魔法少女リリカルなのはStrikerS ENEMY Side 作:トータス
あっちこっちへと・・・行ったり来たりと・・・
時間軸通りにはなっておりません。
私なりの解釈の元、こうなったのでは、こうであったのでは、これなら面白そうだと、勝手に捏造しております。
そこはご理解の程を・・・
武器に関しては、武器図書館と言うサイトをご参照願えれば判り易いかと・・・
至るべき道
そこは、戦場と化した。
Cradle《クレードル》=揺り籠と呼ばれる船は、襲撃を受けている。
ある人物達の奪還を目指し、激戦が繰り広げられる。
既に内部の奥深くにまで、入り込まれている。
その行く手を阻む、最後の砦として。
一機、残されていた・・・
「クッ! テメェかっ! 一つ目ェ!」
コットス = 隻眼鬼《サイクロプス》
金属の箱に腰掛け、長柄の得物を手にし、敵《ヴィータ》を正面から見据えている。
そこで伝えられた事は、高町 なのはだけなら、通しても良いとの事。
「なのは、お前は先に行け。
私は、コイツとケリを着ける!」
「で、でも!」
「良いから、行け! 向こうも、それは認めてやがる」
後ろ髪を引かれる思いであったが、今優先すべき事を決めたなのは。
「・・・判った。じゃあ、また後で!」
「応!」
なのはは、その横を通り抜け、奥の扉へと向かう。
その後ろ姿を見送り、次の隔壁が閉まったのを確認し、
「・・・行ったな。だったら、おっ始(ぱじ)め様か!」
コットスはゆっくりと立ち上がり、その得物を振り回す。
その腰には、更に別の武器が一つ、着けられている。
「へぇ、珍しいモン、使うんじゃねぇか!」
フュスキーナ Fuscina
三つ又に分かれ、長さは2m程。かつて網闘士《レティアリイ》と呼ばれる剣闘士《グラディエーター》の得物。
グラディウス Gladius
短剣と言えるほど短くもなく、長剣と言うには、長さが足りない、中間の両刃の剣。
「ソイツが上手く使えるのかは、知らねえが。
相手にとって、不足は無(ね)ぇ! 行くぜ!」
向かって来る敵に、長柄のソレを、横薙ぎに叩(はた)き付ける!
その意外過ぎる大雑把な使い方に、怒る。
「な! 何だ! その使い方は! 普通、そんな風には使わねぇ!
大体そりゃ! 突き込む物(モン)で有って! 蠅叩き見てぇに使う物(モン)じゃねぇ!」
激昂させた!
それでも、お構いなしに叩き付ける!
「・・・テメェ! 何なんだ! まるで、素人じゃねぇか!
・・・何とか言いやがれ!」
それを交わしながらも、気が抜けない様子で、立ち合う。
【・・・コレ、ハジメテ!】
「は? 如何言う事だ!? ってか喋れるのか?」
これまで一切喋らなかった事もあり、自律駆動の戦闘機械だとばかり思っていた。
その事に軽い驚きを覚えつつ、喋り方が幼い事が少し引っ掛かったが、続いた言葉に頭に血が上るのを抑えられない。
【時間カセギ!】
「・・・何、だって? 手前(てめぇ)、おちょくってるのか!」
ガィイン!
初めて、打ち合った!
柄と柄がぶつかり合い、押し合い、圧(へ)し合う。
ヴィータはその体格差が有っても、力負けしていない。
お互いに押し、離れる!
「・・・手前、何者(なにもん)だ、名を名乗れ。
私(アタシ)は、雲の騎士団(ヴォルケン・リッター)の鉄騎、ヴィータ。
・・・お前は?」
これだけ話せる事もあり、それなりの知性も備えているだろうと類推し、問うてみた。
【・・・ヘカトンケイル・シリーズ・コットス。
・・・デュオ・J・スカリエッティ】
ヴィータはそれを聞き、軽い動揺を隠せない。
「な、に? ・・・オイ! もっぺん、言って見ろ!」
【???・・・ヘカトンケイル・シリーズ・コットス = デュオ・J・スカリエッティ】
「テメェ、嘗めてるのか? そりゃ、手前等が攫った、家の者(もん)の名前と、同じじゃねぇか!」
連続して叩き付けられるそれを、機体性能だけで、見て、交す!
