魔法少女リリカルなのはStrikerS ENEMY Side   作:トータス

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えー、時間を大幅に飛び越えます。
あっちこっちへと・・・行ったり来たりと・・・

時間軸通りにはなっておりません。

私なりの解釈の元、こうなったのでは、こうであったのでは、これなら面白そうだと、勝手に捏造しております。

そこはご理解の程を・・・


武器に関しては、武器図書館と言うサイトをご参照願えれば判り易いかと・・・


第十二話   至るべき道

至るべき道

 

 

 そこは、戦場と化した。

Cradle《クレードル》=揺り籠と呼ばれる船は、襲撃を受けている。

 

 ある人物達の奪還を目指し、激戦が繰り広げられる。

既に内部の奥深くにまで、入り込まれている。

 

 その行く手を阻む、最後の砦として。

一機、残されていた・・・

 

「クッ! テメェかっ! 一つ目ェ!」

 

 コットス = 隻眼鬼《サイクロプス》

金属の箱に腰掛け、長柄の得物を手にし、敵《ヴィータ》を正面から見据えている。

 

 そこで伝えられた事は、高町 なのはだけなら、通しても良いとの事。

 

「なのは、お前は先に行け。

私は、コイツとケリを着ける!」

「で、でも!」

「良いから、行け! 向こうも、それは認めてやがる」

 

 後ろ髪を引かれる思いであったが、今優先すべき事を決めたなのは。

 

「・・・判った。じゃあ、また後で!」

「応!」

 

 なのはは、その横を通り抜け、奥の扉へと向かう。

その後ろ姿を見送り、次の隔壁が閉まったのを確認し、

 

「・・・行ったな。だったら、おっ始(ぱじ)め様か!」

 

 コットスはゆっくりと立ち上がり、その得物を振り回す。

その腰には、更に別の武器が一つ、着けられている。

 

「へぇ、珍しいモン、使うんじゃねぇか!」

 

 

 フュスキーナ Fuscina

三つ又に分かれ、長さは2m程。かつて網闘士《レティアリイ》と呼ばれる剣闘士《グラディエーター》の得物。

 

 グラディウス Gladius

短剣と言えるほど短くもなく、長剣と言うには、長さが足りない、中間の両刃の剣。

 

 

「ソイツが上手く使えるのかは、知らねえが。

相手にとって、不足は無(ね)ぇ! 行くぜ!」

 

 向かって来る敵に、長柄のソレを、横薙ぎに叩(はた)き付ける!

 

その意外過ぎる大雑把な使い方に、怒る。

 

「な! 何だ! その使い方は! 普通、そんな風には使わねぇ!

大体そりゃ! 突き込む物(モン)で有って! 蠅叩き見てぇに使う物(モン)じゃねぇ!」

 

 激昂させた!

それでも、お構いなしに叩き付ける!

 

「・・・テメェ! 何なんだ! まるで、素人じゃねぇか!

・・・何とか言いやがれ!」

 

 それを交わしながらも、気が抜けない様子で、立ち合う。

 

【・・・コレ、ハジメテ!】

「は? 如何言う事だ!? ってか喋れるのか?」

 

 これまで一切喋らなかった事もあり、自律駆動の戦闘機械だとばかり思っていた。

その事に軽い驚きを覚えつつ、喋り方が幼い事が少し引っ掛かったが、続いた言葉に頭に血が上るのを抑えられない。

 

【時間カセギ!】

「・・・何、だって? 手前(てめぇ)、おちょくってるのか!」

 

 ガィイン!

 

 初めて、打ち合った!

柄と柄がぶつかり合い、押し合い、圧(へ)し合う。

 ヴィータはその体格差が有っても、力負けしていない。

お互いに押し、離れる!

 

「・・・手前、何者(なにもん)だ、名を名乗れ。

私(アタシ)は、雲の騎士団(ヴォルケン・リッター)の鉄騎、ヴィータ。

・・・お前は?」

 

 これだけ話せる事もあり、それなりの知性も備えているだろうと類推し、問うてみた。

 

【・・・ヘカトンケイル・シリーズ・コットス。

・・・デュオ・J・スカリエッティ】

 

 ヴィータはそれを聞き、軽い動揺を隠せない。

 

「な、に? ・・・オイ! もっぺん、言って見ろ!」

【???・・・ヘカトンケイル・シリーズ・コットス = デュオ・J・スカリエッティ】

「テメェ、嘗めてるのか? そりゃ、手前等が攫った、家の者(もん)の名前と、同じじゃねぇか!」

 

 連続して叩き付けられるそれを、機体性能だけで、見て、交す!

