Fate/Rage   作:ぽk

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此処に約束は結ばれた

私、岸波白野は訳もわからないまま聖杯戦争に巻き込まれ、一度は死んだ...のだが。

 

「マスターマスター、焼きそばパンとおにぎりどちらが良い?」

 

...目の前でどちらを買うか迷っている黒い服装のサーヴァント、に見えないサーヴァントによって蘇生させられ、あれよあれよとマスターなど意味のわからない役職についてしまったのである。

 

と言うかサモナー。

気になっていたんだけど、何でマスターって呼ぶの?

 

「何で...って。そりゃあマスターの名前知らないからね。

君の名前、僕に教えてくれるマスター?」

 

別に良いけど...

対した名前じゃないよ?

 

「良いんだよ。名前は君を明かす大切な証。さあマスター、君の名前を教えてよ」

 

分かった。

私の名前は岸辺白野(きしなみはくの)

漢字に書くと岸辺の岸に波に色の白。野は野原の野だよ。

 

「ご丁寧にどうもありがとうマスター(白野)。食堂でなんだけど、ここに約束は結ばれた。末永く宜しくね。」

 

満面の笑みで私の手を握るサモナー。

 

―――――――末永く?

何言ってんのこのサーヴァント?

 

「結婚」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?

目が点になったぞ。この鯖何言った?

 

「いや〜思った以上に君を気に入ってね。手放すのが惜しい程さ。だから僕は君と結婚する約束をした。」

 

ちょっと待て待て待て待て!?

いつそんな約束を立てた?!

 

「約束は今さっき立てた。君が僕に名前を教えてくれた事で、約束は成立した。」

 

何言わせてんだよ!条件反射で名乗ったじゃないか!

そんな約束取り消し!今すぐ取り消して!

 

「じゃあ君はここで死ぬ。僕の約束を取り消すって事はサーヴァントを失うも同然。サーヴァントを失えば...君は終わるよ?僕との約束・・・・・・取り消さないよね?」

 

サモナーはそれはそれは太陽のように眩しい笑顔を向ける。

あのね。お前が見た目も中身も真っ黒だって分かったよ。

私は何てサーヴァントに気に入られたんだ・・・・・・。

 

「大丈夫大丈夫。君が約束を取り消さなければ僕は側にいるよ、安心して白野。」

 

お前が側にいる事で私は安心なんか出来るか!

 

・・・サーヴァントってクーリングオフって出来たっけ?

 

「出来ると思ってる?」

 

少しくらい希望を持たせてくれても良いじゃないか!

なんでサーヴァントと結婚せねばあかんのだ!

断固反対だ!

 

「僕長期戦は得意だから心配ないよ。」

 

そう言う心配じゃ無えよ...。

 

「クックック・・・・・・、何やら面白い事になっているじゃないか。」

 

サモナーと揉めて居ると、後ろから聞き覚えのある声がした。

 

「食事中に失礼。私は月の聖杯戦争の監視役であるNPCの言峰(ことみね)。食堂で騒いでいるマスターとサーヴァントが要ると聞いて来たが・・・実に面白い展開だ。」

 

言峰と名乗った神父・・・・・・に見えない神父は何故か止めるでも無く傍観している。

 

それよりも...なんで口元が上がってんの?

あれか?人の不幸は蜜の味って奴か?

最悪な神父が居るんだな!?

 

「おいおい、勘違いはしないで欲しい。私はただのNPCだ。この姿の元になった人物が、そう言う思考の持ち主だったに過ぎない。」

 

嘘つけこら。

このマスターマジ愉悦って顔してんぞ下種神父。

ホント何しに来たんだよ?

 

「いやなに。君の一回戦の相手を知らせに来たのだよ。」

 

一回戦?

なにそれどういうことですかいサモナーさん?

知ってる事全部吐かなきゃ麻婆食わせるぞ?

 

「マスター落ち着いて。頼むから落ち着いて。僕だってそんな真っ赤な麻婆豆腐、飲み込みたくないよ。話すから落ち着いて。」

 

なら洗いざらい話しなさい。

そして其処のゲス神父、笑ってんじゃねぇよ!こちとら見せもんじゃないんだぞ!

割と大事な話なんだよ!

 

「マスター頼むから落ち着いて。あとそんなにあの神父が気に食わないのなら後で消しておくから話を聞こうか。」

 

これ以上私が神父にケチをつけるとうちのとんでもサーヴァントが何か呼び出しそうだったので大人しく話を聞くことにする。

ホントあの神父の顔うぜえ・・・。

 

「こほん。そう言えばマスターは此処が何処か知ってる?」

 

此処?月海原学園だろう?

それ以上のものでもあるというのか?

 

「まあ見た目は学校だけど、実際はここ月なんだよ」

 

はあ?!月ってあの月?!

月見にはもってこいのあの月か?!

 

「そうだよ。ここは月の聖杯(ムーンセル)が用意した舞台。君たち魔術師(ハッカー)は地上からムーンセルにアクセスし、サーヴァントを用いてアリーナと呼ばれる戦いの場で殺し合う。一対一で戦うなんて戦好きの英雄たちにとっちゃ誉れ高そうだ。」

 

それで・・・何で一回戦?

もしや永遠と殺し合わなきゃならんのか?

あれ?早くも詰んだ?

 

「違うよマスター。この聖杯戦争は七回まであって、要するに七人のマスターを七日かけて倒して次へ進む。其れを七回繰り返して最後の一人が正真正銘の勝者となる、って事さ。」

 

分かったけど・・・・・・・。

7にこだわり過ぎじゃない?

確かにラッキーセブンとか言われるけど、そこまで7に執着せんでもよかろうに・・・。

 

「地上の聖杯戦争が7人のマスターと7騎のサーヴァントだけって事からか・・・いやそれでも128人のマスターの殺し合いなんて誰が考えたのやら・・・。」

 

う、うわあ・・・修羅場だよね?其れって物凄く観たくない修羅場だよね?

 

「いや殺し合いだから修羅場の方がまだマシじゃないのかな?」

 

考えたくも無かった・・・。

私は本当にとんでもない戦争に紛れ込んだわけだ・・・。

 

「じゃあエセ神父さん。一回戦の相手は誰だい?」

 

「君の一回戦の相手、それは・・・・・・」

 

ごくりと喉が鳴る。

 

「————間桐シンジだ。」

 

・・・・・・・・・え?

 

 

 

その名前は十分聞き覚えのある人物をさしていた。

 

 

 

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