――――――――1人の男が居た。
男はとても明るく、人を惹きつける何かがあった。
男はとても友達思いだった。
そんな男は絶望を知った。
そんな男は悲しみを知った。
そんな男は――――――――憎しみを味わった。
―――――――――1人の男が居た。
そんな彼は――――――――最後は涙を流して笑って消えた。
彼を救えなかったのはあの世界の人間だ。
私は私の大切な友人1人に全てを任せたあの人間たちを全て飲み込んだ。
全てはお前らの所為だ。
お前等が僕の大切な友達を消したんだ。
だからこんな世界も飲み込んでやる。
それが・・・あいつの願いだから・・・
―――――――起き上がれ、立ち上がれ、前を見ろ。
君は此処で終わる人間ではない。
諦めを知らない君は、まだ目覚めることが出来るはずだ。
さぁ、顔を上げて前を見つめるんだ。
そうすれば、君は自分で進めるだろう?
そうだ・・・私は此処で寝ている場合ではない。
はやく目覚めなければ
はやく起きなければ
はやく立ち上がらなければ
私はまだ諦めを知らない
だったらまだ、前に進めるはずだ・・・!
目を開け、ゆっくりと深呼吸をした後、
むくりと起き上がると、知らない場所に私は居た。
ステンドグラスがこの空間を囲っており、教会の中にいるみたいだ。
「ようこそ。君が最後のマスター候補者か。目覚めて早速だが、試験を始めよう」
現実離れをした空間に似合わない声が何処からか聞こえて来る。
声からして男の様だ。
空間が空間だけに神父のイメージが沸く。
と言うかマスター候補者とは一体何なのか?
「ふむ。何も知らないマスター候補者も居たのだな。まあいい、敗者は死ぬ。其れだけは頭に入れておきたまえ」
その言葉を最後に、何処からともなく人形が現れた。
その人形は此方を捕らえると、勢いよく襲い掛かって来た・・・!!!
何の道具も持っていない自分は只必死に逃げるだけ。
意味がないと頭では理解している
でも心が、魂があがいて見せろと咆哮を上げる
だったら・・・最後まであがいて見せる!!!
人形は人形離れした攻撃を仕掛けて来る・・・
避けられないと分かっても身体は動く・・・
人形に切られた身体の彼方此方から血が流れ出る
痛みで倒れそうになるが人形は私を殺す気で来ているのだ
逃げなければ・・・簡単に死んでしまっては意味がない!
「おかしい・・・何故君はサーヴァントを召喚しない?君のサーヴァントは何処にいる?」
ははは・・・生憎そんなものは持ってはいないよ
「馬鹿な!?では何故君が選ばれた?!」
そんなものこっちが聞きたい
私は違和感が拭えなかっただけの話
どうして此処に居るのかなんて私だって聞きたいくらいだ
「・・・・・・そのままだと君は死んでしまうぞ?其れでもいいのか?」
そんなものは当たり前に良くは無い
もう身体は痛みを通り越して何も感じないし、身体はどんどん力が入らなくなってきている
間違いなく私はもうすぐ死ぬ
でも・・・死ぬ事が分かっていて何もしないのは嫌だから
だから私は死ぬまで足掻く!
それが私の・・・岸波白野の有り方だから・・・!!!
途端、人形の鋭い手が岸波白野に振り下ろされる
身体からはこれ以上ない血が噴き出し、遂に私は崩れ落ちる
もう指一本も動かせない
身体はまるで地面と一体化したように重い
「そうか・・・それが君の有り方なのだな。その在り方、確かに見させてもらった。君を最後のマスター候補者にして良かったと思っている」
瞼が重い・・・
ここで眠ってしまったらもう2度と目を覚ます事は無い
それは身体が語っている
あぁ・・・なんだか、寒いな・・・
「おやすみ、名もなきマスター候補者よ。君に安らかな眠りが訪れる事を祈ろう」
天幕が降ろされ、辺りは闇に落ちて行く
そうか...私は死ぬのか...
私は何も掴めてはいないけれど、足掻いたことは残った...
もう、それで・・・じゅう、ぶんだ
夢はもう見る事は無い
目覚めはもう来ない
私はここで死ぬ
それで・・・良い
もう眠たい...これでゆっくりねれる
こうして、―――――――――――少女は目覚めない夢へと旅立った
何故彼女がサーヴァントを呼ばなかったのか?
何故彼女が選ばれたのか?
それはきっと進めばわかる。
今は・・・
「君の諦めに拍手を送るよ、
―――――――――本来なら彼女は諦めない
いや諦める事をしない
彼女の有り方は道そのもの
「さぁ。行こうかマスター。君の聖杯戦争を始めに」
少女を抱えて捨てられた空間から抜け出し、本来の学び舎へと向かい海を駆ける
今ここに、新たなサーヴァントとマスターが誕生した
彼らの行く道に、一体何が待っているのだろうか?
サーヴァントステータスが更新されました
マスター:岸波白野
真明:???
クラス:不明
身長:不明/体重:不明/スリーサイズ:不明/血液型:不明/誕生日:不明/属性:不明
パラメータ:不明
保有スキル: 不明