Fate/Rage   作:ぽk

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中身

 

 

 

「ちょっと・・・なによ、これ?」

 

 

酷く驚いている遠坂。

何かトラブルでもあったのか?

 

 

「トラブルと言えばトラブルね。貴女のデータが此処まで損傷が激しいとは思っても見なかったけど…それ以上に、如何して貴女のデータに『開かぬ箱(パラライズ・ボックス)』がある訳?こんな物騒なものを抱えてる貴女に、よくムーンセルが気が付かなかったわね…あ、貴女のサーヴァントのお陰か」

 

 

私の額から手を離した遠坂は、

険しい顔をして、急ぐように何かを調べている。

 

開かぬ箱(パラライズ・ボックス)』?

遠坂さん、遠坂さん、その箱って何ですか?

 

 

開かぬ箱(パラライズ・ボックス)って言うのはね、何処にでもあるような箱だけど、中身は違うの。外の箱は何人からも中の箱を隠し、欺き、守り通す。中の箱を見ることが出来るのは、箱の持ち主ただ一人。」

 

 

とっても頑丈な金庫って事?

 

 

「いいえ、金庫は中身を誰かが知っているでしょ。開かぬ箱(パラライズ・ボックス)は、誰も知らない淵の箱。中身を誰が、どのように、如何して、入れたのか全く持って不明の箱。不気味なうえに、これ以上に無いくらい危険だわ。」

 

 

そうか…中身が分からないから、一体何が入ってるのか分からない。

だから、何があってもおかしくは無い、という事か。

 

パンドラが開けた箱には、世の全ての悪と災いが封じ込められていたのだから...

 

 

「そうよ。でも、参ったわね。貴女の記憶のデータが、もしかしたらこの箱の中に入っているかもしれないのに………」

 

 

この箱って、無理矢理にでも開ける事って出来ないの?

まあ、そんな事をしたら私がただで済むはずはないと思うけど...

 

 

「この箱は、誰かが開けるんじゃないの。箱が自らの時を選んで、中身をその持ち主に与えるの。まあ、無理矢理開けようにも、こんな防御壁(プロテクト)をかけられてるんじゃ手が出せないわ。」

 

 

私の身体、もといデータが…何でそんな事になってるんだ?

ああ、心当たりがあるのが辛い。

 

遠坂でも手出しできない防御壁を私に施せる人物が何処に居よう?

ああ、直ぐ近くに居るとも。

 

私の直ぐ傍に居て、それを教えなかった人物が他にもいるだろう?

ああ、ムカつくぐらいすぐ傍に居る。

 

 

遠坂…今からちょっとサモナー召喚するから、ちょっとサーヴァント待機させておいてほしい。

 

 

「ちょっと、何をするつもり?」

 

 

私は遂にこの時が来たとばかりに、拳に力を入れる。

 

何をするつもりかだって?

そんな事.....決まっているじゃないか。

 

 

アイツの、サモナーの心臓を潰しに行くのさ。

 

 

さあ、我が言霊を用いて、岸波白野()が命ずる。

召喚士よ、光よりも早く言峰の元に行き、言峰特製の麻婆豆腐50貫を30秒で食して、私の元に来なさい。

 

これは、命令だ。

 

 

かの召喚士は言った。

汝の言霊こそが、我が呪い。

 

抗えぬ、最上の呪い、と。

 

 

ああ、正に…その通りだ。

 

 

「何よそれ…と言うか、何であんたがそんなに怯えてんのよ?」

 

 

英霊たるもの、恐ろしいものは無い。

 

いいや、それは間違いだ。

 

 

英霊たるもの、食せぬものは無い。

 

いいや、それは間違いだ。

 

 

英霊たるもの、死を恐れない。

 

いいや、それはこれを見れば間違いだ。

 

 

 

 

それはまさに、地獄絵図。

世界の全てが紅く、赤い世界。

 

目の前の男は、これ以上ないほど喜びに満ち溢れ、周りの人間は、畏怖と尊敬の眼差しでこちらを見ている。

 

ああ、幾度となく死を味わったが………これは、無い。

こんな死は流石に味わいたくもない。

 

何でこんなに赤いの?

そして、何でこんなに熱いの?

 

我が主の呪いは、私を本気で殺そうとしている。

 

だが、愛おしい主が私に死をくれると言うのならば、私は死のう。

 

 

ああ、まるで…この世儚き桃源郷(アルカディア)

 

 

今行こうぞ、我が友よ...

 

 

 

 

 

 






新年あけしましておめでとうございます。
見て下さる読者の皆さま、本当にありがとうございます。
これからも、未熟者をどうぞよろしくお願いします。

ぽk
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