Fate/Rage   作:ぽk

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第一回戦(後)

 

それはムーンセル(月の聖杯)とて驚くべき現実。

過去の英雄でも不死や復活の能力を持つ英雄はいる。

 

だが・・・あのイレギュラーは違う。

 

不死などと言っていい訳がない・・・。

復活などと安いものではない・・・。

 

あれは、あれはサーヴァントなどでは無い。

神や上位種の存在などでもない・・・。

 

あれこそが、人の有り方————。

記憶し、観測し続けた人の有り方そのものではないか————————。

 

 

 

———————————————————

 

 

 

「な、何なんだよお前!?何で心臓撃たれたのに生きてんだよ!?」

 

ライダーの弾丸は確かにサモナーの心臓を貫いた。

そう・・・確かに貫いた筈だった。

 

「悪いね。僕幸運がお宅のライダーと一緒でEXな訳でさ。どういう事か、如何なる攻撃も心臓を貫く(・・・・・・)と確定でね。おまけに耐久は豆腐以下。避けても心臓を貫かれるから痛いんだよね」

 

ちょっと待てや。

何で幸運がEXのくせにそんなピーキーなの?!

と言うか何で普通に立ってられるの?!サモナー死んだんだよね?!

 

「落ち着いてマスター。終わったら話すから」

 

言ったな?

だったら早く終わらせなさい。

 

「はいはい。そんな訳だから今日は終わらせるよ。もうすぐセラフがやって来るからね」

 

「へぇ...どう終わらせるんだい?」

 

ライダーの弾丸がまたサモナーの心臓を貫くかと思われた。

 

が。

 

「止めなよ。僕は一度心臓を貫かれた相手の攻撃は当たらない。因果の逆転でも命中出来ない。君の攻撃は当たらない」

 

「チィッ・・・!!!」

 

「幻想が始まり、混沌が終わりを告げる。ああ、嵐がやって来る。

静まり給え、供物は此処に。眠り給え、寝床は其処に・・・・・・」

 

サモナーのカードが円を描く。

カードは皆バラバラな動きで円を描く。

 

しかしソレは指揮。

 

奏でているのはサモナー自身。

 

「終の使者は来た!召喚、———————混沌帝龍(カオス・エンペラー・ドラゴン)

 

アリーナ全体を揺らす振動と共に空間を引き裂いてソレは君臨する。

幻想種の中でも竜はその頂点に君臨する幻想種。

 

だが・・・これは幻想などでは無い。

人の幻想が、現実となって現れる...!

 

ソレはライダーを敵と認識し、咆哮を上げる。

 

「クッ...!!!まさか本物(・・)と出会えるなんてねぇ!」

 

幻想種の頂点に君臨する竜に・・・ましてや次元を超えて召喚された本物の君臨者に、幻想ではない人は抗う事すら許されない。

支配者に抵抗するなど許されない。

 

「よしよし。召喚できたのはいいけど存在感が有り過ぎて見つかったな、残念」

 

サモナーが召喚したドラゴンがライダーの首を噛み切ろうとした時だ、警報と共に警告のメッセージか表示される。

 

「混沌帝龍、もう良い。殺し合いはもっと相応しい場所で殺り合わなきゃ楽しくないだろ?」

 

サモナーの指示でドラゴンはライダーに興味を無くしたのか背中を向ける。

だが反撃は出来ない。

瞬き一つでそのドラゴンはライダーの首を落とすだろう。

 

「どうだい小僧。支配者に抗えない気分は?」

 

サモナーが呼び出したドラゴンに触れると、泡のように消えて行った。

 

「う、うるさい!ゲームは此処からなんだ!この位で勝った気になるな!!!」

 

そう言ってシンジはアリーナから消えた。

サーヴァントを休ませるためにアリーナから脱出したのだろうか?

 

そんな事よりもサモナー説明。

 

「うわあ、心臓撃たれた僕に辛辣な台詞を吐くね。ちょっとは休ませるかマイルームに帰るとか選択肢は無いの?」

 

はっはっは!ある訳がないだろう?

どうせマイルームに戻ったら話をはぐらかすに決まっているだろう?

 

「僕の信頼度低いな・・・。で、何から知りたいの?」

 

心臓を撃ち抜かれて何で生きてるのか、からお前のステータス本当に如何なってるんだ、まで。

ついでにさっきのドラゴンも。

 

「良いよ、まずは僕のステータスからだね。僕の耐久がE-Ⅹだろ?」

 

そうだね、初めて見た時は白目向くかと思ったよ。

いやもしかして白目向いてたかもしれない。

 

「これは・・・その、僕の真名が原因でね。月に侵入したのは良いけどそこでムーンセルと一戦交えちゃってね、これはその時固定ステータス化されたんだよ」

 

ほ、ほう・・・続けてどうぞ。

 

「で、こんな耐久じゃ豆腐以前の問題だ。それで僕は幸運のEXを違う意味でEXにしたんだ」

 

へ、へぇ~~~~・・・。

 

「ムーンセルと一戦交えた時、月の聖杯の一部を切り取ってやったんだ。思ったよりも結構便利なんだよこれ」

 

碧い片手サイズのキューブで遊ぶサモナー。

 

大丈夫、問題は無い。耐えろ私...!

