魔法少女リリカルなのはStrikerS ENEMY Side 作:トータス
何となく、こうなったのではないかと、思い浮かぶがままに、思い描けるがままに・・・
蛇足
森の奥深くで、頭部を半壊させつつも、特に支障がない様子で動き回っているコットス。
【ア、居タァ!】
ゼットンとルー姉が、こちらを見付け、手を振っているそこへ向かった。
「・・・ゴメンね。行ってあげられなくて」
【ダイジョーブ!】
そこへ、ゼストが口を挟んで来た。
「・・・ソレで、無事なんだな?」
【・・・何ガ?】
「その、何だ、鼻息がどうとかいう相手は・・・」
【・・・絞メラレテタ!】
「は? それは?」
【グッタリ!】
それを聞き、何となくだが理解が出来たらしいルーテシア。
「・・・多分、周りの人が、止めてくれたんだと思う」
「そ、そうか。なら、良いんだが・・・」
釈然としないながらも、それならそれで良いかとゼストは考えた。
【ア、ソウソウ! コレ! 持ッテテ!】
「「???」」
【ジャジャァアン!】
そう言って取り出したのは、競り落とした筈のロストロギア。
「・・・持って来たのか?」
【ウン! ウー姉ガ、最近ローヒガ多イッテ、言ッテタシ!】
「・・・そうか」
【後、別ノ所ニ置イテアッタ! ダカラ、取ッテ来タ!】
「・・・ならば、競りに掛けられていたのは、複製品(レプリカ)か?」
【ウゥン、本物ダッタ! 他ニモ、出テタノ山積ミダッタ!】
その事を聞き、有る程度合点が行ったのか。
「だとすれば、掏り替えられた?」
「ステータスとしては、所持しているだけで良い訳だから。
偽物であっても、問題は無い?」
「・・・じゃあさぁ、何でそんな事を?」
「・・・資金調達の為に、金持ちを騙して、金を巻き上げ様としている可能性も、あるな」
話に付いて行けなくなって、言われている事が判らなくなった。
だから、アギトに聞いて見る事に。
【??? ネェネェ、ドシタノ?】
「ああ? そりゃ、オークションにかこつけて、偽物を売りつけようって事だろ?」
【・・・オオッ! デモ良イノ?】
「そりゃ、ダメだろ?」
【ジャア、帰ル時ノハ、偽物? 偽物ニ、オ金、出スノ?】
「あー、ダメだろ。そりゃ」
そう言われ、考え込む。頭部が破損した状態のまま。
考えても、答えは出ない。
だとすれば、出せるであろう相手を頼る!
【ゼットォーン! 如何スレバ良イノ?】
「な、に? 今、何と?」
【? ゼットン?】
「何だ、その呼び方は!」
【ゼットンハ、ゼットンデショ?】
「私の名前はゼストだ。ゼスト・グランガイツだ!」
【ウン。ダカラ、ゼットン】
「ゼ・ス・ト!」
【ゼットン】
「ゼ・ス・ト」
【ゼットン】
このやり取りがしばらく続き、終わりそうもなくなった。
「なぁ、ルールー。いい加減止めないと。ダンナも大人げないよなぁ」
「・・・うん」
それを聞き咎め、折れた。
「・・・分かった。それで良い」
【ウン! ソレデ、ゼットン。如何スレバイイノ?】
「・・・そうだな。受け取ったら、直に鑑定して貰えれば、一番良いんだが。
・・・そう都合良くは、行かないだろう」
【分カッタ! ジャア、コレ、預カッテテ!】
そう言うと、あっという間に長身痩躯の機体は、傷だらけのキャリー・バッグと化していた。
「・・・つまり、これを持って帰っておいて欲しかったと」
「多分」
「まぁ、引き上げて回収する訳にゃ、いかねぇよな」
そこへ、別の声が響く。
「なら、私が受け取っておくわ」
「・・・お前は?」
・・・ ・・・
ヘッド・マウント・ディスプレイを外し、一息つくと。
一目散にオークション会場へと、引き返した。
会場では、外が落ち着いた事と、オークションが再開された事により、再び活気に溢れだした!
次々に高値の物が競り落とされ、天井知らずの様に思われる程の盛況ぶりを見せている。
それも、もう直終わる。
ほぼ全ての品が競り落とされ、残っているのは、最後の一つとなった様だ。
これが終われば、競り落とされた物は、それぞれの手元に渡る事になっている。
「さて、これは今回のオークションに置いて、最後の品となりました!
こちらになります! どうぞ!」
その合図と共に現れた物、それは、
「エー、説明させていただきます!
こちらは、と有る管理外世界から持ち込まれた物で、有る貴重な映像が収められたロストロギアだと言う事です!
内容に関しては、落札された方のみ、視聴できると言う事で、定かでは有りません。
エェト、題名に関しては、魔砲少女? リリカル・・・、すみません一寸失礼します」
司会者が舞台袖に下がり、何やら話し合っている。
さらには、ユーノも呼び出され、協議を重ねている。
さらに長引く。
「えぇ、大変お待たせして申し訳ありません。今回、出品された方からの申し出で、この品は取り下げさせて貰うと言う事に、あいなりました!
大変失礼をいたしました!」
ザワザワと会場中がざわめく中、傍にジィサンが来た。
「失礼いたします。お連れの方が、お見えになりましたので。ロビーまで、お越しください」
コク!
そのまま一緒に付いて行き、会場を後にした。
ロビーでは、金髪のサングラスを付けたグラマラスな女性が、似つかわしくない傷だらけのキャリー・カートを片手に立っていた。
その女性はこちらを見るなり、ツカツカと近付き、そっと抱き締められた。
そのまま、耳元で囁(ささや)く。
「元気そうね。連絡では聞いていたけど、元気にしてた?」
そう、優しく言われ。声が無いまま、泣き叫び始めた。
力の限り、抱きしめ返しながら、止めど無く、溢れる涙を堪え様ともせず。泣き続けた。
その様子を、傍で見ていた者は、涙を誘うそれに、そっと背を向け、ハンカチを目に当てていた。
そんな周囲の様子には目もくれず。
その背を、そっとさすりながら、優しく抱きあげられた。
そのまま泣くに任せ、そっと、抱き続けた。
数分ほど、経過しただろうか、厳(おごそ)かな声が、聞こえた。
「・・・失礼いたします、お部屋にご案内いたします」
そう言って、手を振り。別の人間を呼び、両手が塞がっている相手の替わりに荷物を運ぶよう、指示を出した。
「では、よろしいですか?」
そっと肯くのを見て取り、静かに歩きだした。
その後、オークション会場では、匿名の情報が寄せられ、一部を除き、正当な持ち主の元へと、品が送られた。
・・・ ・・・
朝起きると、その姿は無かった。
それから直に、ジィサンが現れ。もう既に発った後だと言う事だった。
引き留めてはくれた様だが、
「これ以上は、別れが辛くなってしまうから」と言われ、伝言だけ残し、去って行ったとの事だった。
伝言は、
「次に会う時は、ずっと一緒だから。もう、離さない」それだけだった。
私としては、こうなっていたのではないかと・・・