後にしておくわ。それより今はヴァンのほうを…」

 

ほむらはヴァンの方を向く

ヴァンとシャルロッテは睨み合っていた。

シャルロッテは食事の邪魔をされてとても怒っている。

そして、シャルロッテは先ほどと同じようにヴァンに喰らいついた。

ヴァンはそれを避ける。

 

「おっと、危ねぇな」

 

ヴァンは蛮刀で斬りつけるが相手のほうが何倍も大きいのであまり効果がなかった。

 

「おいおい、ヨロイ並みじゃないのか、この大きさ」

 

再び襲い掛かるシャルロッテを、ヴァンはお菓子を上手く利用して攻撃を避けていく。

途中、ヴァンはクッキーの破片を生クリームにどっぷり付けて食べる。

 

「甘ーーーーーーい!!!」

「食べられるのね、あれ」

「お菓子の魔女よ。仮にも」

 

そして、蛮刀とお菓子を使いこなし、避けていく。

 

「悪いが、お前に食べられるつもりはない」

 

口を膨らませ、怒るシャルロッテ。

ヴァンはとても高いテーブルの上に立つ。

 

「怒っても無駄だ。人を喰ったお前にもう二度と、大好物はやらない!」

 

ヴァンは自分の帽子に付いている輪っかを180度反対に回した。

そして、蛮刀を高く上げ虚空をⅤの字に斬る。

すると……。

 

ヴァンの目の前に、白い大きなロボット、ダン・オブ・サーズデイが落ちてきた。

 

 

 




ウェンディ「皆元気?私は元気!元気な私の名前はウェンディ・ギャレット、略して、ウギャー!!お願いだから略さないでね。そしてこれが私の命の恩人にして幸運のマスコット、カメのカメオ、略してカカオよ!!」

カメオ「略さないでください、お願いですから」

ウェンディ「そんなことよりカメオ、ヴァンは一体なんであの見滝原、なんていう変な名前の町にいるのかしら?」

カメオ「変な名前とか言っちゃだめですよ、姉さん。あとこのコーナー何なんです?」

ウェンディ「このコーナーは本編でのんびりよろしくやっているヴァンの代わりに私たちが目立つ場所よ!その名も、ガン×ソードさん☆マギカよ!!!」

カメオ「その名前使っていいんですかね?」

ウェンディ「細かいことは気にしなくていいのよ!さてカメオ?本編での私たちの出番は一体いつなのかしら?」

カメオ「あの~姉さん?」

ウェンディ「何?カメオ」

カメオ「私たちの出番はありませんよ」

ウェンディ「は?」

カメオ「出番はないですって。タグにも書いてあるじゃないですか。ヤダな~も~姉さんってばそんなことも知らなかったんですか?」

ウェンディ「……カメオのバカーーーー!!!」バーン

カメオ「うわあぁぁぁ~~~!!痛いです姉さん~!」チマミレー

ウェンディ「こうなったら作者に直接問い詰めるしかないわ!この主人公である私を出さないなんて万死に値するわ!行くわよ
カメ…」


作者が危機を察知した為、強制終了。


ご意見、感想、お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。