バカが見滝原にやってくる   作:クルクル舞朱雀

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お待たせしました!

今回からタグにおりこ☆マギカを付けました。

それではEpisode8始まります!


Episode8 誰がために

さやかは恭介と病院の屋上にて話し合っていた。

 

「さやか、良ければ話してくれるかい?」

「うん、全部は無理だけれど」

「大丈夫。話したくないところは離さなくてもいいから」

「わかった…。じゃあ…」

 

さやかは魔法少女について話し始める。

 

「あたし達魔法少女はね、魔女と戦う事を使命としているの。何でも一つ願い事が叶うかわりにね」

「何でも?」

「そう、何でも。あ、願い事の内容は言えないからね」

「流石にそこまでは聞かないよ。でもさやかが魔法少女になるということは余程叶えたい願いがあったんだね」

「え?あ、うん。まあね、アハハ…。ところで腕、何とも無いの?」

「うん、今まで動かなかったのが嘘みたいだ」

 

それを聞いてさやかは安心する。

 

「じゃあ、これで安心してバイオリンに集中出来るね」

「うん、さやかにはこれまでいろいろ世話になったからね…さっきの事とか」

「恭介が死んじゃうなんてあたしには耐えられないから…」

「さやか、ありがとう。諦めなくて本当に良かった」

 

お礼を言われてさやかは照れる。

 

「い、いいってことよ〜!」

 

するとその雰囲気をぶち壊すようにヴァンがやってくる。

 

「おい、くるくるが家に寄ってくかって」

「げ、ヴァンさん」

(あ〜もう!今いいとこだったのに〜!)

「あ、ヴァンさん。左手が動くようになったんですよ」

「おお、良かったじゃねぇか」

「いや〜本当に良かったよねぇ、ってヴァンさん恭介知ってるの!?」

「ん?ああ、まあな」

「そういえばさやかには言ってなかったね。ヴァンさんとはもう2回ぐらい会っているんだ」

「全然知らなかった…」

「言う暇がなかったからな。で、どうするんだ。寄るのか、寄らないのか」

「あ〜、え〜と…」

 

さやかは恭介をみる。

 

「行ってきていいよさやか。僕はこれからお医者さんに報告しなきゃいけないからさ」

「あ、そうか。わかった。じゃあヴァンさん、マミさんに寄って行くって言っておいて」

「まだ何かあるのか」

「恭介を病室まで送ってから行くから」

「そうか。んじゃあな、恭介」

「はい、ヴァンさんもありがとうございました」

 

そうしてさやかは屋内へと入っていく。

その時、さやかはある違和感に気付いた。

 

(あっ、ヴァンさん、恭介の名前は覚えてるんだ…。マミさん知ったら怒りそう…。どうして私の名前は覚えていないの!ってね)

「どうしたのさやか?」

「いいね、恭介は…」

「…?何が?」

「いや、何でもないわ。アハハ」

 

 

 

 

翌日、見滝原中学校の屋上でまどかの驚いた声が上がった。

 

「さ、さやかちゃん魔法少女になったの!?」

「うん、まあね」

「…上条君の腕を治したの?」

「まどかには分かっちゃうか〜やっぱり。そうだよ、あいつ喜んでた。あたし、間違っていなかったんだ」

「後悔とか、してないの?」

「まっさか〜!別の願い事にしてたら、それこそあたし後悔してるよ」

「そっか…。さやかちゃんが決めたんだったら私何も言わない。ただ、あまり無理はしないでね」

「当たり前よ!このさやかちゃんが早々に死んでたまるもんですか!」

「そうだよね…」

(私、また何も出来なかった…。マミさんもほむらちゃんもヴァンさんも魔女と戦って、今度はさやかちゃんも魔法少女になって戦ってる…)

 

まどかは小さく溜息をつく。

 

(私だけ何もしないで…。やっぱり卑怯だよね。私もみんなの役に立ちたい!)

「ま〜ど〜か!」

「うへ!?」

 

さやかが大きな声を上げる。

 

「あんた、どうせ私もみんなの役に立ちたいって思ってるんでしょ!」

「う……」

 

図星を突かれ、まどかは固まる。

その表情を見て、さやかは頭を抑える。

 

「当たった…。あのね、あんたまで魔法少女になったら、ほむらの気持ちを無下にするんだよ?…理由は知らないけど…」

「でも…」

「でももかもも無い!あいつさ、ちょっと不器用だと思うけど、まどかの事を思っているのは本当だと思う。だからさ、あんたはほむらたちをいつも通り温かく迎えてやればいいの。それがまどかのやる事、出来ること。わかった?」

 

まどかは自分に出来ることを見つけ、曇っていた顔が晴れた。

 

「それが、私に出来ること…」

「まどかはいつも一人で悩む癖があるんだから、ちょっとはあたし達を頼ってよ。ね?」

「うん。ごめんねさやかちゃん、迷惑かけちゃって」

「全然大丈夫!こんなこと魔女退治よりも楽なもんよ」

「えへへ…」

「あ〜もう!まどかは可愛いな〜!さ、さっさとご飯食って、次の授業の準備をしなきゃ。」

「そうだね。急がなきゃ」

 

そう言って二人は急いで口の中に弁当をかき込む。

 

「美味ーーーーーい!!」

「さやかちゃん、それヴァンさんの真似?」

「うん。似てる?」

「勢いだけ」

「アハハ、こりゃ手厳しい…」

 

 

 

 

学校が終わった後、さやかは恭介のいる病室に向かった。

 

「恭介〜?入るよ〜」

 

しかし、そこに恭介の姿は無かった。

 

「あれ、恭介?おかしいな、退院はまだだと思うけど…」

 

その時、さやかは恭介のいたベッドの上に、紙が一枚置いてあったのに気付いた。

 

「ん?なになに…」

 

その手紙には、ただ一言、屋上に来てほしいと書いてあるだけだった。

 

「おく、おお、屋上!?」

(これってアレ?もしかして、恋人になる前の大切なアレ!?)

