Fate/Rage   作:ぽk

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二回戦 本戦(後)

 

 

人の祈りの形として生み出された、顔のない王。

かの若者はその一人。

 

その弓は、イチイから作られ、若者は森と一つになった。

 

イチイは不浄を清める聖なる木。

 

その力が宝具となれば・・・

 

 

「こんな事に成る訳だ。」

 

 

先に動いたのは、緑衣のアーチャー...ロビン・フッドだ。

彼は、宝具を使い、サモナーを巨大な木に取り込んだ。

 

 

「どうだい。俺の宝具はこんな使い方もできるんだぜ。その内お前はイチイと一つになる。」

 

「うわあ...最悪だな。白野どうしたらいいと思う?」

 

 

こんな状況でも、サモナーは普通に話しかける。

 

え、っと・・・取り合えず、木を燃やすとかしたらどうでしょうか?

 

 

「そうだね・・・良い案だ。」

 

「は?ちょ、ま!」

 

 

アーチャーの静止も無駄のように、イチイの木は突然燃える。

炎に苦しむかのように、イチイの木は激しく燃える。

 

 

「燃えろ燃えろ、木よ燃えろ。朽ち果てたその木炭から生まれるは、新たな炎。生まれ出は炎の竜…」

 

 

サモナーの詠唱が、燃えるイチイの木を変化させる。

 

 

「召喚————神炎皇ウリア。」

 

 

炎の柱がイチイを灰と化す。

やがて、その炎は形を成し、巨大な竜となる。

 

 

『—————————!!!!!』

 

 

炎から生まれし、赤き竜。

その産声はアリーナを、いや全ての決闘場を揺らす。

 

 

「激辛麻婆豆腐のお陰で召喚できたのはいいけど…もうちょっとなんかあった気がするが、まあいいか。」

 

 

え、あの麻婆豆腐の所為でこんな巨大な竜が出て来ちゃったの?!

私の所為?!

 

 

「いや違う奴が出て来るかと思ったんだけど…まああいつが出て来るのはもっと先かな。」

 

 

……あのさ、一体何を召喚しようとしてたの?

 

 

「んー。不死鳥でも召喚しようとしたけど、あいつは供物かなんか要るのかな・・・それとも、量が足りなかったのかな。」

 

 

此奴にはもう激辛麻婆豆腐...いや何も食わせまい。

あぁ、青子さんにまた怒られる。

 

サモナーが召喚するにあたって、何かを召喚するのはまだいい。

しかし、召喚するにあたって、周りのデータを取り込んで変換する所為で、サモナーの熱量が半端じゃない。

 

しかも、取り込んだデータは解体するしか方法は無く。

溜まれば溜まるほど、サモナーに負荷がかかり、周りにも影響が出ると言う。

 

勘弁してほしいよ・・・。

 

 

「おいおい、何出して来てんだよあんた。」

 

「はっはっは!どうだ、本物の幻想種に会うのは初めてだろう?しかも、人が生み出した幻想では無く、星が生み出した脅威そのもの。凄いだろう!召喚できる僕って凄いだろ!」

 

「自慢してる場合かよ!?」

 

 

炎の竜は、口を大きく開け、アリーナの空気・・・いや、データを吸い込む。

 

 

「まじかよっ!?旦那!!!」

 

「うむ。汝がマスター、ダン・ブラックモアが令呪を以って命ずる。アーチャーよ……祈りの弓(イー・バウ)を用いて、炎の竜を討伐せよ!!!」

 

 

ダン卿の右手にある令呪が輝く。

軌跡を生み出せる令呪を此処で使うという事は・・・彼は・・・

 

 

「イチイの木よ……燃え尽きることなく、葉を散らせ。今こそ、その牙を見せろ!祈りの弓(イー・バウ)!!!」

 

「ウリア、超神炎砲(ブレイズ・キャノン)!!!」

 

 

二度目の宝具は令呪の力もあり、サモナーの時と比べ物にならない巨大な木。

しかし、炎の竜もやすやすと飲み込まれる事は無く、その吐き出される吐息はまさに炎そのもの。

 

その炎はイチイの木を燃やす。

 

だが・・・令呪を使用された宝具は、炎の勢いにも劣らず、竜を飲み込んでいく。

 

 

「参ったな・・・ライダーのように対軍宝具だったら、聖なるバリアを使えるけど・・・対人じゃあ難しいな。」

 

「どうだい、旦那にとって負けられない戦いなんだ。おたくはさっさと死んでくれよ。」

 

「なに馬鹿な事言ってんだよ...。」

 

「そうでもないんじゃねえか?おたく、あの炎の竜を召喚して、もう魔力ないんだろ。お嬢さんと如何言う契約したのか知らねえけど、ここらで終わりにしようぜ。」

 

「・・・・・・・・・。」

 

 

炎の竜・・・神炎皇ウリアは、イチイの木に取り込まれ、イチイの木は葉を散らす。

断末魔さえもイチイの木は飲み込む。

 

 

アーチャーが言っている事が正しいのなら、魔力が無いサモナーは何も召喚できない。

 

 

「まさか・・・僕が本当に此処で終わりだと思ってるのか?令呪の一画を使われただけで、終わりだと?とことん馬鹿だよな。」

 

「はあ?」

 

 

 

 

 

「体を蝕む事が出来るのは、何も毒だけじゃないだろ。」

 

 

 

 

 

そう。

私は確かに止めたはずだった。

 

だが、それが甘かったのだと今日この日思い知った。

 

ライダーが何故、サモナーを深く信じるなと言った意味が、この日ようやくわかった。

 

理不尽なんて唐突にやって来る。

それは、考えもせず、ましてや予想すら出来ない。

 

そんな理不尽をサモナーは、振りかざしたのだった。

 

 

 

 

 

「発動———————死の破壊ウイルス」

 

 

 

 

 

彼の心臓は死、そのもの。

遠ざける事も出来ず、避けることも出来ない。

 

出来る事としたら、別れの覚悟のみ。

 

だけど、死は突然やって来る。

 

 

覚悟なんて、出来ない。

 

 





デッキ無いから許せ。
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