受けたら、飛ばされる!
連撃が治まり、一寸だけ距離が取れた。
だから、聞いてみた。
違和感を感じるそれについて・・・
【・・・誰?】
「はぁ? 手前が、それを言うか!?」
ヴィータは息を整えながら、言い切った!
「ウチのデュオはな! そりゃ、小憎たらしいが、可愛い・・・私らの、子だ!」
最後の言葉が、何かを揺さぶる。
【・・・誰?】
「何所へ・・・やったんだよ。・・・最後に、会った時なんて、急に、倒れやがって」
何かが、頭をもたげるかの様に、蠢き始めた。
【・・・誰? ・・・誰?】
「スッとボケるのか? ヴィヴィオと一緒に、手前等が、攫って行ったんだろうがっ!」
それが指し示すのは、大人な女性と、幼い少女。
何故、二人なのか、その事が判らない。
【・・・ヴィヴィオ陛下?】
「ああん!? 誰だ? そりゃ?
陛下なんて付く奴は、ウチには居ねぇ。高町 ヴィヴィオだ!」
幼き姿と、大人な姿、どちらも同じモノとして認識できる。
だから、更に応えた。
【・・・ビビオ姉?】
「おい、そりゃ、如何言う事だ? その呼び方は・・・」
・・・ビクン!
突然、コットスが身震いすると・・・動きが、声が、替わった。
仕草も、何処となく女性的な感じへと変化した。
「・・・おい、答えろ! 手前、何者だ?」
その変化を見逃さず、更に問うた。
【あらあら、その位にして貰えないかしら?
この子、まだ病み上がりだから・・・無茶はさせたくは無いの】
「ああ゛? 何言ってるんだ?
・・・さっきの奴とは、違う?」
ついさっきまで話していた相手とは、声も何もかも違う事だけは判った。
だが、それがそのまま相手が入れ替わったのか、体を乗っ取ったのか・・・
多分、後者だろう。
【でも、貴女には、消えて貰った方が良いのかしら?
この子を惑わせるモノには・・・サヨウナラ!】
そのまま、腰に手を遣り、何かを投げ付けて来た!
それは、向かって来る先から、拡がった!
「な!? これは!?」
脳裏に浮かんだのは、網闘士《レティアリイ》と言う名の意味。 =投網《レテ》
「クソ! そうだよな! 得物を見た時に、気付くべきだったんだ!」
ヴィータは絡み付くそれを振り払おうと、足掻く!
だが、引き裂く事も、引き千切る事もかなわない。
その行動が、更に自身を束縛していく!
「クッ! こんなモン!」
【無駄よ? ソレは、そう簡単には、引き千切れない様に作られているしね?】
ゆっくりと、確実に仕留める為、慣れないフュスキーナを手放し、腰に手を廻し、容易に扱えるだろうグラディウスに手を掛け、引き抜き、近付く。
咄嗟に、その迂闊に近付いて来るそれを好機とも捉え、戦いで培ったソレが反射的に命じていた。
「クッ! アイゼン! ラケーテン!」
【Jawohl.】
身動きが取れないまま、ジェットによる回転を始め。
コマの様に回転しながら、相手の足に叩き付ける!
ガキョッ! 拉げる足!
【な!】
それでも、回転が止まらず。
さらには、投網が相手にも絡み付き、更に叩き付ける!
ガリガリガッギギキィィ!
「な! と、止まれ!」
思わず口にするも、そう簡単には止まらず、止めを刺すに至った。
「あ・・・ああ! デュオ!」
その、アイゼンの刺(とげ)が刺さった、胸の辺りからは、赤い液体が・・・流れ出ていた。
あり得ない程の量が、流れ出した。
「ああ・・・あ、ど、どうし、て?」
唖然とし、呆けている。
自分が、何をしてしまったのか・・・考えるのが、怖かった・・・
何時まで、そうして居たのか。
自分が揺すられているのに、気付くのが遅れた。
「・・・タ! ・・・ヴィータ! ヴィータ!? どないしたんや!」
「ア、ハヤテ?」
己を取り戻すと、ハヤテが、傍に居た。
「どっか・・・怪我ぁ、したんか!?」
「ア、アタシは、大丈夫・・・! デュオが!」
自分が、何をしてしまったのかを、思い出した。
「! ・・・ヴィータ? 如何したか、判るか?」
「は、ハヤテ! アタシ、デュオを、手に・・・掛けちまった!」
ハヤテにしがみ付き、縋り付きながら、言った!
