魔法少女リリカルなのはStrikerS ENEMY Side   作:トータス

8 / 52
原作とは一寸だけ違いがあります。

コレを書いた時点では、どんなものか、どんな展開だったかを知らないままに書いていましたので・・・


第七話   これは不幸で不運な・・・事故である

これは不幸で不運な・・・事故である

 

 

これは、事故である。大変な不幸が重なった結果でも、ある。

 

 

 目が覚めると、何処とも判らない場所であった。

 

「あら? 目が覚めた?」

 

 枕元に、知らない女の人が立っていた。

 

「アナタ、大変な目に遭ったみたいね。でも、もう大丈夫!

ココは安全だから! 安心してね?」

 

 そう言いながら、何事か手元のボードに書き込んで行く。

 

「あ、そうそう。君のお名前、書けるかな?」

 

 そう言いながら、ペンを手渡された。

 

 コク!

その位なら、大丈夫だよね?

 

 ゆっくりと、ボードが見える位置に体を起こされた。

 

「じゃあ、書いて貰っても、良いかな?」

 

 一応、自分の名前位は書ける。下手っぴだが。

 

 デュオはそのペンを受け取り、そこにミミズがのたくっている様な字だが、自分の名前を書く。

 

「んー、デウス?」

 

 フルフル

 

「違った? じゃあ、デューク?」

 

 フルフル!

 

「・・・これも、違うか。・・・判った! デモン!」

 

 フルフルフル!

 

「え?  違ったかぁ。んー、デュラン?」

 

 ブルブル!

 

「んー?  デュオ?」

 

 コクコク!

 

「ちが・・・え? 合ってた!?」

 

 コクコク!

 

「そっかぁ。君は、デュオ君か!

私は、エミリア。ここで看護師(ナース)兼、修道女(シスター)として、働いているの!

よろしくね!」

 

 コク!

 

「じゃあ、先生を呼んで来るから、大人しくして居てね?」

 

 そう言うと、病室から去って行った。

 

 

 

 暫くしても、返って来る様子は無い。

怪我も無いし、寝ていただけだから、退屈!

一寸位、出歩いても・・・大丈夫! な筈!

 

 早速、冒険する事に決めた!

 

 そっと、病室を抜け出し、外へと向かう。

途中、敵(シスター)に遭遇!

 間髪! 発見されるには至らなかった!

 

 

 そうこうする内に、中庭に辿り着いた。

 

 すると、突如として、警報が響き亘る!

何処かに隠れた方が良さそう!?

 目前の茂みが丁度良さそうだ!

 

 ・・・先客が居た。突き飛ばされた!

 

 コロコロと転がされ、また道に出た。

 

 パリィィン! と、何かが割れる音がして、頭上から、大きな物が降って来る!

降って来た何かは、丁度、自分を跨ぐ感じに降り立った!

目の前、真っ暗!

 

 何やら外では騒がしい。・・・何か、揉めてる?

取敢えず、外を覗き込む。

 

 あ・・・まおー!

 

 目の前には、自分を突き飛ばした相手と、まおー(なのは)の姿。

 

 こっちは駄目!

反対から、逃げる!

 

 ガスッ!

!? 頭に凄い衝撃が! 来た!

 

 何かに縋り、何かを掴み。意識が遠くなって・・・

 

 

  ・・・   ・・・

 

 

 目の前の事が、信じられなかった。

 

 保護した子供《ヴィヴィオ》を見付けた所までは良かったのだが、シスター・シャッハが警戒し、飛び下りて来たその足元に・・・

兎に角、踏み付けてはいない様だし、先ずは目の前の子から落ち着かせたんだけど・・・

 

 シスター・シャッハのスカートが捲れたと思ったら、子供が顔を出し。

こっちを見て、驚いたと思ったら、引込んで。

それで、パニックになったシャッハが、咄嗟にスカートの布越しに、シャフトを叩き込んで・・・凄い音が!

 

 直に退いて貰って見ると。

気絶した子の手に、何だか紐の付いた黒い布が・・・見えたり、なかったり。

 

 ・・・即座に取り返された様だ。

 

 直に看護師が来て、処置がなされた。

幸い、分厚い布越しで有った事と、体重が軽く。押しやられた様子で、大分力が分散した様でもあった。

頭蓋が丈夫であった事も幸いし。大事には至らなかった。

 

・・・記憶は、飛んだ様だが。

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

車での移動中

 

 シグナムに運転を任せ、なのははフェイトと通話中。

 

【ねぇ、なのは。あの子《デュオ》、どうだった?】

「にゃ!? ア、ウ、ウン。一寸した・・・事故が有って」

【! 何が!? 何が有ったの!?】

「ア、アー、んーと。何て言ったらいいのか・・・記憶が飛んでて、何も覚えてないみたい」

【そ、そう。余程、怖い思いをしてたんだね】

「う、うん。でも、もう少ししたら大丈夫だろうって!」

 

(言えない、あんな事が有って、頭を強打されたからなんて。

その原因が、あんな事だったなんて!)