受けたら、飛ばされる!

 連撃が治まり、一寸だけ距離が取れた。

だから、聞いてみた。

 違和感を感じるそれについて・・・

 

【・・・誰?】

「はぁ? 手前が、それを言うか!?」

 

 ヴィータは息を整えながら、言い切った!

 

「ウチのデュオはな! そりゃ、小憎たらしいが、可愛い・・・私らの、子だ!」

 

 最後の言葉が、何かを揺さぶる。

 

【・・・誰?】

「何所へ・・・やったんだよ。・・・最後に、会った時なんて、急に、倒れやがって」

 

 何かが、頭をもたげるかの様に、蠢き始めた。

 

【・・・誰? ・・・誰?】

「スッとボケるのか? ヴィヴィオと一緒に、手前等が、攫って行ったんだろうがっ!」

 

 それが指し示すのは、大人な女性と、幼い少女。

何故、二人なのか、その事が判らない。

 

【・・・ヴィヴィオ陛下?】

「ああん!? 誰だ? そりゃ?

陛下なんて付く奴は、ウチには居ねぇ。高町 ヴィヴィオだ!」

 

 幼き姿と、大人な姿、どちらも同じモノとして認識できる。

だから、更に応えた。

 

【・・・ビビオ姉?】

「おい、そりゃ、如何言う事だ? その呼び方は・・・」

 

 ・・・ビクン!

 

 突然、コットスが身震いすると・・・動きが、声が、替わった。

仕草も、何処となく女性的な感じへと変化した。

 

「・・・おい、答えろ! 手前、何者だ?」

 

 その変化を見逃さず、更に問うた。

 

【あらあら、その位にして貰えないかしら?

この子、まだ病み上がりだから・・・無茶はさせたくは無いの】

「ああ゛? 何言ってるんだ?

・・・さっきの奴とは、違う?」

 

 ついさっきまで話していた相手とは、声も何もかも違う事だけは判った。

だが、それがそのまま相手が入れ替わったのか、体を乗っ取ったのか・・・

多分、後者だろう。

 

【でも、貴女には、消えて貰った方が良いのかしら?

この子を惑わせるモノには・・・サヨウナラ!】

 

 そのまま、腰に手を遣り、何かを投げ付けて来た!

それは、向かって来る先から、拡がった!

 

「な!? これは!?」

 

 脳裏に浮かんだのは、網闘士《レティアリイ》と言う名の意味。 =投網《レテ》

 

「クソ! そうだよな! 得物を見た時に、気付くべきだったんだ!」

 

 ヴィータは絡み付くそれを振り払おうと、足掻く!

だが、引き裂く事も、引き千切る事もかなわない。

その行動が、更に自身を束縛していく!

 

「クッ! こんなモン!」

【無駄よ? ソレは、そう簡単には、引き千切れない様に作られているしね?】

 

 ゆっくりと、確実に仕留める為、慣れないフュスキーナを手放し、腰に手を廻し、容易に扱えるだろうグラディウスに手を掛け、引き抜き、近付く。

 咄嗟に、その迂闊に近付いて来るそれを好機とも捉え、戦いで培ったソレが反射的に命じていた。

 

「クッ! アイゼン! ラケーテン!」

【Jawohl.】

 

 身動きが取れないまま、ジェットによる回転を始め。

コマの様に回転しながら、相手の足に叩き付ける!

 

 ガキョッ!  拉げる足!

 

【な!】

 

 それでも、回転が止まらず。

さらには、投網が相手にも絡み付き、更に叩き付ける!

 

 ガリガリガッギギキィィ!

 

「な! と、止まれ!」

 

 思わず口にするも、そう簡単には止まらず、止めを刺すに至った。

 

「あ・・・ああ! デュオ!」

 

 その、アイゼンの刺(とげ)が刺さった、胸の辺りからは、赤い液体が・・・流れ出ていた。

あり得ない程の量が、流れ出した。

 

「ああ・・・あ、ど、どうし、て?」

 

 唖然とし、呆けている。

自分が、何をしてしまったのか・・・考えるのが、怖かった・・・

 

 

 

 何時まで、そうして居たのか。

 自分が揺すられているのに、気付くのが遅れた。

 

「・・・タ! ・・・ヴィータ! ヴィータ!? どないしたんや!」

「ア、ハヤテ?」

 

 己を取り戻すと、ハヤテが、傍に居た。

 

「どっか・・・怪我ぁ、したんか!?」

「ア、アタシは、大丈夫・・・! デュオが!」

 

 自分が、何をしてしまったのかを、思い出した。

 

「! ・・・ヴィータ? 如何したか、判るか?」

「は、ハヤテ! アタシ、デュオを、手に・・・掛けちまった!」

 

 ハヤテにしがみ付き、縋り付きながら、言った!