「・・・ソレは、如何云う?」
「・・・デュオが、乗ってたかも知れない。アレに・・・」
そう言って、指し示した。
胸に、アイゼンが刺さり。
赤い、何かを流し続ける、隻眼鬼を・・・。
それを見て、どうしてそうなったのかを理解した上で、
「・・・判った。でも、今はしっかりせな、アカン!」
「で、でも!」
バシィン!
ヴィータはハヤテに頬を張られた!
頬を抑え、呆気にとられながらハヤテを見ると、
「嘆くんは、後からでも出来る!
・・・今は、デュオをちゃんと、弔ってやれる様、連れて帰るんが、肝心や!」
ハヤテは、その衝撃の事実が心を揺さぶられたのか、つっかえながらも言葉をつづける。
その顔を真っ赤に染めながら、目に涙を滲ませながら、今は悲しんでやる事も出来ない場であり、どうする事を優先すべきか、指揮官としての顔だった。
「・・・そうやないんか? それとも、このまま、野晒しにして。
また何処かの、実験材料か、標本にさせるんか! 晒しもんにするんか!」
そう、一括された。
「・・・そう、だよな。せめて、そんな事には、絶対(ぜってぇ)させねぇ。何が有ろうと・・・連れて帰る」
グシグシと、涙の跡を拭い、今だけでも立ち直ろうとするヴィータ。
「そうや、だったら。せめて、これを抜いて、痛ない様に、してやらんと」
アイゼンを指し示して言った。
「あ、ああ。一寸、待って。せめて、何かで、覆ってから」
そう言って、救急箱(レスキュー・キッド)から、大判の布を引き出す。
それを、そっと掛けてやり。目を逸らしながら、そっと、アイゼンを引き抜いた。
「よっと! これで、痛くは、ねぇ、よな。・・・ゴメンな、痛い思いさせて」
そう言って、そっと体格に似合わない程の巨躯を、抱き上げた。
・・・ ・・・
なのははヴィヴィオを救い、はやて達を見付けた。
「! ・・・はやてちゃん!」
「あ、なのはちゃん。そっちは・・・無事やったみたいやね」
片腕に抱えられて居るヴィヴィオを見て、その無事を確かめた。
「? 何か、あったの?」
ハヤテは、ヴィヴィオに聞かせるのは酷だと思い、今だけは後廻しにする事にした。
「あ、うん。後で、な。・・・ちゃんと、説明する。今は、帰る事を、優先しよう」
その声色と、様子から、相当な事が有ったと察し。
「ウン。でも、話してくれるんだよね?」
「・・・うん」
気が咎めるが、今は・・・
「・・・ワリィ。なのは、先に、謝っとく」
なのはの方も、今は聞かない方が良いのだろうと解釈し、その先に続く言葉を遮って先延ばしにする事に・・・
「え? ・・・兎に角、後で話してくれるんだよね?」
「・・・ああ、絶対に、帰ろう」
その事を、胸に秘め。
その背に背負ったモノと共に、帰ったら必ず、包み隠さずに伝える事を己に喫した。
その結果、いかなる咎を架せられるとしても・・・
・・・ ・・・
思い浮かぶがままに、思い描けるがままに・・・
えー、気付いている方は、気が付いた通りです。
クアットロの洗脳(説得)から、デュオを守り《戦わせたくなければ》たくば、なのはを倒せと・・・倒す事が出来れば、何もさせないと・・・
そんなつもりはコレっぽっちもないが・・・その様に説得し、納得させた。
なのはは最初から大人なヴィヴィオと戦い、勝利。
クアットロも壁抜きで仕留める。
デュオも足止めとしての仕事を全う。
ハヤテはエンジン破壊。
閉じ込められる事はなかった。
そこまで知りませんでしたので・・・
では、次回 残された・還されたモノ達・・・