 

【でも、あの子の親御さん、見付からないし。未登録者だったから・・・施設に送られるのかな?】

「ウン、そうなっちゃうのかな?」

【・・・私、決めた! なのは、あの子は、私が引き取る!】

「ウン、その方が良いかも!」

 

(シスターも、あんな事仕出かしちゃったら、顔を合わせ辛いだろうし・・・この方が、まだ・・・)

 

 横で聞いていたシグナムが、口を挟んだ。

 

「ならば、私も手伝おう。その位は、手伝えんでもない。

それに、私はあの子に武の片鱗を見た」

【シグナム? 協力してくれるの!?】

「ああ、あの位の子供の内に仕込めば、行く行くは・・・」

「シ、シグナム? ど、如何したのかな?」

「・・・こあいの」

【えっと、だったら、大丈夫かな?】

 

 

 そうして、素性が判らないまま、機動六課に引き取られる事と相成った。

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

数日後・・・

 

 簡易検査は特に問題無く終わり、引き取られる事となった。

引き取られる前に、精密検査を終え、その結果を見た医師から、

 

「すみません。一寸」

「はい? 何か?」

「・・・これを、見て頂けますか?」

 

 担当医師から手渡されたソレを覗き込むフェイト。

 

「・・・これは?」

 

 一目見て在る程度は判ったが、確認する意味でフェイトは問うた。

 

「何らかの処置により、埋め込まれた異物かと・・・

確定は出来ませんが、取り出す事は・・・」

 

 そう言いながら、首を振る医師。

 

「・・・判りました。この件は・・・」

「判っています。ですが、覚悟は、されて置かれた方が良いかと・・・」

「ええ、でも、あんなに、元気なのに・・・」

 

 そう言いながら、外の様子を伺う。

そこには、元気に楽しげに過ごす姿しか、映らない。

 

「でも、何で、あの子が!」

「・・・お察しします。ですから、引き取る事は・・・」

 

 遠回しに、今からでも遅くは無い、引き取る事を諦める様、暗に勧められた。

それが個人のエゴで在ったとしても・・・それもまた一つの正しい選択肢でもある。

抱え込み、共倒れになるよりは・・・

少しでも、お互いの為に成る事を、との気持ちもあったのだろう。

 だが、選択した者にとっては、それをも呑み下すモノでしかなかった。

 

「・・・いいえ、それを聞いた以上、そう決めた以上。そうする事を、覚悟するつもりです」

「ですが・・・イエ、何でも。そこまで意志が固いのであれば、こちらも。

協力は惜しみません!」

 

 その目を見て、その意志の固さを確かめた。

これだけの意思を固めているのであれば、あるいは・・・

 

「・・・お願いします」

 

 フェイトは声が震えない様、その顔を見られない様、深々と頭を下げている。

 

「・・・では、私からは、以上です。

どうぞ、お会いになって上げてください」

 

 そう言いながら、背を向け、促した。

 

「・・・はい、ありがとうございました」

「・・・お大事に」

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

 目の前に、金色の人が居る!

 

「こんにちは! デュオ君、だよね?

私はフェイト。今日から、君のお母さんになったんだ。よろしくね!」

 

 そう言って、手を差し出される。

 

 じー。

 じー、じー。

 

 見詰めるデュオ。

 見詰められるフェイト。

 

 サッ!

エミリアの後ろに隠れる!

 

「え、ええっと!」

 

 エミリアとしては、その事に戸惑ってしまう。

 

「あはは、急に馴れ馴れしかったかな?」

 

 一寸頭に手をやりながら、どうしたモノかと・・・

 

「あ、いえ。その、何か美味しい物が有れば・・・その」

「え?」

「あ、いえ。結構、舌が肥えてて。美味しそうな物が有ると、そこに・・・

私もオヤツを食べている時に・・・そうだ!