 

「僕の幸運のベクトルを心臓に集中させることによって、一番の急所である心臓に相手の攻撃は心臓しか当たらせない、と言う相手の意思を逆転をさせる。これで耐久の問題はなんとかなって、死んでも白野と共に在る限り僕は立ち上がることが出来る。どんな形であれ、僕が殺されたら僕の心臓は死に耐性を持つ。一度目は許すけど、二度目は許さない。そいつは僕の心臓を狙うことが出来ない。命中できない。確定できない。決定できない。殺すことが出来ない。心臓を狙えばはずれる。矛盾が生まれて何も出来ない。そういう事なんだ」

 

えーーーっと、つまりはお前の幸運は相手の攻撃を相手の意思関係なく心臓に狙わせてあえて死ぬ。しかし私がマスターで有る限り復活出来る?

更に二回目の攻撃は許さず、攻撃は外れる?

でおk?

 

「そんな感じ。いやー理解してもらえて嬉しいな。あ、でも復活じゃなくて立ち上がる事が出来るだけだよ。見てよほら、傷塞がってないでしょ?」

 

ちょ!!!

スプラッタなもん見せるな!

なんかコートがまだ赤いなって思ってたら塞がって無かったとは・・・!!!

その傷って治るの?!

 

「治るって言うか過去の再現だね。切り取った月の聖杯の力で、僕の心臓を打たれる前の状態に戻す。

すると何という事でしょ~、コートも血塗れになる前に再現できました~!」

 

うわ~い!コートや他衣服やら元に戻ってる~凄いね月の聖杯~!

流石サモナー!

何やらかしてんだよおおおおおぉぉぉおおお!!!!

この馬鹿野郎がぁあああ!!!

 

余りにも予想外な発言ばかり聞き、衣服の上からサモナーの心臓があるであろう部位を鷲掴みするように力を入れる。

 

「ぐはぁっ!いでででだだだ痛い痛いよマスター!!!心臓が、再現したばっかりの心臓が潰れる!」

 

そのまま潰れてしまえっ!!!

 

なに月にやって来たって?

何でムーンセルとソードオブデスやってんの?

そしてなんで月の聖杯切り取って来てんの?

 

最弱なの?それともチートオブチートなの?

 

いやこいつは私の手で始末せねば。

 

「いでだだだだだだだだっ!!!怖いこと考えないでマスター!それとそろそろ離さないとほんとに心臓が潰れそう!」

 

心配ない。私があの世に送ってやるよ。

だから安心して逝くと良い。

 

ギリギリと手に力を入れる。

耐久がピーキーなので私の様な魔術師でもダメージは与えられる(心臓に)。

 

「ギブギブギブギブギブ!!!話さなくてごめんって!黙っててすいませんでした!!!どうか静まり給え!!!」

 

最近耳が遠くて何も聞こえないな?

はははここは電子の世界だっていうのにおかしな話だよね。

 

サモナーの悲鳴?

いいえ。私の耳には聞こえませんでした。

どうせどこかでのたれ死んでるんじゃないですか?

 

さてキートリガーと藤村先生の竹刀を探さなければ。

 

エネミーは何処かのサーヴァントが倒しまくってくれたおかげで数は少ない。

うんこれなら私一人でもアリーナを攻略できそうだ。

 

さっさとマイルームに戻ってゴロゴロしたいな。

 

「ま、ます、た・・・・・・。」

 

あ、サモナーが死んだ。

安心して、私は人でなしではないからね。

 

どうせすぐに立てるだろ?

さあ立てサモナー!!!

 

「た、逞し過ぎるよマスター!あと少しでほんとに死にかけたからね?!マスター(伴侶)に殺されるなんて悲し過ぎる!あ、待ってよマスター!立ち上がった君のサーヴァントなのに置いて行くのは酷くない?!待ってよ~!!!」

 

追いかけて来るサモナーを必死に撒き(無駄に俊敏B+もあるので直ぐに捕まった)、エネミーを避けながら(サモナーがカード投げまくって一掃した)、藤村先生の竹刀を見つけて(アイテムフォルダに罠がかかっていたがサモナーが除去)、最後にキートリガーを(ボロボロになりながら)入手出来たのは奇跡としか言いようがない。

 

藤村先生に竹刀を渡すと、何故かお礼に沢山のキャンドルを貰った。

電子の世界なので光は消える事は無い。

 

 

 

 

だが・・・・・・サモナーが面白がってキャンドルに改造を施し、校舎中をパニックにさせたのは言うまい。

 

 

 

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