 

顔を真っ赤にしながら、屋上へと向かっていくさやか。そこには、バイオリンを持った恭介が居た。

 

「来てくれてありがとう、さやか」

「恭介、そのバイオリンもしかして…」

 

さやかはバイオリンを持った恭介を見て、先程の煩悩が一気に吹き飛んだ。

 

「うん、父さんが僕のバイオリンを残しておいてくれてたんだ。さやかにお礼がしたくって、サプライズ演奏にしたんだ」

「てことは…」

「僕の演奏を聞いてくれ」

 

そう言うと恭介は、ラフマニノフのヴォカリーズを弾き始めた。

最初はゆったりと始まり、やがて少しずつ情熱的になっていく。

 

「うわぁ…!」

 

ブランクがあったにも関わらず、一切衰えを見せない恭介の演奏。それはやはり、天才の一言に尽きるものであった。

 

(ああ、恭介楽しそう…。あたし、魔法少女になって本当に良かった)

 

恭介が弾き終わるとさやかは思わず、拍手をしていた。

 

「良かったよ恭介、凄く良かった!全然変わってないよ!」

「そうか、そう言われると嬉しいな。でもまだダメだ。今までサボり過ぎちゃったからな」

「そこは練習して取り戻していけばいいよ。あたしも手伝うからさ」

「ありがとう、さやか」

 

二人は夕焼けの屋上で微笑んだ。

 

 

 

その様子を遠くから見ている者がいた。

背中まである長い赤い髪。佐倉杏子だ。

 

「久しぶりだね、佐倉杏子」

 

キュウベえが現れる。

 

「魔法少女がこの町に三人いるのか」

「それだけじゃない。イレギュラーがもう一人いる」

「知ってるよ、ヴァンだろ」

「早いな。何処で知ったんだい?」

「つい最近会ったばかりなんだよ。まさか、魔法少女と互角に戦える奴がいるなんてね」

「彼がいるお陰であまり仕事ができないんだ」

「それであたしを呼んだのかい?悪いが、あたしは自分の利益にならないことは一切やらないからな」

「君が混ざればこの町のグリーフシードは全て君の物なのにかい?」

 

杏子は意味が分からないような顔して首をかしげる。

 

「はぁ?リスクの方が大きすぎだろ。四対一に無策で挑む程あたしはバカじゃない。それにな…」

「それに…何だい?」

「そう簡単に死ねない理由が出来ちまったんだよ」

 

 

 

 

「織莉子!織莉子!」

 

とある場所のティータイム。そこに黒い少女、キリカがカモミールティーを飲みながら相手の名前を呼ぶ。

 

「何かしらキリカ?」

 

織莉子と呼ばれた白い少女は優雅に応える。

 

「つい最近、この町に変人が来たようだよ」

「珍しいわね、貴女が他人に興味を持つなんて」

「嫉妬しちゃう?」

「ふふ、少し」

「だっておかしな恰好してるんだよ?なんと全身黒づくめのタキシード!」

「へえ、それは…」

 

織莉子は不思議な恰好の男に興味を持ったようだ。

 

「そいつがよく人気のない場所でうろうろしてるからさ。…私と同じ匂いがするんだよね」

 

キリカはニヤリと笑う。

 

「そうなの…。…!?」

 

織莉子は驚き、危うくカモミールティーを落としそうになる。

 

「見たの?織莉子」

「ええ、白い巨人が魔女と戦っていた。しかもあの魔女と…」

「織莉子を邪魔する?」

「それはまだ分からないわ……もしかしたら、その男と何か関係しているのかもしれないわ。キリカ、その男と接触してみてくれるかしら?」

「わかった、探して会ってみる」

 

そう言って二人はカモミールティーを飲み干した。




ウェンディ「カメオー!カメオー!何処にいるのー?」

カメオ「」

ウェンディ「はっ!カメオったらまたこんな所で脱皮してるわ。ということはどこかに本体がいるはずよ!」

ウェンディ「カメオー!出て来ないとあんたの皮を財布に入れて、ガッポガッポ儲けちゃうわよー」

カメオ「姐さんそれは蛇の抜け殻です。亀じゃありません」

ウェンディ「あ、見つけたわカメオ!見てカメオ、変な白い兎を見つけたわよ!」

キュウベえ「」

カメオ「何ですかこれ」

ウェンディ「目が赤いのよこいつ。兎の癖に」

キュウベえ「兎じゃないんだけれどな」

ウェンディ「喋ったわよこいつ、兎の癖に」

キュウベえ「だから…」

ウェンディ「うるさい!」バーン

キュウベえ「わけがわからないよ」ブシャー

カメオ「死んじゃいましたけど姐さん」

ウェンディ「ああ…またやっちゃった、ウェンディ反省!」

カメオ「どうするんです、これ」

ウェンディ「食べる?」

カメオ「兎鍋ですか。この寒い時期にはいいんじゃないですか?」

キュウベえ「ふう、酷い目にあったよ」

ウェンディ「もう一匹居たわ!」

カメオ「行きましょう姐さん」

ウェンディ「ええ!カメオアターーック!」

カメオ「わわーー!?」

ウェンディ「頑張ってカメオー!貴方のその勇気が私のお腹を救うのよー!」

キュウベえ「ここは何か不味い気がする…。わっ、来た!」




※このお話は本編と何の関係もありません。




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