 

「・・・ソレは、如何云う?」

「・・・デュオが、乗ってたかも知れない。アレに・・・」

 

 そう言って、指し示した。

 

 胸に、アイゼンが刺さり。

 

 赤い、何かを流し続ける、隻眼鬼を・・・。

それを見て、どうしてそうなったのかを理解した上で、

 

「・・・判った。でも、今はしっかりせな、アカン!」

「で、でも!」

 

 バシィン!

ヴィータはハヤテに頬を張られた!

 

 頬を抑え、呆気にとられながらハヤテを見ると、

 

「嘆くんは、後からでも出来る!

・・・今は、デュオをちゃんと、弔ってやれる様、連れて帰るんが、肝心や!」

 

 ハヤテは、その衝撃の事実が心を揺さぶられたのか、つっかえながらも言葉をつづける。

その顔を真っ赤に染めながら、目に涙を滲ませながら、今は悲しんでやる事も出来ない場であり、どうする事を優先すべきか、指揮官としての顔だった。

 

「・・・そうやないんか? それとも、このまま、野晒しにして。

また何処かの、実験材料か、標本にさせるんか! 晒しもんにするんか!」

 

 そう、一括された。

 

「・・・そう、だよな。せめて、そんな事には、絶対(ぜってぇ)させねぇ。何が有ろうと・・・連れて帰る」

 

 グシグシと、涙の跡を拭い、今だけでも立ち直ろうとするヴィータ。

 

「そうや、だったら。せめて、これを抜いて、痛ない様に、してやらんと」

 

 アイゼンを指し示して言った。

 

「あ、ああ。一寸、待って。せめて、何かで、覆ってから」

 

 そう言って、救急箱(レスキュー・キッド)から、大判の布を引き出す。

それを、そっと掛けてやり。目を逸らしながら、そっと、アイゼンを引き抜いた。

 

「よっと! これで、痛くは、ねぇ、よな。・・・ゴメンな、痛い思いさせて」

 

 そう言って、そっと体格に似合わない程の巨躯を、抱き上げた。

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

 なのははヴィヴィオを救い、はやて達を見付けた。

 

「! ・・・はやてちゃん!」

「あ、なのはちゃん。そっちは・・・無事やったみたいやね」

 

 片腕に抱えられて居るヴィヴィオを見て、その無事を確かめた。

 

「? 何か、あったの?」

 

 ハヤテは、ヴィヴィオに聞かせるのは酷だと思い、今だけは後廻しにする事にした。

 

「あ、うん。後で、な。・・・ちゃんと、説明する。今は、帰る事を、優先しよう」

 

 その声色と、様子から、相当な事が有ったと察し。

 

「ウン。でも、話してくれるんだよね?」

「・・・うん」

 

 気が咎めるが、今は・・・

 

「・・・ワリィ。なのは、先に、謝っとく」

 

 なのはの方も、今は聞かない方が良いのだろうと解釈し、その先に続く言葉を遮って先延ばしにする事に・・・

 

「え? ・・・兎に角、後で話してくれるんだよね?」

「・・・ああ、絶対に、帰ろう」

 

 その事を、胸に秘め。

その背に背負ったモノと共に、帰ったら必ず、包み隠さずに伝える事を己に喫した。

その結果、いかなる咎を架せられるとしても・・・

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

思い浮かぶがままに、思い描けるがままに・・・




えー、気付いている方は、気が付いた通りです。

クアットロの洗脳(説得)から、デュオを守り《戦わせたくなければ》たくば、なのはを倒せと・・・倒す事が出来れば、何もさせないと・・・
そんなつもりはコレっぽっちもないが・・・その様に説得し、納得させた。


なのはは最初から大人なヴィヴィオと戦い、勝利。
クアットロも壁抜きで仕留める。


デュオも足止めとしての仕事を全う。


ハヤテはエンジン破壊。


閉じ込められる事はなかった。
そこまで知りませんでしたので・・・


では、次回 残された・還されたモノ達・・・
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