何か、お菓子とか持ってますか?」

「ア、うん。一寸待っててね。・・・確か、ココに・・・あ、有った!」

 

 そう言って取り出されたのは、野菜が練り込まれたクッキー。

 

「ア、これは・・・駄目かな?」

 

 見た目、子供が苦手そうな色の野菜のクッキー。

 

「ああ、それ位なら。ほら、貰っておいで」

 

 そっと、背中を押され、押し出され。

 後ろを振り返りつつ、受け取りに行くデュオ。

特に抵抗なく受け取ると、

 

「えっと、よろしくね」

 

 そう言って、そっと抱き締められた。

何故か、涙が零れる。

忘れまいとした、何かが、脳裏を横切る。

 

「え? ええっと?」

 

 突然、泣き出され。途方に暮れるフェイトだが、抱き返されたその手は、離れない。

放すまい、放してなるモノかと、グイグイと力が込められる。

 

 声無き、泣き声が、漏れる。

 

「あ、そのままに。

今まで、泣いた事、無かったんですけどね。

・・・安心したんだと思います」

 

 その様子を見ていたエミリアは、それまでの様子を掻い摘んで説明した。

 

「え? そうだったの?」

「ええ、最初は、何か(精神的・肉体的な)異常が有るんじゃないかって、考えたんですけど。

特に、そんな様子も無いし。

・・・きっと何かを思い出したのかも・・・」

「そっか、ならこのままで、居てあげようか・・・」

「あ、それは・・・止めた方が・・・」

「? どうして?」

「イエ、結構体力が有って、一寸やそっとじゃぁ・・・」

「そんな事は、無いんじゃないかな?」

「・・・そうだと、良いんですが」

 

 

 

 しばらくして、その事を後悔する事に・・・

 

 何時までも、そのままで居る訳にも行かず、誰かに迎えに来て貰うまで、帰れなかった。

運転が出来なくなったため。

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

機動六課宿舎

 

「えっと、この子が今日からココの一員になりました!

一応、デュオ・T・ハラオウンという事で、皆! よろしくね!」

 

 そこには隊長の威厳は皆無。

子供をぶら下げたまま、離れなくなった。

疲れて眠りはしたが、手だけは放さず、離れず。ガッチリと、序(ついで)に魔力を使っての固定。

抜くに抜けない、放すに離せない。

 

 目を覚ますまでは、決して放すまいとの意地が見える。

 

 もう片方も、放すまいと頑張っては居た。

 

「行っちゃ、ヤーダー!」

「あはは、ヴィヴィオ、ゴメンね。お仕事だから、連れてはいけないの。

だから、我慢してくれる?」

 

 一寸だけ、迷う素振りを見せたが、

「・・・駄目!」

「うーん、如何しようか?

じゃあ、帰ってきたら。思いっきり遊んであげるから!

それまでは、我慢して貰えるかな?」

「・・・ダーメ!」

「うー、フェイトちゃん。如何しようか?」

「・・・なのは、それはこっちのセリフでも有るの」

「・・・そうだね。そっちの方が、大変そうだね・・・」

 

 言い聞かせれば、こっちは何とか成るかも知れない。

が、無意識に、しかも魔法を使ってまで抵抗されたとなれば、手の打ち様が無い。

 

 

 それから暫くし、ヴィヴィオは疲れ切って寝てしまった。

もう一方は、一向に打つ手が無いまま、本局へ行く羽目になった。

 

 

 あの手この手を使い、如何にかしようとしたが、如何にもならなかった。

 

 

 一方、本局では、あの難攻不落の城が落ちた!?

イヤ、隠し子が居た! 相手は義理の兄だ! イヤ、性別を超越した愛の結晶だ!?

イヤ、あの胸に顔を埋め、窒息した勇者が居る!

 イヤ、首に抱きついて離れないらしい!

それは何処のどいつだ! 羨ましい! 妬ましい! 替われー!

 などと、デマだか真実だかが流れた?

さらに、もう一人の深窓が陥落したとも。 ソイツは何処だ! と大騒ぎになったりも!?

 

 

 会議までには何とか放たれ、とある職員の元に預けられた。

何でも、一言囁かれたらアッサリ取れたとか・・・

一部でフロスティと呼ばれる女性とか。その女性のおかげで、出れたしそっちもデレた!?

 

 

 その日の夜、とある家では、角が生えたとか、生えなかったとか?

ただ、眠れない夜を過ごしたとか・・・




シスター・シャッハは尼僧服のまま、デバイスのみの展開。
頭上から降り立ち、丁度スカートが覆いかぶさる様な感じだと、お思いください。
まぁ、運良く踏まれずに隠れる事が出来たと・・・


思い浮かぶがままに、思い描けるがままに・・・


次回 《第一次 Kids Hazard?》

貴方は何処まで大目に見ますか?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。